「不動産デベロッパー」の仕事とは

不動産デベロッパーの仕事内容

規模の大きな開発事業を行う

不動産デベロッパーのdevelopとは「開発」という意味で、不動産業の中でも主に不動産開発を専門に手掛ける業種です。

具体的な仕事内容としては、街の再開発事業や大規模住宅地の造成、リゾート開発、マンション開発などがありますが、どれも事業規模が非常に大きいことが特徴といえます。

規模もさることながら、その業務内容も幅広く、土地の仕入れから開発プランの策定、周辺住民への説明、施工、販売まで、一連の業務すべてに携わります。

ただ、建築だけは、不動産デベロッパー単体ではできませんので、実際の工事は建設業者に発注し、不動産デベロッパーは主にその施工管理を担当します。

その際の工事は、建物の建設だけでなく、電気、水道、ガスや道路整備といったインフラ工事まで行えるゼネコン(総合建設会社)が請け負うケースが一般的です。

不動産デベロッパーの就職先・活躍の場

就職先の大半は大手上場企業

不動産デベロッパーは、その手掛ける事業規模の大きさから、多くは誰もが名前を知るような上場企業です。

就職先としても学生から非常に高い人気がありますので、採用されるためには学生時代からの努力が欠かせないでしょう。

また企業によって、商業施設の誘致が得意だったり、都心部の開発に強みを持っていたり、マンション分譲におけるブランド力があったりと、特色が分かれています。

就職先を選定する際には、それぞれの企業が得意とする事業内容をよく把握しておきましょう。

不動産デベロッパー1日

時期によってはかなり忙しい

不動産デベロッパーのスケジュールは、プロジェクトの進行状況に合わせてさまざまに変わっていきます。

時期によっては相当な業務量に追われることもあるようです。

9:00 出社
メールチェック、案件ごとの打ち合わせなどを行います。

10:00 現場確認
工事現場を訪れ、進捗状況などをチェックします。

12:00 休憩

13:00 説明会
近隣の会場を借り、周辺住民に対して騒音対策などの説明を行います。

15:00 デスクワーク
役所で許認可を得るための書類などを作成します。

18:00 部内会議
建物完成後の広告宣伝方法について、部内で協議します。

20:00 帰社

不動産デベロッパーになるには

担当する業務は部署によってさまざま

不動産デベロッパーになるためには、不動産開発事業を手掛ける企業に就職する必要があります。

ただ、ひとくちに開発事業といっても、業務は多岐にわたりますので、用地取得部門、企画部門など、部署によって手掛ける業務は細分化されていることが一般的です。

開発事業の中の何をやりたいのか、志望を明確にしておくとよいかもしれません。

また、マンションを専門に手掛ける「マンションデベロッパー」など、企業によっては特定の開発事業しか行っていないケースもありますので、事業内容はあらかじめ確認しておきましょう。

不動産デベロッパーの学校・学費

高学歴でないと採用は厳しい

総合デベロッパーと呼ばれる大手不動産会社は、多くの就活生が就職を希望する人気企業であるため、採用されるには厳しい競争を勝ち抜かなければなりません。

就職試験を受けるための学歴としては大卒以上であることが最低条件となりますが、実際には、国立大学や有名私立大学出身でないと就職は難しいかもしれません。

学部についての有利不利はあまりありませんが、経済学部や商学部など、ビジネスに関連した知識を学んだ経験のある人が多い印象です。

不動産デベロッパーの資格・試験の難易度

業務に関係する資格は複数ある

不動産デベロッパーに必須となる資格はありませんが、非常に志望者数が多いことを考えても、何らかの資格を取得してアピールすることが必要になるかもしれません。

最も一般的なものは「宅地建物取引士」で、不動産業全般に役立つ資格で汎用性があるうえ、難易度もそこまで高くはありませんので、学生のうちからでも勉強しておく価値は十分にあります。

また近年では、グローバル化の影響が不動産デベロッパー各社にも色濃く出ており、語学力が問われる機会が増えています。

実務では日常会話に留まらず、専門用語を駆使しないといけないケースもあるため、英語検定や中国語検定を取得しておけば非常に有効です。

不動産デベロッパーの給料・年収

忙しさに見合った高給が期待できる

不動産デベロッパーの多くは大手上場企業であるため、給料は一般的なサラリーマンよりもかなり高く、平均年収は1000万円を超えています。

基本的には勤続年数に従って順当に昇給していき、20代の若手で年収400万円~700万円、多くは30代で1000万円を超え、管理職になると1200万円~1500万円前後になるようです。

企業によっては歩合給を取り入れているところもあり、求められる能力とこなさなければならない業務量は相当なものがありますが、それに見合った高い収入を得られるでしょう。

不動産デベロッパーのやりがい、楽しさ

自分の手掛けた街ができる

不動産デベロッパーの仕事の魅力はなんといっても事業規模の大きさです。

宅地開発の場合、何もない草原のような土地を取得するところから始めて、一から造成し、区分けし、電気や水道、ガスなどを整備して、何十、何百という数の住宅を建設していきます。

