「医療機器販売会社」の仕事とは

医療機器販売会社の仕事内容

さまざまな医療機器を販売・説明・フォローする

医療機器販売会社の仕事は、注射器やガーゼ、包帯などの消耗品から、CT・MRIなどの検査機器、人工透析装置といった大掛かりな機器まで、医療の現場に必要なありとあらゆる製品を販売することです。

医師や看護師は、医療についてのプロフェッショナルですが、医療機器の種類は非常に多いため、そのすべてに精通しているわけではありません。

そのため、それぞれの医療機器に詳しい販売会社社員が、その特徴や使用方法などを医療従事者に正しく伝える必要がありますし、機器導入後の点検や修理といったアフターフォローも業務の範疇です。

また、MRIなどは1台で1億円を超えることもある高額機器のため、その購入にあたっては、画像診断を担当する医師だけでなく、院長や事務局長など、複数の相手に許可を得なければなりません。

取り扱う医療機器に応じて、さまざまな相手とのコミュニケーションが必要になる点が、医療機器販売会社の仕事の特徴といえるでしょう。

医療機器販売会社の就職先・活躍の場

就職先によって取り扱い品目に特徴がある

医療機器販売会社は、幅広い取り扱い品目を揃える規模の大きな企業から、一部の商品のみに特化した中小企業までさまざまです。

販路に関しても、大企業が病院やクリニックを相手として、治療器具や検査機器などを販売する一方、中小企業は、個人客を対象にコンタクトレンズなどの日用品を販売するところが多い印象です。

また、医療機器は分野によっては外国製品のほうが優れているケースもあるため、海外製品の販売が主となっている企業もあるなど、各社によって取り扱い製品には異なる特徴があります。

医療機器販売会社1日

外回りが1日の大半を占める

医療機器販売会社社員のスケジュールは、担当する業務にもよりますが、外出する機会が非常に多いようです。

医療機関などの納入先や、医療機器メーカーなど、取引先の訪問にほとんどの時間を費やす日が多く、病院などの担当先へ直行したり、また訪問先から直帰することも珍しくありません。

9:00 出社
担当先からのメールチェック、部内打ち合わせなどを行います。

10:00 クリニック訪問
担当しているクリニックを訪れ、消耗品の補充、機器のチェック作業などを行います。

12:00 休憩

13:00 医師面談
医師の休診時間帯に合わせ、すばやく面談をすませます。

16:00 内勤
帰社し、報告書の作成や、商品の発注業務などを行います。

18:00 帰社

医療機器販売会社になるには

多くは医療機器を販売する営業職になる

医療機器販売会社に就職するためには、各社が実施する採用試験を受ける必要があります。

医療機器販売会社の職種は、経理や総務といった他の一般企業と同じ役職で働く人も一定数いますが、採用される人数は、担当する納入先をまわる「営業職」がその大多数を占めます。

営業職の場合、企業にもよりますが、多くは自動車を用いて担当先をまわることになるため、学生のうちに運転免許は取得しておいたほうがよいでしょう。

また、企業によっては海外との取引が発生する場合も珍しくないため、英語力のあるほうが医療機器販売会社社員になりやすいかもしれません。

医療機器販売会社の学校・学費

企業によって求められる学歴は異なる

医療機器販売会社の就職にあたって必要な学歴は企業によって異なり、「大卒以上」を条件としているところもあれば、「専門卒以上」あるいは「高卒以上」、なかには学歴不問の企業もあります。

医学部や薬学部、または医療関連の専門学校などで、医療機器や医用工学について学んだ経験があれば歓迎されますが、必須としているところはほとんどありません。

医療関連の知識も大切ですが、多くの企業が重要視しているのは、医師や看護師といった専門職の顧客と話ができるコミュニケーション能力であるようです。

医療機器販売会社の資格・試験の難易度

医療機器販売者専門の資格が必要になることも

取り扱う医療機器がある程度高度な機器類である場合、医療機器販売会社は、その営業所ごとに「医療機器の販売及び貸与管理者(営業所管理者)」という資格の保有者を置かなければなりません。

資格取得に際しては、取り扱う医療機器に応じて1年~3年の実務経験を経た後、厚生労働省が認可した機関での講習を受講する必要があります。

なお、医師や薬剤師の資格を有していたり、大学で指定の理系専門課程を修了している場合は、講習の受講が免除されます。

医療機器販売者として働く者全員に営業所管理者の資格が必須となるわけではありませんが、企業によっては資格取得が奨励される場合もあるようです。

医療機器販売業者等の営業所管理者の資格要件に係る講習会

医療機器販売会社の給料・年収

収入は個人の実績に連動しやすい

医療機器販売会社社員の年収は、400万円~500万円前後がボリュームゾーンとなっており、平均的サラリーマンとほぼ同じ水準といえます。

ただ、企業の多くは、勤続年数に応じて上昇していく基本給に加え、ノルマの達成率などに応じて給料をプラスするインセンティブ(成果報酬)形式を取り入れています。

実際の収入は個人の営業成績によって差が生じやすく、実力主義の傾向が強いといえます。

勤め先にもよりますが、数年に亘って毎月のノルマを達成し続ければ、30代半ばで年収1000万円を超えることも可能であるようです。

医療機器販売会社のやりがい、楽しさ

販売した商品が病気で苦しむ人々の役に立つ

医療機器販売会社の取り扱う医療機器は、CTなどの大型機械でも、また注射針1本という小さなものであっても、患者の治療のために必要不可欠なものです。

自身の販売した商品が、実際に医療の現場で使用され、治療に役立っている様子を間近に見られることは、医療機器販売会社で働く社員にとっての大きなやりがいにつながっています。

