「マンション管理会社社員」の仕事とは

マンション管理会社社員の仕事内容

マンション住民が快適に暮らせる環境をつくる

分譲マンションなど、ある程度規模の大きなマンションは、その管理をマンション管理会社に委託しています。

委託された管理会社の社員は、担当するマンションがより住みやすくなるよう、管理組合をはじめとした住民やマンション管理人などと協力して、環境改善やトラブル解決などの業務に当たります。

具体的な業務は、設備の修理や保守点検の立ち合い、管理費・修繕積立金の回収や会計処理、理事会・総会の運営補助、建物の大規模修繕や建替の計画策定など、バラエティに富んでいます。

ときには住民同士のトラブルの仲裁に入るなど、マンション住民が快適に暮らすために必要なことなら何でも対応します。

なお、マンションに常駐して主に清掃などを行うマンション管理人も、マンション管理会社から派遣されることが一般的です。

マンション管理会社社員の就職先・活躍の場

大別すると2種類の管理会社に分けられる

マンション管理会社は大小含めると約5000もの企業があるといわれていますが、大きく分けると「デベロッパー系管理会社」と「独立系管理会社」の2種類の会社があります。

デベロッパー系管理会社は、グループ内の企業が建設したマンションを管理します。

設計や施工について内部で情報を共有できるため、設備の修繕など、さまざまな業務に自社で対応できます。

独立系管理会社は系列の管理会社を持たない企業などから依頼を受け、マンションの管理を行いますが、設備点検や工事などは、外注するケースが一般的です。

どちらが優れているというわけでもありませんが、就職先を選ぶ際には、それぞれの特徴を理解しておきましょう。

マンション管理会社社員1日

担当マンションと会社を往復する

マンションは広い意味でいえば「消耗品」であり、性能を維持していくためには日々のきめ細かいチェックが欠かせません。

このため、マンション管理会社社員は、現場に足繁く通うことが重要になります。

9:00 出社
メールチェック、担当物件ごとの打ち合わせなどを行います。

10:00 現地訪問
マンションを訪れ、管理人と情報を共有します。

12:00 休憩

13:00 現地訪問
午前中とは別の物件に移動し、設備点検に立ち会ったり、住民から意見を聞いたりします。

15:00 内勤
管理組合に提出する会計資料や各種報告書を作成します。

18:00 帰社

マンション管理会社社員になるには

就職先を選ぶ際には注意が必要

マンション管理会社で働くには、新卒採用で就職する以外にも、中途採用試験を受けて他企業から転職したり、グループ企業から出向するなど、さまざまなルートがあります。

ただ、事業規模の大きいマンション管理会社ほど、マンション管理業務以外の仕事、たとえばオフィスビルや病院の管理、リフォーム工事業なども手掛けている場合が多くなります。

マンション管理に専業したいなど、自身の希望が明確にある場合は、就職先はよく選ぶ必要があります。

マンション管理会社社員の学校・学費

学歴はあまり重視されない

マンション管理会社に就職するための学歴は、企業によって異なります。

大手企業であれば、他の業界と同じように大卒以上であることが条件になるでしょうが、中小企業の場合は、「高卒以上」「学歴不問」など、あまり学歴を問わないところも珍しくありません。

マンション管理会社社員に必要となる知識は、どちらかというと、学校で学んだことよりも、実務に即した現場で役に立つ知識です。

出身学部なども含めて、学歴が問われるケースは、採用の場を除けばほとんどないかもしれません。

マンション管理会社社員の資格・試験の難易度

管理業務主任者は必要になる可能性が高い

マンション管理会社の業務に関連する資格は多く、「宅地建物取引士」をはじめ、「管理業務主任者」や「区分所有管理士」、「マンション管理士」といった複数の専門資格が挙げられます。

このうち管理業務主任者については、大手グループの管理会社などでは、社員の資格取得が義務付けられているようです。

大半の人は入社後に資格取得を目指すようですが、合格率は25%前後と相応の勉強量が必要になるため、学生のうちに勉強しておいても損はないでしょう。

マンション管理会社社員の給料・年収

キャリアに応じて着実に上がっていく

マンション管理会社社員の年収は、その事業規模や勤続年数によって異なりますが、平均年収は430万円となっており、一般的なサラリーマンとほぼ同じ水準といえます。

基本的には社歴に応じた年功序列で、肩書が昇進していくにつれて給料も徐々に上がっていき、管理職となった時点で大きく昇給するようです。

また、大手不動産企業のグループ内に属するマンション管理会社は、福利厚生が充実しているところも多く、給与の額面以上に待遇がよい場合もあります。

マンション管理会社社員のやりがい、楽しさ

住民との距離が近い

マンション管理会社社員の主な仕事場は担当するマンション現場で、管理を取り仕切る立場として実務に深く関わります。

そのため、管理組合の組合員を筆頭に、実際に住民と接する機会が非常に多く、トラブル解決などの役に立った際には、感謝の言葉をかけてもらいやすいようです。

また、マンションをよりよくするために、自分から管理組合に改善プランを提案していくことも可能ですので、能動的に仕事をすれば、環境がよくなっていく確かな手ごたえを感じられるでしょう。

