「ビルメンテナンス」とは

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商業施設やオフィスビルなどが安全・快適に利用できるよう、管理・メンテナンスを担当する。

ビルメンテナンスは、大型商業施設やオフィスビル、病院などのビルが快適に利用できるように、裏方として管理・メンテナンスする仕事です。

電気設備・空調設備・ボイラー設備などの管理、不具合のある設備の保守・点検、また必要に応じて修理や専門業者の手配を行います。

工業系の高校や大学などを出てから就職する道もありますが、この業界は人手不足が続いており、未経験かつ中途で入社する人の割合が大きいとされます。

都市部では毎年のように新しい大型の建物が建てられており、まだまだ需要の大きな仕事ですが、給与水準はあまり高くないため、収入アップのためには業務に関連するさまざまな資格の取得やスキルアップが望まれます。

「ビルメンテナンス」の仕事紹介

ビルメンテナンスの仕事内容

ビルを快適に利用するための維持管理を行う

ビルメンテナンスは、大型商業施設やオフィスビル、病院といった、規模の大きな建物における設備の管理・メンテナンスを行う職業で、訪れる人が快適に利用できる環境を維持することが役割です。

ある程度大規模なビルでは、「ビル管理法」という法律によって点検項目や検査方法が定まっているため、ビルメンテナンス業者が施設の所有者に代わって、専門作業を行うことが必要になります。

具体的な仕事内容としては、電気設備・空調設備・ボイラー設備などの日常管理や保守点検、不具合のある設備の修繕などが挙げられ、必要に応じて専門業者の手配も行います。

また、大手ビルメンテナンス会社などでは、警備や清掃まで自社で手掛けるケースもあります。

普段は裏方としての役目を果たし、決して目立つ仕事ではありませんが、トラブルなくビルを快適に利用するため、ビルメンテナンスは必要不可欠な存在です。

ビルメンテナンスの就職先・活躍の場

就職先はおおきく2種に分けられる

ビルメンテナンス会社は、大企業の子会社やグループに属する「系列系」と、親会社を持たない「独立系」の2種類に大別することができます。

系列系の企業は、細かく分類するとゼネコン系や電機メーカー系、鉄道会社系などがありますが、いずれも相応の規模を有しており、個々の社員の役割が分担されているケースが目立ちます。

一方、独立系の企業は、従業員数万人を抱える上場企業から地場の中小企業までさまざまですが、とくに事業規模の小さな会社では、一人でさまざまな業務をこなすことが珍しくありません。

一長一短がありますので、就職先の選定にあたっては、自身の希望に沿った働き方ができる環境を探してみることが大切です。

ビルメンテナンスの1日

定まったルーティンワークをこなす

ビルメンテナンスには日勤のほかに早朝勤務や夜勤、当直など、複数の勤務体系がありますが、一例として日勤シフトの1日をご紹介します。

問題が発生しない限り、基本的にどのシフトであっても一連のスケジュールはある程度共通しています。

8:30 出勤
担当施設に直行し、当直者からの引継ぎを受けます。

9:00 巡回
施設内を一通り見回り、異常がないかチェックします。

12:00 休憩

13:00 業者立会
エレベータの保守点検や、害虫駆除、騒音測定作業などに立ち会います。

15:00 修繕作業
トイレの詰まりを直します。

18:00 帰宅
夜勤者に業務を引継ぎ、問題がなければそのまま帰宅します。

ビルメンテナンスになるには

内定を得ることはそこまで難しくない

ビルメンテナンスになるには、ビルメンテナンス会社の採用試験を受ける必要があります。

大規模施設の建設ラッシュが続いていることもあり、業界全体で慢性的に人手不足となっているため、就職口を見つけることはそれほど困難ではないでしょう。

これまでは、ほとんどの企業で中途入社の社員が多数を占めていましたが、最近では系列系のビルメンテナンス会社を中心に、新卒採用に力を入れるケースが増えています。

そうした企業では、中長期的な人材育成を図るために教育体制を整えているところが多く、比較的働きやすいようです。

ビルメンテナンスの学校・学費

専門知識を学べる学校もあるが、必須ではない

ビルメンテナンスになるために必要な学歴はとくに定まっておらず、さまざまな学歴の人が働いています。

ただ、大手グループ系列のビルメンテナンス会社では、新卒採用試験時に四年制大学卒業以上の学歴が求められるケースもあります。

また、進路が明確に定まっているなら、工業系の高校や高等専門学校、工業系大学、あるいは職業訓練校などで、ビルメンテナンスに必要な設備管理について学ぶこともできます。

しかし、専門的な勉強をせずに業界に入る人も多数おり、就職時点で知識を備えていることは必須ではありません。

ビルメンテナンスの資格・試験の難易度

複数の資格取得が必要

ビルメンテナンスは、点検作業などを行うために保有しておかなければならない専門資格が多数あります。

ビルメン4点セットと呼ばれる「第二種電機工事士」「危険物取扱責任者乙種4類」「二級ボイラー技士」「第三種冷凍機械責任者」が代表的で、試験難易度も高くないため、多くの人が取得します。

他にも取得が奨励される資格は複数あり、それらを取得するには相応の努力が必要になりますが、保有資格によって給与面などの待遇改善も期待できるため、勉強に励む人は少なくありません。

