人間科学部で学ぶこと、学科、志望理由、就職先(読了時間:13分24秒)

人間とは何か、を総合的に探求

人間科学部とは

人間科学部は、人間の身体と心について探求することで、人間とは何かを研究する学部です。

ひとつの分野を突き詰めるというよりは、人間とは何かを探求するためにあらゆる方向からのアプローチを試みる側面が強いことから、学際的な学問と言えます。

授業では、心理学的なアプローチや社会学的なアプローチ、さらにスポーツ科学といった分野からのアプローチにより、人間について探求していきます。

人間科学部を志望する人の中には、もともとやりたいことや目指したいものがあるというよりは、人間全般に対して興味関心があったり、自身の人間力を高めたいと考えていたりする人が多いようです。

多くの大学で人間科学部は比較的新しい学部のため、古くからある学部と比べると少人数でアットホームな雰囲気の場合が多いと言えるでしょう。

就職については、業界や職種を問わず多方面で活躍する人がいるのが特徴です。

どのような職業に就いた場合でも人との関わりは必ず生じますので、人間科学部で学んだことを生かして働けることの表れとも言えるでしょう。

人間科学部の理念

人間科学部は、現代社会におけるさまざまな人間に関わる物事について、総合的に教育・研究する学部です。

すべての人は家庭、学校、会社、地域といった多様なコミュニティの中で、他人と関わりを持ちながら生きています。

そのなかで、生活問題、社会問題、教育問題といった多様な問題が発生し、また人と人の関わり方も絶え間なく変化し続けます。

人間科学部では、こうした人々の生き方、関わり方を心理学、社会学、政策学といった多方面から考え、理解することで、急速に変化を続け、多様化する価値観の現代社会の中で自立して生きられる人材の輩出を目指します。

人間科学部で学ぶこと、勉強すること、授業内容、卒論

人間科学部で学ぶこと

人間科学部の専門科目は、おもに「心理学」と「社会学」に分類されるものが多くなっています。

臨床心理学、発達心理学、児童心理学、社会心理学、教育心理学など、さまざまな方面から人間の心理について学び、さらに社会のしくみ、人と社会との関わり方を学んで専門性を深めながら、人間の幸せや、より良い社会を構築するための方法を考えていきます。

他学部と同様、おもに1・2年次には基礎科目として教養科目、外国語科目、情報科目などを学び、年次が上がるにつれて専門科目が増えていきます。

学科や専攻によっては、社会調査実習(フィールドワーク)や討論をする機会なども多く設けられています。

人間科学部の授業内容

人間科学部では、人間についてより深く知るための授業が行われます。

社会学系の分野では、現代社会論やコミュニティ論、地域政策論といった授業が行われます。

心理学系の分野では、臨床心理学や社会心理学などのほか、集団心理や子どもの心理、家族心理、対人関係論といった切り口で人間の心理について学ぶ機会を得られます。

社会福祉系の分野では、地域福祉論や医療福祉論、障がい者福祉論などを学ぶことを通じて、よりよく生きるための社会づくりについて研究します。

スポーツ科学系の分野では、スポーツ生理学やスポーツ文化論のほか、人体の構造や栄養学、疾患などについて学ぶ場合もあります。

このように、人間科学部で対象となる学問の範囲は非常に広く、人間を知るためにさまざまなアプローチが可能であることが分かります。

人間について学んでいくうちに、新たな分野に興味を惹かれるようになる可能性があることも、人間科学部の授業の魅力の1つと言えるでしょう。

人間科学部の卒論の例

  • 対人恐怖症の改善方法について
  • IT機器利用の世代間格差
  • リーダーシップと自己愛の関連
  • SNSで情報を拡散する心理と意思決定の過程について
  • マイルドヤンキー文化における男性性の表れ
  • スポーツがメンタルヘルスに及ぼす影響
  • ICT聞きを利用した子どもの学習効果について

人間科学部で学んだことの口コミ

  • 人への興味が広がり、いろいろな人がいることを受け入れやすくなった。
  • 人や自分の行動について、原因と結果を関連させて考えるようになった。
  • 調査や統計の実践を通して、データを取り扱うことに慣れた。
  • 対人関係やコミュニケーションといった普段の生活に関わりの深い研究ができたと思う。
  • 感情的にならず、広い視野で物事をとらえられるようになった。
  • 話し方や伝え方を分析する習慣が身につき、結果的に話し方が上達した。
  • チームで話し合う機会が多かったので、ミーティングや会議が苦にならなくなった。

