話や悩みを聞いて人を助ける仕事・相談職の種類(16選)

皆さんは、誰かに自分の悩みを相談したあと、スッと心が軽くなった経験はありませんか?

自分だけで考えていると解決できないことでも、第三者が適切なアドバイスをしてくれたり、まるで自分事のように問題に寄り添ってくれたりすることで、解決に向かうことも多々あります。

ここでは、人の話や悩みを聞くことを専門として、多くの人を救う職業・仕事の種類について紹介します。





さまざまな人の悩みを聞き、問題解決のお手伝いをする仕事

話を聞いて人を助ける仕事はたくさんありますが、ここでは子どもから働き盛りの人、そして高齢者まで幅広い世代の人と関わり、さまざまな悩みと向き合う仕事に就いている人たちを紹介します。

まずは「臨床心理士心理カウンセラー)」です。

臨床心理士は、心の問題を抱えたクライアントに対してカウンセリングを行い、専門的技法を用いて問題解決に向けたサポートを行います。

数多くある心理系の民間資格のなかで社会的認知度も高く、教育や医療、福祉など多岐にわたる領域で活躍することができます。

また、臨床心理士と似た役割を持ちながら、国家資格として新たに誕生したのが「公認心理師」です。

公認心理師は心理系専門職としての知識や技能を持っていること国によって認定され、臨床心理士と同様、さまざまな場所で心理学の専門家としての活躍が期待されています。

メンタルトレーナー」も、カウンセリングをベースにクライアントの抱える悩みやストレスに寄り添いながら、問題解決のためのお手伝いをしていく仕事です。

スポーツ選手や芸術分野、ビジネス界で活躍する人のメンタルケアに携わることも多いことが特徴です。

臨床心理士

臨床心理士

臨床心理士は、心の問題を抱えたクライアントに対してカウンセリングを行い、専門的技法を用いて問題解決に向けたサポートをする職業です。

クライアントに対して「こうしなさい」と指示することはなく、あくまでもクライアント自身が自ら複雑に絡み合った問題を整理し、それを解決していくための助言をすることが臨床心理士の役割です。

国家資格ではないものの、数多くある心理系の仕事(民間資格)のなかでは最も権威あるものとされており、この仕事に就くためには指定された大学院で学ぶなどのルートを進まなくてはなりません。

臨床心理士は、「5領域」と呼ばれる医療・教育・産業・福祉・司法の場を中心に、さまざまな分野において活躍することができます。

公認心理師

公認心理師

公認心理師は、心理学に関する専門的知識や技術をもって、心の問題を抱える人に対して相談や助言、指導その他の援助などを行う職業です。

具体的な仕事内容は臨床心理士とほぼ同様のものですが、日本における心理職では初の国家資格として、平成29年に施行されました。

臨床心理士と同じように「5領域」の幅広い場での活躍が期待されています。

勤務先によっては「スクールカウンセラー」や「心理カウンセラー」といった名称で仕事をすることもあり、医師をはじめ他の各現場専門家たちと連携や協力をしながら、心の問題を抱える人をより良い状態へ導くことを目指します。

メンタルトレーナー

メンタルトレーナー

メンタルトレーナーは、クライアントが抱える悩みやストレスのケア、問題解決、目標達成などをゴールとして、メンタル面からクライアントをサポートをする仕事です。

心の状態を良くすることで、身体の動きやパフォーマンスを向上させていくことを目指します。

カウンセリングやコーチングなどといった心理学をベースにした専門的な手法を用いて、スポーツ、ビジネス、芸術といった分野で活躍するクライアントを抱えることも多いことが特徴です。

必須の資格はありませんが、メンタルトレーナーの民間資格や、臨床心理士の資格などを持って活躍している人も多いとされています。

介護や医療の現場で活躍できる仕事

介護や医療の現場では、高齢者や病気を抱えている人、障害を持つ人などに対してのケアを行うために、心理学の専門的アプローチができる人が求められています。

そのような仕事の代表格が「社会福祉士」で、高齢者や障害を持った人など、安定した日常生活を送ることが困難な人やその家族の相談にのり、助言や指導を行っています。

ソーシャルワーカー」や「生活相談員」といった名称で活躍する人たちも、相談者それぞれの事情に合った福祉サービスを提供することを目指し、社会福祉士とほぼ同じような役割を担っています。

