建築士の現状と将来性

社会貢献度が高まる建築士

私たちが暮らす住宅は、時代とともに大きくスタイルが移り変わるものです。かつて日本では平屋の木造住宅が一般的でしたが、最近では鉄筋の高層マンションが非常に多くなってきています。

さらに、お年寄りや障がい者でも生活がしやすい「バリアフリー」という概念が広がったことや、地球環境に配慮した「エコハウス」や「ソーラーエネルギー」などの概念が広がったこと、大地震に備える「耐震・免震」の必要性が認識されるようになったことなどがあって、設計においてもさまざまな感性や新たなアイディアが必要になりました。

近年では、このように建築士が時代の流れに適した住宅を作り出すことで社会の健全な発展を支える役割を果たしているということが広く認知されるようになっています。

今後も、高齢化社会や環境問題の解決、災害への備えなどのさまざまな局面で、建築士の活躍が期待されています。

人口減少が与える影響も

建築士の社会的な役割が期待される一方で、将来的には建築士の設計の案件自体は減るのではないかという見方もあります。

その大きな理由が、人口の減少です。少子化の影響で日本の人口は減り続けており、そのぶん住宅の供給が過多になる傾向があります。また、かつてのように一軒家で暮らす世帯が減っており、同時にマンションのような集合住宅で暮らす世帯が圧倒的に増えています。

さらに、昔に比べると非正規雇用の人が増えたことから、家の購入という大きな買い物を避けて、一生借家で暮らすという選択をとる人も増えています。こうしたことから、建築士が一般の住宅を設計する機会は減っていくと考えられているのです。

個人事務所で一般住宅をターゲットに設計を行っているところは特に、こうした時代の流れに売り上げが大きく影響されることになります。

これから建築士をめざす人は、こうした社会の現状を踏まえたうえで、どんなお客さまをターゲットにしたどんな建築物を作っていきたいのか、しっかりと計画を立てることが大切です。