【2021年版】公認会計士の仕事内容・なり方・年収・資格などを解説

「公認会計士」とは

企業や組織の決算書類や会計処理の内容を監査し、間違いがないことを証明する。

公認会計士は、企業の会計処理に関する専門家です。

株式上場企業や一定の規模以上の大企業が決算書類を作成する際には、その書類を公認会計士が監査し、不正や間違いがないと証明することが義務付けられています。

公認会計士になるためには、第一に「公認会計士試験」に合格することが必要です。

この試験は受験資格に制限はなく誰でも受けることができますが、極めて難易度が高く、司法試験に次いで難しい試験といわれています。

そのぶん、合格後は高収入が期待できる職業です。

昨今では公認会計士の合格者数が急速に増えており、就職はやや厳しくなっていますが、M&Aや企業の海外展開の支援などの場面において、公認会計士の重要性は高まってきています。

「公認会計士」の仕事紹介

公認会計士の仕事内容

企業の決算書類を監査する会計の専門家

公認会計士は、会計処理に関する専門家として、おもに一定規模以上の大企業・組織が作成する決算書類を法律に基づいて監査し、不正や間違いがないかどうか証明します。

企業の収入や支出を記録した財務書類を調べ上げて、その内容に誤りがないかどうかを徹底的にチェックします。

このように独立した第三者の立場から企業の経営状態をチェックすることで、企業が決算書にウソの数字を書く、いわゆる「粉飾決算」を防ぎます。

このような業務は「監査証明業務」といい、公認会計士の最も中心的かつ重要な仕事のひとつです。

税務やコンサルティング関連の仕事に関わる人も

公認会計士の有資格者は「税理士会」に登録することによって、試験を受けずに税理士の資格も取得することが可能です。

このため、公認会計士のなかには、税理士と同じような「税務関連業務」に従事する人もいます。

また、会計に関する専門知識を生かして、企業の経営戦略やコスト、合併(M&A)などに関するアドバイスを行う公認会計士も増えており、さまざまな面から、日本の経済活動を陰で支える重要な役割を担っています。

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公認会計士になるには

難関の公認会計士試験に合格し、国家資格を取得する

公認会計士になるには、公認会計士試験に合格し、国家資格を取得する必要があります。

この試験の受験資格には年齢や学歴などの制限がないため、誰でも受験することができます。

しかしながら難易度は高く、司法試験に次いで難しい国家試験といわれており、相当な勉強量が必要です。

公認会計士試験の一次試験、二次試験に合格すると、一定期間現場での業務補助や実務に携わり、その後、修了考査を受けて合格すれば公認会計士として登録可能です。

このように、公認会計士の資格取得までの道のりは長いことを念頭に置いて、計画的に勉強やキャリアプランを考えていく必要があるでしょう。

監査法人でキャリアをスタートする人が多い

公認会計士の資格取得後は、まず多くの人が企業の監査業務を専門的に手掛ける「監査法人」といわれる組織に就職します。

大手監査法人は東京に集中しており、また監査法人の顧客は、ほとんどが上場企業(大企業)となっていることもあって、大半の公認会計士は都市圏での勤務となります。

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公認会計士の学校・学費

大学もしくは大学院まで進学をする人が大半

公認会計士試験には学歴の定めがないため、大学などで学んでいなくても公認会計士を目指すことは可能です。

とはいえ、この試験は難易度が非常に高いため、実際には大学の経済学部や商学部などで会計を学んでから受験する例が多くなっています。

加えて、将来的な就職のことを考えると、大卒以上の学歴があるほうが有利になりやすいため、大手監査法人や大手企業への就職を目指す場合には大学に進学する人が大半です。

また「会計職専門大学院(会計大学院)」という、会計のプロフェッショナルを養成するための大学院に進む人もいます。

会計大学院で決められた単位を修了すれば、公認会計士国家試験の一部の科目が免除されるメリットがあります。

試験対策のための講座・スクールを活用する人も

公認会計士の国家試験に向けた勉強のために、大学などと並行して、外部の予備校や専門学校、講座を利用する人もいます。

それらの費用は数十万円程度から数百万円程度までさまざまですが、完全独学で試験合格を目指すよりも、効率的な勉強が可能です。

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公認会計士の資格・試験の難易度

最難関の国家試験といわれるが、難易度は年によって変動も

公認会計士は、公認会計士の国家資格を持っている人だけが就くことができる職業です。

公認会計士の資格試験は、数ある国家試験のなかでも最難関の部類に入ります。

このため、受験者の多くが大学に進学し、さらには民間の専門学校やスクールなどで簿記や会計について勉強してから試験に挑みますが、それでも受験者の9割ほどが不合格となっています。

