「建築板金工」とは

建築板金工_画像_2

金属板を加工して、木造住宅や店舗の屋根、外壁を専門的に施工する職人。

建築板金工とは、金属板を加工して屋根や外壁などの工事を施工する建築職種の事を言います。

特に多いのが住宅ですが、工場などの大きな建物を施工することもあり、いずれも高い所での作業となります。

屋根や外壁は建物内に雨が侵入するのを防ぐためのものであり、そのまま仕上げにもなりますので、板金工の役割は建築工事の中でも重要な位置を占めます。

板金工になるには特別な資格や学歴等は不要ですが、高い所での作業が多いので、高所恐怖症の方には難しいお仕事です。

建築板金工の関連資格として建築板金技能士があり、高所作業車や玉掛け(板金などの材料を高い所に挙げるために必要な作業)の免許等があれば優遇されることが多いです。

建築板金工の平均年収は400万円前後で、サラリーマンの平均年収程度と言えます。

これは、特別な資格や学歴等は不要な一方で、危険度の高い仕事であることによります。

「建築板金工」の仕事紹介

建築板金工の仕事内容

建物の屋根や外壁に防水工事を行う

建築板金工とは、金属板を加工して、屋根材、葺き付け、雨ドイなどの屋根工事や、外壁、ダクト、水回り工事などを施工する仕事です。

戸建て住宅やマンション、ビル、工場など、さまざまな建物に対して施工を行いますが、とくに木造建築物は、木でできた構造体へ雨水が侵入するのを防ぐため、建築板金の必要性が非常に高まります。

屋根に対しては、金属板の前にアスファルトルーフィングという防水紙を施工し、外壁に対しては、透湿性の防水シートを貼ってから、胴縁という材木でシートの押えと外壁下地を兼ねたものを施工します。

また、金属製の外壁だけでなく、セメントを主原料としたものを使用するときもあり、「板金」という名称ではあるものの、窓以外の雨仕舞全般を手掛ける職業といえるでしょう。

熟練してくると、実作業だけでなく、施工図の作成や、数量・価格の積算といったデスクワークまで行うケースもあります。

建築板金工の就職先・活躍の場

工場と現場の双方で作業する

建築板金工は、建築板金を専門に手掛ける建設会社に就職することが一般的ですが、その多くは従業員数人程度と、事業規模が小さくないことが特徴として挙げられます。

働く場所としては大きく2つに分けることができ、金属板などを加工する際は自社の工場で、実際の取り付けは現場で、それぞれの作業を行うことになります。

現場では、用意した板金が寸法とうまく合わないこともよくあるため、その場で微調整するなど、臨機応変な対応が求められるようです。

建築板金工の1日

小休止を挟みつつ作業する

建築板金工は、工場に出勤する日と、直接現場に向かう日がありますが、一例として工場作業をする場合の1日をご紹介します。

金属加工は高度な技術が要求されるとともに危険性も伴うため、適宜休憩を取りながら慎重に作業を進めます。

8:00 出勤
作業着に着替え、道具や材料などを準備します。

9:00 作業開始
朝礼を実施した後、専用の機材を使って金属加工を行います。

12:00 休憩

13:00 作業再開
自分の担当分が終われば、他の職人の作業を手伝います。

14:45 休憩
事故などを防ぐため、15分ほどの小休憩を取ります。

16:30 片付け
工具の整理整頓や、清掃などを行います。

17:00 退勤

建築板金工になるには

専門の建設会社に就職する

建築板金工になるには、建築板金を手掛ける建設会社に就職する必要があります。

就職に際して必須となる資格はとくにありませんが、業務の特性上、高所作業関係の資格や、玉掛け(材料を高い所に引き上げるために必要な作業)の免許があれば優遇されやすいようです。

就職すると、まずは見習いとして、親方や兄弟子の補佐をしながら、必要な技術を現場で徐々に教わっていきます。

技術に加えて、取引先やほかの職人など、さまざまな人脈を培うことで、将来的には独立することも可能です。

建築板金工の学校・学費

専門学校などに進学する道もある

建築板金工に学歴が問われることはほとんどなく、これまでは中学校または高校の卒業後すぐに、板金工見習いとして働き始めるケースが一般的でした。

しかし近年では、板金工養成のための高等技術専門学校や職業訓練校などで、基礎的な技術を一通り身につけてから就職する人も増えつつあります。

それらの専門学校では、技術を習得できるだけでなく、就職先を斡旋してもらえるというメリットもありますので、進学することも有力な選択肢の一つといえるでしょう。

建築板金工の資格・試験の難易度

国家資格取得を目指す人が多い

建築板金工には、「建築板金技能士」という国家資格が存在しています。

この資格がないと仕事ができないわけではありませんが、資格を取得すれば自身のスキルを客観的に証明することができ、また転職などにも非常に役立ちますので、受験する人は多いようです。

技能検定試験は「内外装板金作業」と「ダクト板金作業」の2種類に分けられ、それぞれに難易度の異なる1級・2級などの区分があります。

なお、同資格は「名称独占資格」であり、建築板金技能士を名乗るためには資格取得が必須です。

建築板金工の給料・年収

建築業界のなかでは高給

建築板金工の給料は日給制がほとんどで、見習いは日給7,000円~8,000円、その後は経験と能力に応じて徐々に昇給していき、最大で15,000円前後にまで上昇します。

