「環境コンサルタント」の仕事とは

環境コンサルタントの仕事内容

環境コンサルタントの主な仕事内容は環境保全に関するコンサルティング業務で、対象となるクライアントは民間企業や官公庁、その他の各種団体となります。

環境問題は国内にとどまらず国際社会においても重要なテーマとなっており、企業の環境に対する取り組みは重要な責務として位置付けられています。

そこで、企業や自治体などが行う事業において、環境へ与える影響を的確に調査および評価を行い、環境保全の専門家としての立場から提言を示すことが環境コンサルタントの仕事です。

環境コンサルタントの業務は幅広くあります。

・主に企業の社会的責任の観点からコンサルティングを行う「CSR系」
・開発など建設工事が環境に与える被害を事前に調査、および改善策の提案などを行う「建設系」
・各企業が独自に行う自社製品が環境に与える影響の調査や、企業イメージの向上につながる環境保全への貢献活動に対し助言を行う「環境アセスメント系」

などに分類することができます。

環境コンサルタントの就職先・活躍の場

環境コンサルタントの主な就職先は環境コンサルタント会社や都市開発会社、建設会社、デベロッパーなどです。

広範囲で自然環境を対象とするような公共事業などは官公庁や自治体に対しコンサルティングを行います。

また、大型商業施設や工場、マンションなどの建設に関連する民間企業においても周辺の生活環境に与える影響を調査し問題点を改善するなど専門的なアドバイスを行います。

環境問題を専門に扱う調査会社や研究所など、環境保全に関わる非常に幅広い分野で活躍の場があります。

環境コンサルタント1日

環境コンサルタントはクライアントを訪問し資料の提出、打ち合わせを行うことや、対象となる現地での調査、あるいは資料収集や報告書作成のようなデスクワークなど、幅広い業務を行います。

今回は環境アセスメント系の環境コンサルタントの1日をご紹介いたします。

8:30 出社
業務開始に向けた準備やメールのチェックなどを行います。

9:00 業務開始
会社朝礼後、チームのミーティングで行動予定や進捗、情報の共有を行います。

10:00 事務業務
午後から訪問するクライアントの調査資料の収集と報告書を作成します。

12:00 昼食

13:00 外出
クライアント先に向け出発します。

14:00 クライアント訪問
調査にもとづいた結果を報告書にまとめ提出します。
問題点や改善策を適切に提案し、環境への貢献を促します。

16:30 帰社
残りの事務業務を行います。

環境調査には大小さまざまあり、騒音や排水、大気質など専門的な知識と視点で多角的な調査を行う必要があります。

またプロジェクトには期限が定められているので、業務に無駄が生じることのないよう事前にしっかりとした準備を行わなくてはいけません。

18:00 帰宅
クライアントへの連絡やメールの返信など当日中にしなくてはいけない業務を忘れずに行ったことを確認して帰宅します。

環境コンサルタントになるには

環境コンサルタントになるために必要な資格はありません。

環境コンサルタント業務を行う会社に就職することで、誰にでもなることができます。

ただし、環境コンサルタント業務を行うためには環境保全に関わる専門的な知識が必要となるため、事前に大学などの教育機関を通じて専門知識を学ぶことや、あるいは環境に関連する資格を取得することで就職活動としては有利になるでしょう。

