仕事体験談 新聞社ごとに体制は異なる 回答者 : にゃんこさん(男性/35歳) 職業名 : 地方新聞社 営業、記者現在の状態 : 経験者経験年数 : 約8年 仕事内容 奈良県生まれの奈良県育ちで、地元に貢献したいとの思いから新卒で就職しました。 朝刊のみの一般紙を発行する新聞社です。 入社からの約2年は企画部営業課という部署で主に新聞広告の募集から掲載までを担当し、定期的に会社主催イベントの企画・運営・実施などを行っていました。 広告は毎月契約の固定客が約1~2割で、残り8~9割を自社企画で稼いでいたような状況です。 大手新聞社はほとんど代理店任せで直接営業に行くことはなく、そもそもそんな部署もないそうなので、かなり特殊な例だと思います。 仕事のやりがい 地域に密着した会社・事業内容であるため、良くも悪くも地元との距離が近いです。 反響をダイレクトに受けられることはやりがいにつながります。 営業でお金をいただく立場でも、温かく接してくださる顧客もありましたし、取材に行くと媚びを売り、お願いに上がるとけんもほろろ、という人もいました。 営業であれば自分の企画で紙面が充実して利益が上がること、記者であればメールや電話で掲載記事についてお礼を言われることが大きなやりがいでした。 規模が小さく、一つの仕事に関わる度合いが高いので(記者としては見開き2ページを1人で作ることも日常でした)、自分の働きの大きさを感じられるのが良いですね。 新聞として形に残ることも大きな魅力だと思います。 覚悟しておいた方がいいこと 休日があってないような面が一番の特徴です。 営業であれば顧客優先、記者であれば事件や取材対象が優先になります。 分かりやすい話では、記者になると宿直などの当番に加え、夜中に家の近所で家事や大きな事件があればたたき起こされて取材に急行、などということも普通です。 大手紙では毎年新入社員が入り、待遇は世間一般より良いようです。 地方紙の場合はまちまちで、私がいた所は新人が入らず、待遇は年次昇給500円でした。 給料・待遇 基本給は16万7000円台で、業界としては恐ろしく低かったです。 ただ、当時は給料面にこだわりはなく、まったく気になりませんでした。 「社会に貢献できる仕事だ」という会社側の説明通りで、周りも同じ誇りを胸に働いていた気がします。 8年働き、宿直勤務約1万円や通勤費約1万円、見込み残業代1.4万円を入れても手取り20万スレスレで年収も200万をわずかに上回った程度です。 もちろん全てでそうではないですが、そんなところもあることは知っておいてください。 この職業の恋愛・結婚事情 営業はほぼカレンダー通りの勤務になりますが、記者や制作担当は不定期勤務になります。 記者は仕事に合わせて休みを調整し、制作は社内のローテーションで動くイメージです。 よって社内恋愛・結婚が割と多く、私が知っているだけでも5組ありました。 社内恋愛だと相手の収入もおおよそ分かりますし、お互いに理解がある(というかせざるを得ない)のが利点になる気がします。 そのうち4組は共働きでしたので、やはり片方の収入だけでは成り立たないことの証明でしょう。 全国紙の場合はそうでもないようです。 また、社外との結婚でも同業他社との結婚が多かったです。 仕事関係以外での出会いが少ないことの表れでしょうか。 あとは仕事関係からのすれ違いで離婚とかも聞きました。 でも異業種のかたと普通に恋愛して結婚している人もいましたので、まあどこででもある範囲かと思います。 この職業を目指す人へのメッセージ まず気を付けてほしいのは『マスコミ業界』というイメージにとらわれないで欲しいということです。 他の業種でもままありますが、マスコミは特にイメージが先行している気がします。 事件や事故を追いかけて「デスク!スクープです!!」みたいな漫画的なイメージがいまだに信じられているような印象を受けます。 そこまで古くはないよ、という人も、逆に、最近一部で言われている『マスゴミ』という言葉についてはどうでしょう。 マスコミ≒悪、のような捉え方には違和感・抵抗感を覚えます。 どんな仕事にも魅力もあれば辛い面もあります。 特にマスコミは情報に付加価値という名の評価を加えて発信する立場であり、さらに新聞社はテレビその他に比べて保存性に優れているため、より『後に残る』ことを意識する必要があります。 「会社への帰属意識が低くなり、仕事の意義を感じにくくなって転職率が高い」という調べも目にしたことがあります。 ただ、自分自身が誇りを持って働けていれば、周りは関係ないはずです。 新聞社ごとに異なる体制をよく研究し、理解・納得されたうえで就職されることをお薦めします。
