スポーツ選手の身体を支える仕事の種類(15選)

野球やサッカー、バレーボールやバスケットボール、ゴルフにテニス。

世の中にはたくさんのスポーツがあり、それぞれの分野で活躍しているスポーツ選手がいます。

私たちを楽しませてくれたり感動させてくれたりする彼らの存在は、なくてはならない存在といえるでしょう。

そしてそんなスポーツ選手たちの活躍の陰には、パフォーマンスを支えている人たちがいるのです。

ここでは、スポーツ選手の身体を支えるためにトレーナーや医療関係者として働いている人たちを紹介します。

スポーツ観戦が趣味の人やもともとスポーツ選手を目指していた人にとって、競技の舞台裏を支えるやりがいのある職業となるでしょう。





スポーツ選手のトレーニングを支える仕事

スポーツ選手の身体を支える仕事は、技術の向上を支援するものから精神的なサポートをするものまでさまざまです。

ここではそれぞれの競技のトレーニングやコンディショニングを支える仕事に就いている人たちを紹介します。

まずは、スポーツ選手のトレーニングを身体面からサポートする「スポーツトレーナー」です。

スポーツトレーナーというのは、トレーナーの総称です。

筋力トレーニングを中心に指導する「ストレングストレーナー」やケガからの復帰の際に手助けする「メディカルトレーナー」など、仕事内容によって名称を使い分けることもあります。

健康管理やケガの応急処置、コンディショニングなどを行い、活動を支えるのは「アスレティックトレーナー」です。

理想の体型を作るために運動・食事の指導をし、マンツーマンでサポートする「パーソナルトレーナー」が力を貸すこともあります。

さらに、選手を心理面から支える「メンタルトレーナー」が活躍することもあります。

いずれの仕事も、スポーツ選手が競技で実力を発揮できるよう、トレーニングやコンディショニングを支えるのが大事な役割です。

スポーツトレーナー

スポーツトレーナーとは、スポーツ選手が最高のコンディションで試合や大会に臨めるように、身体面を中心としたトレーニング指導やサポートを行う人のことです。

仕事内容は、大きく分けて3つあります。

(1)運動能力やパフォーマンス力を高めるためのトレーニング指導
(2)スポーツ障害や外傷の予防と応急措置、リハビリ
(3)試合や大会に向けたコンディショニング

サッカーや野球のような著名なスポーツだけではなく、あらゆるスポーツで需要があります。

選手の活躍を裏方の一人として支える専門職として人気が高まっている一方、トレーナーとして求められるレベルも上がっており、確かな知識と技術の習得が不可欠です。

スポーツトレーナーの仕事紹介ページ

アスレティックトレーナー

アスレティックトレーナーの仕事は、スポーツ選手がケガや故障をすることなくパフォーマンスできるよう、身体面から支えていくことです。

具体的な仕事内容は、健康管理やスポーツ障害・外傷の予防、応急処置、リハビリテーション、体力トレーニング、コンディショニングなど多岐にわたります。

この仕事に就くには、民間団体が認定するアスレティックトレーナー資格を取得するのが一般的です。

トップアスリートとの専属契約や、プロのスポーツチームでのフルタイム雇用で働く人もいます。

今後はさらに需要が高まることが期待されています。

アスレティックトレーナーの仕事紹介ページ

パーソナルトレーナー

パーソナルトレーナーは、ダイエットやボディメイクなどの目標を持つ人に対して、マンツーマンで運動や食事の指導をする職業です。

スポーツ選手は、競技によって求められる体型や必要な筋力が異なります。

たとえばフィギュアスケートの選手が「ジャンプを飛べるよう体重を軽くしたい」と考えるのに対して、自転車競技の選手は「瞬発力をつけるためにもっと下半身の筋力を鍛えたい」と考えることがあります。

それぞれの目標や要望をヒアリングしたうえで最適な筋トレや食事を計画し、ゴールに向かってサポートするのがパーソナルトレーナーの役目です。

独立して成功しているトップトレーナーのなかには、数千万円という高額な年収を得ている人もいるようです。

パーソナルトレーナーの仕事紹介ページ

メンタルトレーナー

メンタルトレーナーの仕事は、ストレスのケア、問題解決、目標達成などを目的として「精神力(メンタル面)」からサポートすることです。

心理学をベースにしたカウンセリングやコーチングを実践しながら、身体の動きやパフォーマンスをよりよいものへと導きます。

スポーツ選手の場合、「試合になると緊張してベストなパフォーマンスができない」とか「過去の失敗が頭をよぎって身体が固まってしまう」などの悩みを持つ人は少なくありません。

メンタルトレーナーはこうした悩みに寄り添い、選手が本来持っている能力を発揮できるよう精神的にサポートをするのが使命となります。
メンタルトレーナーの仕事紹介ページ

