「品質管理」とは

おもに製造業において、生産する製品の品質を管理し、不良品を出さないようにする仕事。

品質管理は、おもに製造業において、生産する製品の品質を管理する仕事です。

不良品の発生を限りなくゼロに近づけ、安定的に同じ品質のものを作り出していくために、製造工程の立案や改善、生産計画の検討、製造スタッフの教育といった業務を担当します。

大手メーカーの新卒採用では、たいてい「大卒以上」の学歴が求められ、理系学部出身者が活躍できます。

平均年収は400万円~700万円程度とされていますが、会社の規模や経験によっても給料に差が出るほか、マネージャーや部長といった管理職に昇進することで大幅な収入アップになることもあります。

会社によっては海外向けの商品の製造を行っており、幅広い専門スキルが身につきます。また「ものづくりの要」となって活躍できる職種であるため、さまざまな方面へのキャリアアップが期待できます。

「品質管理」の仕事紹介

品質管理の仕事内容

商品の製造工程全般を管理する

品質管理は、おもに製造業において、生産する製品の品質を管理する仕事です。

同じ品質の商品を安定して作り出していくために、工場などの製造現場において、製造工程の立案や改善、生産スケジュールの検討、製造スタッフの教育といった業務を担当します。

業務が一部重複している職種として、製品の品質を監査し保証する「品質保証」がありますが、役割は異なります。

品質保証は「製品の品質が基準を満たしているか保証すること」が目的であり、企画から製造計画の立案、クレーム処理まで手掛け、製造段階を問わず製品の品質に対する責任を負います。

これに対し品質管理は「製造工程において品質を管理すること」が主な役割で、不良品が出る原因を調査するなど、製造工程の管理・改善に注力している点が、品質保証との違いです。

品質保証業務の中に、品質管理が含まれているともいえます。

品質管理の就職先・活躍の場

就職先によって業務に幅がある

品質管理の活躍の場は製造業に属する企業で、食品や自動車、医薬品や医療機器、化学、繊維といったさまざまな業界のメーカーが挙げられます。

就職先によって業務内容は異なりますが、大企業の場合は、個人の役割がそれぞれ明確化し、分業のスタイルが確立されているケースが多いようです。

これに対し中小企業では、品質管理と品質保証がひとつの部署にまとめられていたり、ときには部品や材料の製造にまで携わったりと、担当する役割が広くなる傾向にあるようです。

就職先を選ぶ際は、品質管理がその企業でどのような仕事をしているのか、具体的に調べてみるとよいでしょう。

品質管理1日

ものづくりの最前線で働く

品質管理担当者は、本社や事務所でなく、工場などの製造現場で仕事をすることが大半です。

製造現場の担当者とコミュニケーションを取りながら、品質検査などを行います。

8:30 出社
作業着に着替え、製品の検査に用いる機器などの準備、調整を行います。

9:00 品質検査
手順書を確認しながら、製品のサンプル検査を実施します。

12:00 休憩

13:00 デスクワーク
検査結果を取りまとめたり、改善計画を作成したりします。

15:00 工場巡回
生産ラインを実際に目で見ながら、製造担当者と改善案などについて協議します。

17:00 帰社

品質管理になるには

採用条件をよくチェックすべき

品質管理になるためには、品質管理部門を設置している企業に就職することが必要ですが、製品の品質維持・管理業務はほぼすべての製造業で必須となるため、候補先は多数あるでしょう。

企業によっては品質管理として部門別採用を実施しているところもありますが、「技術職」のような大きな括りで募集していることもよくあります。

配属にあたっては、本人の意思ももちろん考慮されますが、適性、会社の状況などを踏まえて決定されますので、部門別採用でなければすぐに品質管理を担当できるとは限らない点に注意しましょう。

品質管理の学校・学費

新卒採用の場合は理系出身者が有利

大手メーカーの新卒採用では、他の職種と同様、たいてい「大卒以上」の学歴が求められますが、技術職であるために、専門の知識を積んだ「高専卒」を採用する企業もあります。

また品質管理は理系職種であるため、企業の属する業界に応じて、機械工学、電気電子工学、情報・通信工学、金属工学、化学、物理などを勉強してきた人は採用に有利となるケースもあるようです。

ただ、新卒採用でなく中途採用の場合は、あまり学歴を問わない募集もそれなりにあるようです。

品質管理の資格・試験の難易度

将来に備える意味で資格を取得する人も

品質管理の業務を行ううえで必須となる資格は特にありませんが、関連の深い資格として「品質管理検定(QC検定)」があります。

難易度に応じて1~4級の区分が設けられており、それぞれの知識レベルに合わせて、社会人や大学生だけでなく、毎年1万人弱の高校生も受験しているようです。

最も難易度の低い4級については、主宰する「日本規格協会」のホームページからテキストなどを無料でダウンロードできますので、興味があれば取り組んでみるのもよいでしょう。

資格を取得していれば、就職や転職の際に役立つ可能性も十分あります。

日本規格協会 品質管理検定(QC検定)

品質管理の給料・年収

能力などに応じ徐々に上がっていく

品質管理の平均年収は、400万円~700万円程度とされています。

会社の規模や経験などによって給料には差が生じますが、他職種と同様に、年齢が上がるにつれて年収も段階的に増えていく傾向にあります。

また、品質管理が活躍できる業界は幅広いため、同じ職種であっても属する業界によって平均給与額が異なります。

マネージャーや部長といった管理職に昇進することで、大幅な収入アップになることもありますし、実務経験を積めば、転職によって収入を大きく上げる道も考えられるでしょう。