年収に換算した場合の平均は400万円前後といわれており、建築業界の現場仕事のなかでは比較的高めの水準となっています。

ただし、高所作業を伴う危険な仕事であることや、暑さ寒さの中でも作業を行わなければならない過酷さを考えると、特別に割のいい仕事とはいえないかもしれません。

建築板金工のやりがい、楽しさ

技を極めるというやりがい

建築板金工は、金属板を専用の機械で切断したり曲げたりしながら、雨が構造体に侵入しないよう、また強風で飛んだりしないように、かつ見た目にも気を遣って、美しく施工しなければなりません。

さまざまな形状の屋根や外壁に対して作業する機会がありますが、複数の角度が入り組むような複雑な形状になると、金属板の作成には高度な職人技が要求されます。

技術の習得には終わりがなく、職人としてずっと成長し続けられる点が、建築板金工のやりがいといえるでしょう。

建築板金工のつらいこと、大変なこと

強靭な体力が求められる

建築板金工の現場作業は、屋根や外壁を取り付ける関係上、ほとんどが屋外で、かつ高所です。

重い資材を抱えて何度も昇り降りせねばならず、また傾斜がきつい足場などで長時間踏ん張りながら作業を続けるケースも非常に多いため、腕力も脚力も酷使することになります。

また、高所には日よけも風避けもありませんので、真夏の直射日光や冬の寒風に晒される過酷な環境のなかで働かなくてはなりません。

慣れるまではとくに、体力的な厳しさを感じることが多いでしょう。

建築板金工に向いている人・適性

高いところが平気な人

建築板金工に最も重要な資質は、高所作業が得意であるということです。

もちろん、それぞれの現場には、労働安全衛生法などの各種法令に基づき、規定の足場や安全ベルトなどの事故を防ぐ措置が取られています。

しかし、高い場所に危険が伴いやすいことに変わりはなく、とくに強風の際など、恐怖を感じる状況は少なからずあります。

高所が平気でなければ、体力・筋力に加えて精神力もどんどん消耗することになりますので、どんな設備や装置があったとしても、長時間の作業には耐えられないでしょう。

建築板金工志望動機・目指すきっかけ

会社の特色を踏まえた内容にすべき

建築板金工の志望動機はさまざまですが、学校でものづくりをした経験が楽しかったり、高所での作業が得意だったりする人が目指しやすいようです。

ただ、建築板金の会社は小規模のところが多く、経営者のカラーが色濃く反映されているところが目立ちますので、職場によって合う・合わないが分かれやすい傾向にあります。

就職活動時には、できる限り企業に足を運んで実際の雰囲気を感じ取り、自分に合った職場を選ぶことが重要です。

採用面接で志望動機を述べる際にも、魅力に感じたポイントを具体的に挙げるとよいでしょう。

建築板金工の雇用形態・働き方

天候に影響を受けやすい

建築板金工の仕事は、自然に左右されやすいといえます。

たとえば台風が接近しているときなどは、多少無理をしてでも工期を前倒しして作業を完了させる必要に迫られ、夜間作業や休日出勤をするケースもあります。

また、台風による強風を受けて屋根や外壁がはがれたり、地震が発生して外壁がいたんだりすると、一気に受注が増えて、非常に多忙になります。

一方で、梅雨などの時期には、雨が続いて現場作業が滞り、時間を持て余すうえに給料も目減りするという事態も起こりやすいようです。

建築板金工の勤務時間・休日・生活

日中のみの仕事であることが大半

建築板金の現場取り付け作業は、安全性を考慮して基本的に日中にしか作業を行うことができませんし、また工場での加工作業も、それなりに騒音がするため夜間作業は厳禁です。

このため、内装工事業者などとは異なって、建築板金工は日勤のみの仕事となり、おおむね8:00~17:00くらいの勤務時間であるケースが一般的です。

休日についても、周辺住民などへ配慮して日曜日に作業することはあまりなく、土曜日も第2・第4土曜日を休みとする企業が多いようです。

建築板金工の求人・就職状況・需要

求人情報はよくチェックしたほうがよい

近年は建築業界が活況を呈しており、建築板金工の求人数も相応にあります。

ただ、工事の需要は景気に左右される影響がかなり強いため、中長期的な見通しはやや不透明といえます。

なお、建築板金を手掛ける建設会社は、ゼネコンなど大手企業の下請けが大半で、なかには待遇や福利厚生が十分でない企業も散見されます。

求人情報をそのまま鵜のみにするのではなく、関係者や近所の評判なども加味して、できる限り慎重に就職先を選ぶ必要があるでしょう。

建築板金工の転職状況・未経験採用

若者が好まれる傾向が強い

建築板金工事を行う企業の多くは、経験者はもちろん、未経験者も歓迎しています。

学歴も職歴も問わないケースが大半ですので、熱意さえあれば転職することはさほど難しくないでしょう。

年齢を問わずに活躍できる仕事ではありますが、新たな技術に対する適応力や、必要とされる体力を考えると、できるだけ若いうちに業界に入るのが望ましいのは間違いありません。

企業によっては、実際の求人情報よりもかなり低い年齢をボーダーラインとしているケースもあるようです。

建築板金工の現状と将来性・今後の見通し

変わってゆく需要をうまく取り込めるか

少子高齢化による人口減少や、都市部のマンションが人気を博している影響から、建築板金工の主戦場である木造戸建て住宅の着工件数は徐々に減少傾向にあります。

しかしその一方で、既存住宅のリフォーム需要が高まっており、建築板金工は手掛ける事業フィールドを多少変えながらも、引き続き活躍し続けるでしょう。

ただ、建物の絶対数が減少していく業界環境にあっては、営業力のない企業から淘汰されていくと思われますので、就職先はよく吟味したほうがよいかもしれません。