また環境コンサルタントの業務は幅広く、実務においてどのような分野で活躍したいのかビジョンを明確にしておくことも重要です。

環境コンサルタントの学校・学費

環境コンサルタントになるために学歴は関係ありません。

ただし大学や専門学校などで専門分野を学んだ人材はチャンスが多いといえるでしょう。

また調査や分析などを行う事業においては、理系の学生を求めている傾向にあります。

環境コンサルタントを目指すために有利となる学校は、主に大学や専門学校で環境学、環境工学、環境化学、地球科学、生物学などです。

学費は必要となりますが、環境に関する専門的な学問を学ぶことができ、また就職活動や就職後の実務にも役立つ資格を取得するための知識を身につけることができます。

環境コンサルタントの資格・試験の難易度

環境コンサルタントとして業務を行うにあたり資格は必要ありませんが、関連する資格は数多くあります。

専門的な知識を要する仕事であることや、業務内容が多岐にわたることなどから目的に合った資格を取得すると実務に役立てることができます。

環境系資格のなかからいくつかをご紹介いたします。

技術士


技術士とは技術士法に基づく国家資格です。

技術者にとっては最も権威のある資格で、専門性の高い職種ほど技術士資格の価値は高まります。

コンサルタント業務における技術士資格は、社会的信用度が非常に高く、また技術専門家としては最高峰と位置付けられています。

技術士資格は複数の専門分野を設けており、環境コンサルタントに関連する分野としては環境部門、建設部門があります。

試験は一次と二次があり、一次試験に合格すると技術士補が与えられ二次試験を受ける権利を得ることができます。

一次試験は誰でも受験が可能ですが、二次試験は一次試験合格者であることと実務経験が必要となります。

難易度は比較的難しく、合格率は二次試験で40%程度、一次試験で10%程度となっています。

環境計量士


環境計量士とは計量法に基づく国家資格です。

騒音や振動、有害物質など環境に影響を与える要素について数値を正確に測定し、分析を行うために必要となる専門的な知識を持った人に対し認定される資格です。

試験は濃度関係と騒音・振動関係の2つの分野で筆記試験が行われます。

合格率は濃度関係と騒音・振動関係の2分野とも15%前後と難度の高い資格となります。

港湾海洋調査士


港湾海洋調査士は、港湾や港湾海洋関連の調査についての業務を指揮・監督し、調査計画や実施内容の確認、データの解析・考察を行う技術力があることを認定する公的資格です。

港湾海洋調査士は国土交通省地方整備局の港湾部門で港湾設計や測量、調査などの仕事を請け負うことができます。

環境アセスメント士


環境アセスメント士は、道路や河川、鉄道などの開発が行われる際に、環境アセスメントにかかわる環境の調査および評価を実施できる資格です。

その他には公害防止管理者、ビオトープ管理士、環境カウンセラー、RCCM(シビルコンサルティングマネージャ)などの関連資格があります。

環境コンサルタントの給料・年収

環境コンサルタントの年収は業務の幅が非常に広いため、企業規模や業種によって異なりますが、350万円~1000万円までバラつきがあるようです。

コンサルタント会社は他業界と比較しても給料は高い傾向が見られ、実力しだいでは非常に高額な収入を得ることができます。

その一方で、同業種であっても大手企業との給与形態の違いによって収入に格差が生じることも特徴のひとつとなっています。

また資格取得によってステップアップすることができ、資格手当がつく会社もあります。

環境コンサルタントのやりがい、楽しさ

環境コンサルタントとして大きなやりがいといえば、環境保全に関わることの社会的貢献度の高さではないでしょうか。

いまや環境問題は地球規模で考えていかなくてはいけない課題となっており、個人を始め企業や国家レベルにおいて、その立場でできることを行う必要があります。

未来の人たちに環境の保全を通してあらゆるものを残していくという壮大なテーマを扱うことはやりがいであり楽しさでもあります。

クライアントのニーズと社会のニーズに対し、スペシャリストの立場から提案し、実現されたときの喜びは他の業種にはない魅力といってもよいでしょう。

環境コンサルタントのつらいこと、大変なこと

環境コンサルタントの業務は環境調査など外部での地道な作業が必要でもあります。

季節によっては大変な作業が伴い、激務と感じることも少なくありません。

そのため体力を必要とし、肉体的な疲労の原因となることもあります。

また環境の保全にはその効果が現実的に見えてくるのは非常に長い期間を要します。

したがって、行った業務に対する本当の意味での達成感を得るには時間がかかるという点ではつらいことといえるかもしれません。

環境コンサルタントに向いている人・適性

環境コンサルタントは、環境調査など地道な作業を的確に、かつ根気強く行うことが必要です。

しがって忍耐力と体力がある人は向いているといえるでしょう。

環境問題は年月とともにその性格も変化していきますが、常に新しい変化に対し情報を取り入れ、好奇心を持って柔軟に対応できる適応性も重要な要素です。

またコンサルティング業務全般において、クライアントとの意思疎通や提案力などはコミュニケーションを取るうえで必要な適正となります。

環境コンサルタント志望動機・目指すきっかけ

環境問題は国際的な課題となっています。

環境を保全することで守られる命が増えるという社会的貢献度の高さが志望動機となった人は多くいます。

自然や生物に関心がありそれらに触れていくなかで興味を持った、あるいは交渉事が得意でコンサルタント業務に携わりたい、また実力が収入として反映される業界で専門知識を身につけ自分の力を試したいということなどが目指すきっかけとなった人もいます。