年度によって試験の難易度に変化も見られるため、直近の試験動向をよく確認して、十分な試験対策をする必要があります。

20代を中心に幅広い世代の人が受験

公認会計士国家試験は、20代の受験者が圧倒的に多いことが特徴です。

ただし年齢制限はなく、2019年時点での最年少合格者は16歳ですし、60代以上で合格する人もいます。

独学での合格も不可能ではありませんが、限りなく難しく、集中して勉強ができる環境で2~3年の勉強時間が必要といわれています。

長期戦となるため、どのような勉強方法が自分に合うのかを考えて、ときに講座・スクールも活用しながら効率的に勉強する必要があるでしょう。

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公認会計士の給料・年収

大手監査法人では若手も年収500万円以上が期待できる

公認会計士は、難易度が高い国家試験に合格しなくてはならないことや、その職務の専門性の高さから、高めの収入が見込める職業です。

さまざまな調査データを基に見ていくと、公認会計士の平均年収は650万円~900万円ほどがボリュームゾーンと考えられます。

とくに給与水準が高めなのが大手監査法人であり、初任給の時点で年収500万円以上を得られることもあります。

大手事業会社と同様、手当や福利厚生も充実しており、若手のうちから比較的安定した豊かな生活が見込めます。

中小の監査法人は大手よりは給料が低めにはなりますが、一般的な会社員の平均年収以上の収入が見込める場合が多いようです。

転職や独立開業してさらなる収入アップにつなげる人も

公認会計士は、実務経験を積んで専門性やスキルを磨いていくことで、さらなる年収アップも望めます。

大手監査法人で昇進を目指していく人もいれば、キャリアの途中でよりよい待遇の監査法人や事業会社へ転職する人もいます。

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公認会計士の現状と将来性・今後の見通し

監査法人以外の活躍の場も広がっている

ひと昔前の公認会計士は、国家資格を取得すれば安泰といわれる職業のひとつでした。

しかし、近年では監査法人における採用数の減少や、有資格者の増加などの影響も見られ、以前に比べれば、公認会計士の就職状況がやや厳しくなっているといわれます。

とはいっても、公認会計士が難関の国家資格であることは間違いなく、法律で義務づけられている企業監査ができる唯一の職業であることに大きな強みがあります。

最近では、ベンチャー企業や外資系企業に就職してコンサルティングに携わる公認会計士も増えてきており、監査法人以外でも、会計の知識を生かした活躍の場が広がっています。

自分の努力や目指す方向性によっては、さまざまなチャンスを手にできることは十分に可能だといえるでしょう。

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公認会計士の就職先・活躍の場

若手は監査法人で経験を積むケースが多い

公認会計士の代表的な活躍の場が「監査法人」と呼ばれる組織です。

監査法人とは、大企業が法律にのっとった経営をしているかどうかをチェックするための「監査業務」を専門に手掛ける特殊法人のことをいいます。

そのなかでも、4大監査法人といわれる「あずさ」「EY新日本」「トーマツ」「PwCあらた」の4つが最大手です。

これらは日本の上場企業の監査業務に対して8割程度のシェアを誇っているとされ、若手の公認会計士は、まず4大監査法人に就職して経験を積むケースが多くなっています。

このほか、各地に中小規模の監査法人が複数あります。

監査法人以外の事業会社などで働く公認会計士も

公認会計士としての専門的な知識を生かし、事業会社、いわゆる一般企業に勤務する人もいます。

この場合の業務は、経理部や財務部で会計の内部監査を担当することもあれば、経営戦略やコストの削減などを検討していくケース、あるいはIPO(株式上場)を目指すベンチャー企業であれば、上場準備や上場企業に合わせた会計基準の導入などに携わることなど、さまざまです。