ビルメンテナンスの給料・年収

統計上の平均年収はかなり低い

ビルメンテナンスの平均年収は300万円程度となっており、あまり良い給与水準とはいえません。

ただ、比較的規模の小さい企業が多いことに加え、業界全体で人の出入りが激しく、勤続年数の短い社員が多いことも、平均年収を押し下げている要因として挙げられます。

きちんとキャリアを積み、資格取得などによって着実にスキルアップしていけば、平均を大きく上回る収入が得られるでしょう。

なお、独立系のビルメンテナンス会社よりも、系列系の企業のほうが、給与面などの待遇は手厚いようです。

ビルメンテナンスのやりがい、楽しさ

専門的な知識やスキルが身に付く

ビルメンテナンスは、働きながら徐々に専門知識を身につけていき、段階的に手掛けられる業務の幅を増やしていくという特徴があります。

そうした過程では、自分が着実にレベルアップしているという実感を得やすく、できる仕事が増えるたびにモチベーションも上がるでしょう。

また、業務で得た知識を生かして専門資格を取得できれば、よい業務範囲が拡がるのはもちろん、資格手当という形で給与アップにもつながります。

スキルアップすることで、人から頼られるシーンも増え、仕事に対するやりがいを感じられるようになるでしょう。

ビルメンテナンスのつらいこと、大変なこと

テナントから雑用を依頼されることも

ビルメンテナンスの依頼者は施設を所有するオーナーですが、そこに入居するテナントはオーナーにとってのお客さまであるため、テナントからの要望にもできる限り応えなくてはなりません。

電球交換やドアの修理だけでなく、ときに植木の水やりや占有部の清掃など、管理外のことを要求されるケースもあります。

設備の異常発生時など、自身に非がなくてもクレームを受けることがありますが、立場上強く出ることもできず、ストレスの強い職場となるケースもあるようです。

ビルメンテナンスに向いている人・適性

コツコツと努力できる真面目な人

ビルメンテナンスは、電気関係や空調機器、環境衛生など、さまざまな専門知識が必要とされる職業です。

業務上取得が奨励される関連資格は複数あり、自身のキャリアアップのためにも勉強を続けていかなくてはなりません。

学生時代とは異なり、働きながらまとまった勉強時間を確保することは容易ではありませんので、休憩時間や移動時間などにも、コツコツと資格取得のための勉強に励む必要があります。

勉強が苦手でなく、地道な努力を継続できる真面目な性格の人が、ビルメンテナンスに向いているでしょう。

ビルメンテナンス志望動機・目指すきっかけ

専門技術を身につけたい人が多い

ビルメンテナンスを志望するのは、機械や設備などに興味があり、専門的な知識や技術を身につけたいという人が多く、高校や専門学校でそれらを学んでいた人も珍しくありません。

また、汎用性の高いさまざまな資格を取得するためには非常に役立つ職業といえますので、手に職をつけたい人がビルメンテナンスを目指すケースもあります。

取得した資格は、在職中はもちろん、転職の際にも非常に有効な武器となり、より望ましい環境で働くことに役立つでしょう。

ビルメンテナンスの雇用形態・働き方

交代で宿直勤務をこなすことが多い

ビルメンテナンスの働き方には、大きく分けると「常駐」と「巡回」の2つの勤務形態があり、常駐は特定の施設の管理に集中しますが、巡回は複数の施設をまわります。

常駐の場合、交代で宿直勤務が入る職場も多く、そうしたところでは基本給に加えて宿直・夜勤手当などが支給されることが一般的です。

体力的にはきついこともありますが、基本給が少ないうえ残業することがほとんどないビルメンテナンスにとっては、宿直勤務で得られる経済的メリットは決して小さくありません。

ビルメンテナンスの勤務時間・休日・生活

さまざまな勤務体系があり、休日は不規則

ビルメンテナンスの勤務体系は、担当する施設や企業によって異なりますが、常駐の場合は24時間拘束となる宿直業務をこなし、宿直明けの日と翌日は休日となるケースが一般的です。

また、他の業界の企業と同じように日勤するケースや、日勤に早朝勤務と夜勤を加えた3交代制で働く場合もあります。

なお、多くの施設は、世間一般が休みとなるお盆やお正月なども稼働しており、スタッフの配置が必要であるため、連休の時期であってもまとまって休みが取れることは少ないようです。

ビルメンテナンスの求人・就職状況・需要

求人は多いので、就職先選びは慎重に

近年はビルメンテナンスの需要が一貫して増加傾向にある一方、少子化によって働き手が減少していることなどから、業界全体で人手不足が続いています。

求人情報は多数見つけることができますが、勤務地や勤務時間、勤務体系、給与などの待遇、資格取得のための教育体制など、企業によって雇用条件や労働環境にはかなりばらつきがあります。

長く働くためにも、採用情報をよく比較検討し、慎重に就職先を選ぶ必要があるといえるでしょう。

ビルメンテナンスの転職状況・未経験採用

新卒採用より中途採用のほうが多い

ビルメンテナンス業界は、企業によっては新卒よりも中途で入社した人のほうが多いケースも目立ちます。

前職の経歴はさまざまで、ゼネコンや不動産などの関連業界で働いていた人もいれば、まったく関係のない業界から転職してくる人もおり、業務未経験者は珍しくありません。

就職のハードルは決して高くはありませんが、給与面などより有利な条件で働けるように、電気工事士やボイラー技士などの関連資格を取得してから転職することが望ましいでしょう。

ビルメンテナンスの現状と将来性・今後の見通し

ビルメンテナンス需要は今後も増加していく

都市部では、大きな商業施設をはじめ、高層マンションやオフィスビルなど、毎年のように新しい大型の建築物が建てられています。

それらの大規模ビルは法令によって保守点検が義務付けられていることから、ビルメンテナンスの需要は今後も増加し続ける見通しです。

職に就くこと自体は難しくありませんが、業務を続けていくには継続的に資格取得に励まなければなりませんので、ビルメンテナンスは就職前よりもむしろ就職後に努力が必要になるといえるでしょう。