ただし就職後においても環境という幅広い分野で対峙していく必要があるため、多くの知識を吸収するための努力を継続して行う姿勢が求められます。

環境コンサルタントの雇用形態・働き方

環境コンサルタントの雇用形態は主に会社の正社員として勤務するケースが一般的です。

専門的な知識を必要とする職業だけに常にスキルアップを図ることが働き方として重要な部分となるため、会社においても研修や勉強会などを通じ資格取得のバックアップを行うことが多いようです。

さらに、専門知識に加えコンサルティング能力についても磨きをかける必要があり、覚えることが非常に多い職業であるため、必然的に労働時間が長くなる場合もあります。

また技術士資格を取得し、人脈を構築できれば独立して経営者となることも可能です。

環境コンサルタントの勤務時間・休日・生活

環境コンサルタントの勤務時間は勤務する会社によって異なりますが9:00~18:00となることが多いようです。

ただしクライアントの都合に合わせることも多々あり、場合によっては遅い時間に打ち合わせを行うこともあります。

また膨大なデータを取り扱うため、事務業務も比較的多くなる傾向にありますが、時間を効率的に使う工夫も仕事を円滑に進めるために必要な要素となります。

休日は週休2日制をとる会社が多いですが、年度末など繁忙期においては期限に間に合わせるため休日出勤をして対応することもあります。

やることが非常に多く激務となりやすいため、普段の生活ではしっかりとした健康管理を行いながら体調を整えておくこともコンサルタントとして土台をつくる一環といえるでしょう。

環境コンサルタントの求人・就職状況・需要

環境コンサルタントとしての求人を探すことは、比較的難しい状況にあります。

しかし環境ビジネスのニーズは高く、インターネットなどあらゆる媒体を利用することで見つけ出すことは可能です。

最近では環境分野に特化した企業情報を集めた求人サイトなどが開設されていることや、環境ビジネスの企業を集めた合同説明会が開催されていることなど人材のマッチングがさかんに行われる傾向にあります。

就職状況としては、大学の環境系学部やその他理系学部で学んだ学生などは需要が高く、自ら主体的に行動し、会社にアプローチすることで能力を認められることもあるでしょう。

環境コンサルタントの転職状況・未経験採用

環境コンサルタントとしての転職状況は、求人数がそれほど多くはないということが実情となっています。

環境保全という社会的潮流のなかにある業界だけに注目度は高いのですが、専門的な知識が必要とされることから経験者のほうが有利となる傾向にあるようです。

未経験であっても向上心のある意欲的な人材であれば、戦力として育成するため採用する会社もありますが、転職であれば年齢が若いほうが有利となります。

また環境コンサルタントという職業の幅が広く、会社によって仕事の範囲や考え方が異なることがあるため、転職活動の際には事前に確認したうえで検討することがよいでしょう。

環境コンサルタントの現状と将来性・今後の見通し

現状における環境ビジネスは国際的に注目されており、ニーズも多角化しています。

ひとくちに環境ビジネスといっても裾野は広く、省エネや廃棄物処理、再生リサイクル、さらに新エネルギーなど新たなトレンドが次から次へと現れる業界となっています。

今後の見通しとしても世界と歩調を合わせながら、取り組む問題が増え続けることが想像できますが、そのような状況に伴って法的な整備や規制も行われるでしょう。

専門家たちは国際社会のニーズを的確にとらえ、各企業などに対して法的な解釈をもとにトレンドを発信していく役割を担うことが大事です。

そのため環境コンサルタントのような環境問題に精通した人材は将来的にも需要が高まることが予想されます。

また環境コンサルタントという職業の定義があいまいな部分もあるため、自分がどのような分野で、どのような活躍をしたいのかというビジョンを明確に持って就職先を選択していくことも重要となるでしょう。