人間科学部の主な学科・分野と概要

人間関係学科

さまざまな人間関係に起因する諸問題を多角的にとらえ、現実社会で的確に対処できる実践力を備えた人材を育成します。

心理学科

人間の心の働きやしくみを理解し、身につけた知識で豊かな人間関係を築き、社会・集団の中で貢献できる人材を育成します。

社会福祉学科

社会福祉の重要性が高まる現代社会で、あらゆる人が幸福な生活を送ることができる社会づくりに貢献できる人材を育成します。

人間科学部で学ぶ学問分野・概要

人間科学には社会学・心理学・社会福祉学・スポーツ科学などの分野があります。

社会学系

現代社会論
高齢化、過疎化、環境問題など現代社会で起きているさまざまな問題を取り上げて研究します。

コミュニティ論
地域社会など特定の集団において生じる問題や課題について研究します。

心理学系

臨床心理学
うつ病や不登校といった問題を抱えた人をサポートする方法について考えます。

社会心理学
日常生活で見られる心と行動の関わりについて考えます。

社会福祉学系

地域福祉論
福祉を必要とする個人と地域社会との関わりについて研究します。

医療福祉論
医療としての福祉の役割や課題について研究します。

スポーツ科学系

スポーツ生理学
スポーツが身体に及ぼす影響や効果について研究します。

スポーツ文化論
スポーツの歴史をたどりながら、スポーツを文化としての側面から研究します。

人間科学部で目指せる主な資格

・教員免許状
・臨床心理士
・社会調査士
・社会福祉士
・保育士
・メンタルヘルスマネジメント検定
・ジュニアスポーツ指導員

人間科学部での研究領域は社会学・心理学・社会福祉学・スポーツ科学にわたっていることから、幅広い分野の資格取得が可能になっています。

目指せる資格の中には、心理学部や社会学部、教育学部とも共通しているものがあるのが特徴です。

人間科学部の大学選びのポイント

人間科学部は大学によって力を入れている研究分野や領域が大きく異なるのが特徴です。

社会学寄りの研究が盛んな大学と、心理学や社会福祉学、教育学、スポーツ科学系の研究が盛んな大学がそれぞれあります。

大学選びに際しては、自分が興味のある研究分野・領域の授業やゼミが設置されているかどうか、シラバスなどを見て確認しておくことが大切です。

また、就職先や将来やりたい仕事によって、就職実績から大学を選ぶのもひとつの考え方です。

卒業生の主な就職先や就職状況については、公開している大学がほとんどですので、大学のWebサイトなどを事前にチェックしておくといいでしょう。

人間科学部の入試方法・受験科目

人間科学部の入試では、他学科と同様に筆記試験が行われます。

受験科目は英語・国語がメインで、数学・社会・理科から1科を選択する方式の大学が多く見られます。

入学後の選考によっては、数学が得意なほうが研究が進めやすい場合もありますので、一般的な文系学部と比べると理系的な要素も含まれている学部と言えるでしょう。

また、多くの大学で人間科学部は比較的新しく設置された学部のため、AO入試など従来の筆記試験以外の方式で入試を実施する場合もあります。

人間科学部の学費

人間科学学部の研究は入学後の研究の進め方やゼミの方針によって、実習やフィールドワークの有無や頻度が異なるため、学費に関しても比較的幅があり、大学ごとに異なっているのが実情です。

一例として、
早稲田大学人間科学部では、1,601,000円(春学期授業料685,500円、秋学期授業料685,500円、実験実習料春学期13,500円+秋学期13,500円、学生健康増進互助会費3,000円)、4年間で5,168,400円 といった学費になっています。

人間科学部の志望理由、例文、面接

人間科学部の志望動機

人間科学部を選択する人は、高校時代までに友人・恋人・家族などと関わりながら人間関係の難しさや、人の心の動きについて深く考えることが多く、それを専門的に学びたいと思っている人が多いようです。

入学時点で将来就きたい職業をすでに決めている人もいますが、漠然と「人間について知りたい」「自分の生き方を見出したい」という気持ちから、この学部に進む人も少なくありません。

