臨床心理士のつらいこと・大変なこと・苦労

臨床心理士のつらいこと・大変なこと

 

心の闇に触れながら

 

臨床心理士は、人間の心に深く触れていく仕事です。

人間は美しい面だけでなく、嫌な面や汚い面を必ず持っている生き物です。

この仕事をしていると、人間の暗い部分に接する機会も多く出てきます。

心を病んだクライエントの話のなかには、暴力や虐待など聞くだけで胸が痛むようなエピソードもあります。

普通の人だったら目をそらしたくなるようなことでも、臨床心理士は真正面から向き合わなくてはなりません。

また、情緒が不安定なクライエントの場合、怒りや憎しみなどをぶつけられることもあります。

負の感情を向けられたときも、感情的になったり我を忘れてしまったりするようでは臨床心理士としての役目は務まりません。

臨床心理士は相手の全てを受け止める広い心を持ち、自ら心の安定を保って働くことが何よりも大切なのです。

試行錯誤の毎日

 

人間と向き合う臨床心理士の仕事は、とても楽なものとはいえません。

人間はひとりひとり、その生い立ちや持って生まれた性格、価値観が違います。

たとえば「学校でいじめを受けて悩んでいる」というケースでも、子どもによってどんなことに苦しんでいるのかは異なるのです。

人の心は複雑なものであるため、似たようなケースであっても、以前と同じようにはいかないことも多々あります。

クライエント本人と徹底的に向き合う、専門書を読んで勉強をする。

さらに「スーパービジョン(SV)」に参加して他の専門家から助言をもらうなど、全力で問題解決に努めなければなりません。

ひとつとして同じケースはないこと、そして正解も決してひとつではないこと。

それが臨床心理士の仕事のなかで最も難しい問題といえるでしょう。

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臨床心理士の悩み

臨床心理士の資格は5年ごとの更新が必須となります。

臨床心理士にとっては毎日が勉強であり、そしてそれは一生涯続いていくものです。

貴重な休日や勤務時間外を使って学会や研究会に参加している人は多くいます。

図書館や本屋に通って自主的に専門書を読んで知識を深める努力も求められます。

あまりに忙しくなると、臨床心理士自身が心のバランスを崩してしまうこともあるので、自分自身の心にゆとりを持って働くことも重要です。

仕事とプライベートの両立が上手くいかずに悩む臨床心理士もいるようです。

人の心の問題に対して深い関心を寄せるとともに、成長し続けようという気持ちを持てる人でなければ、続けられない仕事といえるでしょう。

臨床心理士を辞める理由で多いものは?

臨床心理士は高い専門性を必要とする職業であり、社会的なニーズが高い職業でもあります。

しかしながら、給料や待遇が安定した常勤の仕事を探すのは簡単なことではありません。

非常勤として時給をもらいながら働く臨床心理士は多くいますが、それだけでは生活が苦しいのです。

いくつもの職場を掛け持ちしている人も少なくありません。

当然、掛け持ちをすればするほど仕事は忙しくなってきます。

非常勤の場合は常勤に比べると給与や福利厚生などの面で不安定である場合が多く、生活の不安を抱えながら働くことになるケースもあります。

こうした状況が続くことで、残念ながら臨床心理士を辞めて一般企業に再就職することを選択する人もいるようです。