間接的であるにせよ、命を救う手助けをしているということは、医療機器販売会社社員全体の大きな誇りであるといえます。

医療機器販売会社のつらいこと、大変なこと

限定された分野の商品を扱い続ける

医療機器は非常に多品種であり、それぞれにノウハウが異なるため、心電計なら心電計、ペースメーカーならペースメーカーというように、手掛ける販売品目を限定した中小企業が多い印象です。

大多数の社員は、入社時点ではそれらに関する知識がほとんどないため、ゼロから学んでいかなくてはなりません。

同じ分野の商品をずっと取り扱い続けなくてはなりませんので、人によっては、それらの商品についての関心を長期間維持できず、意欲をなくして辞めてしまうこともあるようです。

医療機器販売会社に向いている人・適性

誠実で、誰とでも仲良くなれる人

医療機器販売会社社員は、医師や看護師、薬剤師、臨床検査技師といった専門職の人間や、医療機器メーカーの担当者など、立場も年齢も違う数多くの人とコミュニケーションを取らねばなりません。

医師の中には気難しい人もいますし、非常に多忙でまったく時間を取ってもらえないこともあります。

難しい状況の中でも、人間関係を築き、高額の医療機器を購入してもらえるだけの信用を得るには、何よりもまず誠実であり、かつ人付き合いが得意でなければなりません。

誰とでもすぐに打ち解けられる人は、医療機器販売会社に向いているといえるでしょう。

医療機器販売会社志望動機・目指すきっかけ

医療関連業務経験者の志望も多い

医療機器販売会社に就職するのは、人を助ける医療に携わりたいという人が多いですが、その中でも、機械や技術に興味のある人が多いようです。

また、製薬会社に勤めるMR(医薬情報担当者)が、医療機器販売会社へ転職するケースも近年多くなりつつあります。

MRは医療機器販売会社とは違って、主として医薬品を取り扱うため、自社商品が患者に投薬されるのを目にすることはまれです。

このため、仕事の実感を得やすい職業として、医療機器を取り扱う販売会社への転職を望む人もいるようです。

医療機器販売会社の雇用形態・働き方

一人前になった後の働き方は自由

医療機器販売会社での働き方は、キャリアの時期に応じてある程度変化していくことが一般的です。

医療機器の取り扱いは高度な専門知識が問われるため、新卒での入社後3年~5年間は、下積み時代として設定されることが多く、高いノルマがない代わりに給料は低めとなるようです。

おおむね入社から5年ほどが経過すると、一人前として認められ、基本給が上昇すると共に相応のノルマが課されます。

入社した企業で勤め続ける人も大勢いますが、実力主義の傾向が強いため、ある程度のスキルを備えた後は、より高い給与を望める企業へと転職していく人も珍しくありません。

医療機器販売会社の勤務時間・休日・生活

基本的に土日が休みだが、顧客の都合が優先

医療機器販売会社の勤務時間は企業によって異なりますが、おおむね一般企業と同様、9:00~18:00前後となっています。

休日については、土日が休みとなることが一般的ですが、個人を対象としている場合や、土日も診察を実施しているクリニックを担当している場合などは、相手に合わせて出勤することもあります。

また、機器類の不具合やメンテナンスなどが必要な場合は、クリニックの休診日となる日曜日などに現場で作業をしないといけないケースもあるようです。

医療機器販売会社の求人・就職状況・需要

医療機器販売会社の求人数は多い

高齢化などの影響から医療を必要とする人の数は増加傾向にあり、医療機器の需要も高まっているため、それらを取り扱う販売会社は積極的な求人を行っています。

医療機器販売会社は数多くありますが、その大多数は決して知名度が高いとはいえないため、自社の事業内容を知ってもらうべく、学生向けにインターンシップを実施している企業もあります。

医療機器は非常に種類が豊富なうえに、それぞれまったく異なる特徴があるため、実際に社員から説明を受けることは理解を深める手段として非常に有用といえるでしょう。

医療機器販売会社の転職状況・未経験採用

未経験者に対しても門戸は広く開かれている

医療機器販売会社各社は中途採用も随時実施しており、同業他社から移ってくる人のほか、医療業界に属する他の業種から転職してくる人も少なからずいます。

また、医療関係の知識がまったくない未経験者でも、学ぶ意欲さえあれば採用するという企業も見受けられますし、文系の学部卒であっても特に問題はないようです。

ただ、実務においては高度な専門知識が必要とされ、それらを習得するには相応の期間がかかりますので、多くの企業は採用に年齢制限を設けています。

未経験から医療機器業界に入るなら、遅くとも20代のうちに転職しておくことが望ましいでしょう。

医療機器販売会社の現状と将来性・今後の見通し

医療機器業界は数少ない成長産業

今後、日本においてはますます人口の高齢化が進展していくため、医療業界全体はより拡大していくことが見込まれており、それにつれて各種医療機器のニーズも高まってくる見通しです。

家電やオーディオ、フィルムなどのメーカーに代表されるように、他業種から医療機器業界へ参入してくる企業も増えつつあり、医療機器販売会社の取り扱う品目数はさらに増加していくでしょう。

これから医療機器販売会社への就職を目指す人にとっては、より選択肢は拡がっていくと思われます。