「人事」の仕事とは

人事の仕事内容

従業員にとって働きやすい環境作り

人事担当として働く人は、企業の「人事部」や「総務部」に所属して働きます。

人事の内容としては、企業活動をする上で不可欠な「人材」の採用や評価、教育、昇進・昇格、労務管理などに関わることになります。

ただし、大手企業のように「人事部」をひとつの部門として設置しているところもあれば、小規模の組織では経営者自らが人事に携わっているようなケースもあります。

人事の役割は、営業のように数字を求めるものではなく、経営者に近い立場で、従業員にとって働きやすい環境作りをすることです。

組織発展を目的に、経営計画に基づいて優秀な人材を採用し、労働環境や福利厚生を改善して、従業員が良いパフォーマンスができる手助けをします。

人事の就職先・活躍の場

ほとんどの企業に存在する役割

人事の仕事はほとんどの企業に存在します。

規模の小さい企業では、経営者自らが採用・教育・評価などを行う場合もありますが、ある程度の規模の企業では労務管理などの細かい作業は人事担当が行うようです。

大企業の場合は、人事の中でも業務内容は細かく分かれていて、採用・教育・評価・労務管理・福利厚生などそれぞれ与えられたミッションの中で働きます。

そのため、同じ人事でも役割が異なれば全く仕事内容が分からないという場合もあります。

人事1日

採用や評価の時期は忙しい

人事の仕事は労務管理の場合は月末や年末調整の時期が忙しくなり、採用や評価の担当は該当する時期前後が1年の中で一番忙しい時期になります。

08:20 出社
その日にやるべきことやメールチェックを行います。

08:50 朝礼
同僚内で連絡事項を共有します。

09:00 ミーティング
人事部内で、次年度の採用活動に関してのミーティングを行います。

11:00 労務に関する事務手続き
中途採用で新しく入社した社員の健康保険や雇用保険などの事務手続きを進めます。

12:00 休憩
昼食を食べます。

13:30 内定者への連絡
今後のスケジュールや事務手続きを連絡します。

16:00資料作成
採用活動の会社説明会で使用するプレゼンテーションのスライドや配布資料を作成します。

18:00 退社
繁忙期以外は仕事が終われば直ぐに帰宅します。

人事になるには

新卒では採用後に適正を見て配属される

新卒で人事職として採用されることはほぼなく、「総合職」として一括採用を行い、本人の希望や適性によって、人事の仕事に配属されることが多いです。

ただし、人事は大企業であってもそこまで多くの人員を配置しないため、枠が空かなければ人事に配属はされることはありません。

中途採用では人事担当の採用はありますが、経験者の方が有利なので、未経験で挑戦する場合はなぜ人事職につきたいのかという志望動機をしっかり伝える必要があります。

人事の学校・学費

法学部が有利な場合も

総合職で人事職を目指すなら、当然大卒の高学歴が有利になりますが、上記でも説明した通り新卒採用から人事担当としてピンポイントで採用されるとこは少ないです。

絶対出ないといけない学科もありませんが、人事では就労規則を考えたり、労災対応をしたりということも考えられるので、法律に詳しい法学部が有利になる可能性もあります。

また、一般的にアシスタント職が行う給与計算や労務管理は、企業によっては大卒だけではなく、高卒や短大卒でも採用されます。

人事の資格・試験の難易度

昇給やスキルアップのための資格

人事担当として必ず取らなくてはいけない資格はありませんが、昇給やスキルアップのために取ることを推奨される資格はあります。

例えば、メンタルヘルス・マネジメント検定は従業員のメンタルヘルスを保つために何をすべきかを学べる検定です。

労働者が50人以上いる事業所に対して、2015年から1年に1回ストレスチェックの実施が義務付けられています。

従業員がストレスチェックに引っかかることなく、心地よく働ける環境作りを考える上で役立つ検定といえるでしょう。

人事の給料・年収

企業により大きく差がある

人事の給料は、勤務先となる企業の規模や経験、年齢などによって異なりますが、平均年収は450万円程度といわれています。

20代の若手から40代以上のベテランまで幅広い年齢層の人が活躍している仕事であり、営業のように成績も見えにくいのでずば抜けて良い給料をもらえる訳ではありません。

しかし、業績の良い大企業で管理職にまで昇進してマネジメントに携わるようになると、年収1000万円以上を稼いでいる人もいます。

また、採用担当などはプレゼン準備や採用活動で残業が多くなるため、残業代で年収が増えることもあります。

人事のやりがい、楽しさ

従業員の人生に関わることができる

人事の仕事は、採用・昇格・異動・退職の手続きまで従業員の人生を左右させることもあります。

例えば、採用担当の場合は内定時期から関わることになりますが、採用した人が1人前になる姿を見届けられることはやりがいです。