人間科学部での学びは、社会に出てからも「生きる力」として役立たせることができるため、この学部で学びを深めていくうちに進路が決まるというケースはよくあります。

人間科学部の志望動機の例文

私は幼少期からあがり症で、人前で話すが大の苦手でした。

しかし、小学校・中学校・高校を通じて、授業中に発表をしたり、校内行事などで人前に出なくてはならなかったりする機会がしばしばありました。

私は自分だけが緊張しているものと思っていましたが、高校入学後、友人との会話の中で、人前に出ることが実は苦手な人が意外なほど多いことが分かってきました。

私は、自分があがり症だと思い込んで苦手意識を持ってしまっていた部分があったのかもしれません。

同じようなことで悩んでいる小中学生が必ずいると思い、大学では子どもたちのメンタル面でのケアに役立つ勉強をしたいと考えるようになりました。

自分はあがり症だと思っている人が、自身の行動や話し方、伝え方を客観的に分析することができれば、いくらか人前で話すことが苦にならなくなるかもしれません。

人間の行動や心理について深く学ぶことで、自分自身もさらに成長したいとおの思いから、人間科学部を志望いたします。

人間科学部のAO・推薦入試の面接で聞かれること

人間科学部は研究対象が幅広いだけに、「なぜ人間科学部を志望するのか」という部分が問われると考えられます。

自分自身の興味関心や、入学後にやりたいと思っている研究内容、将来の夢に結びつけて志望動機を伝えられるようにしておくことが重要です。

取得したい資格がある人は、大学で学ぶ内容が資格取得に役立つことに触れると、面接で志望動機を聞かれた場合に答えやすいでしょう。

明確にやりたいことが決まっていない人は、人間全般への興味関心や、特定の学問領域ではなく幅広く人間について学びたいという意欲を明確に伝えることが大切です。

人間科学部の志望理由の口コミ

  • 人間関係の悩みや課題はどこに行ってもついて回るものだと考えたから。
  • 特定の分野を研究したいという希望を持っていなかったので、幅広い研究ができそうな学部を選んだ。
  • 心理学にも社会学にも興味があったので、両方ができそうな人間科学部を志望しました。
  • 卒業生の卒論テーマを見て、他学部よりも面白そうだと思えたので。
  • 将来、臨床心理士として働きたいという希望があったから。

人間科学部の雰囲気・男女比

人間科学部の男女比は、女性の割合のほうがやや大きめとなっているようです。

人間科学部を置く大学は女子大であることも多いものの、共学の大学の場合は、男子学生もそれなりの人数が集まっています。

ただし、たいていの大学において人間科学部はさほど学生の人数が多くないため、アットホームな雰囲気が強いといえるでしょう。

キャンパスの立地によっても雰囲気はだいぶ異なります。

都心のキャンパスであれば、サークル活動などを通じて他学部との交流を積極的に行っている学生も多いですが、郊外のキャンパスでは落ち着いた雰囲気がより強く感じられるでしょう。

人間科学部の雰囲気・男女比の口コミ

  • キャンパスが他学部と離れているので、顔見知り同士で和気藹々とやっている感じ。
  • 女子学生が多く、活発なタイプの人が多い印象。
  • スポーツ科学系の場合は特に、高校まで部活をバリバリやっていた人もたくさんいる。
  • 興味関心の幅が広い人が多いのか、サークルを複数掛け持ちしているような人もいた。
  • これと言ってやりたいことがあるわけではないが、好奇心旺盛なタイプの人が多かったと思う。

人間科学部の楽しいこと・大変なこと・つらいこと

人間科学部の卒業生の声として、研究領域の幅広さや自由度の高さを挙げる人が多い傾向があります。

自分が興味を持ったことを、思う通りに追究してみたい人にとっては、充実した研究ができる学部と言えるでしょう。

また、他学部と比べると学部自体が少人数で、アットホームな雰囲気があり、ゼミの仲間と仲良くやっていた人も多いようです。

自由度が高い反面、自分の研究テーマをしっかりと決めて研究に取り組まないと、研究成果を実感しづらい面もあるようです。

学部として研究領域が幅広いことが特徴なので、何を研究してきたのかすぐに理解してもらえないという面もあります。

人間科学部の楽しいことの口コミ

  • 研究領域が幅広いので、研究したいことを比較的自由に研究できる。
  • 人間全般についての研究ということで、日常生活に密着したことを学べる。
  • 少人数のゼミが多いので、ゼミの仲間と仲良くなれることが多いと思う。

人間科学部のつらいことの口コミ

  • 研究対象が幅広いため、何を研究していたのか分かってもらえないことがある。
  • 自由度が高い反面、自分の研究テーマをしっかり考えないと何もできないまま4年間が終わってしまう。

人間科学部の口コミ一覧

人間科学部の就職先、業界、目指せる職業・仕事、進路

人間科学部の就職先

人間科学部の出身者は、一般企業、公務員、大学院進学など、さまざまな方面へ進んでいます。

一般企業へ就職する場合、銀行、情報通信、メーカー、教育、旅行、建設、不動産、流通といったあらゆる業種が就職先となっており、職種としても営業職、企画職、販売職、事務職といった多様なものに就くことができます。

