「役員」とは

会社法上で、「取締役」「監査役」「会計参与」のいずれかの肩書きを持つ人のこと。

会社法上では、役員は「取締役」「監査役」「会計参与」の3種類の肩書きを持つ人のことをいいますが、一般に、「会長」「社長」「専務」「常務」などの肩書を持つ人も役員と呼ばれることが多くなっています。

役員の代表格である取締役は、会社の経営方針を考え、決定していくことをおもな役目とします。

社員から役員へと出世できるのは通常、経験や実績、ビジネススキルを備えた限られた人のみです。

役員に支払われる役員報酬の額は、上場企業になると億単位にものぼりますが、中小企業では一般会社員の平均年収とさほど変わらないこともあります。

役員は大きな責任を持たなくてはなりませんが、経営に参画するやりがいを味わえるとともに、実力によっては待遇がより良い会社からヘッドハンティングされることもあります。

「役員」の仕事紹介

役員の仕事内容

会社の経営方針を決めるリーダー

会社法上では、役員は「取締役」「監査役」「会計参与」の3種類の肩書きを持つ人のことをいいます。

しかし、一般的には「会長」「社長」「専務」「常務」といった肩書きを持つ人も役員と呼ばれることが多くなっています。

役員の代表格である取締役は、会社の経営方針を考え、決定していくことをおもな役目としています。

その中でも対外的に会社を代表するのが「代表取締役」で、まれに「会長」が担う会社もありますが、ほとんどの場合で「社長」が代表取締役になります。

一般に役員という言葉が使われる場合には、会社の経営に携わる人を広く指すことが多くなっており、会社の規模や役員の数にもよりますが、各部門をまとめるトップが役員になることが多いです。

役員の就職先・活躍の場

すべての会社に存在

役員というポジションはすべての会社に存在する役職です。

1人で起業する場合は、本人が役員になれば良いですが、上場企業では取締役の人数が最低3名以上という決まりになっています。

一般企業に就職する場合は、同期と同じスタートから優秀な成績を収め、会社のための貢献を認められることで出世を重ねて役員の座を目指すことになります。

ただし、オーナー企業の場合、役員は親族で構成されて、一般社員が目指すのは難しい場合もあるでしょう。

役員1日

会社について深い理解が必要で忙しい

上場企業の役員のある1日を紹介します。

7:00 出社
早起きして出社前からニュースや新聞などで経済や業界情報をチェックします。

7:15 メールチェック
日中は外出や打ち合わせが多くのメールに目を通す時間がないので、朝一気にチェックします。

9:00 会議
役員は毎日、多くの会議に出席します。午前中だけで3~4の会議に参加することも。

13:00 ランチミーティング
ランチをしながら部下とカジュアルなミーティングをします。

14:30 外出
取引先や銀行との面談も多いです。

18:00 出張準備
翌週の出張に備えて調べものを行います。

19:00 会食
取引先の役員や幹部クラスの人との会食が入ることも多く、会食も大切な仕事です。

役員になるには

出世を重ねて最終的に役員の座へ

役員を目指すルートとして一般的な方法は、入社した会社で出世を重ねることです。

しかし、大企業で役員になれるのは1000人に1人ほどといわれるほど、厳しいレースを勝ち抜かなくてはならず、相当優秀で運も良くないとなれません。

学歴は会社の種類などにもよりますが、役員をはじめとする幹部クラスを目指せるのは一流大学の出身者など、学歴がある程度限定される場合もあります。

しかし、ベンチャー企業の場合は実力社会なので、入社してすぐに役員になることもありますし、中卒や高卒でもなれる可能性があるようです。

役員の学校・学費

大企業の役員を目指す場合は高学歴が有利

大企業で役員になりたい場合は、競争率も高くなり、実績も必要のため学歴だけではありませんが、同じくらいの実力の候補者がいた場合は高学歴が有利になるでしょう。

また、大企業で役員を目指す場合、週末MBAの講座に通ったり、時には休職して大学院に通ったりということを求められることもあります。

しかし、中小企業やベンチャー企業の場合は必ずしも高学歴である必要はありません。

学歴よりも会社への貢献度や成績の積み重ね、既に役員になっている人からの信頼感などの方が重要になるでしょう。

役員の資格・試験の難易度

特別な資格は必要ない

役員になるための特別な資格はありませんが、経営や財務ついて理解する必要があるため、簿記の知識があるとよいでしょう。

簿記を学ぶことで、無理な経営をしていないか、赤字や資金繰り悪化になる可能性はないかということが分かるようになります。

自社のことだけではなく、業界比較や取引先の財務を理解し、取引の方針を最終決定するのも役員の役割ですし、銀行と財務について対等に話ができないと思うような支援が受けられません。

