不動産鑑定士の独立・開業

元手や経費がほとんどかからない

不動産鑑定士として独立・開業することの一番の魅力は、元手や経費がほとんどかからないということでしょう。

特別な機材や設備は必要とせずに、一般的なパソコンとオフィスソフトで事が足りてしまいます。

補助員、事務員の人件費や、事務所の賃借料などですが、補助員や事務員は初期のころから必要とは限りませんし、事務所の賃借料なども自宅の一室を使うなどすれば抑えることができます。

経費についても同様で、どうしても必要でカットできないようなものは、各都道府県の鑑定士協会に納める会費や交通費、通信料といったくらいです。

資格を取るまでや登録をするまでに相当お金がかかる資格ですが、いざ独立・開業となるとさほど元手や経費がかからないのが、不動産鑑定士の魅力と言えるでしょう。

都会は飽和状態、地方は場所による

不動産鑑定士の業者数は年々増えています。これは、会社員と違って定年がないことや、フィールドワークがあるとは言っても、それほどの体力を必要としないことから歳を取ってもこなせることなどが挙げられます。

これに加えて、2000年代の不動産市場の好況期や不動産証券化といった新しいビジネスモデルの際に業者数が増えたのですが、これは都会(特に首都圏)で多い傾向でした。

そのため、都会においては飽和状態と言えるのです。

地方については、需給の関係から参入しやすい場所もあるようです。たとえば、もともとその地元でがんばっておられた不動産鑑定士が、高齢等の理由で事務所を畳んだりした場合に「空き」が出た場合などです。

ただし、ある程度の規模の地方都市に限られますので、人口の少ない地域での独立・開業は、仕事の需要自体が少ないために難しいことが多いと言えます。

お役所仕事に入り込むのは難しいが・・・

不動産鑑定士の仕事は不況に強いと言われていましたが、現在では若干その情勢が違ってきているようです。

というのは、不況に最も強いお役所仕事(都道府県からの公的評価や裁判所の競売評価など)というのは、実績が第一で新規参入が難しいのです。

特に、先ほども書いた通りベテラン勢が引退せずに続けられることが、その状況に拍車をかけています。

ただし、これは表面上のことであって、内情まで新規参入が阻まれているかというと、そうではないようにも見受けられます。

というのは、鑑定評価基準や鑑定評価を取り巻く環境は、2000年代以降めまぐるしく変化しています。

そのような状況にあっても、なかなか昔からのやり方のくせが抜けずに、発注者の方で不満を抱えつつも、他にいないという消極的な理由で特定の業者に継続して発注しているところもあるかも知れません。

また、不動産鑑定士が誕生してから50年以上が経過し、これから少しずつでも新陳代謝が始まってくると思います。

つまり、簡単ではないにしても何かのきっかけがあるかも知れないのです。

そのようなタイミングで上手にお役所仕事に入り込めれば、独立・開業する際の不安要素である「不況」に強い仕事を安定してもらえることができるかも知れないのです。