【2021年版】配管工の仕事内容・なり方・年収・資格などを解説

「配管工」とは

ガス・空調・給排水などの建築設備分野で、配管工事や設備取り付けを専門とする技術者。

配管工とは、建築設備分野(給排水設備・ガス設備・空調設備など)において、水道管やガス管などの管をつないで配管を造ったり、それらの設備を取り付けたりする仕事です。

使う配管は鋼管や塩ビ管などで、それらの材料や必要な設備分野によってさまざまな技能が必要とされます。

配管工になるには特別な資格や学歴は必要ありません。

多くの場合は、設備工事を取り扱う会社に就職し、見習いとして必要な知識や技術を習得していきます。

また職業訓練校で配管工として必要な専門技術を学んだのち、就職をするという人も多く見られます。

ただし、配管工になってからは、「配管技能士試験」をはじめ「管工事施工管理技師」などの資格を持っていると、待遇面などで有利になることが多いです。

給料や年収などの収入面では、決して高給取りとは言えませんが、配管工で実地経験したことを活かして「建築設備士」にステップアップすることも可能といえます。

また、既存の住宅が老朽化していく中で、修理やメンテナンス業務もかなりの量が見込まれており、今後が期待されています。

「配管工」の仕事紹介

配管工の仕事内容

さまざまな建築物の「配管工事」を手掛ける建設関係の技術職

配管工事を専門とする技術者

配管工は、住宅やビルといった建築物の配管工事を専門とする技術者のことをいいます。

おもな仕事内容は、給水管、排水管、ガス管などの管をつないで配管を造ったり、空気清浄装置や冷暖房の換気設備などを取り付けたりすることです。

私たちが、建物の中で水やガスを使うためには、建物の外にある公共配管から屋内の各種設備まで、給水管や排水管、ガス管などを引き込んでこなくてはなりません。

そのため使用する管にもいくつもの種類があり、それらに関する専門知識や、必要な設備分野によってさまざまな技能が必要とされます。

なお、配管や設備機器を新たに取り付けるだけでなく、そのメンテナンスや修理まで任されることが多いです。

生活インフラに関わる重要な仕事

配管工の社会的な役割は、配管工事を行うことで、私たちが現代生活を送るうえで不可欠な各種インフラ設備を、いつでも安全に、かつ便利に使用できるようにすることです。

万が一水漏れやガス漏れが発生すると、工事が完了するまで各種設備が使用できなくなります。

水やガスといったインフラは、使用頻度が非常に高いこともあって、日常生活に大きな弊害が生じることになりますし、まして公共配管ともなると、その被害は甚大です。

扱うものがインフラであるだけに、その社会的責任は重大であり、万一にも中身が漏れたりすることのないよう、確実に施工しなければなりません。

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配管工になるには

就職後に経験を積み、資格取得を目指すのが一般的

設備工事を扱う会社に就職する

配管工になるのに、特別な資格は必要とされず、まずは設備工事を取り扱う会社に就職し、見習いとして必要な知識や技術を習得していきます。

設備会社に就職するために、職業訓練校で配管工として必要な専門技術を学ぶという人もいます。

ただし、配管工事には専門的な知識と技術が必要であり、扱うものが水道やガスといったインフラであるだけに、施工には些細なミスも許されません。

このため、配管工になった直後は、掘削作業や運搬作業といった力仕事をこなしつつ、さまざまな現場を経験し、徐々に配管工としてのスキルを磨いていきます。

なお配管工は、建設関係の仕事のなかでは比較的女性の多い部類に入る職種で、4割が女性という企業もあります。

資格を取得して仕事の幅を広げる

配管工として採用された後は、基礎的な作業から始まって、加工や組立、設備の据付など、徐々に高度な作業を担当し、およそ3年かけて、一通りの専門技術を身につけます。

実務経験を積むと、「配管技能士」や「管工事施工管理技師」の資格試験を受けてステップアップを目指すことができ、さらに上級の資格として「建築設備士」に合格すると、仕事の幅は大きく広がります。

一人前の配管工となった後については、現場の職人として技術を磨き続ける人もいれば、管工事施工管理技士の資格を取って監督にキャリアアップする人、独立開業する人もおり、進む道はさまざまです。

