不動産鑑定士と宅建の違い

資格における違い

不動産鑑定士と宅建は、いずれも不動産にかかわる国家資格ですが、その資格はかなり大きく違います。その中でも、もっとも大きいのはその難易度です。

宅建は合格率が15%ありますが、不動産鑑定士は最終合格率2〜3%の超難関資格です。

資格試験の内容も異なります。宅建は択一式試験のみですが、不動産鑑定士はまず一次試験で択一式試験をパスし、その後に論文式試験をパスしなければ合格となりません。

科目も大きく異なり、特に不動産鑑定士の論文式試験で出る経済学や会計学は、宅建ではまったくお目にかからないものです。

共通の試験科目であっても、不動産鑑定士のほうが飛躍的に難しくなります。

特に民法については、宅建では択一式試験で、しかも難易度はそれほどではないのですが、不動産鑑定士試験では論文式で難易度も司法試験並みとなります(ただし合格水準は司法試験には及びません)。

仕事における違い

宅建と不動産鑑定士の仕事における違いは簡単に言うと、宅建は売ったり貸したりするための仕事に必要な資格であり、不動産鑑定士は不動産の鑑定評価を行うために必要な資格です。

不動産の鑑定評価とは、不動産が持つ利用価値をお金にするといくらになるかをあらわすことです。

これは必ずしも売買が前提となるわけではなく、お金を貸すときの担保としての評価や不動産を投資用に証券化するときの評価として使われることもあります。

何より、法律などによって裏付けられる公共上の要請が強い場合に行われるのが不動産の鑑定評価なのです。そして、これらは不動産鑑定士でなければ、仕事として行うことができません。

宅建はこのように厳密で公正な評価をする資格ではなく、あくまで不動産の売買や貸し借りを仕事として行う場合の、一部の業務において必要な資格です。また、業態によって、従業員の5人に1人が宅建を持っている必要があるものです。

このように、仕事の内容は異なりますが、両方の資格をもって両方の仕事を行っている人も多くいます。これは、資格的にも仕事的にも相乗効果が高いためです。