不動産鑑定士の現状と将来性

需要と供給のバランスがとれている

不動産鑑定士の業界の現状は、可もなく不可もなくといったところが正直なところですが、これは相対的に見ればよいということになります。

というのは、文系三大国家資格と呼ばれる弁護士・公認会計士・不動産鑑定士の中では、需要と供給のバランスがもっともとれているからです。また、試験的に同レベルである税理士や司法書士と比べても、有利な状況にあるといえます。

仕事は増加傾向にある

今後の不動産鑑定士を取り巻く業界の動向としては、目先はIFRS(国際財務報告基準)によって、企業の所有する不動産の時価評価を行う仕事が増えていくでしょう。現にこれらは増え始めていますが、今後ますます増えてくるものと思われます。

ほかには、景気が良くなりが不動産投資に影響してくれば、それにかかわる仕事(売買のための評価・公共事業のための評価・不動産の投資判断業務)も増えてくると見込まれるため、当面の不安要素は少ないと思われます。

地方での開業は厳しい

不動産鑑定士業界の問題点としては、地方での就職や独立開業があまりにも難しい点が挙げられます。

資格の学校のパンフレットには、「国や県からの公的評価や公共事業で、地方でも不況でも仕事がある」と書いてはあることもありますが、新参者に関しての実態は違います。

なぜなら、国や県といった公共機関は実績のある不動産鑑定事務所でないと仕事を発注しないからです。

地方では古くから個人経営の不動産鑑定事務所を営んでいるところが多く、定年もないため、発注先の不動産鑑定事務所が固定化されてしまっているのです。

また、公共事業の削減も向かい風になり、地方で個人事務所を営む不動産鑑定士の経営体力もなくなって久しいので、求人がほとんどないのが現状です。

開拓の余地は大きい

解決策として考えられるのは、公共機関の仕事に頼らずに民間の需要を開拓することです。地方の不動産鑑定事務所は民間の需要に対する関心が薄い傾向にあり、だからこそのチャンスとも言えます。

たとえば、税理士とタイアップして相続税を節税するための評価を積極的に行ったり、不動産会社を営んで売買や管理に付帯して不動産鑑定評価のサービスを行うなど、開拓の余地は残されています。

他にも、IT化やシステム化が難しい仕事ではありますが、だからこそ、それらを活用して新たなサービスを提供するといった可能性も大きいといえます。