測量士に向いている人とは? 適性や必要な能力を紹介

測量士に向いている性格・適性

真面目な性格の人

測量は、あらゆる工事の前提となる、きわめて重要性の高い仕事です。

測量士が作成した測量図面を基にして設計が練られ、工事計画が策定されるため、そもそもの大前提となる測量データが誤っていては工事自体が成り立ちません。

このため、測量士の仕事には絶対の正確さが必要ですが、それに加えて非常に高い精度も求められます。

広大な土地のなかで、何度となく作業位置を変えながら、その座標、高さ、角度、長さといったさまざまなデータを、小数点以下の誤差も許されないレベルの精度で測定していく必要があります。

測量士は、そうした作業を毎日、朝から晩までずっと繰り返すため、コツコツした作業を手を抜かずに反復できる、真面目で辛抱強い性格の人が向いているでしょう。

学校生活や日常生活において、単純作業を丁寧にこなせるという人は、測量士の適性があるといえます。

最先端技術が好きな人

昨今は、あらゆる仕事がIT化によって大きく変化していますが、測量士もその例外ではなく、各種測量機器や測量技術はめざましい勢いで進化を遂げています。

私たちにもすっかりお馴染みとなったGPSを使って位置情報を特定することはもちろん、3Dスキャナを用いて土地の形状を立体的に捕捉したり、ドローンを操縦して上空から測量することも可能となっています。

測量士が活躍する現場では、ほかの職業にも増して、こうした最先端技術が仕事にすぐ取り入れられる傾向にあります。

そのため、最新技術が好き、新しい機械を触るのが好きという人は、測量士に向いています。

新しい機器が職場に導入されるたび、操作マニュアルを読み込んだり用いられている測量原理を理解したりするのは大変ですが、もとから興味があれば、趣味の延長線上として楽しく努力できるでしょう。

足腰の強い人

測量士は、整備された市街地のなかにある土地を測量することもありますが、ときには人里離れた山奥や森の中などで測量することもあります。

未舗装の獣道を歩くこともありますし、急な斜面やぬかるみ、断崖など、極端に足場が悪いケースもあります。

そうした道を、ひとつ何キロもある測量機器や三脚などを担ぎながら何時間も歩かなければなりませんので、測量士には、体力に自信があり、足腰の強い人が向いています。

とくに日差しの強い夏場は大変で、目的地に着くまでにかなりの体力を消耗します。

そこから測量作業を行い、再び機材を背負って元来た道を帰るとなると、少なくとも、一般的な建設作業員レベルの体力・筋力は必要になるでしょう。

測量士になるには? 必要な資格は?

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測量士に必要なスキル・能力

根気

測量士が現場で収集してきた測量データはパソコンを使って処理されますが、近年は測量機器が進化している影響もあって、データ量は複雑かつ膨大です。

データすべてが機械的に処理されればいいのですが、地形という自然のものを扱う以上、どうしてもある程度のバグは発生するため、それを人の手で一つひとつ取り除いていかなければなりません。

また、整合性を確認するために、紙ベースしかない古い登記簿や公図を参照したり、土地の所有者や建物の材質といった定性的情報と紐づけしていく作業が発生することも頻繁にあります。

資料が古すぎて文字が判読できなければ、法務局などに問い合わせるという作業も発生するため、ひとつの測量図を完成させるだけでも、非常に長い時間がかかります。

このため、測量士の仕事には根気強さや粘り強さ、忍耐力も求められるといえます。

協調性

測量作業は、通常2人~5人ほどのチームを組んで行われます。

たとえば橋を架ける際に、海や川を挟んだ対岸から測量するなど、遠く離れた距離にいる相手と連携して作業することもあります。

精度を高めるには、スタッフ同士の息がピッタリ合っていなくてはなりませんので、測量士には、協調性やチームワークも重要です。

また、自社のスタッフだけでなく、一部業務を委託している外注業者とともに仕事をすることも頻繁にありますので、立場や年齢の違う人とも良好な関係を築き、協力し合うことが必要です。

測量士に向いていないのはどんな人?

飽きっぽい人

測量士は、勤務先にもよりますが、毎日異なる仕事をこなすというよりも、あらかじめ決められた作業を決められた手順で繰り返すという、ルーティンワークの色合いがかなり濃い職業といえます。

このため、興味の方向性が定まっており、ひとつのことを突き詰めたいというタイプの人には向いていますが、興味の対象がすぐ移りがちで、さまざまなことに手を出したいという人にはあまり向きません。

飽きっぽい性格だと、同じ作業を淡々と繰り返す毎日に嫌気がさして、仕事のモチベーションを失ってしまうかもしれません。

数学が苦手な人

測量機器が飛躍的に発展した現代においては、計算は機器に内蔵されたコンピュータが自動的に行ってくれるため、測量士の仕事は基本的に機器を操作するだけであり、手計算することはまずありません。

しかしそれでも、測量技術に用いられている理論の理解は不可欠です。

たとえばGPS測量に用いられる基線解析が理解できていないと、測定結果に誤差が発生したときに対応できません。

そこまで高度な知識は必要ありませんが、ベクトルや三角関数といった高校レベルの数学については四則計算なみに習熟していることが必要です。

数学が苦手という人には、測量士は不向きと言わざるを得ません。

逆にいうと、数学力に加えて、出来上がった測量図面を見て頭のなかで立体図を思い描けるという空間認識能力のある人は、測量士の仕事がスムーズに運ぶでしょう。