こうした人たちは、主に福祉施設や病院、行政機関などで活躍しています。

一方で「精神保健福祉士」は、病院や保健所などの行政機関、精神障害者施設などで働いています。

社会福祉士とも似た役割を担いますが、精神保健福祉士は、あくまでも精神障害者に特化した援助を行うことが特徴です。

介護分野で欠かせない存在となっているのが「ケアマネジャー」です。

正式名称は「介護支援専門員」といい、要介護認定を受けたお年寄りやその家族の相談にのったり、ケアプラン(要介護者が介護サービスを受けるために必要となる介護の計画表)の作成を行います。

ケースワーカー」もケアマネージャーと同様に、高齢や障害、病気などの理由によって生活に困っている地域の人々に対して支援を行っていますが、こちらは相談支援業務を担当することが特徴です。

社会福祉士

社会福祉士

社会福祉士は、高齢者や障害を持った人など、安定した日常生活を送ることが困難な人やその家族の相談にのり、助言や指導を行う職業です。

ヘルパーのように直接的に介護をするのではなく、あくまでも相談援助をすることが社会福祉士の役割であり、「ソーシャルワーカー」や「生活相談員」と呼ばれることもあります。

老人ホームや児童福祉施設をはじめとする各福祉施設や病院、行政機関などが主な活躍の場となります。

必要に応じて介護福祉士やホームヘルパー、理学療法士、作業療法士、医師などとも連携し、相談者それぞれの事情に合った福祉サービスを提供していきます。

ソーシャルワーカー

ソーシャルワーカー

ソーシャルワーカーは、病気やケガ、障害を抱える人、高齢者およびその家族に対し、疾患や障害だけでなく、日常生活を送るうえでのさまざまな悩みに対する支援を行う仕事です。

一般的には、国家資格である「社会福祉士」や「精神保健福祉士」の有資格者のことをソーシャルワーカーと呼びます。

ソーシャルワーカーは、公務員として福祉事務所、生活福祉課、公立病院、老人福祉施設、児童福祉施設、障害者福祉施設などで働くほか、民間の病院や福祉サービス関連の職場で活躍している人もいます。

相談者との面談を基本とし、医療や福祉に関わる専門家や関連機関など、さまざまな種類の機関と連携をとりながら、相談者の悩みを解決し、社会復帰のための支援を行うことを役割としています。

生活相談員

生活相談員

生活相談員は、デイサービスやショートステイなどの介護事業所、介護老人保健施設などの福祉施設、病院などの医療機関において、契約や手続き業務、相談業務などを行う職業です。

利用者やその家族の悩みに向き合い、利用者の目線だけでなく、サービスを行う介護事業所、福祉施設、医療機関からの考えも聞きながら、より良いケアになるように繋げていくことを役割としています。

この仕事に就くには、一般的に「社会福祉士」「精神保健福祉士」「社会福祉主事任用資格」いずれかの資格が必要になることが多いとされています。

なお、介護老人保健施設で働く生活相談員は「支援相談員」、病院やクリニックで働く生活相談員は「医療相談員」と呼ばれることも多くあります。

精神保健福祉士

精神保健福祉士

精神保健福祉士は、精神上の障害がある人やその家族の相談を受け、社会参加のための助言や指導、その他さまざまな手助けを行う職業です。

主に病院や保健所などの行政機関、精神障害者施設などで働いており、対象者が日常生活をスムーズに営めるよう、関係機関との連絡や調整を行ったり、入退院の相談にのったりします。

社会福祉士とも近しい職業ですが、社会福祉士が高齢者や日常生活が困難な人のサポートなど福祉の全分野を扱うのに対し、精神保健福祉士は、あくまでも精神障害者に特化した援助を行います。

