【2021年版】証券会社社員の仕事内容・なり方・年収・資格などを解説

「証券会社社員」とは

株式売買の仲介や、会社が株式を発行してお金を集めるのを手助けする。

証券会社では、個人や法人の顧客に対して、株式や債券などの金融商品を提案・販売したり、自ら市場に参加して金融商品を売買したりする事業を展開しています。

証券会社社員は、証券会社において営業職(リテール、ホールセール)やディーラー職、アナリスト職などの各職種に分かれて活躍しています。

証券業界には、大手独立系の「野村証券」や「大和証券」を筆頭に、金融業界の代表的な企業が多く存在することから、学生にとって人気の高い就職先のひとつです。

新卒採用も積極的に行われていますが、優秀な学生が多く応募するため、できるだけハイレベルな大学に進学しておくほうが有利になります。

経済や金融の知識だけでなく、プログラミングや統計分析、金融工学などのスキルを身につけておくのも有用です。

実務では厳しく成果が求められ、ハードワークな日々となりますが、能力のある人は高く評価されて若いうちから高収入が望めます。

「証券会社社員」の仕事紹介

証券会社社員の仕事内容

ブローカー業務やディーラー業務を中心に手掛ける

証券会社社員のおもな仕事は、担当する個人や法人の顧客に対して、株式や債券などの金融商品を提案・販売したり、自ら市場に参加して金融商品を売買したりすることです。

証券会社の業務の柱のひとつが「ブローカー業務」です。

これは、株などの金融商品を「売りたい人」と「買いたい人」を結び付け、証券取引所における売買を成立させる仕事です。

一般的には「営業職」といわれる仕事になり、取引成立時に得られる仲介手数料や、売買時の差益が自身の営業成績となります。

もうひとつの柱は「ディーラー業務」で、こちらは証券会社自身が市場に参加し、金融商品を売買します。

「ディーラー職」などの社員が活躍しており、経済や金融に関する深い理解と専門知識、またタイミングを逃さない判断能力や、プレッシャーに耐える精神力が求められます。

その他にも専門的な業務がある

上記のほか、証券会社では、企業や国が新たに発行する債券などを買い取り、発行や募集の手続きを行う「アンダーライター(アンダーライティング)業務」も手掛けています。

似た業務として、売れ残りを買い取る義務を負わず、販売だけを代行する「セリング業務」という仕事もあります。

このほか、マーケットの動向や金融商品を分析し、顧客に情報を提供する「リサーチ業務」もあります。

証券会社の社員は経済や金融の専門知識を生かしながら、配属された各部門で活躍しています。

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証券会社社員になるには

証券会社の採用試験は競争倍率が高めの傾向

証券会社社員になるには、各証券会社の社員採用試験にエントリーし、内定を得ることが必要です。

大手の証券会社では積極的に新卒採用を行っており、数百人単位の新卒者を一度に採用することもあります。

ほとんどの企業で「大卒以上」の学歴を応募資格として掲げているため、証券会社を志望するのなら、まずは大学に進学しましょう。

加えて、証券業界は学生にとっての人気の就職先であり競争倍率が高くなりがちなため、できるだけ難関といわれる大学に進学しておくほうが有利です。

学部・学科は不問で、経済学部や経営学部など文系出身者のほか、理系から採用されることもめずらしくはありません。

入社後も継続的な努力と成果が求められる

証券会社で働くとなると、まずは内定を得ること自体が簡単ではありませんが、入社後も厳しい日々が待ち受けています。

新卒社員は営業職として配属される社員が多いですが、株や債券といった金融商品は、百発百中で儲かるわけではありません。

新規顧客を開拓する営業活動では、訪問先から門前払いされたり、厳しい言葉をかけられたりすることもしょっちゅうです。

タフな精神力やガッツが求められますし、常に最新の経済や金融の情報チェックや勉強に追われます。

多忙な日々のなかで、向上心をもってキャリアアップを目指していく必要があります。

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証券会社社員の学校・学費

日本全国に証券会社は数多く存在し、かつては専門学校卒や短大卒で入社している人もいました。

しかし、最近では大手証券会社をはじめ、地元密着型の地場証券でも「4年制大学卒以上」の学歴をもつ人を多く採用する傾向にあるため、証券会社を志望するのなら大学進学は必須と考えておくべきでしょう。