このほか、個人の会計事務所に就職し、財務書類の作成や税務、コンサルティングに関する業務を行い、取引先企業のサポートにあたる人もいます。

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公認会計士の1日

取引先に足を運び、1日中監査業務を行う日も

公認会計士の1日は、所属先や担当業務によって大きく異なります。

監査法人で働く場合は、顧客企業の監査を行うことがメイン業務となり、本決算と四半期の決算時には、資料の確認のために数週間に渡って担当企業に直接訪問することになります。

決算日から決算開示までは約1ヵ月半と限られた時間になるため、その時期は非常に忙しく、その日にやるべき業務が終わらない場合は終電間際まで働く場合もあります。

ここでは、大手監査法人で働く公認会計士の1日を紹介します。

9:00 担当企業へ訪問・監査の準備
9:30 担当企業の経理部とミーティング
10:00 請求書・領収書などの書類のチェック
12:00 休憩
13:00 追加書類の依頼
15:00 監査チームでミーティング
16:00 経理部へ監査内容のフィードバック
17:00 監査法人に1日の成果を報告
18:00 退勤

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公認会計士のやりがい、楽しさ

企業の経営戦略や世の中の経済状況に触れられる

公認会計士の監査業務では、企業の財務状況を正確に把握していく必要があり、その過程では、さまざまな企業の「舞台裏」のようなものを知ることになります。

さまざまな担当企業の経営状況を追い続けるうちに、日本の経済社会の現状をより深く知ることができ、その点に仕事の醍醐味を感じている公認会計士は多いようです。

また、公認会計士は難関の国家資格であるため、取得すれば社会的な評価も上がりますし、一般の会社員よりも大きな収入が期待できます。

就職先にも困りづらいですし、独立して自分の理想の働き方を実現することも可能です。

専門性を発揮して誇りをもって働きたい人は、とくにやりがいを感じやすいでしょう。

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公認会計士のつらいこと、大変なこと

独立性を保ち、間違いを指摘し続ける覚悟が必要

公認会計士は、あくまでも会計のプロフェッショナルとして、第三者の立場から冷静に、企業の経営状態や決算書をチェックしなければいけません。

公認会計士は、そうした「独立性を保つこと」が何よりも重視される仕事ですが、客観的な視点で厳しく間違いについて指摘を続けることは、想像以上のプレッシャーやストレスを抱えやすいです。

指摘した企業側からはときに嫌な顔をされることもありますし、万が一、自分のチェックに間違いや漏れがあれば、公認会計士自身の信用度にも大きな影響をおよぼします。

決算期のような繁忙期には、朝から晩まで地道に数字を見続ける仕事が続くうえに、休日もなかなかとれないことがあります。

公認会計士はエリートのイメージが先行しがちな職業ですが、その裏では、地道な努力や苦労の姿もあることは確かです。

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公認会計士に向いている人・適性

数字を苦にせず、正義感や使命感が強い人

公認会計士の仕事では、膨大な財務書類を見ながら、その数字を細かくチェックしていきます。

そのため、数字を見ることを苦にしない人、また電卓をたたくのが好きだったり計算することが得意といったような人は、公認会計士の適性があるでしょう。

監査業務では、公認会計士のケアレスミスやうっかり間違いなども許されるものではないため、静かな環境で集中力を発揮でき、注意深く物事を見ていけるタイプの人に向いています。

