役員のボーナス・役員賞与とは? いくらくらいもらえる?
役員のボーナスは「役員賞与」と呼ばれる
会社の社員(従業員)として働く場合、毎月など決まったタイミングで支給される「給与」のほか、会社の経営状況や業績、個人の成果などに応じてボーナス、つまり「賞与」が支給されることがあります。
一方、役員は従業員ではないため、給与や賞与の捉え方は従業員とは異なります。
役員に支払われる給料は、大きく分けて「役員報酬」と「役員賞与」の2種類です。
簡単にいうと、賞与や退職給与(退職金)以外のものが役員報酬、そして臨時的に支給されるもの(ただし退職給与以外のもの)が役員賞与にあたります。
臨時的に支給される点では、従業員の賞与も、役員の役員賞与も、同じようなものといえるでしょう。
役員賞与の特徴
従業員の給与や賞与は、会社の経費である「損金」としての計上が可能ですが、役員賞与は「利益の分配」とみなされるため、原則として損金にすることができません。
したがって、法人税、所得税、住民税といった各種税金が課せられる対象となります。
ただし「事前確定届出給与」という方法を利用すれば、役員賞与を支給する場合にも、損金に計上することが認められます。
事前確定届出給与のルールは、
・役員に対するボーナスの額・支払日を事前に確定する
・届出期限(株主総会から1ヵ月を経過する日もしくは事業年度開始から4ヵ月を経過する日のいずれか早いほう)までに税務署に届出書を提出する
・確定した支払日に届出書を提出する
というものになります。
この方法では、支払日が1日、そして支払額が1円でもずれると全額損金計上が不可能になってしまいます。
役員賞与はいくらくらいもらえる?
役員賞与は、突発的に支払うと大きな税金が課せられてしまうため、通常、上記で紹介した事前確定届出給与などの方法がとられます。
したがって、利益が思ったよりも出たから急遽役員にもボーナスを支給するわけではなく、年度計画のなかで役員報酬と一緒に役員賞与の支払いの有無やその額を決め、株主総会で決議します。
役員報酬の支給額は企業の規模や経営状態によって異なり、大きな幅があります。
「労務行政研究所」による「2017年役員報酬・賞与等の最新実態」調査によると、取締役の報酬月額は137万円・年間賞与は186万円、常勤監査役の報酬月額は113万円・年間賞与は32万円です。
役員のなかでも副社長や社長、会長などの役位に就くと、役員報酬も役員賞与はさらに高額になる傾向です。
経営が順調な上場企業では、役員報酬と役員賞与を合わせると、数億円~数十億円単位もの報酬を得ている役員も存在します。
しかし、会社の規模や立場によってかなり大きな幅があり、高額な役員賞与を得ているのは限られた人のみといえます。