とくに業界トップクラスの大手証券会社では高学歴が優遇される傾向で、なかには大学院まで進んで金融工学などを修め、専門分野のスキルで勝負する人もいます。

また、外資系証券会社を目指す場合には語学力も重視されることから、大学在学中に留学をし、高度な語学力を身につけておく人などもいます。

証券会社の内定を得るためには、大学在学中から高い意識をもって就職試験の準備をしておくことが重要です。

証券会社社員の資格・試験の難易度

新卒で証券会社への就職を目指す場合、入社試験を受ける時点で特別な資格が求められることは通常ありません。

ただし、いざ入社が決定し実務をスタートしてからは、さまざまな金融関連の資格取得が求められます。

証券会社社員が取得する資格の種類は、配属部門や職種によっても異なりますが、営業系の資格として最も代表的なのは「外務員資格」です。

この資格を得ることで、顧客に対しての有価証券などの金融商品の販売が可能となり、上級の一種資格まで取得すると、信用取引や先物取引、デリバティブ(金融派生商品)といった、よりハイリスクな商品まで幅広く扱えるようになります。

このほか「ファイナンシャルプランナー(FP)」などの資格を取得する人もいます。

配属部門や職種に応じた専門的な資格取得を目指す

証券会社におけるリサーチ系職種の資格として有名なのが、公益社団法人日本証券アナリスト協会が認定する「証券アナリスト」です。

このほか「CFA(CFA協会認定証券アナリスト)」と呼ばれる国際基準のリサーチ系資格もあります。

ディーラー職として勤務する場合には、資格というよりも、チャートの分析力や相場を予測する力、瞬時の判断力などの高度なスキルが求められます。

このように証券会社社員は、おのおのの担当業務に応じて、専門的な資格取得のための勉強を継続的に続けていく必要があります。

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証券会社社員の給料・年収

個人の成果に応じて給与が決まる企業が多い

証券会社が属する金融業界は、一般的に給与水準が高めです。

民間求人各社の統計データを見ていくと、証券会社社員の平均年収は600万円~700万円ほどと考えられ、業界トップ企業では1000万円に迫る程度か、それ以上の年収も見込めます。