また、もし財務書類に誤りが発覚すれば、どんな場合でも指摘しなくてはなりません。

毅然とした態度で自分の仕事をやり遂げるために、強い意志や正義感、使命感を持てる人が公認会計士には向いているといえます。

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公認会計士志望動機・目指すきっかけ

会計のスキルを身につけ、多様に活躍したい

公認会計士の志望動機はさまざまですが、「医師」「弁護士」とならぶ3大国家資格といわれる難関職業であることから、その専門性の高さに魅力を感じる人が多いようです。

「自分のスキルになる難しい資格を取得したい」「手に職をつけられる仕事がしたい」「高収入を目指したい」といった思いから、公認会計士を目指す人が目立ちます。

一方、大学で経済学や会計学などを学ぶなかで、将来をイメージしたときに、難しい公認会計士に挑戦してみたくなったという人も決して少なくありません。

また、公認会計士の活躍フィールドの広さに魅力を感じる人もいます。

監査業務のみならず、株式上場のM&Aのコンサルティング、税務業務など、専門性を身につけて多種多様に活躍できることは、公認会計士の魅力といえるでしょう。

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公認会計士の雇用形態・働き方

正社員以外の求人も出されている

公認会計士は、監査法人や一般企業に正社員として就職する人が多数いますが、それ以外の雇用形態で働くことも可能です。

とくに決算期などの繁忙期には監査業務が増え、多くの監査法人で人手が不足するため、一時的に業務を手伝ってくれる派遣社員やアルバイト・パートの募集が多く出ます。

しかしながら、公認会計士としての求人の場合には、たとえ非正規雇用であっても公認会計士の資格は必須です。

そのぶん一般的な派遣やアルバイトなどよりも待遇面は恵まれており、専門的な業務に従事できます。

こうした利点を生かし、結婚・出産後にフルタイム勤務が難しくなった女性が、パートなどで家庭と両立させながら働き続けるケースもあるようです。

経験を積んだ公認会計士のなかには、独立して自分の会計事務所を開業する人もいます。

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公認会計士の勤務時間・休日・生活

時期によって忙しさに波が出やすい仕事

公認会計士の勤務時間や休日は、勤務先によって変わります。

監査法人では、平日の9時~18時頃までが勤務時間となる場合が多く、取引先企業での監査業務やミーティング、オフィス内でのデスクワークなどの業務をメインで行います。

なお、監査法人は1年を通して仕事の忙しさに波があり、一般的には、顧客企業の決算期が重なる時期が繁忙期です。

日本の企業は3月決算の会社が多いため、3月~5月頃にかけて一気に忙しくなり、この時期は休日に仕事をしたり、夜遅くまで残業する可能性もあります。

一般企業で働く場合は、各企業の定める勤務体系に沿って働き、監査法人勤務の場合ほど忙しさに波が出ない場合が多いです。

ただし、所属部署や担当業務によっても、残業量や忙しさは変わってくるでしょう。

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公認会計士の求人・就職状況・需要

就職は以前よりも厳しい状況だが、多様な就職先がある

公認会計士の就職状況は、ひと昔前に比べると厳しくなっているといわれます。

というのも、需要に対して有資格者数が上回った状態になり、最近では国家資格取得後も、希望の監査法人などへの就職が決まらない人もいるようです。

国家資格さえ得れば安泰、という考え方ではいられなくなっているのも事実です。

とはいえ、公認会計士は高度な会計の専門性が強みとなるため、一般企業の経理部やコンサルティング業界での活躍など、就職先の選択肢はいくつも考えられます。

また、実力や人脈を積み上げれば独立開業することもできるため、最初から給料や待遇にこだわりせず、まずは地道に実務経験を積める場を探し、コツコツと努力していくことで大きな飛躍が望めます。

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公認会計士の転職状況・未経験採用

社会人から転職を目指す人も多い

国家資格である公認会計士は専門性があり、年齢を重ねてからでも活躍しやすいため、いったん別の仕事に就いた人が、公認会計士への転職を目指す例もめずらしくありません。

とくに一般企業で会計や監査の仕事をしてきた人が、公認会計士へ転職という話はよく聞かれます。

公認会計士の国家資格は簡単に取得できるわけではありませんが、一度資格をとってしまえば大きな強みになります。

転職者にとって最も大変なのは、仕事を続けながら難関の国家試験に向けた勉強時間を確保することだといえるでしょう。

なお、公認会計士の資格を取得すると、同時に税理士としての道も開けるため、多彩なキャリアパスも考えられます。

公認会計士に独学で合格できる?

完全な独学で合格している人は少ない

公認会計士の国家試験は難関といわれており、合格率は毎年10%前後です。

受験者の大半が、時間をかけてしっかりと試験対策をしていることを考えると、決して簡単に合格できる試験とはいえないと捉えておくべきでしょう。

なお、公認会計士試験の応募資格には年齢や学歴の要件がないため、特別な学校に通わずに受験できます。

つまり、独学で合格を目指すことも可能といえますが、合格者の多くは、大学や大学院で経済学や会計学を学び、1~4年ほどの準備期間をとっています。

独学のメリットは、なんといっても勉強にかかる費用を抑えられることですが、公認会計士は独学する人が少ないこともあって市販のテキストの数があまり多くなく、独学がやや難しいです。

費用を抑えつつ、単発で受験できる講座、期間限定の講座などもあるため、できれば積極的に活用して、効率的に勉強を進めるほうがよいでしょう。

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