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配管工の学校・学費

学歴よりも会社で仕事を経験して覚えていくことが重視される

配管工を目指すにあたって、学歴はほとんど問われません。

職人的な仕事であることから、地道に現場で知識や技術を習得し、腕一本で身をたてるのにも向いている仕事といえ、中卒や高卒から配管工になることも十分に可能です。

実際、配管工の仕事内容は多種多様なため、学校で特定のことを勉強するよりも実際に会社に入ってさまざまな仕事を経験するほうが早く一人前を目指せるでしょう。

ただし、職業訓練校で配管について勉強できる場合があるため、先に基礎的なことを学びたい場合はそちらを活用するとよいでしょう。

そのほか、配管工になるための学校としては、工業高校、建築系や工業系の専門学校、大学の工学部や建築学部などが挙げられます。

配管工の資格・試験の難易度

業務の幅を広げることができる国家資格にチャレンジ

配管工は特別な資格がなくても働けますが、業務に関連する代表的な資格が2つあります。

配管技能士

配管技能士は、厚生労働省の認定する技能検定制度の一種であり、配管工にとって最もメジャーといえる資格です。

給水管・排水管・ガス管、空気清浄装置や冷暖房の換気設備など、建築物の配管工事の技能を認定するものです。

配管技能士資格には、1級~3級までの区分があり、受験資格もそれぞれに異なります。

入門編となる3級については誰でも受験できますが、2級以上では、学歴に応じた数年間の実務試験を積んでいることや、下の級に合格していることなどが条件となります。

ただし、しっかりと現場で仕事に打ち込んでから受験すれば、合格はそこまで難しくないでしょう。

管工事施工管理技士

各種管工事において施工計画を作成し、工程や品質、安全面の管理を行うことが可能になり、ほかの作業員に指示するなど、現場監督として働くのに必要な資格です。

管工事施工管理技士には、難易度や受験資格の異なる1級と2級のふたつの区分があり、どちらも学科試験と実地試験の双方をクリアすることで合格となります。

配管技能士と比べると、合格率自体に差はありませんが、難易度としては管工事施工管理技士のほうが圧倒的に上であり、しっかりとした受験対策が必要になります。

将来、管工事施工管理技士まで目指すのであれば、大学や短大まで進み、土木工学や都市工学、衛生工学、建築学などを修めておくとよいでしょう。

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配管工の給料・年収

新人とベテランの間には大きな差が出やすい

年収としては平均的

配管工の給料は、400万円前後が相場とされています。

ただし、専門スキルを要する技術職であるため、本人の技術力や経験によって給料はだいぶ異なるのが実情で、新人とベテランの間では、大きな差が出ることも珍しくありません。

配管工の初任給は、およそ17万円~20万円が相場とされており、ごく一般的な水準といえるでしょう。

ただ、知識も技術もない配管工の見習い時代は、雑用などをこなしながら、先輩や上司にスキルを教わる期間であり、はじめの数年は給料の伸びはあまり期待できないかもしれません。

平均年収は増加傾向にあり、生涯賃金も高め

配管工の平均年収は、近年上昇傾向が続いています。

配管工事の需要に対して、配管工の供給が追いついておらず、工務店や設備会社は、働き手を確保するために求人条件を引き上げ続けており、それが配管工全体の平均年収の増加につながっています。

今後も、売り手市場が続く見通しであり、これから配管工を目指す人にとっては、一昔前と比べれば非常に恵まれた環境にあるといえるでしょう。

また配管工は、高卒で就職し、10代のうちに働き始める人も大勢おり、技術職である配管工は、自身の腕前さえ維持できれば、定年はなく70歳以上になっても働き続けることが可能です。

このためほかの職業よりも実働年数がかなり長くなりやすい傾向にあり、そのぶん生涯年収も高くなりやすいのが特徴です。

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配管工の現状と将来性・今後の見通し

元請業者となることでより利益を上げていく

配管などの設備工事を行う会社は、大手工務店やハウスメーカーの下請けがほとんどであるのが現状です。

工事の発注者との間に別の業者が入るたびに中間マージンが発生するため、下流に位置する配管工事施工会社の利益はどんどん薄くなり、配管工には少々厳しい環境といえるかもしれません。