朝刊のみの一般紙を発行する新聞社です。
入社からの約2年は企画部営業課という部署で主に新聞広告の募集から掲載までを担当し、定期的に会社主催イベントの企画・運営・実施などを行っていました。
広告は毎月契約の固定客が約1~2割で、残り8~9割を自社企画で稼いでいたような状況です。
大手新聞社はほとんど代理店任せで直接営業に行くことはなく、そもそもそんな部署もないそうなので、かなり特殊な例だと思います。
反響をダイレクトに受けられることはやりがいにつながります。
営業でお金をいただく立場でも、温かく接してくださる顧客もありましたし、取材に行くと媚びを売り、お願いに上がるとけんもほろろ、という人もいました。
営業であれば自分の企画で紙面が充実して利益が上がること、記者であればメールや電話で掲載記事についてお礼を言われることが大きなやりがいでした。
規模が小さく、一つの仕事に関わる度合いが高いので(記者としては見開き2ページを1人で作ることも日常でした)、自分の働きの大きさを感じられるのが良いですね。
新聞として形に残ることも大きな魅力だと思います。
営業であれば顧客優先、記者であれば事件や取材対象が優先になります。
分かりやすい話では、記者になると宿直などの当番に加え、夜中に家の近所で家事や大きな事件があればたたき起こされて取材に急行、などということも普通です。
大手紙では毎年新入社員が入り、待遇は世間一般より良いようです。
地方紙の場合はまちまちで、私がいた所は新人が入らず、待遇は年次昇給500円でした。
ただ、当時は給料面にこだわりはなく、まったく気になりませんでした。
「社会に貢献できる仕事だ」という会社側の説明通りで、周りも同じ誇りを胸に働いていた気がします。
8年働き、宿直勤務約1万円や通勤費約1万円、見込み残業代1.4万円を入れても手取り20万スレスレで年収も200万をわずかに上回った程度です。
もちろん全てでそうではないですが、そんなところもあることは知っておいてください。
記者は仕事に合わせて休みを調整し、制作は社内のローテーションで動くイメージです。
よって社内恋愛・結婚が割と多く、私が知っているだけでも5組ありました。
社内恋愛だと相手の収入もおおよそ分かりますし、お互いに理解がある(というかせざるを得ない)のが利点になる気がします。
そのうち4組は共働きでしたので、やはり片方の収入だけでは成り立たないことの証明でしょう。
全国紙の場合はそうでもないようです。
また、社外との結婚でも同業他社との結婚が多かったです。
仕事関係以外での出会いが少ないことの表れでしょうか。
あとは仕事関係からのすれ違いで離婚とかも聞きました。
でも異業種のかたと普通に恋愛して結婚している人もいましたので、まあどこででもある範囲かと思います。
他の業種でもままありますが、マスコミは特にイメージが先行している気がします。
事件や事故を追いかけて「デスク!スクープです!!」みたいな漫画的なイメージがいまだに信じられているような印象を受けます。
そこまで古くはないよ、という人も、逆に、最近一部で言われている『マスゴミ』という言葉についてはどうでしょう。
マスコミ≒悪、のような捉え方には違和感・抵抗感を覚えます。
どんな仕事にも魅力もあれば辛い面もあります。
特にマスコミは情報に付加価値という名の評価を加えて発信する立場であり、さらに新聞社はテレビその他に比べて保存性に優れているため、より『後に残る』ことを意識する必要があります。
「会社への帰属意識が低くなり、仕事の意義を感じにくくなって転職率が高い」という調べも目にしたことがあります。
ただ、自分自身が誇りを持って働けていれば、周りは関係ないはずです。
新聞社ごとに異なる体制をよく研究し、理解・納得されたうえで就職されることをお薦めします。