スポーツ選手のケガを治療・予防する仕事

華やかに見えるスポーツの世界ですが、選手にはいつだってケガや故障のリスクが付き物です。

選手同士が衝突して打撲や骨折をしてしまう。

競技中に転倒して捻挫や突き指をしてしまう。

トレーニング中に肉離れを起こしてしまう。

ときには脳震盪や心臓発作のような命に係わるものもあります。

こうしたときに、スポーツ選手の命や健康を守るために働くのが、医療関係者です。

スポーツドクターとして試合中のケガや病気に備える「医師」や、現場で応急手当をする「看護師」。

噛み合わせや口腔の保護が大事なスポーツでは、「歯科医師」が歯列矯正をしたり、「歯科技工士」がマウスガードを製作したりすることもあります。

スポーツ関係の医療関係者はいつもは病院や歯科医院に務めていますが、重要な試合や大会の際には選手に帯同することもあります。

プロのチームでは専属のスポーツドクターと契約していることも珍しくありません。

世界大会などの大きな試合では会場に医務室が作られ、医療関係者がすぐに治療できる体制が整えられています。

医療関係者がいるからこそ、スポーツ選手は安心して試合をすることができるのです。

医師

医師の仕事は、医学の専門知識をもって病気やケガの診療・治療を行ったり、基礎医学の研究を通して医学の発展に貢献することです。

臨床医の場合、大きな病院では小児科、心療内科などに細かく科が分かれています。

その一方で、町の診療所では一人でさまざまな症状を診ることが多くなります。

スポーツドクターの場合は、それぞれの競技特有のケガや故障とその治療法について誰よりも詳しくなることが大切です。

医師になるためには、医学部で6年間学び医師国家試験に合格することが必要です。

経験を積むと独立して開業医として働く人も多くなります。
医師の仕事紹介ページ

看護師

看護師の仕事は、医師が患者の診察や治療を行う際の補助や、病気やケガを抱える患者のケアです。

血圧や体温の測定、注射や点滴、治療の補助など業務内容は多岐にわたり、スポーツ選手のケアやサポートをすることもあります。

医師や薬剤師栄養士などがチームを組んで治療を行う「チーム医療」において、看護師は昔以上に重要な役割を担うようになっています。
看護師の仕事紹介ページ

歯科医師

歯科医師の仕事は、歯の治療を行うとともに、口の中や舌に関する病気全般をカバーすることです。

近年は歯の矯正やホワイトニングを行う「審美歯科」を専門にしている歯科医院もあります。

スポーツ選手の場合は、歯並びが姿勢やパワーに影響することもあり、歯科医師で専門の治療を受ける人もたくさんいます。

歯科医師になるには、6年間歯学部で学び、歯科医師国家試験に合格することが必要です。
歯科医師の仕事紹介ページ

歯科技工士

歯科技工士は、歯科医師の指示に従って、入れ歯や差し歯、歯の矯正装置、マウスピースなどを作成する仕事です。

ボクシングやアメフト、ラグビーなどの激しい接触があるスポーツの選手は、口や歯を守るためにスポーツ用のマウスガードを装着します。

このマウスガードを一人一人に合わせて作るのも、歯科技工士の仕事です。

人間の身体の一部になるものを製作するため、職人的な緻密さや正確さが必要とされます。

手先の器用さや忍耐力が求められる職業といえるでしょう。
歯科技工士の仕事紹介ページ

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スポーツ選手のリハビリや身体のケアを手伝う仕事

スポーツ選手がケガをしてしまったとき、あるいは病気をしてしまったとき、復帰するまでにはさまざまな困難があります。

こうしたときに、医師や看護師とは異なる立場から、リハビリや身体のケアを手伝う仕事ををしている人たちもいます。

たとえば、柔術を起源とする治療法を用いてケガの治療を専門に行うのは「柔道整復師」です。

同様にアメリカ発祥の手技療法を施術し、人間が持つ自然治癒力を高める「カイロプラクター」も、スポーツ選手のケアをすることがあります。

このほかにも、「整体師」や「あん摩マッサージ指圧師」は、スポーツ選手の筋肉のこりや身体の痛みを和らげる仕事をすることがあります。

どの仕事も投薬や手術を行うことなく、人間の治癒力を発揮させることで身体を整えようという点では同じです。

スポーツ選手が多く通っている施術院や整骨院もあり、個人の能力次第では高収入を得ることもできます。

柔道整復師

柔道整復師とは、柔術を起源とする治療法を用い、打撲、捻挫、骨折、脱臼などの治療を専門に行う仕事です。

ほねつぎ、接骨師、整骨師とも呼ばれます。

人間の持つ自然治癒力を発揮させるという東洋医学の考え方に基づき、投薬や手術は行わず、湿布や包帯、テーピングのみで施術をします。

柔道整復師には開業権が認められているため、多くの柔道整復師は独立開業を目指します。

柔道整復師の資格を持つ人の数は年々増加し、また理学療法士と重複する分野もあるため、供給過剰の状態が懸念されています。

柔道整復師の仕事紹介ページ