品質管理のやりがい、楽しさ

成果はきちんと数字に表れる

品質管理の仕事は基本的に裏方であり、日々の業務は不良品のチェックや検査など、地味な作業ばかりです。

しかしそうした作業に一生懸命取り組んでいれば、たとえ少しずつでも、着実に数字として成果に表れます。

地道な努力で状況がよくなっていくことには、確かなやりがいを感じられるでしょう。

また、知識と経験を積んでいけば、生産ラインを抜本的に改善するようなアイデアを出すなど、自身のオリジナリティを発揮する仕事にも挑戦できます。

品質管理のつらいこと、大変なこと

問題の解決に苦慮することも

生産がスケジュール通りに進まなかったり、想定よりも多数の不良品が発生するなど、品質管理が取り組むべき問題は多数生じますが、それらの原因を突き止めることは容易ではありません。

また、原因が判明しても、その解決策・改善案を編み出すことはさらに困難で、場合によっては長いあいだ対応に頭を悩ませることもしばしばです。

そんなときでも、諦めないで粘り強く考え続けなければならない点は、品質管理の仕事の大変さといえるでしょう。

品質管理に向いている人・適性

真面目で丁寧な作業ができる人

品質管理は、ものづくりの現場において、製品を出荷する前の「最後の砦」となります。

製造工程や製品を最終的にチェックするという失敗の許されない役割を担う品質管理担当者は、絶対に手を抜かない真面目さと、作業に対する強い責任感を持っていることが何よりも大切なことです。

集中力を維持するのに難しいルーティンワークの中にあっても、丁寧に細かいところまで目を配れる注意力の高い人には、品質管理の適性があるといえるでしょう。

品質管理志望動機・目指すきっかけ

さまざまなトラブルから社会を守りたい

自動車事故や食中毒事件などに代表されるように、企業が十分な品質管理を怠った結果、社会に不良品が出回り、それによって消費者が被害をこうむるケースは決して少なくありません。

品質管理を志望するのは、そういったニュースを目にして、人々を守りたいと思う正義感の強い人が多い印象です。

またひとくちに品質管理といっても、品質管理が関係する業界は複数ありますので、志望する企業によってその動機はさまざまに考えられるでしょう。

その企業が製造する商品のユーザーであることも、目指すきっかけとなるかもしれません。

品質管理の雇用形態・働き方

スキルには汎用性があり、働き方はさまざま

品質管理の働き方はさまざまで、業務を長く担当し、そのまま管理職となる人もいれば、他の技術職である技術管理、技術開発、生産管理、生産技術、品質保証などへ異動になる人もいます。

品質管理は生産ライン全体をみることができますので、そこで培ったスキルや知識は別の職種を担う際にも有効となるようです。

また、品質管理業務はあらゆるものづくりの現場で必要となり、転職者の求人数が比較的多いことから、他社へと転職してステップアップを図る人も少なくない印象です。

品質管理の勤務時間・休日・生活

朝が少し早く、残業は少ない

品質管理は基本的に工場で勤務する時間が大半を占めるため、その稼働時間に合わせて、オフィスで働くサラリーマンよりも朝の始業時間は早めに設定されています。

その代わり、品質管理には製造スタッフの労働環境改善業務が含まれている影響もあって、残業時間は他職種よりも少なめであることが多く、定時で帰宅できることも珍しくないでしょう。

休日についても、生産ラインが稼働していない日に業務をすることは稀ですので、あらかじめ定められたスケジュール通りに休めるでしょう。

品質管理の求人・就職状況・需要

メーカーにとって品質管理は必要不可欠

どれだけ企業に高い技術力や企画力があっても、製品を安定的に、一定の品質を保って生産できる体制が整っていなければ、事業として成り立ちません。

ものづくりを行う企業にとって、品質管理は会社の業績を大きく左右する重要な部門であり、社会情勢や景気変動に関係なく、求人は常に数多くあります。

なかでも、業界や業務に関連した知識・スキルを持った人材、特に理系の学部で専門的な研究を行った経験のある学生は、企業からの人気が非常に高いようです。

品質管理の転職状況・未経験採用

転職市場は活況、未経験者でもチャンス

品質管理の方法は企業によって大きく異なり、就職してから現場で実務を学んでいく部分が大きいため、未経験者であっても企業は採用に積極的です。

企業の中には、転職エージェントや転職サイトに求人情報を公開して、自社の事業と親和性の高い理系出身者を中心にスカウティング活動を行っているところもあります。

もちろん転職先で役立つスキルを備えた経験者は、未経験者よりもさらに歓迎される傾向にあり、転職を成功させて大きく収入を伸ばす人もいます。

品質管理の現状と将来性・今後の見通し

活躍できる方面は今後拡がっていく

近年では、生産コストの削減や新しい販路開拓などを企図して、海外へと生産拠点を移す企業が多くなっています。

これに伴って、品質管理業務もグローバルな視点で行うことの重要性が高まっており、海外での品質管理を行える人材のニーズが増加しています。

品質管理はものづくりの要として活躍できる職種であるため、国内外を問わず、今後も求められる役割は多様化していくと予想されます。

実力次第で、さまざまな方面へのキャリアアップが期待できる有望な職種といえるでしょう。