不動産鑑定士と土地家屋調査士の違い

不動産鑑定士と土地家屋調査士の仕事内容の違い

不動産鑑定士と土地家屋調査士は、いずれも土地や建物といった不動産についての国家資格であり、お互いの仕事内容にはある程度の相関があります。

土地家屋調査士は、土地の面積や形状を測って「測量図」を作成したり、新しくつくられた建物の構造や床面積などを調べて、法務局に「表題登記」を登録することがおもな仕事です。

そして、不動産鑑定士は、その測量図や登記情報などを参考にしながら、不動産の使用状況や周辺環境などを調査し、その不動産の適正価格を割り出す「鑑定評価」を行うことがおもな仕事です。

不動産鑑定士と土地家屋調査士は、その業務の目的こそ明確に異なっているものの、「不動産を調査する」という作業自体はある程度共通しており、似通った職業であるといえるかもしれません。

土地家屋調査士の仕事

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不動産鑑定士と土地家屋調査士のなる方法・資格の違い

不動産鑑定士・土地家屋調査士ともに、なるにはまず、国家試験を受けることが必要です。

不動産鑑定士は、毎年5月に択一式の一次試験が実施され、その合格者だけが8月に行われる論文式の二次試験に進むことができ、双方を突破すると最終合格となります。

一方、土地家屋調査士の試験は毎年10月に作図と択一式の筆記試験、翌1月に口述試験が行われ、同じく双方に受かると最終合格となります。

さらに、試験合格後は双方とも資格を登録することが必要ですが、不動産鑑定士については、登録するために数年間の実務研修を積み、その後行われる修了考査に合格しなければなりません。

これに対し、土地家屋調査士は25,000円の費用を支払うだけで登録することができ、不動産鑑定士のように研修を受けたりする必要はありません。

不動産鑑定士と土地家屋調査士の資格の難易度の違い

不動産鑑定士試験は、司法試験、公認会計士試験と肩を並べる難易度とされており、合格率は2%~5%というきわめて低い水準で推移しています。

試験では、行政法規、鑑定理論といった不動産鑑定士としての基礎知識に加えて、民法などの法律や、会計、経済分野まで幅広い知識が問われます。

合格するために必要な勉強時間は2000時間ほどが目安とされており、1日3時間毎日勉強し続けても丸2年かかる計算です。

一方、土地家屋調査士試験は、測量方法、図面作成方法、不動産登記手続きなど、業務を行うために必要な実務知識を問う問題が出題内容の大半を占めます。

合格までに必要な勉強時間は約1000時間といわれており、不動産鑑定士のちょうど半分ほどです。

合格率も7~8%程度であり、非常に狭き門であることには変わりないものの、不動産鑑定士試験よりはやさしいといえるでしょう。

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不動産鑑定士と土地家屋調査士の学校・学費の違い

不動産鑑定士・土地家屋調査士とも、学歴などの受験要件はなく、誰でも試験を受けることができるため、どこか特定の学校に通うことは必須ではありません。

しかし、双方とも非常に合格率の低い難関試験であるため、資格学校やスクールに通って、専門の対策講座を受講する人が大半です。

とくに不動産鑑定士については、仕事や家事などをせず、勉強だけに一日のすべてを費やす「専業」で合格を目指すケースも少なくありません。

ただ、家庭の都合や経済的な事情などで、どうしても働き続けなければならないという人については、通信教育を利用して、仕事との「兼業」で学習を進めるという選択肢もあります。

兼業の場合、専業より長い時間がかかってしまうことは否めませんが、計画的にコツコツと勉強に取り組めば、合格することは決して不可能ではないでしょう。

不動産鑑定士と土地家屋調査士の給料・待遇の違い

不動産鑑定士の年収は600万円~700万円程度が相場とされており、難関資格に見合った高い給与水準となっています。

不動産業界や金融業界など、さまざまな企業から求人があるうえ、不動産鑑定士が求められるのはいずれも大企業ばかりですから、待遇面は安定しやすいといえるでしょう。

近年は投資を取り扱う外資系企業で働く人も増えており、年収1000万円以上を稼いでいるケースも珍しくありません。

一方、土地家屋調査士は、不動産鑑定士と比較するとそこまで業務に汎用性があるわけではなく、土地家屋調査士事務所で働いたり、独立して自分の事務所を経営することが一般的です。

年収は400万円~600万円前後の人が多く、不動産鑑定士ほど高給が望めるわけではないようです。

ただし、不動産鑑定士は高給であるぶん、土地家屋調査士より激務となるケースが多いことには留意する必要があるでしょう。

不動産鑑定士と土地家屋調査士はどっちがおすすめ?

不動産鑑定士と土地家屋調査士は、どちらも不動産業界に属する職業であるものの、カバーしている業務範囲にはかなりの差があります。

不動産鑑定士は鑑定評価業務はもちろん、信託業務や企業会計業務、コンサルティング業務など、幅広い仕事を手掛けられる一方、土地家屋調査士の仕事は登記関係と測量関係の分野に限定されます。

したがって、不動産に限らず、さまざまなことに興味があり、新しい仕事にどんどんチャレンジしていきたいという人は、不動産鑑定士のほうが合っているといえます。

反対に、多くのことに手を出すよりも、ひとつの業務を突き詰めていくほうが好きな人は、土地家屋調査士のほうが向いているでしょう。

また、資格取得の難易度に着目すれば、仕事を辞めて数年間試験勉強だけに専念できる環境をつくれるなら不動産鑑定士が、仕事と勉強を両立させたいなら土地家屋調査士が、それぞれおすすめです。