建築士になるには

建築士として活躍するまでのステップ

資格を取得するまで

建築士は国家資格であるため、建築士になるには「一級建築士」「二級建築士」「木造建築士」のいずれかの資格を取得しなければなりません。

ただし、試験を受けるためには、それぞれの学歴に応じた実務経験が必要になります。

たとえば、高校の建築・土木科を卒業した人は、実務経験を3年以上積むと、二級建築士または木造建築士の受験資格が得られます。

最短で受験資格を得る道は、大学・短大・高専いずれかの建築学科に進学することで、実務経験0年、つまり卒業後すぐに二級建築士試験を受けることが可能です。

資格を取得してから

しかし、資格取得はあくまで建築士としてのスタートラインであり、構造力学や地学、建築基準法などに関する知識を証明するものにすぎません。

実際に建築士として仕事をするためには、設計事務所や建設会社などに就職し、CADなどの実務スキルや、優れた設計を生み出す美的センスを磨いていくことが必要です。

また、建築業界は厳しい実力主義の世界であり、知識やスキルに加えて、他の建築士とは一線を画したオリジナリティや、他者には真似できないアイディア力がなければ、活躍し続けることは困難です。

関連法律も頻繁に改正されていきますので、知識、技術、発想力、センスなど、建築士は生涯にわたって能力を磨き続けていく努力が必要になるといえます。

一級建築士までの最短ルートは?

建築士を志す多くの人は、一級建築士までの資格取得を目標にしています。

しかし、一級建築士資格は、二級よりもさらに受験要件が厳しく、学歴によってはキャリアに10年ほどの開きが生じるケースもありますので、進路の選択はきわめて重要といえます。

一級建築士までの最短ルートは、大学・短大・専門学校いずれかの学校の建築学科に進学し、卒業後すぐ二級建築士の資格を取得、2年間の実務経験を積んで一級を受験する、という道です。

試験の難易度を考えれば、相当な努力が要求されるのは間違いありませんが、上記のルートを辿れば20代のうちに一級建築士になることも十分に可能です。

建築士の資格・難易度

近年の二級建築士試験の合格率は25%前後、一級建築士試験の合格率は10%前後で推移しています。

どちらの試験も、まず建築計画、建築法規、建築構造、建築施工などの知識を問う「学科試験」が実施され、学科試験に合格した人だけが、次の「設計製図試験」に進むことができます。

一級・二級どちらも難関試験として知られており、長い期間をかけて勉強する必要があるでしょう。

とくに一級建築士試験は、一次試験である学科試験でさえ、突破できる人は例年受験者全体の2割にも達しておらず、非常に狭き門となっています。

全国の資格保有者数をみても、一級と二級では登録者数に2倍以上の開きがあり、一級資格の難易度の高さが表れているといえます。

試験に一発合格できる人は少数派で、多くの受験者は何年も繰り返しチャレンジして、ようやく合格するようですので、一度や二度の不合格で諦めないガッツが必要です。

建築士試験の難易度・合格率

建築士になるための学校の種類

大学や高校などの教育機関

建築士を志望する人の多くが目指すのは、大学・短大・専門学校の建築学科です。

卒業後すぐに二級建築士試験の受験資格を得られるうえ、就職活動においても有利になりやすいというメリットがあります。

また、大学院を併設している学校も多く、より高度な専門知識を学ぶことができます。

中学卒業後、高校の普通科ではなく、建築科に進学するという道も有効ですが、二級の受験資格を得るには卒業後3年間の実務経験を積む必要があるため、大学の建築学科などに比べるとスタートはやや遅れます。

専門学校や予備校などの民間企業

また、高校や大学といった教育機関のほか、民間の資格専門学校・予備校などもあり、大手予備校のほとんどは、建築士向けの専門講座を設けています。

建築士を目指す人のなかには、昼間は大学などで授業を受けながら、さらに夜間には予備校に通うという「ダブルスクール」で資格の勉強に励んでいる人も珍しくありません。

資格試験対策の予備校は少なくとも20万円前後の費用がかかりますので、経済的負担は決して軽くないといえますが、建築士試験の難易度を考えれば、こうした努力が必要といえるかもしれません。

建築士になるためにはどんな学校に行けばいい?(大学・専門学校・通信)

建築士に向いている人

建築士には、構造計算や強度算定を行うための理数系の能力と、美しい設計やデザインを生み出すための美的センスの双方が必要です。

それに加えて、平面上の図面を読み解き、具体的に立体となった建物の完成形を思い描ける、想像力の豊かな人が向いているでしょう。

さらに、依頼者の話を聞き、依頼者が抱いているイメージや、建物に対する理想を正確に汲み取るためのコミュニケーション能力も必要です。

また、依頼者から持ち掛けられる多種多様な要望を実現するためには、その都度異なったアイディアが求められますので、柔軟な発想ができる人ほど、建築士として活躍しやすいでしょう。

建築士に向いている人・適性・必要なスキル

建築士のキャリアプラン・キャリアパス

建築士のキャリアプランとして一般的なのは、学校を卒業した後に二級建築士を取得し、資格を生かして就職、働きながらキャリアを積んで、一級建築士資格の取得を目指すというものです。

ただ、採用時点では二級建築士の資格を問わないという企業も多くあり、就職後に二級建築士試験を受ける人もいます。

また、戸建住宅の設計を専門に手掛けたい場合など、一級建築士を取得する必要がないケースもあり、辿るキャリアは人によってさまざまです。

十分に経験とスキルを積んだ後には、独立して自身の建築設計事務所を開業する人も珍しくありません。

建築士を目指せる年齢は?

建築士試験には年齢制限はなく、何歳からでも建築士になることは可能です。

資格の専門学校などでは、まったくの未経験者を対象とした学習コースや、社会人向けの夜間コースなども豊富に開講されており、各自の事情や生活スタイルに合わせて勉強することができるでしょう。

ただし、受験するためには学歴に応じた実務経験が必要で、設計事務所や建設会社、工務店などで、建築物の設計・工事監理・施工管理業務などを行わなくてはなりません。

未経験から目指すならなおさら、ある程度若い年齢でないと就職先を見つけることは難しいでしょう。