不動産鑑定士のつらいこと・大変なこと・苦労

不動産鑑定士のつらいこと・大変なこと

実務研修期間は経済的に困窮しやすい

不動産鑑定士試験は、司法試験、公認会計士試験と並ぶ3大難関試験といわれており、合格するために仕事を辞めて勉強だけに専念する人がほとんどです。

しかし、苦労して試験に合格してもすぐに働き始められるわけではなく、数年間の実務研修を経たのち、修了考査を受けなくてはなりません。

研修生としての期間は、実務に携わることができない以上、どうしても薄給になりやすく、おまけに研修教材の購入や研修受講費用の負担などもあります。

試験に合格するまでに、それまでにあった貯蓄を食いつぶしてしまっているケースも珍しくないため、実務研修中は経済的に厳しくなる可能性もあります。

フィールドワークの現場が過酷なこともある

不動産鑑定士が手掛ける案件はさまざまであり、都市部のビルや店舗、住居ばかりでなく、山林や原野の調査を依頼されることもあります。

ときには人里離れた山奥に入り込み、藪を掻き分けながら道なき道を進んで調査しなければならないなど、体力的・精神的にきつくなる場面もあるでしょう。

道が険しかったり、野生動物に遭遇する危険があったりと、命の危険にさらされることもあるかもしれません。

不動産鑑定士には、不動産や会計に関する知識だけではなく、強靭な体力も必要といえるでしょう。

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不動産鑑定士の悩み

不動産鑑定士に評価を依頼してくる人のなかには、自分のなかに「希望金額」を抱いている人も少なくありません。

保有物件を高く売りたい人や、金融機関から少しでも多く融資を受けたい人は評価額が高いほうが望ましいといえますし、相続税や固定資産税を支払わないといけない人は、評価額が低いほうが好都合です。

依頼する側にどんな事情があるとしても、定められた鑑定方法で不動産を適正に評価することが不動産鑑定士の仕事ですから、評価額に手心を加えることはできません。

相談を受ける際や作業中に依頼者からプレッシャーを受けたり、いくら説明を尽くしても評価額に納得してもらえなかったりすることは、不動産鑑定士の誰もが抱く共通の悩みであるようです。

毅然とした態度で接した結果、その後の取引がなくなってしまったというケースも珍しくありません。

不動産鑑定士を辞める理由で多いものは?

不動産鑑定士が辞める理由は、職場によって大きく2パターンに分けられます。

不動産鑑定事務所に勤めるケースとしては、鑑定額を算出するための手法がなかばルーティン化されていることが多いため、単純作業を苦にして辞める人が目立ちます。

同じことを日々淡々と繰り返すことは、業務負担としては軽い反面、やりがいや仕事の意義を見出しにくいというマイナスの側面もあるでしょう。

また、不動産鑑定士のなかには、外資系金融機関で働く人もよく見受けられますが、そうした企業は、高収入が期待できる一方、長時間労働が当たり前の激務であることが一般的です。

体力や精神を酷使しすぎた結果、体をこわしたり心を病んだりして退職を余儀なくされるケースも珍しくありません。