そうして出来上がった街は、この先何十年、あるいはもっと長い期間にわたって残り続けますから、プロジェクトに携わったことで得られるやりがいは、非常に大きなものとなるでしょう。

不動産デベロッパーのつらいこと、大変なこと

解決すべき課題が関係者の数だけある

不動産デベロッパーが手掛けようとする土地の多くは、所有者が複数に分かれており、誰もが大規模開発に賛成するとは限りませんし、土地を手放したくない人も珍しくありません。

そもそも所有者が誰かわからなくなっている土地もあり、対応に苦慮することはよくあります。

不動産デベロッパーは、それらの問題と向き合い、辛抱強く解決していかねばなりませんが、そういた課題が噴出するのは、土地取得時だけに限りません。

工事の際には周辺住民などが関係してきますし、プロジェクトを完遂するまでには、非常にたくさんの人からの理解を得なくてはなりません。

関係者数の多さが、仕事の大変さに直結しているといえます。

不動産デベロッパーに向いている人・適性

コミュニケーション能力が高い人

不動産デベロッパーは、さまざまな開発段階において、社内外を問わず多くの人と接します。

企画段階では設計者と共に建築プランを作成し、施工段階では現場の工事業者を監督します。

立場も年齢も異なるそれらの人と共に作業を円滑に進めていくには、マネジメント能力が重要になるでしょう。

また実際の現場では、やむを得ない事情で設計が変更になったり、工事が遅延したりと、不測の事態が起こることもしばしばです。

交渉能力が高く、機転の利く人は、不動産デベロッパーの適性があるといえます。

不動産デベロッパー志望動機・目指すきっかけ

志望動機はできるだけ具体的に

不動産デベロッパーは「まちづくり」というキーワードに代表されるように、大きな仕事を手掛けられる、憧れの職種であり、志望する人は多数います。

だからこそ、不動産デベロッパーへの就職を目指すなら、志望動機を憧れや夢といった曖昧なレベルに留めるのではなく、より明確化しておくことが必要です。

人々の暮らしに密着した開発を行いたい、アジア各国での事業展開に強い関心があるなど、それぞれの企業が行っている事業の特色から、目指すべき理由を考えてみるのもよいかもしれません。

不動産デベロッパーの雇用形態・働き方

キャリアに応じてステップアップしていく

不動産デベロッパーの働き方としては、覚えるべき業務量が多いために、若手のうちは研修などを受講して知識を身に付けることが優先されます。

その後、各部署で担当者としてキャリアを積み、やがてグループリーダーなどの管理職へとキャリアアップしていくコースが一般的です。

ただ、体力的・精神的に激務となることもあり得るため、もう少し余裕を持った働き方を希望する場合など、他の不動産会社などへ転職していく人も一定数いるようです。

不動産デベロッパーの勤務時間・休日・生活

体力勝負となることもある

不動産デベロッパーは、担当するプロジェクトの進捗段階にもよりますが、一般的に一人ひとりの抱える業務内容が多く、残業時間が長くなる傾向が強いようです。

施工計画を見直す必要性があるときなど、場合によっては平日の間で業務が終わらないケースもあり、休みがあまり取れなくなる時期もあります。

効率よく複数の業務を並行してこなすには、高い実務処理能力と手際の良さが必要になりますが、ときには体力勝負となることもあるかもしれません。

不動産デベロッパーの求人・就職状況・需要

時期によって需要は上下する

現状は都心部などを中心に再開発が進んでおり、業界全体が拡大していることから需要も増加傾向にあります。

ただ、オリンピックなどの大型イベントの直後などは需要が一気に落ち込む傾向にあり、不動産デベロッパーは景気の波や社会情勢に左右されやすい一面があるといえます。

また、国内の住宅需要が頭打ちであることもあって、各企業はアジア圏などへと海外展開していく動きを活発化させており、今後はグローバルに活躍できる人材の求人が増加してくるでしょう。

不動産デベロッパーの転職状況・未経験採用

求人はあるが、ハードルは高い

不動産業界の離職率は一般的に高いことで知られており、不動産デベロッパーについても例外ではありません。

このため各企業は他業界を含めて転職者の採用には積極的ですが、採用されるためには、高い学歴や、あるいは難関資格を取得しているなど、公的に自身の能力を証明できるものが必要です。

未経験者については、不動産業界で営業経験があったり、建設業界で開発事業に携わっていたなど、関連する実務経験がないと厳しいため、まずは他の職種でキャリアを積んだほうがよいでしょう。

不動産デベロッパーの現状と将来性・今後の見通し

事業内容は変化していく兆し

人口減少によって住宅需要が減り、一方で住宅ストックが過剰になっていく近い将来、不動産デベロッパーが手掛けるような大量の新築住宅案件は、徐々に少なくなっていくでしょう。

ただ、時代に合わせて街を再開発したり、商業施設を入れ替えたりといった、大掛かりな開発は不動産デベロッパーにしかできない事業であることも事実です。

今後、国内案件に代わって海外事業の比率が増加してくるなど、業務内容や活躍の場は徐々に変化していくものと想定されます。