マンション管理会社社員のつらいこと、大変なこと

なんでもかんでも頼まれる

本来であれば、マンション管理会社の役割は、あらかじめ締結された管理委託契約に従った業務内容に限定されています。

しかし実際の現場では、業務範囲外だからといって住民からの頼みを無下に断っていると、クレームにも発展しかねませんので、できる限りのことは対応しなければなりません。

ゴミの分別方法を住民に指導したり、動物の死骸を片付けたり、給湯器の不調を点検したり、騒音対策を考えたりと、住民からの頼み事はさまざまです。

マンション管理会社社員に向いている人・適性

人の話をしっかりと聞ける人

マンション管理にまつわる業務は、清掃はマンション管理人、設備はメンテナンス業者というように、基本的に役割分担されています。

その中でマンション管理会社社員の専任業務ともいえるのが、クレーム対応です。

特に、ある程度キャリアを積んで管理職となってからは、クレーム対応の業務比率がさらに大きくなりますので、さまざまなクレームにどう対処するかは非常に重要です。

相手の話にしっかりと耳を傾け、どういう要望があるのかを的確にくみ取れる人は、マンション管理業務に向いているといえるでしょう。

マンション管理会社社員志望動機・目指すきっかけ

他業種で積んだ経験を活かせる

マンション管理会社には、人々の暮らしに密接に関わる仕事がしたいと新卒で入社してくる人も大勢いますが、実務経験が必須でないせいか、他業種からの転職者も多い印象です。

マンションの管理業務は多岐にわたるため、前職でマンション建設に携わっていたり、ボイラーなどの設備点検をしていた人など、過去の業務経験を活かしやすい点が目指すきっかけとなっています。

同じように、宅地建物取引士などの資格を保有していることも、志望動機となり得ます。

マンション管理会社社員の雇用形態・働き方

雇用形態を変えながら長く働ける

マンション管理会社に正社員として採用されると、まずは「フロントマン」と呼ばれる現場担当者として、数棟のマンション管理を受け持ちます。

キャリアを積んで、やがてフロントマンを束ねる管理職へとステップアップしていくことが一般的です。

また、企業にもよりますが、一般的な業種よりも若干定年退職の年齢が高く、長く働けることが特徴として挙げられます。

定年退職者の中には、派遣契約のマンション管理人として再雇用される人も少なくありません。

マンション管理会社社員の勤務時間・休日・生活

働きやすい企業が多い

マンション管理会社の業務は、近年24時間対応のセキュリティサービスが増えていることもあって、緊急性の高いトラブルさえ起こらなければ、残業がそこまで多くなることはありません。

また理事会や総会が開催されるケース以外は、休日に出勤しなければならない機会もあまり多くありません。

他の業種と比較すると、早く帰宅して子供と夕食を共にしたり、旅行に出かけたりといったプライベートを充実させることは比較的容易にできるでしょう。

マンション管理会社社員の求人・就職状況・需要

条件の良い求人を選択できる

現在、マンションの居住人口は約1500万人と推計されており、これは全国民の約1割がマンションに住んでいる計算になります。

マンション人口に比例して管理の需要は非常に高く、マンション管理会社の求人数は棟数の集中している大都市をはじめとして、非常に多くあります。

特に管理業務主任者の資格保有者は強く求められており、給与面で待遇のよい企業や、転勤がなく勤務地を固定できる企業など、自身の希望に見合った就職先を選ぶことができるでしょう。

マンション管理会社社員の転職状況・未経験採用

マンション数の増加で転職市場は活況

マンションの建設数が都心部を中心に非常に多くなっており、人手が不足がちであるため、各社は未経験者も含めて、中途採用に積極的です。

採用に際しては、大手企業の場合は、新卒採用と同様に、大卒以上の学歴であることが条件となりますし、学歴に加えて、ある程度の営業経験や、普通運転免許が必要となるところもあるようです。

また、宅地建物取引士や、管理業務主任者の資格を持っている人は、転職市場でも歓迎されやすい傾向にあります。

マンション管理会社社員の現状と将来性・今後の見通し

マンション管理需要は今後も増加する

共働き世帯の増加や、高齢化の影響から、生活に便利な立地であることの多いマンションは戸建て住宅よりも人気を博しており、今後もマンション居住者は増加し続ける見通しです。

また築年数が経過し、設備の大規模修繕や建て替えといった計画を練らないといけないマンションも増加傾向にあることから、マンション管理会社の業務はますます重要性を増してくるでしょう。

今後、管理業務主任者などの資格保有者は、企業からさらに求められようになると想定されます。