「溶接工」の仕事とは

溶接工の仕事内容

複数の材料を接合し、新しい部品や製品を作り出す

溶接工は、複数の材料を接合して新たな部品や製品を作り出す仕事です。

溶接の技術にはアーク溶接やガス溶接といったさまざまな種類があり、たとえば自動車工場などで部品を接合するのも、溶接工の仕事のひとつです。

溶接工が仕事を通して作る製品は、自動車や家具、時計、アクセサリーなど多岐にわたっており、ときには建築中の高層ビルや水中で作業をすることもあります。

ものを溶かしてくっつけるという溶接は、一見すると単調な作業のように思えるかもしれませんが、十分な強度があって見た目も美しい溶接加工をするためには非常に高い技術が必要とされます。

溶接工の就職先・活躍の場

建設や自動車メーカーを中心に、幅広い場で活躍

溶接工のおもな就職先は、建設会社や自動車メーカー、あるいはその子会社となります。

これらの企業では多くの溶接工が必要とされ、技術職のなかでも溶接業務は重要な工程と考えられることから、正社員で雇用されている人が多いです。

基本的には工場や建築現場での作業となりますが、さらに専門的かつ特殊な能力を持ち合わせた溶接工は、水中や高層ビルといった難易度の高い場所で作業をすることができます。

溶接工1日

他の技術者と協力して働く

溶接工はおもに工場や建築現場といったものづくりの現場で働きますが、一人きりで作業をするわけではなく、他の技術者と協力しながら仕事を進めていきます。

ここでは、自動車メーカーで働く溶接工のある1日を見てみましょう。

08:00 出勤
作業着に着替え、伝達事項を確認してから各工程につきます。

08:30 作業開始
溶接作業を開始。工場や現場によっては溶接前に安全確認を念入りに行います。

12:00 休憩
決められた休憩時間に必ず休みます。

13:00 作業開始
午前中に仕上がった製品の確認を品質管理部門などに依頼。

17:00 作業終了
その日の作業が終了すれば終わりです。

基本的に朝一番の段階で生産量が決まっているため、残業が発生する可能性がある場合は朝の時点で連絡がくることが多いです。

溶接工になるには

職業訓練校で溶接の勉強をし、就職する人が多い

溶接工には、機材や材質に関する専門知識、そして火や電気や圧力を安全に取り扱うための高い技術力が求められます。

こうしたスキルを証明するために、いくつかの溶接関連の資格が存在しています。

新卒で大手企業に入社する場合には、入社後に会社の教育を受けながら取得を目指すことも可能です。

ただし、一般的には全国の職業訓練校で材料力学や製図、溶接法や測定法などについて学び、「アーク溶接」と「ガス溶接」の資格を取得してから就職活動をするとよいでしょう。

溶接工の学校・学費

学歴はあまり問われないが、高卒であると有利に

溶接工は決して高い学歴を問われる仕事ではなく、高卒の人も多く活躍しています。

中卒での就職も不可能ではありませんが、溶接工の求人は大手企業でもよく出されており、高卒であるほうが就職先の選択肢は増えるでしょう。

年齢が若ければ未経験者が就職後に溶接の資格取得を目指すことも可能ですが、工業高校では溶接の資格を在学中に取得できることがあります。

また、公共の職業訓練校に通って溶接の勉強をし、就職や転職を目指していく人もいます。

溶接工の資格・試験の難易度

「ガス溶接」と「アーク溶接」の資格が代表的

溶接工の仕事に関連する代表的な資格として「ガス溶接」と「アーク溶接」があります。

溶接工になりたいと考えている場合は、最低限この2種類の資格を取得しておいたほうがよいとされています。

これらの資格試験の難易度は決して難しいものではなく、どちらも決められた時間の講習などを受け、試験をクリアすれば取得することができます。

公共職業訓練校で溶接を学び、先に資格を取得することで少しでも有利に就職活動を進めようとする人もいます。

溶接工の給料・年収

技術力を要する仕事ができる人は高い収入を得やすい

溶接工は技術職でもあり専門職でもあるため、一般的な事務職に比べると、給料はやや高めの水準となっているようです。

火や熱などを日常的に使い、火傷や目を痛めるなど怪我の危険性との隣り合わせの仕事でもあるので、このような事情も考慮されたうえでの高い給料となることは当然のことともいえるでしょう。

