通信会社の仕事とは? わかりやすく仕事内容を紹介

通信会社社員の仕事とは

私たちが固定電話を使って会話をしたり、パソコンやスマホでインターネットを視聴する際には「通信」が発生します。

通信を行うには、電話回線、電波の基地局、通信端末など、さまざまな設備が必要になります。

通信サービスを世の中に提供しているのが通信会社であり、そこに勤めるのが通信会社社員です。

全国に固定回線を配備しているNTT、携帯電話サービスを提供するNTTドコモ・KDDI・ソフトバンク、さらにインターネットプロバイダや格安SIM会社など、さまざまな通信会社が存在します。

通信会社では営業職、技術職、お客さまからの通信トラブルに対応するカスタマーサポートなど、それぞれの職種が力を合わせて通信サービスを造り上げています。

なお、固定・移動電話会社やケーブルテレビなどの「通信業界」と、プロバイダやネットサービス企業の「インターネット業界」を併せて、「情報通信業界」と呼ぶこともあります。

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通信会社の種類・分類

種類は大きく5タイプ

通信会社は、大きく以下5タイプに分けられます。

<通信会社の種類>
・固定通信会社:電話回線、光回線などの固定通信網を持つ会社。
携帯電話会社:4GやLTEといったモバイル通信の通信網をもち、移動型の通信サービスを提供している会社。
・MVNO:モバイル・バーチャル・ネットワーク・オペレーターの略。自社で通信網を持たず、他の事業者に借りてモバイルサービス提供する会社。格安スマホ会社や格安SIM会社などが代表的。
・ISP:インターネットプロバイダの略。インターネットへの接続を提供する事業者を指す。
・その他:通信コンテンツの開発会社、無線呼出し事業社、ケーブル回線会社など

1980年代頃までは、通信会社といえばNTTが代表的でした。

その後、携帯電話やインターネットが発展するにつれ、携帯電話会社・MVNO・ISPなど、続々と新しいタイプの通信会社が誕生してきました。

一種指定業者と二種指定業者

通信会社には、「一種指定業者」、「二種指定業者」と呼ばれる区分があります。

・一種指定業者:固定回線契約数のシェアが50%を超える電気通信事業者
・二種指定業者:移動通信市場(携帯電話市場)において、端末シェアが10%を超える電気通信事業者

一種指定業者は、NTT東日本・NTT西日本が代表的であり、二種指定業者は、NTTドコモ・KDDI・ソフトバンクなどが代表的です。

通信会社社員の業務内容の種類・分類

営業

法人営業やソリューション営業では、お客さま企業が抱えるビジネスの課題をヒアリングし、自社の通信網や通信サービスを用いて解決するための提案を行います。

携帯電話会社の営業であれば、担当エリアの携帯ショップをまわり、店舗の売上向上の支援や管理などを行うこともあります。

技術職

技術職にはさまざまなタイプがあり、仕事内容や求められるスキルも変わります。

<通信会社の技術職の種類>
・研究開発次世代の通信技術、新型の通信端末(スマホやルーターなど)の基礎研究や開発を行う。
・システム通信システムや通信アプリケーションなど、IT面の設計・構築・運用保守を行うITエンジニア職。
・インフラ管理:各地に張り巡らされている電話線や基地局の技術的な管理・保守を行う。
サービスエンジニア営業と同行して、技術的な面から提案活動を行う。

