土木作業員の需要、現状と将来性

土木作業員の現状

土木作業員というと、かつては、きつい・危険・汚いという、いわゆる「3K」と呼ばれる職業の代名詞的な存在でした。

しかし現在では、工事技術や重機類の進化によって、土木工事現場は機械化・自動化が進み、体力的なきつさは以前ほどではなくなっています。

安全管理の徹底により、危険度も大きく減少しています。

さらに、建設会社各社は雇用条件を見直したり、作業員の待遇を厚くしたりして労働環境の改善に取り組むとともに、工事看板の表示を見直すなど世間へのイメージアップにも注力しています。

現場に置かれているコーン標識ひとつ取って見ても、キャラクターや動物の形状のものが用いられるなど、細かい部分まで注意が払われていることがわかるでしょう。

そうした施策が奏功し、近年は「ドボジョ」と呼ばれる女性の土木作業員が増えるなど、土木業界は急速な勢いで変わりつつあるのが現状です。

今後、人手不足を解消するためにも、そうした活動はどんどん積極化する見通しであり、土木作業員が3Kとみなされた時代は遠い過去になっていくでしょう。

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土木作業員の需要

土木工事は、道路やトンネル、橋梁、ダムなど、国や各地方自治体が発注元となる、インフラ関係の案件が中心です。

このため、土木工事の需要は景気などの影響を受けにくく、非常に底堅いという特徴があり、土木作業員の求人も安定しています。

一方で、建設業界は人の入れ替わりが激しいうえ、近年は現場作業員全体が高齢化している影響もあって人材の確保に苦しむ企業が増えています。

ある程度年齢さえ若ければ、まったくの未経験でも採用するというところは数多くあり、現状、土木作業員の職に就くハードルは低めといえるでしょう。

さらに、相応の実務経験を積み関連資格まで取得した人材については、完全な売り手市場となっており、どこの企業からも引く手あまたです。

土木作業員の将来性

上述したように、土木工事の需要はきわめて安定的です。

また、わたしたちが現代的な生活を送るうえで不可欠なものだからこそ、中長期的にみても、土木作業員の仕事がなくなることはないといえます。

しかし、土木作業員の場合、仕事自体はあっても体力的な問題から、いつまでも現場仕事を続けられるわけではないという、別の事情を考慮しなくてはなりません。

どれほど筋力や健康面に自信があっても、50代や60代で、10代や20代と同じだけの肉体労働をこなし続けるのは限界があります。

このため、将来にわたって土木作業員として働き続けるならば、重機類の運転免許を取得したり、土木施工管理技士の資格をとって監督になるなど、なんらかの努力に励むことが必要です。

近年は機械化が顕著であり、できれば複数の重機運転免許を取って、運転技術を磨いていくことが望ましいでしょう。

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土木作業員の今後の活躍の場

これまでの日本の土木業界は「新しいものをつくること」に、長らく重点が置かれてきました。

しかし、さまざまなインフラをつくり続けた高度経済成長期から半世紀以上が経過し、その多くが老朽化しつつあります。

2012年に発生した中央自動車道の笹子トンネル天井崩落事故は、まだ記憶に新しいところです。

このため、現在ではメンテナンスが重視されるようになっており、土木作業員の活躍の場も、新築工事から修繕工事へとシフトチェンジしていくものと想定されます。

その際に問題となるのは、修繕工事の間、既存のインフラ設備を完全に止めてしまうと、周辺住民に多大な迷惑をかけてしまうため、できる限り設備を稼働させながら作業しなければならないことです。

それはつまり、土木工事に深く精通した作業員でないと、手掛けるのが難しいということを意味しています。

したがって、さまざまな現場を経験し、熟練となった土木作業員は、今後ますますその活躍の場を拡げていくでしょう。