測量士の需要・現状と将来性

測量士の現状

国土交通省の統計によると、測量を手掛ける登録業者の数は、2003年以降一貫して漸減傾向にあり、直近ではピーク比の8割ほどとなっています。

この背景には、社会保障費の増大を受けて日本の財政が悪化し、公共工事量が減少した結果、受注競争が激しくなって、倒産する測量業者が増えているという要因もあります。

しかし、より大きな理由は測量士の高齢化によって、引退する人や廃業する人が増加し続けていることです。

測量士の年齢構成をみると、資格保有者のうち、実に半数以上がすでに50歳を超えており、一般企業なら定年を迎えている60歳以上の人も、全体の2割を占めています。

その一方で、測量士試験に合格し、新たに資格を取得する人も年々増加傾向にあり、世代交代のさなかにあるのが測量士の現状といえます。

今後についても、測量士はほかの職業に先駆けて、急ピッチで人や企業の入れ替わりが進んでいくものと思われます。

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測量士の需要

測量業務を行う企業は、事務所ごとに1人以上の測量士または測量士補を配置することが法律によって義務付けられています。

また、資格保有者が多ければ多いほど、組織としての信頼度につながるため、どの測量会社も測量士の求人には積極的です。

測量業務自体についてみても、公共工事が減少傾向にあるといえ、ある程度の規模の大きな民間工事には測量作業が必須であり、工事の根幹となる測量作業の需要は底堅いといえます。

さらに昨今は、相次ぐ大地震や、異常気象にともな洪水などにより、被害を受けたインフラの復旧工事需要も高まりつつあります。

そのほか、カーナビやWeb上の地図、スマホ用アプリの作成など、土木工事以外で測量データが求められるケースも増えています。

したがって、測量士の国家資格さえあれば、少なくとも就職先に困ることはないでしょう。

測量士の将来性

ほかの多くの職業と同じように、測量士の仕事も、将来的にはAIの発展に伴って機械に奪われるのではという声も聞かれます。

たしかに、個々のデータ収集については、作業工程をプログラミングすることで、ある程度までは自動化できるかもしれません。

しかし、土地の形状は非常に複雑なうえ、個々のばらつきが大きく、その用途も案件ごとに異なるため、機械だけでどんな土地・どんな案件にも対応することは、現状では不可能です。

さらに、データを収集した後は、どの数字が正しく、どの数字にどういった要因で誤差が生じているのか、登記簿や公図といった過去の文献の定性的な情報も加味しながら、分析・修正しなければなりません。

こうした作業には、どうしても経験豊かな人間の判断が必要です。

機械が代行できるようになるのはまだまだ先の話であり、測量士の今後の見通しは、決して暗いものではないでしょう。

ただし、道路測量や用地測量などの単純な案件ほど、人手も時間もかからなくなっているのは事実です。

将来にわたって活躍するためには、さまざまな現場経験を積んで、キャリアの浅い測量士や機械では対応できない複雑な案件も手掛けられるよう、スキルアップに励み続けることが重要になるでしょう。

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測量士の今後の活躍の場

測量士の今後の活躍の場は、現状よりも細分化・専門化が進んでいく見通しです。

たとえば、昨今は「ドローン操縦士」という職業の認知度が高まっていますが、そこに操縦技術だけでなく、測量技術や知識が加われば「ドローン測量士」として働くことが可能になります。

ドローンであれば、人の足では立ち入ることが困難な土地を測量することも可能になり、活躍の場を拡げることができます。

また、ただ単純に測量するだけでなく、建築に関する知識を学び、工事全体のコンサルティングもあわせて手掛けられるようになると、土木の専門家として、ほかの測量士との差別化を図れるでしょう。

測量技術にはかなりの汎用性があるため、測量士としてのスキルに何をプラスアルファするかによって、新しいフィールドを創造することも十分に可能です。