臨床心理士と心理カウンセラーの違い

誰でも「心理カウンセラー」と名乗ることはできる

現在の日本では、心理学に関する国家資格が存在せず、心理系の民間資格が乱立している現状があります。

「国家資格がない」ということは、特別な資格を持っていなくても、心理カウンセラーとして仕事をすることも不可能ではないということです。

一般的には、心理系の仕事に携わる人を総称して「心理カウンセラー」と呼ぶことが多くなっています。

ですが、ある人が「私は心理カウンセラーです」と話した場合、一体どのようなカウンセリングを専門に行えるのか、あるいはどれだけの知識を持っているのかなどを判断するのは難しく、線引きもかなり曖昧なものとなっています。

実際、自分でほんの少し心理系の本を読んでみただけでも「心理カウンセラー」と名乗ることはできてしまいます。

一方、大学などできちんと心理学を学び、たくさんの経験を積んでいる実力ある人も存在します。

現状では、心理カウンセラーの役割が明確に定義されていないため、ただ心理カウンセラーと聞いただけでは、その人の専門性を理解しにくくなっているのが実情です。

「臨床心理士」の信頼性は高い

このような背景の中、心理系の資格のうち最も権威があるとされているのが「臨床心理士」です。

「臨床心理士」は資格名そのもののことを指すのと同時に、職業名としても使われています。

この資格が注目されている大きな理由として、他の民間資格が誰でも比較的簡単に受験できることに対し、臨床心理士は「指定大学院」や「専門職大学院」を出ていなければ受験できないことが挙げられます。

ですから、本気で「心の問題」にアプローチする仕事をしたい人は、やはり臨床心理士の資格取得を目指すことがよいとされています。

ここ何年も、臨床心理士は国家資格化が検討されています。それがすぐに実現するとは限りませんが、やはり社会的な信用度は他の心理系資格よりずっと高いといえます。

肩書きはさまざま

臨床心理士の資格を取得して心理系の仕事に就いている人たちも、全員が「臨床心理士」と名乗っているわけではありません。

たとえば「相談員」や「スクールカウンセラー」などがわかりやすい例です。

しかしながら、臨床心理士以外の心理系の民間資格を持っている人たちが「相談員」という肩書きで働いている場合もあります。

そのため、就職先を探すような場合は職種名にとらわれず、心理系のどのような資格が必要とされ、どのような学歴や経験が求められるのかなどを確認したほうがよいでしょう。

国家資格がない現状では資格があまり重視されない場合がありますが、臨床心理士の資格を持っていれば、就職や転職の際に優遇されるケースも多いようです。