厚生労働省の平成28年賃金構造基本統計調査によると、溶接工の平均年収は、41歳でおよそ400万円となっています。

ただし、給料は勤務先や個人の経験、能力によっても大きく変わってきます。

溶接工のやりがい、楽しさ

自分で作ったものが形になり、活躍の場も広い

溶接工の仕事のやりがいは、実際に自分で作った「もの」が形になるため、成果が分かりやすいということが挙げられます。

また、溶接工はさまざまな分野で必要とされており、手に職をつけてしまえば仕事に困るということはありません。

経験を積み、スキルアップすればするほど活躍の場は広がります。

溶接工の腕によって仕上がりには大きな差が出るため、ベテランの溶接工はどんな職場でも重宝されることになりますし、給料や待遇面でも優遇されやすくなります。

溶接工のつらいこと、大変なこと

危険な作業も多く、集中力を要する

溶接工の仕事は、つねに危険との隣り合わせです。

4000度以上の高熱になる機器を扱う溶接作業では火傷を起こす可能性も高いですし、強烈な火花で視力が悪くなる可能性もあります。

溶接をする際には専用の溶接マスクや手袋などを身につけて万全な態勢を取ってはいますが、やはりちょっとした不注意やミスによって怪我をしてしまうことがあります。

怪我のリスクを低くするためには、確かな知識と技術を身につけることはもちろん、勤務中は集中力を保ち続け、強い責任感と覚悟を持つ姿勢が必要になります。

溶接工に向いている人・適性

肉体労働を苦にせず、慎重な性格の人

溶接工はハードな肉体労働をする職業です。

溶接の過程では鋼材と呼ばれる金属の板を切断する作業や、その断面をハンマーで叩く作業があり、重くて大きいものを扱わなければいけません。

また、仕事中は立ちっぱなし、あるいはかがんだ姿勢を保つこと多く、空調の効かない工場で溶接の際の熱を浴びながら作業をすることもあります。

朝から晩まで汗をかきながら働くことになるので、身体を動かすことが好きで体力には自信があるという人のほうが向いています。

同時に、火や電気や圧力、ガスといった危険を伴うものを取り扱うことから、慎重に、確実に物事を進められるタイプの人のほうが適しているといえるでしょう。

溶接工志望動機・目指すきっかけ

手に職をつけて長く働きたい

溶接工の志望動機として多いのは、「手に職をつけたい」という考え方です。

溶接の仕事は需要が高く、スキルを身につけることができれば、さまざまな会社で重宝されるうえに比較的よい給料が期待できます。

また、溶接工はライン作業のように機械のスピードに合わせて次々と製品を作るといった仕事でもないため、年齢が高くなっても第一線で活躍できることに魅力を感じ、若いうちから溶接工となり、スキルアップを目指そうとする人もいるようです。

溶接工の雇用形態・働き方

正社員雇用が中心だが、非正規での雇用もある

溶接工は、とくに需要の大きな建設会社や自動車メーカーに正社員として雇用され、キャリアをスタートさせる人が多いようです。

危険を伴う作業でもあることから、福利厚生や待遇がしっかり整っている環境で働きやすいとされますが、一人前になるまでは契約社員として採用されることもあります。

また、繁忙期で人手が欲しいときにだけ雇われる派遣社員やアルバイトの採用もあります。

独立して自分で会社を立ち上げることも可能ですが、溶接業だけで独立するのは難しいとされ、他の仕事を請け負いプラスアルファとして溶接スキルを生かす人が多いようです。

溶接工の勤務時間・休日・生活

現場のスケジュールによって変わってくる

溶接工の勤務時間や休日、生活は、就職する会社によって変わります。

一般的には、朝8時頃から始業し、17時や18時をめどに作業を終了することが多いようです。

建設会社や自動車メーカーなどではとくに就業時間の管理が厳しく、過度な残業や休日出勤も多くないでしょう。

ただし、現場仕事の宿命でもありますが、溶接工には「納期を守る」という責任があります。

納期に間に合わない状況に陥ったときには、遅くまで残ってでも仕事をやり遂げなくてはなりません。

溶接工の求人・就職状況・需要

求人は多いが、知識や技術を持つ人が優遇されやすい

溶接工は人手不足の状況であり、新規の求人は多く出されています。

この仕事の求人を探すのであれば、製造業や建設業、造船業などに携わる企業の求人票をチェックするとよいでしょう。

溶接はものづくりを行う過程の中で非常に重要な作業ですから、自動車や船舶、橋や建物、アクセサリーや家具家電などさまざまな製品の生産工場が溶接工を募集しています。

ただし、専門性の高い職業なので、「やる気があるものの未経験」という人は、経験者と同時に応募があった際には書類審査で落とされる可能性が高いようです。

公共の職業訓練校で溶接の基礎的なスキルを学んできた人や、溶接の資格を取得している人であれば歓迎されることでしょう。

溶接工の転職状況・未経験採用

若い人は未経験での採用も期待できる

溶接工には専門的な知識や技術が求められ、未経験からの就職はやや難しいとされています。

しかし、最近では人手不足の企業が多く、未経験者でも積極的に自社で育成しようとする動きが強まっています。

とくに年齢が若ければ採用されやすく、入社後に社内で教育を受けながら技術力を高め、資格取得を目指せる機会が増えているようです。

ただし、より有利に転職をしたいのであれば、公共の職業訓練校で溶接について学んでおいたほうがよいでしょう。

溶接工の現状と将来性・今後の見通し

地道に経験を積み、技術力を備えた若手の活躍に期待が集まる

製造業の現場では機械化が進み、溶接の作業にもロボットを導入する企業が増えています。

しかし、設計・組み立てにおける図面の考案や検討、特殊な材料に関する知識を駆使した加工や美的センスを用いた仕上げなど、経験を積み重ねた溶接工にしかできないことも多々あります。

そのため、将来的にこの職業が完全になくなる可能性は低く、多様な経験や技術力を持つ人は長く生き残れるでしょう。

また、溶接工として活躍している人は団塊の世代が多く、若者が少ない傾向があるため、体力と技術のある若手の溶接工は多くの企業で重宝されることでしょう。