カイロプラクター

カイロプラクターは、1895年にアメリカで発祥した「カイロプラクティック」という、代替医療の手技療法を施術する人のことをいいます。

医師のように医学的な治療をするのではなく、自然治癒力を高めることを目的にした施術を行い、日本では厚生労働省医政局によって「医業類似行為」に分類されています。

法的な資格制度はありませんが、特定の講座を受けて民間資格を取得し、カイロプラクティック専門のサロンや施術院、整骨院などで働く人が大半を占めています。

人の健康に関わる仕事であるだけに、しっかりとした養成施設で学び、確かな実力を磨いていくことが重要です。

カイロプラクターの仕事紹介ページ

整体師

整体師とは、肩こりや腰痛などを筋肉の矯正・緩和をさせる技術を用い、症状の回復を促す仕事です。

整体師の施術は、東洋医学を基礎としている手法療法で、自分の手を使って直接施術をします。

施術中は常に力を使うため、体力が要求される仕事です。

整体師になるには、整体師専門養成学校などに通ったのちに、整体院に就職するのが一般的です。

整体師の仕事紹介ページ

あん摩マッサージ指圧師

あん摩マッサージ指圧師は、身体をなでたり押したり揉んだりすることによって、血行の流れをよくし、こりや痛みを和らげる仕事です。

東洋医学に基づく施術であり、基本的には器具は用いず、自然治癒力や免疫力を高めることを目的として治療を行います。

「整体師」や「マッサージ師」とは異なり、「あん摩マッサージ指圧師」は国家資格です。

あん摩マッサージ指圧師の養成課程がある学校で3年以上(盲学校の場合は3年から6年)学び、国家試験に合格することが必要です。

あん摩マッサージ指圧師の仕事紹介ページ

スポーツ選手のパフォーマンスを引き出す仕事

今まで紹介した仕事以外にも、スポーツ選手のベストなパフォーマンスを引き出すために奮闘する仕事があります。

たとえば、選手ひとりひとりに最適な食事の量や献立を考えている「管理栄養士」です。

チームによっては選手のための寮があり、管理栄養士の考えた献立をもとに、「調理師」が三食しっかり食事を作ってくれることがあります。

この他に、大学や民間企業でスポーツの分野を研究している「研究者」もいます。

どれも、スポーツ選手のパフォーマンスを支えている大事な仕事です。

管理栄養士

管理栄養士は「栄養士」の上位にあたる資格で、食や栄養に関する専門的な知識をもち、栄養指導や食事のアドバイスをするプロフェッショナルです。

栄養士は調理の現場で働くことも多いですが、管理栄養士の場合は、栄養を「管理する」ということに重点をおき、より高度な栄養管理業務に携わる機会が増えます。

一定規模以上の施設においては管理栄養士を置くことが義務づけられており、病院や保育園、高齢者施設など、学校など、さまざまな勤務先があります。

プロのスポーツチームでは、専属の管理栄養士と契約して選手の食事に関する相談に乗ってもらうことも多くあります。

「体重を減らしたい」とか「筋肉をつけたい」という希望に沿って献立を考えることで、選手の夢を叶えるお手伝いをしています。

管理栄養士の仕事紹介ページ

調理師

調理師は、レストランや料亭、ホテルなどで料理を作る仕事です。

学校の給食や病院の入院食のように、各施設の利用者に対して決められた献立通りに調理を行う場合もあります。

スポーツチームや私立の高校の場合、選手のための寮があり、そこで調理師が三食の食事を作ることは珍しくありません。

調理師免許を取得するためには、調理師学校で1年以上学ぶか、飲食店などで2年以上実務経験を積んだのちに調理師試験に合格することが必要です。

調理師の仕事紹介ページ

研究者

研究者とは、科学技術分野において、人類や社会の新たな発見のための研究活動を続ける人のことを意味します。

研究の分野やテーマは、病気を治す医療技術、食品加工技術、あるいは災害を予知するシステムなど、多種多様です。

最近ではスポーツ科学の研究も盛んで、専門の学部や学科を設けている大学も増えてきています。

研究者の活躍の場は、大学や国立研究所などの研究機関や、民間企業が中心です。

各分野で研究者たちがそれぞれの研究活動を続け、新たな知見を発表し、世の中の発展や人々の豊かな暮らしに貢献しています。

研究者の仕事紹介ページ

この記事のまとめ

私たちにたくさんの興奮と感動を届けてくれる、スポーツ選手。

その選手たちの身体をサポートするために、医療や食事などさまざまな分野のスペシャリストが活躍しています。

あくまでも裏方なので自分が試合に出るわけではありませんし、華やかで目立つ仕事というわけでもありません。

しかし、自分がサポートした選手がベストなパフォーマンスをしている姿を見ると、まるで自分のことのように喜びを感じることができます。

スポーツを愛する人間にとって、選手の身体を支える仕事は、大きなやりがいのある仕事となるでしょう。

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