そのほか、非営利団体でカウンセラーとしての活動を行うなど、それぞれが自らの目指す姿に応じて、多様な働き方をしています。

この学部では、全体的に見ると就職する人の割合が大きいとされていますが、臨床心理士を目指すなど、さらに専門的な勉強・研究をすべく大学院へ進学する人の姿も見られます。

人間科学部で学ぶ「人と人の関わり方」についての知識は、あらゆる場面で生かすことができます。それだけに、進路の選択肢も幅広いものとなっていることが人間科学部の特徴だといえるでしょう。

人間科学部の就職の状況と需要

人間科学部は人間全般に関することが研究対象になりますので、就職先も多種多様で幅広い進路を選ぶことができます。

民間企業に就職する人が多く、メーカーやマスコミ、通信系の事業会社や消費者窓口で働く人など、人間科学部で学んだことを生かして活躍できる就職先はたくさんあります。

研究テーマによっては生活に密着している場合もあるため、就職活動の面接では面接担当者から興味を持ってもらいやすかったと感じる人もいるようです。

人間科学部の就職以外の進路

人間関係学部の卒業生は民間企業へ就職するケースが大半ですが、中には大学院への進学など、より研究を深めるための道へと進む人もいます。

ただし、理系学部のように修士・博士へと進むことが前提になっているわけではないため、あくまで自身の研究を深めたいという理由で大学院進学を選ぶケースが多いと言えるでしょう。

卒業後に海外留学や資格取得のための期間を持ち、就職を先延ばしにする人もいます。

また、人間関係学部で学んだことで興味関心がさらに深まり、起業や社会起業の道へと進む人もいます。

人間科学部の就職の状況の口コミ

  • 大学で学びながら、自分のやりたいことを探している人が多かった。
  • 就職先に関しては、特に強いこだわりがある人が多いわけではなかったように思う。
  • 人に関わる仕事がしたい、などざっくりした希望を持っている人が周囲には多かった。
  • 教育学部ではないものの、子どもに関わる仕事をしたいとのことで、教員志望の人もちらほらいた。
  • 就職活動が始まって会社説明会に参加してから、志望業界を絞り込んだというのが正直なところ。

人間科学部から公務員を目指せる?

公務員になる人は、教員のほか、行政・福祉・社会教育の領域で活躍する人が多いようです。

役所勤務のみならず、児童福祉司、ソーシャルワーカー、児童指導員、学芸員といった職種に就く人もいます。

公務員を目指すにあたって、人間科学部で学んだことが直接的に有利に働くわけではなく、他学部の学生と同じように公務員試験を受験して合格する必要があります。

そのため、学部での研究や試験以外に勉強時間を確保する必要があります。

人間科学部の卒業生の感想

人間科学部の卒業生の感想を見ると、大学4年間で学部の仲間に恵まれ、楽しく充実した学生生活を送ることができたと感じている人がたくさんいることが窺えます。

ただし、大学で学んだことが就職や仕事で直接役立ったという声はあまり聞かないため、実用的な知識やスキルを大学で身につけたいと考えている人にとっては不向きな学部と言えるかもしれません。

ただ、人間について深く考察した4年間を通じて人間全般に対する理解が深まったり、人間関係について考える際に気持ちの余裕ができたといった感想を持っている人は少なくないようです。

研究テーマによっては、私たちの暮らしに密着した身近なテーマの場合もあるため、大学時代の研究テーマを人に話すと興味を持ってもらえる場合もあるようです。

人間科学部の卒業生の感想

  • 人間そのものに関心が高いためか、優しくおっとりしたタイプの人が多かった。
  • 人の行動や心理について学んだことで、自分や周囲の人の行動や感情を客観的に見られるようになった。
  • 研究テーマを人に話すと、「面白そうだね」という反応が返ってくることがあり、話題になることもある。
  • 就職してから周囲に人間科学部出身の人があまりいないので、めずらしがられることが少なくない。
  • 大学で学んだことが直接何かに役立ったわけではないが、人間の心理と行動について考え抜いた4年間には意義があったと思う。

人間科学部は、人間全般について探求する学際的な分野であるため、研究対象は幅広く、興味関心を持ったことを比較的自由に学べる風土があると言えるでしょう。

大学でやりたいことが決まっていない人も、人間科学部の研究内容を見てみると、関心を持てそうなテーマが見つかるかもしれません。

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