ただし、最近では自社で営業や宣伝活動を行い、直接お客さまから仕事を取ろうとする会社も増えています。

また新築設備だけではなくメンテナンスに力を入れていくことにより、配管工の活躍の場はまだまだ見出せるものと考えられています。

水道やガスといったインフラ工事の需要は堅調であり、高齢化に伴い働き手は不足していくため、これから配管工を目指す人にはより有利となっていくでしょう。

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配管工の就職先・活躍の場

全国の建設・設備系会社で活躍できる

配管工のおもな就職先は、ビルメンテナンス会社や建設会社、設備会社、リフォーム施工会社などです。

新築物件はもちろんのこと、既存の建築物から大きなビルまでメンテナンスが必要な物件は山ほどあるため、配管工の求人は多く、活躍の場も多岐にわたっています。

ほとんどは中小企業であり、一般家庭向け、工場向け、病院向け、官公庁向けなど、手掛ける工事内容をある程度絞って事業を運営しているケースが多いです。

一方で、さまざまな管工事を手掛けるともに、製品開発など複数の事業を展開する大手企業も一部あります。

配管工の仕事は日本全国で活躍できる仕事という特徴もあり、知識や技術、経験を身につけると、自営業という形で配管工事を専門にしながら個人で働く人もいます。

配管工の1日

1日のほぼすべてを実作業に費やす

配管工は、打ち合わせや書類作成といった仕事はほぼなく、1日のほとんどの時間を、作業所や工事現場での実作業に費やします。

企業によっては、通勤時間を削減して効率的に働くため、現場に直行直帰となる日も珍しくありません。

<住宅向け管工事施工会社で働く配管工の1日>

7:00 自宅から現場へ直行
8:00 作業準備
8:30 朝礼、ラジオ体操
9:00 作業開始
10:30 小休憩
12:00 昼食、仮眠
13:00 作業再開
15:00 小休憩
17:00 片付け、現場清掃
17:30 直帰

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配管工のやりがい、楽しさ

自分の技術によって、生活に不可欠な配管を形にしていく

配管工はさまざまな材料を用いて配管をつなぎ合わせて形にしていくという、ものを造る喜びがあります。

最終的に配管のほとんどは隠れてしまいますが、きれいに配管でき、それが漏れることなくつながったことを確認できたときはうれしいものです。

とくに最近では建築設計や住宅の間取り、設備機器の設計も多様化しており、配管工には高い技術や専門知識が求められます。

難易度の高い施工ができるようになれば自信にもなりますし、人々の生活になくてはならない重要なものを扱っていることを誇りとして働いている配管工は多いです。

また、私たちの暮らしを支える仕事であり、決して脚光を浴びるタイプの職業ではありませんが、インフラに携わる重要性や公共性の高い仕事でもあります。

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配管工のつらいこと、大変なこと

仕事の大変さや金銭面での問題などがあげられる

極小スペースでの仕事や納期に追われるつらさ

配管工が施工する給水管や排水管、ガス管などは、居住スペースを最大限に広く確保するため、非常に狭い場所に押し込まれているケースが大半です。

このため、配管工は、極小空間で作業しなければなりません。

工具や材料を持ち込み、自分の作業スペースを確保するだけでも大変な上、基本的に空調設備が効く範囲外であるため、夏は暑さのなかで、冬は寒さのなかで、仕事に追われることになります。

また、建物を新築する際、配管工事は、工程全体の序盤から中盤にかけて行われます。

前後の工程が別な職人の仕事に挟まれている関係上、配管工の仕事は、作業に充てられる時間が限られて、スケジュールに追われやすい点が大変なところといえます。

納期が差し迫っている場合は、夜中や深夜帯の作業に追われることもあり、とくに年度末の繁忙期は、大急ぎで施工しなければならない現場が連続することもあり、心身ともに疲弊しがちです。

経済的な悩みを持つ人も

配管工が抱えやすい悩みとしては、金銭面の問題が挙げられます。

配管工事施工会社の大半は、ゼネコンやサブコンの二次受け、三次受けとして仕事を受注しており、どうしても得られる利益は低くなります。

とくに給料が低い若手の配管工のなかには、収入を増やすために、土日などの休みを利用して、コンビニエンスストアの店員や配送ドライバーなどの副業をしている人もいるようです。

