土木作業員の現状と将来性

かつては3Kと呼ばれたが…

土木作業員は「3K(キツイ・汚い・苦しい)」という職種として、敬遠されていました。

しかし、近年ではそうした3Kのイメージも払拭されつつあります。

人々に敬遠されてきた土木作業員のイメージは時代の変化と共に確実に変わってきているといえるでしょう。

変わりつつある現状

現代社会において変貌を遂げつつある土木作業員の姿を如実に表すものとして、工事現場における表示の改善があります。

かつては必ずしも親切とは言えないような工事現場の表示が多く見受けられましたが、最近では一般の人が見てもかなりわかりやすく書かれるようになりました。

たとえば、道路工事において、かつては「歩道新設等道路改良事業」などといった難解な表示が設置されていましたが、現在では「歩道を新しくつくって道路も良くしています」といったような、分かりやすいものが使われるようになりました。

工事用のバリケードも、動物をモチーフにしたものを用いたりして、土木作業が人々の生活改善のために行われていることを親しみやすさでアピールしています。

一般の人に道路工事に対して騒音や歩道制限による不安や不満を生じさせることなく、自分たちの暮らしのための事業であることを周知させる効果もあるのです。

これらの企業努力が、土木作業員のイメージ向上に寄与していると考えていいでしょう。

女性作業員の活躍がイメージアップにつながる

土木作業員のイメージが向上しつつあることは、現場に女性作業員が増えてきていることからも明らかです。

ゼネコン会社にはもちろん女性社員も多数勤務していますが、そのほとんどが内勤で事務を担当しており、現場で活躍することはこれまでありませんでした。

ところが最近では現場勤務を希望する女性社員が増加しており、中には現場監督として指揮を執る人も出てきています。

土木作業員は肉体的にハードであり、女性が働くには苦労も絶えませんが、現場に強い情熱を持った女性の増加は業界全体を活性化させ、イメージの向上に貢献しています。

女性作業員は男性とは違った目線で公共工事を客観的にとらえられるため、地域住民との円滑な関係性の構築にも一役買うことも多いようです。

地域の理解あっての公共事業

土木作業員の手がける工事は人々の暮らしの質を上げることを目的に行われるものばかりです。

しかし、その過程では騒音や歩道の縮小などがどうしても出てきてしまうため、地域住民の協力なしには成功させることができません。

ときには十分な理解を得ることができず摩擦が生じてしまうこともあります。

このような事態を防ぐために、土木会社は工事前はもちろん、作業が始まってからも、こまめに住民を対象とした説明会を開き、協力を仰ぎます。

説明会では手元資料だけでなく、映像を使った分かりやすい視覚資料も利用したり、住民が納得できるまで質疑応答の時間を設けたりと、あらゆる工夫を凝らしてきめ細やかな対応を行っています。

こうした努力の積み重ねが、工事を滞りなく終わらせるのみならず、土木業界が人々の暮らしに根付いていることを強調し、イメージアップを促すことにつながるのです。

これからはメンテナンスの時代

2012年に起きた中央自動車道の笹子トンネル天井崩落事故は全国に大きな衝撃を与えました。

この事故はトンネルの天井部分を支えている部材に適切なメンテナンスがされていなかったことが原因の一つとして挙げられています。

この事故を契機に、それまで「つくること」ばかりに重きを置いていた土木業界が大きく変化しました。

日本が高度経済成長期にイケイケドンドンでつくったさまざまなインフラは現在老朽化が進んでいます。そのメンテナンスの重要性を改めて考えるようになってきているのです。

メンテナンスと一言でいっても、軽微なものから大規模な修繕工事まで様々ですが、いずれもインフラの使用を続けながら工事を行わなければならないことが多いため、高度なノウハウが必要とされます。

言い換えれば土木工事に精通した作業員でなければ手がけることが難しいということです。

これらの専門的なメンテナンスの需要は今後ますます増すことが予想されます。したがって、メンテナンスを数多く請け負っている会社は将来性が期待できるといえるでしょう。