役員の給料・年収

業種や会社の規模で大きく異なる

役員に支払われる給料は、一般の従業員が労働の対価として受け取る「給与」とは異なり、「役員報酬」と呼ばれるものです。

役員報酬は株主総会で決議される事項の一つとなっており、会社の経営状況や方針、利益見込みなどによって決まり、業績が悪い場合は責任を取って大幅減となる時もあります。

トップクラスの上場企業になると役員報酬は億単位にのぼり、さらに保有株による配当収入もあわせると、数十億円の報酬を得ている役員もいるそうです。

ただし、中小企業の役員の報酬は、会社員の平均年収とそこまで変わらない場合もあります。

役員のやりがい、楽しさ

会社の経営方針を決められる

役員の楽しさは、会社の業績や評判を上げるための経営方針を他の役員と共に考え、決められるということです。

会社を良くするために、それまで培ってきた経験を活かして経営方針を考え、その方針の通りプロジェクトが動くように部下や従業員に指示を与えます。

従業員を育てながら一緒にプロジェクトを動かすのは楽しいですし、自分が考えた方針による経営推進が成功して、会社の業績が伸びたり、評判が良くなったりするとやりがいを感じるでしょう。

役員のつらいこと、大変なこと

計画通りに行かない時は責任をとる

役員は経営方針が上手く進められずに、業績悪化や不祥事などが起きてしまった場合に、責任を取って辞任したり、降格させられたりする可能性があります。

部下の責任は自分の責任といった感じになるので、部下の仕事ぶりを日頃からよく観察し、上手く行かなさそうならフォローを入れるなど、きめ細やかな気配りが必要になります。

また、案件も多く抱えることになるので、同時に進む色んなプロジェクトを理解し、進行状況を逐一チェックしていくのも大変です。

役員に向いている人・適性

攻めも守りも強い人

役員になる人は、たくさんの実績を積んでその地位に立つことになりますが、営業成績や開発技術が抜群に良いというだけではいけません。

目先の利益だけを考えて行動するのではなく、会社にとってマイナスの影響がありそうなものについては取引を辞めるなどの守りの姿勢も取る必要があります。

そのため、取引先や業界の情報はこまめにチェックするなどのリスク管理は、役員にとって大切な仕事です。

攻めも守りもバランスよくこなし、従業員に対して的確な指示を出せる人が経営のトップに立つ役員に向いているといえます。

役員志望動機・目指すきっかけ

経営に携わりたい気持ちがきっかけ

役員を目指す人は、人に支持されて動くのではなく、自らが経営に携わりたいという気持ちが強い人が多いです。

役員になるような人は、仕事が好きで、どうやったら仕事を上手く進めるか、どうやったら会社が良くなるかということを若手の内から考えながら仕事をして、常に同僚に負けない努力をしています。

責任も重く、中途半端な気持ちで務まる仕事ではないので、絶対に役員になりたいという覚悟とモチベーションを保つ必要があります。

役員の雇用形態・働き方

一般的な従業員に比べると不安定

役員の報酬は保証されておらず、労災・雇用保険に加入できないので、一般的な従業員に比べると安定はしていません。

しかし、執行役員という役職の場合は、法務局にて登記する必要がなく、会社法・商業登記法では役員ではなく従業員にあたります。

そのため、役員という名称がついていても執行役員の場合は労働者性が強いと認められれば、労災や雇用保険の加入対象となります。

また、退職金についても役員は当然もらえるという訳ではなく、役員にも退職金が出される会社は退職慰労金という形で支給されます。

役員の勤務時間・休日・生活

休日も仕事のことで頭はいっぱい

役員になると、朝早くから情報収集を行い、夜は会食が多く、土日はゴルフ接待や取引先の行事に参加など、忙しくてゆっくり休まるときはなかなかありません。

また、休日にトラブルが発生したり、不祥事が起きたりした場合も連絡が入ったらすぐに対応する必要があります。

すべては会社が上手く経営できるために行う必要があり、怠ったら自分に責任が返ってきてしまうので、役員就任期間中は常に仕事漬けになる覚悟はしなくてはいけません。

役員の求人・就職状況・需要

多くの場合経験が必要になる

役員になるための資格試験などはないので、自分や友達と起業する場合は未経験でも役員になれます。

しかし、社会人経験や営業・財務・マネージメントの知識がないと役員の仕事は難しいので、一般企業の求人では経験が必要になることが多いです。

役員ならば知っていて当然と思われることも多く、とっさに答えられないようなことがあれば一気に信頼がなくなってしまいます。

このような理由からも役員には社会人経験と様々な知識を持つ人材が求められます。

役員の転職状況・未経験採用

経験者なら転職しやすい

役員経験者であれば、比較的転職はしやすく、役員経験者向けの転職サイトやヘッドハンティングもあります。

自分のスキルアップや報酬アップのために、より規模の大きい会社への転職を目指す人も多いのではないでしょうか。

役員未経験でいきなり大手企業の役員に抜擢されるのは正直難しいですが、逆に大手企業の支店長や部長クラスの人材が中小企業の役員に選ばれるということは考えられるでしょう。

実際にメガバンクの銀行員が出向先で役員になるというケースはよくあります。

役員の現状と将来性・今後の見通し

経営のスキルがあればより力を発揮できる

役員はあらゆる業界・業種の会社で活躍することができますが、会社の規模や種類によって役員に求められることや、ビジネスの進め方などはだいぶ変わってくるでしょう。

役員は他の従業員のように法律で守られる立場ではないため、ある意味では不安定な身分だといえますが、経営に参画できるという大きなやりがいを味わえます。

また、経営の高度なスキルや知識が備わればさまざまな場所で活躍しやすく、待遇が良い会社からヘッドハンティングされたり、自分で起業したりすることも考えられます。