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配管工に向いている人・適性

身体を動かすことが好きで、黙々と慎重に作業ができる

配管工の仕事は決して目立つわけではなく、ひとたび建築物が完成してしまえば、配管のほとんどが床の下や壁の中、天井の上に隠れてしまいます。

おまけに、その作業も配管図面にのみ従って、一人で黙々と行っていくため、地道にコツコツと仕事を愚直にできる人は配管工に向いているといえます。

配管はもしも故障や事故などが発生すれば、その被害は甚大ですので、仕事には大きな責任が伴います。

確実かつていねいに仕事をすることが不可欠であり、誰も見ていなくても絶対に手を抜かず、コツコツと地道な作業を続けられる、真面目な性格の人が向いているでしょう。

また肉体労働でもあるため、身体を動かすことを苦にせず、体力に自信がある人のほうが望ましいです。

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配管工志望動機・目指すきっかけ

ものを組み立てるのが好きで、コツコツとした作業も得意

配管工を目指す人は、もともと建築物で使われる給水管・配水管・排水管・ガス管などといった設備に興味があり、それらを組み立てていく職人的な仕事がしたいという思いで、この仕事を目指す人が多いようです。

ものを組み立てることが好きであり、コツコツとした作業を苦にしないタイプの人も目立ちます。

また、この仕事は技術が身につけばつくほど難しい案件も一人でこなせるようになるため、自分の力で仕事をしている実感がほしい、将来は独立したいという理由で、配管工になる人もいます。

配管工は、就職するにあたって学歴不問、かつ資格も不要であり、敷居の低さが大きな魅力ですので、比較的気軽に目指しやすい職業であるといえるでしょう。

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配管工の雇用形態・働き方

正社員として働く人が多いが、知識や経験を武器に独立する人も

配管工は、まず施工会社などに正社員として雇用されてキャリアをスタートする人が多いです。

一方、親や親族が工事関係の会社を経営しており、入社後徐々に経験を積み、そのまま後を継ぐ人も決して少なくはありません。

経験がものをいう職人要素の強い仕事であるため、基本的には現場経験を積めば積むほど実力もアップし、経験年数を積み重ねるほど仕事の幅も広がります。

知識や経験がつくと、独立して自分でビルメンテナンスなどの会社を興す人もいます。

配管工の仕事はそもそも非常に需要が多く、大きな事務所を構えなくても一人で作業をすることができるため、独立しやすい仕事といえます。

仕事の間口は広いため、腕を磨いて上手に営業できれば、独立しても安定した収入を得られるでしょう。

配管工の勤務時間・休日・生活

建築業界にあわせた働き方をすることが多い

配管工として施工会社などに勤務する場合には、各社が定める勤務時間や休日に沿って働きます。

朝はやや早めで8時頃には現場に到着し、作業開始となることも多いですが、その分、作業が終わると夕方の早い時間帯には帰宅できることもあります。

終業時間は比較的きっちり決まっており、安全上の問題もあるため深夜まで作業を行うといったことは滅多にありません

安全に作業を行うために休憩時間も決まっているため、比較的規則正しい生活が送れるでしょう。

休日については、業界の慣行的に毎週土曜日休みのところは少なく、基本的に土曜日は第2・第4のみが休みというところが多いです。

ただし、盆やお正月は建築業界全体が休むため、これにならって多めに休める会社が多いようです。

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配管工の求人・就職状況・需要

人手不足の仕事であり、需要は大きい

どのような建物でも、ガス・水道などの配管工事は不可欠なものです。

また、建物にはメンテナンスやアフターフォローが必ずついて回るため、新築時だけではなくその後も継続して配管工の仕事はあります。

一方、最近は職人の高年齢化も進み、若者の建築系職業離れなどにより、配管工は深刻な人材不足に陥っています。

積極的に若い人を求める企業が増えており、人手を確保するため、給料などの待遇面も近年は改善傾向にあります。

これから配管工を目指す人にはチャンスが広がっているといえるでしょう。

ただし、企業によっては労働環境があまりよくないところもあるため、就職先を探す際にはよく気を付けることをおすすめします。

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配管工の転職状況・未経験採用

現場に入ってからの経験がモノをいう仕事

配管工の転職状況は良好だといえます。

業界全体として人手が不足する傾向にあり、長期的に働いてくれる人材を確保するために、社員の育成に熱心で、資格取得を積極的に支援してくれる企業が目立ちます。

もともと、このような仕事は現場経験がものをいうため、新卒採用と社会人採用(転職者の採用)との区別はほとんどありません。

学歴不問・資格不要というハードルの低さに魅力を感じて、手に職をつけるために配管工に転職するというケースもよく見られます。

ただし、数年単位の修業が必要な職業であることから、年齢的に若いほうが好まれるのは間違いありません。

確かなキャリアを形成するという狙いによって、未経験者の採用は35歳前後を上限としている企業が多いようです。

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