最近では民間のケアセンターなど、活躍の場が徐々に拡大しつつあります。

ケアマネジャー

ケアマネジャー

ケアマネジャーは、正式名称を「介護支援専門員」といいます。

要介護認定を受けたお年寄りやその家族の相談にのったり、ケアプラン(要介護者が介護サービスを受けるために必要となる介護の計画表)を作成したりする仕事です。

医療・介護・福祉の分野に関するトータル的な専門知識を生かし、市町村等とも連絡調整を行いながら、要介護者が自立して生活できるようにサポートを行います。

そのほか、要介護認定の申請代行や介護報酬の給付管理など多様な業務を担い、日本の介護保険制度を支える重要な役割を担っています。

ケースワーカー

ケースワーカー

ケースワーカーとは、高齢や障害、病気などの理由によって生活に困っている地域の人々の相談に乗り、必要な支援を行う職種です。

一般的には、福祉事務所、児童相談所、役所の社会福祉課などの行政機関に勤めており、上記の業務にあたる人をケースワーカーと呼びます。

社会福祉に関するさまざまな知識を持ち、日常生活を送るうえで精神的、肉体的、社会的に困難を抱える人々の相談に応じます。

医師をはじめとする医療関係者や医療機関、介護福祉施設と連携をとりながら必要な援助を行います。

ケアマネージャーと似たような場所で活躍していますが、ケアマネジャーがケアプラン作成をメインで行うのに対し、ケースワーカーは対象者からの相談支援業務を中心に担当しています。

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進路やキャリアについて話を聞き、アドバイスをする仕事

学生が進学先や将来の目標に迷ってしまったり、学校生活を送るうえでの悩みを抱えるのはよくあることです。

また、すでに社会に出て働く人も、仕事をしていくなかで自身の働き方や将来などについて不安になってしまうこともあるものです。

このような将来やキャリアの悩みを抱える人たちにアプローチする職業・仕事を紹介します。

スクールカウンセラー」は、学校に通う児童や生徒を対象とし、いじめや不登校といったトラブルに対応したり、子どもたちのさまざまな悩みを聞いたりしながら、その解決のために働きます。

保護者や教師などとも連携をとりながら、最適な方法を考えて動く必要があり、臨床心理士や公認心理師の有資格者がこの職に就くことが多いです。

次に「キャリアコンサルタント」は、相談者がキャリアに関して抱える課題や問題に対し、知識とスキルを生かして支援する専門家です。

キャリアというのは仕事や職業はもちろん、そこから発展して個人の生き方そのものまで意味します。

カウンセリングを中心に、その人自身が自分らしく生き、能力や価値観を引き出して自己実現できるようにサポートしていきます。

カウンセラーのなかでも、とくに「働く人」と深く関わっていくのが「産業カウンセラー」です。

企業などの従業員のストレスチェックやメンタルケアを担当したり、労働環境改善のための提案を行ったり、就職・転職アドバイザーとして活躍することもあります。

スクールカウンセラー

スクールカウンセラー

スクールカウンセラーは、学校などの教育の場において、不登校や問題行動などを起こしている生徒や保護者の相談にのり、助言をする職業です。

スクールカウンセラーそのものの特別な資格は存在しませんが、精神科医あるいは臨床心理士の資格を持っている人や心理学についての専門知識を有する人が、この仕事に携わることが多くなっています。

世の中の変化によって生徒の心の問題も多様化、複雑化し、専任のスクールカウンセラーを常駐させる学校が増えていますが、なかには教員が心理学について学び、カウンセラー的な役割を果たすケースもあります。

