自動車ディーラーへの転職・中途の未経験採用はある?
自動車ディーラーへの転職・中途の未経験採用はある?
求人は常に多い状況
自動車ディーラーは慢性的な人手不足を抱えている業界でもあります。
ディーラーは離職率が高い傾向にあり、特にノルマの厳しい営業職の中には、入社してすぐに辞めてしまう人も少なくありません。
近年は「クルマ離れ」などの影響により、車に興味をもつ若者も減ってきており、営業職・整備職問わず新人を集めにくい状況です。
慢性的な人手不足を抱えているディーラーも多く、転職市場では中途採用の求人が常にあふれています。
未経験者向けの求人も多い
人手不足の影響から、経験者のみならず「未経験者」を中途採用するディーラーも目立ちます。
たとえば中小のディーラーや地方のディーラーでは、もともと大手ディーラーのように志望者は多くないこともあり、未経験者も積極的に取り込もうとする動きが見られます。
一方で、大手ディーラーや都市部の人気ディーラーなどでは、同業の職務経験がないと応募(エントリー)ができないことがあります。
出身業界など
未経験者の場合、出身業界や出身職種はバラバラであり、一概にはいえません。
自動車部品メーカー出身や元ドライバーなど、自動車関連の仕事に携わっていた人が多めです。
販売職や事務職出身の人もいれば、元公務員や元俳優などでディーラーに転職する人もおり、さまざまな経歴を持つ人が集まってきています。
20代で正社員への就職・転職
自動車ディーラーへの転職の志望動機で多いものは?
転職時の志望動機は人によってさまざまですが、一般的に次のような動機です。
<転職者の志望動機で多いもの>
・貴社で取り扱っている〇〇の車種を営業したい、整備したい(経験者)
・貴社の販売網、給料待遇、社風などにひかれた(経験者)
・クルマが好きで、クルマの魅力をお客さまに伝えたい(未経験者)
・クルマという高額な商品を営業したい、お客さまの人生の大きな買い物をサポートしたい(未経験者)
・頑張れば頑張るだけ評価してもらえる環境に惹かれた(未経験者)
経験者の場合は、「〇〇系の車種を扱ってみたい」、「給料待遇を改善したい」など、前職のディーラーでは実現困難であった希望を転職先のディーラーに期待し、転職を図る人が多めです。
未経験者の場合は、「クルマが好きだから」、「人と関わるのが好きで、お客さまの大きな買い物をサポートしたい」など、好きや興味関心をベースとした志望動機が目立ちます。
自動車ディーラー社員の志望動機と例文・面接で気を付けるべきこと
未経験から自動車ディーラーで働くには
未経験向けの求人に応募する
人手不足が進んでいる業界のため、求人サイトや求人広告をひと目みるだけでも、たくさんの未経験求人を発見できます。
まずは、未経験求人に応募してみることが第一歩です。
未経験求人は、文字通りディーラーでの仕事経験がまったくない人でも応募できます。
ただし、年齢制限や資格制限(普通自動車免許など)がある求人では、条件を満たしていないと応募できないことがあります。
また同じ未経験採用であっても、若い人であれば「第2新卒採用」のほうが選考を有利に進められることもあります。
該当する年代の人は第2新卒採用を行っているディーラーを狙うというのも一つの方法です。
大手ディーラーへ転職するには
大手ディーラーの中途採用では、「ディーラーでの営業経験〇年以上」など具体的な職務経験を求められることがあります。
未経験者では書類選考すら通過するのが難しくなりますが、逆にいえば経験を積めば採用を勝ち取ることも可能です。
未経験採用を行っているディーラーで職務経験を積み、いずれ大手ディーラーに転職するという方法もあるでしょう。
未経験からディーラーの整備職に就くには?
整備職として働く上では、整備士資格となる「自動車整備士試験(自動車整備士技能検定)」が半ば必須となります。
たとえ未経験OKの求人であっても、「整備士資格所持者」、「自動車整備学校卒業者」などが条件として掲げられていることも少なくはありません。
整備職を目指す場合は、自動車整備学校に進学し、整備士資格を取得した上で就職するのが一般的となっています。
とはいえ、未経験OK、未資格者OKの整備職求人を出しているディーラーも存在します。
ディーラーに未経験で採用され、実務経験を積んで将来的に整備士資格の取得を目指す方法もあります。
ただし、実務経験のみで整備士資格を目指そうとすると、受験資格の関係で、自動車整備学校に通う場合より長い年月が必要です。
参考:国土交通省 自動車整備士養成施設の指定等の基準について
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自動車ディーラーへの転職に必要な資格・有利な資格
資格の必要性
営業職の場合は、必須となる資格はありません。
資格よりも営業力やコミュニケーション力などのヒューマンスキルのほうが重要になります。
ただし、「販売士」、「営業力強化検定」、「営業士検定」など営業関連の資格、「ファイナンシャルプランナー」のような金融関連の資格を所持していると能力アップにつながります。
整備職の場合は、整備士資格となる「自動車整備士試験(自動車整備士技能検定)」が半ば必須となります。
参考:一般社団法人日本自動車整備新興会連合会 自動車整備士資格試験情報
整備士資格がないと、オイル交換やタイヤ交換などの簡単なメンテナンス業務しかまかせられないのが一般的です。
本格的な整備業務を行うためには必然的に整備士資格の合格を目指すことになります。
普通自動車免許
ディーラーの採用では、未経験者であっても普通自動車免許が必須条件となっていることが多いでしょう。
さらに「オートマ限定不可」としている求人も多く、オートマ限定で免許を取得した人であれば、ふたたび教習所に通い、オートマ限定を解除しなければなりません。
自動車ディーラーの社員は、新車の納車や車検の引き取りなどで、さまざまな車種を運転することになります。
そのため、普通自動車免許はできるだけ早めに取得し、ある程度の運転経験を積むよよいでしょう。
自動車ディーラーへの転職に役立つ職務経験は?
次のような職務経験は、自動車ディーラーの業務でも役立ちます。
<役立つ職務経験>
・営業やセールスの経験、特にBtoCの営業経験(営業職)
・チームや集団で仕事を進めた経験(整備職)
・店舗での接客や販売の経験
・店舗マネジメントやリーダーの経験
・自動車や自動車保険などに関する知識
ディーラーは店舗型のビジネスとなり、営業職はもちろんのこと整備職であっても、店頭でお客さまと接する機会は少なくありません。
店舗での接客や販売の経験があると、転職後も役立てることができます。
いずれは店長、工場長、エリアマネージャーといった管理職に昇進することもあり、そうなった場合はマネジメント経験やリーダー経験も生かすことができます。
自動車ディーラーに転職可能な年齢は何歳くらいまで?
昨今のディーラーの中途採用は、「年齢不問」の求人がその多くを占めており、年齢で制限している求人のほうが珍しくなっています。
とはいえ実際のところは、未経験の転職では一般的に年齢が若いほうが有利になりやすく、ディーラーの転職においてもそれはいえます。
傾向としては、20代~30代が中心となって活躍しているディーラーが多く、転職志望者も20代~30代の人が目立ちます。
大きく年齢が離れる場合には、資格をとって面接で意欲をアピールするなど、年齢的ハンデを補う努力も必要になります。
営業職においては、人間性やコミュニケーション力が何よりの武器となるため、年配者の長年磨いてきたヒューマンスキルが評価されることもあります。