ユーザーサポート

問い合わせ窓口や相談窓口として、電話でお客さまのトラブル対応やクレーム対応を行います。

コールセンター、カスタマーサポート、ヘルプデスクなど、さまざまなタイプあります。

コールセンターなどは、お客さまと直接接点を持つポジションです。

自社商品・サービスの特徴や魅力を正しく伝え、満足度向上につなげていく需要な役目をにないます。

商品・サービス企画・マーケティング

今後、自社で新たに展開する通信サービスや製品の原案を企画します。

世の中のニーズをとらえ、最先端の技術を駆使しながら、ビジネスとして新たな価値を生み出せるものを考案します。

アイデアだけでなくマーケティングのスキルも問われます。

管理部門

通信会社には、総務・人事・経理・財務・法務広報情報システムなどの管理部門が設置されています。

それぞれの部門では、社員の働きやすさを実現したり、企業経営を裏方として支える仕事をすることになります。

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通信会社の役割

通信というのは、電力やガスなどと同様に、人々が快適な日常生活を送ったり、円滑にビジネスを進めたりするうえで不可欠なインフラです。

より快適で高水準な通信環境や通信サービスを世の中に提供し、通信という面からより便利な社会を目指すことが、通信会社の役割でありミッションです。

また、通信において「安全性」や「信頼性」も重要視される時代です。

たとえば、今後は通信を使った遠隔医療の普及がはじまりますが、通信にラグやトラブルがあると医療事故を起こす危険性もあります。

現代は、さまざまな重要データがネットワーク上で管理される時代です。

通信のセキュリティ面に脆弱性があり傍受や盗用などが行われると、社会問題になる恐れもあります。

通信に課せられる責任は日に日に大きくなっており、通信会社はそれを自覚した上でサービスを提供しなければなりません。

通信会社に特有の職種

ネットワーク監視スタッフ

通信網に異常があると社会的な問題ともなりかねませんので、24時間365日体制で障害やトラブルを監視する必要があります。

通信会社は、全国に張り巡らされた自社の通信網を監視するネットワークオペレーションセンターをもっています。

ネットワークオペレーションセンターでは、監視スタッフが交代制で通信網の異常をつねに監視しています。

電話線や基地局の技術スタッフ

通信網は時間とともに劣化していくので、古くなった電話線のメンテンナンスや、基地局の機械の整備も行わなければなりません。

そのような保守作業を担当する技術スタッフもこの業界ならではの職種です。

毎日のように全国各地で電線や基地局のメンテナンスが行われており、保守やメンテナンスを主事業とする会社も存在します。

通信会社の有名な企業

有名企業

通信会社の有名企業としては、次のような会社が挙げられます。

・固定通信会社:NTT東日本、NTT西日本、NTTグループ
・携帯電話会社:NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、沖縄セルラー
・MVNO:UQコミュニケーションズ、ワイモバイル、マイネオ、LINEモバイル
・ISP:NTTドコモ(ドコモ光)、ソフトバンク(ソフトバンク光)、SONY(NURO光)、エキサイト(エキサイト光)、GMOインターネット(GMOトクトクBB)

固定通信市場は、全国に膨大な通信網をもつNTT(日本電信電話株式会社)がなかば独占しています。

携帯電話市場は、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの3社でシェアを奪い合う状況が長らく続いています。

MVNOやISPは、参入障壁が低めのため、近年は新規参入する通信会社がたえません。

グループ内で事業を細分化

通信事業を営むには大きな組織体制が必要となります。

そのため、複数の会社が企業グループを形成し、協力してビジネスを営んでいるケースが目立ちます。

たとえば大手NTTグループでは、通信事業別にさまざまな会社があります。

携帯電話のNTTドコモ、インターネットやプロバイダのNTTコミュニケーションズ、コールセンターや電話線の保守業務に特化した「NTTフィールドテクノ」のような会社まで、目的に合わせてさまざまなグループ会社が存在します。

母体となるNTTに入社するとそれらを統括する立場の仕事となることが多く、グループ会社や子会社に出向となるケースもあります。

MVNO やISP は通信網を持たない

MVNO(モバイル・バーチャル・ネットワーク・オペレーター)は自社で基地局などの通信網を持っていません。

NTTドコモやKDDIといった大手キャリアから通信網を借りて、格安スマホやモバイルサービスを提供しています。

ISP(インターネットプロバイダ)においても、自社でインターネットの回線網を持っているわけではありません。

NTTから電話線や光回線を借りて、インターネットプロバイダ事業を営んでいます。

そのため、立場的に通信網を持っている他企業に依存するかたちとなり、自分たちで行える事業というのも限られてきます。

また参入障壁が低いため、規模の小さいベンチャー系の会社もMVNOやISPにはあります。