キャリアコンサルタント

キャリアコンサルタント

キャリアコンサルタントは、個人が「キャリア」に関する課題達成や問題解決を自主的に図れるよう、専門知識とスキルによって支援する職業です。

企業や学校のように、進学、昇進、就職、転職といったさまざまな悩みや迷いを持つ人と向き合っていく仕事が大半です。

近年では勉強や趣味、ボランティア活動なども含めた「個人の人生そのもの」をキャリアととらえ、対象者のさまざまな悩みや心配事についての話も聞きます。

なお、キャリアコンサルタントのカウンセリングは、感情を整理する「心理カウンセリング」とは異なるアプローチを行います。

クライアントの価値観や能力をもとにゴールを設定し、そこへ向かうために発生する問題を解決に導いていくことが中心テーマとなることが多くなります。

産業カウンセラー

産業カウンセラー

産業カウンセラーとは、カウンセラーのなかでも「働く人」や「労働の場」を専門とする人のことです。

産業を取り巻く現場で働く人たちが抱えている問題に対してアプローチを行い、問題解決に導くためのサポートを行っていきます。

民間企業などでは従業員のメンタルヘルス対策への援助や人間関係上の悩みに関するカウンセリング、公共職業安定所などではキャリア相談や職業相談などを担当することが多くなっています。

企業の働き方改革に関わったり、就職・転職アドバイザーとして活躍したりすることもあります。

産業カウンセラーとして働く場合には、働く人間が抱えている問題を引き出すためのカウンセリング能力だけでなく、労働基準法や雇用の動向に関する知識も求められることが特徴です。

子どもや親子に関わる仕事

子どもの成長や、その保護者に関わる仕事も多くあります。

さまざまな事情を抱えた親子に寄り添い、子どもの健全な育成をサポートするには、専門的な知識が求められます。

児童指導員

児童指導員

児童指導員は、親元を離れて児童養護施設で暮らす子どもや、発達障がいなどの障がいを抱える子どもに対して、生活全般をサポートする職業です。

おもな業務は、施設に入所する子どもたちに対する生活全般の指導で、生活リズムを身に付けさせたり、あいさつやマナーなどのしつけをしたり、学業のフォローをしたりすることです。

発達や四肢に障害のある子ども達の療育を担当することもあります。

児童養護施設のほか、児童家庭支援センター、放課後等デイサービス、児童発達支援センターなどで働きます。

児童指導員という名称であるものの、その保護者や家族に寄り添い、適切な生活指導を行うケースも少なくありません。

その他

ここまで見てきた仕事以外にも、人の話を聞くことで、その人が抱える悩みや不安、心配事を軽減させたり、より良い心の状態へ導くお手伝いができる活動をしている人たちがいます。

たとえば「いのちの電話相談員」は、「いのちの電話」で相談を受ける専門スタッフのこといいます。

いのちの電話は、さまざまな問題をかかえて不安や孤独に苦しみ、悩む人に対して、電話を通じて対話することで生きる意欲を見出してもらうことを目的としたものです。

ボランティア活動になるため給料や報酬は得られませんが、人を助けたいという強い思いを持っている人が、いのちの電話相談員として活躍しています。

また、「占い師」も人の話を聞いて人の心を救っていく仕事だといえるでしょう。

占い師は特別な学校に通ったり、難しい資格を取得しなくてはなれない仕事ではありません。

ただしタロット、手相、六星占術など占いの種類や技法にはさまざまなものがあり、自身の得意な占いの分野をつくっていくことが重要です。

占い師

占い師

占い師は、相談者が抱えるさまざまな悩みを、占いの技と人生経験で得たアドバイスによって、解決に導く人のことです。

タロット、手相、六星占術など、占いの種類や技法はさまざまであり、自らの得意・専門とする分野に絞って占う人もいれば、複数の占いをケースによって使い分ける人もいます。

恋愛相談が相談内容の大半を占めますが、ほかにも進学先や就職・転職、土地の購入、家族の病気についてなど、ありとあらゆる相談が舞い込みます。

占いをする際には、まず相手の話をしっかりと聞き、中立的な立場でアドバイスをすることが求められます。

近年では対面のみならず、電話やネット、メールでの占いを行う占い師もいます。

この記事のまとめ

「人を助けたい」という気持ちは素晴らしいものですが、ここで紹介したような職業・仕事は、他人のプライバシーや心の問題に直接触れるケースが多いため、強い責任感や使命感が求められます。

一方で、さまざまな人との出会いがあり、出会いによって自分を成長させていくことができたり、人の力になれる喜びを実感したりできることは、こうした仕事ならではの魅力といえます。

社会貢献性の高さも特徴であり、やりがいをもって働くことができるでしょう。

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