昇格や異動は人生に左右するので責任感がありますが、本人や会社を良い方向に動かす力添えができます。

営業とは違い数字では判断できませんが、従業員が生き生きと働いている姿を見ることで人事としての意味を感じることができます。

人事のつらいこと、大変なこと

経営者と従業員の板挟みになりやすい

人事のつらいことは、経営者と従業員の板挟みになりやすいということです。

例えば経営者がやりたいプロジェクトがあり、それを成功させるためには従業員に無理させることもあるでしょう。

人事としては人材配置や教育を行う立場になりますが、そのプロジェクトに対して従業員に不満がある場合はそれを人事に向けられやすくなります。

従業員が辞めてしまうと、また採用や教育などで忙しくなるので、なるべく不満が出ないように社内調整を上手く行うのが大変です。

人事に向いている人・適性

切り替えが早く明るい性格の人

人事は上記の通り、外部とのやり取りよりも社内調整を行う仕事が多いです。

経営者からは無理を言われることも多いでしょうし、外部のお客さまに対しては丁寧な対応をする従業員も、同じ会社の人事にはきつく当たることもあるかもしれません。

また、評価をする立場なので逆にほかの部署の従業員から距離を置かれる可能性もあります。

そのため、人事担当は自分が特殊な部署にいると割り切り、いつも明るく対応できる人に向いているといえるでしょう。

人事志望動機・目指すきっかけ

企業の顔として出会ってから

人事は新卒で会社説明会などに出向くときに、学生が初めて出会う企業の顔のような存在です。

大体の就活生は、総合職の場合は営業や技術職などを志し、最初から事務系を目指すことは少ないと思います。

人事は企業全体の説明・質疑応答を丁寧に行うので、企業説明会などに参加して人事が活躍している姿を見て、同じような仕事をしたいと思うのが一つのきっかけになることもあります。

また、一度企業に所属して他の職種を経験してから、企業にとってプラスになる採用や教育がしたいと思い、キャリアローテーションなどを目指すこともあるでしょう。

人事の雇用形態・働き方

一般的に正社員として働く

人事の仕事は、企業にとって外部に漏らしたくない情報なども多いので、基本的には正社員として採用された人が行う場合が多いです。

特に採用や評価に関わることは、企業にとって重要度も高いので、経営者が信頼をおける人材が担うことになります。

アシスタント職の場合は派遣や契約社員の場合もありますが、採用や教育、評価について直接的に関わることは少なく、スケジュール管理や勤怠管理などの事務を中心に行うことになるでしょう。

人事の勤務時間・休日・生活

基本的には土日休みが多い

勤務時間は、平日出勤で土日休みになることが多いと思いますが、企業の休みに準ずることになります。

採用時期や評価の時期、新入社員が入社してきた時などは忙しくなり、残業も増えることが多いです。

採用の説明会が土日の場合は休日出勤を行う必要もあります。

また、勤怠管理の締めの時期や年末調整の時期も忙しくなるでしょう。

ただし、それ以外は急ぎの仕事がない時は仕事が終わっていれば定時に帰ることもできますが、ノルマもなく自己満足に近い世界なので上手くコントロールする必要があります。

人事の求人・就職状況・需要

需要が高い職種

一般的に、日本の企業では新卒で自らが人事職を選べることは少なく、総合職や一般職として一括で採用された後、適性を見込まれて配属されることが多いです。

人事職の採用がある場合はどの企業でも通用する人気職種なのでかなりの競争率となるでしょう。

新卒で配属が人事職ではなく、人事職に就きたいと思ったら、人事面談で職種変更をしたいということをアピールするか、人事職を募集している企業に転職する必要があります。

人事の転職状況・未経験採用

人事職は競争率が高い

人事はどこの会社でもある仕事なので需要が高い職種かつ、人気職種のため辞める人も少なく、中途の募集はすぐに応募が殺到します。

人事未経験でも大丈夫な場合もありますが、競争率が高い分経験者の方が有利だといえます。

未経験者が転職して人事職に就きたい場合は、なぜ人事職に就きたいのか、前職で生かせる経験はあるのかなどをしっかり面接で述べて、未経験でも任せられると思われる必要があります。

人事の現状と将来性・今後の見通し

人事はどの企業でも必要な役割

人事はあらゆる企業で必要とされる職種であり、今後もこの仕事がなくなることは考えにくいです。

人事経験者は転職時も重宝されるので、他の職種に比べても転職もしやすいでしょう。

また、近年はどの企業も厳しい競争社会で生き残るために、人事にもビジネスや経営戦略に対する知識を求め、戦略的人事を行なおうとする傾向にあります。

社内の中で上手くコミュニケーションをとり、会社の利益を上げる人材育成、働きやすい環境づくりができると評価も上がることでしょう。