証券会社の給与体系の特徴として、個人の能力や営業成績に連動した「成果報酬型」が採用されるケースが多いことが挙げられます。

簡単にいえば、仕事で成果を出せる人は若くても高収入が望めますし、逆にいえば、年齢が上になっても有能な若手に追い抜かれる可能性もあります。

実力を発揮できればよい収入・待遇が見込める

証券会社社員は、顧客への営業を行うブローカー業務をはじめ、ディーラー業務やセリング業務、リサーチ業務、投資銀行業務など、さまざまな業務に就いています。

なかでもディーラー業務を担当する社員は、稼ぎやすい職種の代表格で、結果さえ出し続ければ年収数千万円に達することもあります。

しかし、とくに厳しい実力主義の職種であり、成績がふるわなければ大きな減給となったり、配置転換させられることもあります。

非常にシビアな面もありますが、努力し、成果を出せば出すほど収入や待遇にも反映されやすいため、その点に魅力を感じて活躍している人も大勢います。

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証券会社社員の現状と将来性・今後の見通し

ネット証券が盛り上がり、業界の競争は厳しさを増している

IT技術の発展によって、インターネットを利用した「オンライントレード」が普及し、個人が気軽に株の売買や投資信託を始められるようになりました。

従来型の「店舗証券」に対して、実店舗を構えない「ネット証券」の勢いはすさまじく、顧客争奪戦となっているのが証券業界の現状です。

それでも、5大証券といわれる店舗型の大手証券の売上規模は圧倒的に大きく、多数の社員が専門性を生かして活躍しています。

もともと証券会社は対面中心の営業活動で売上を大きく挙げていましたが、ネット証券ではIT系職種の採用が中心です。

また、店舗証券でもネット証券との差別化を図るために情報提供力や商品企画力を高めていく目的で、リサーチ系や開発系の職種で活躍する人が増えています。

これからの証券会社社員には、経済・金融の知識だけでなく、プログラミングや金融工学など、なんらかのスキルに特化したスペシャリストがより求められるようになると考えられます。

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証券会社社員の就職先・活躍の場

多数の証券会社が存在し、いくつかの種類に分類できる

日本には証券会社が数多く存在しており、その種類は大手系、銀行系、中堅系、外資系、ネット系などに分けられます。

大手証券会社は古い歴史と抜群の知名度を誇り、全国各地に広く事業を展開しています。

資本力や売上高も大きく、社員数も他の証券会社に比べると多いです。

銀行系証券会社といわれるのは、三菱UFJ、三井住友、みずほのメガバンク3行を筆頭に、いずれかのフィナンシャルグループに属する証券会社です。

また中堅規模の証券会社では、エリアをある程度限定し、地域密着型で事業を展開するところが目立ちます。

外資系は海外に本店を置く証券会社の日本オフィスです。

このほか、最近ではネット上だけでサービスを提供するネット系といわれる証券会社で活躍する人も増えています。

証券会社社員の1日

職種によって動きは異なるが、多忙な毎日を過ごす人も多い

証券会社社員の1日の流れは、配属部門や職種によっても異なります。

全体としては非常に多忙で、朝は早く、担当業務によっては夜遅くまで働くこともあります。

ここでは、ブローカー業務をする社員の一般的な1日の例を紹介します。

8:00 出社・ニュースチェック
8:30 朝礼
9:00 前場取引開始
11:30 昼食
12:30 後場取引開始
15:30 顧客(投資家)訪問
17:00 部内ミーティング・戦略会議
18:00 デスクワーク
19:00 商品勉強会
20:00 退社

証券会社社員のやりがい、楽しさ

自分の努力が報われたと実感できた瞬間

証券会社社員は少しでも自分が担当している顧客の役に立てるよう、日々の勉強を欠かしません。

業務時間中だけでなく、自宅で過ごすオフの時間にも仕事のことを考えていたり、スキルアップのための資格の勉強を自主的にしていたりする人が多いです。

それだけ仕事に打ち込んでいる人が多いからこそ、その成果が出たときには非常にやりがいをかんじられるでしょう。

顧客に有益な情報を提供できたり、顧客の取引が成功したときには、大きな喜びと誇りが得られます。

また、厳しい実力主義の世界であるため、成果を出せば出すほどインセンティブ(特別ボーナスのようなもの)がもらえます。

勤務先によっては、20代でも年収1000万円以上を目指せる可能性があり、「がんばったら報われる」という環境そのものにやりがいを感じている人も少なくありません。

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証券会社社員のつらいこと、大変なこと

ノルマが達成できないと、精神的に追い詰められる

証券会社社員に対してい歯「エリート」や「高収入」といったイメージが先行しがちですが、その仕事の実態は非常に厳しいものがあります。

一人ひとりの社員にノルマや目標が数字として設定されており、それが達成できなければなぜできないのか、どうするつもりなのかを厳しく問われます。

会社や上司としては、一流の証券マンになってもらうための指導ですが、人によってはつらくなってしまうこともあるでしょう。

証券会社社員として働くのであれば「成果にとことんこだわる」ことは避けられません。

目標達成のためにどのようにアプローチするかを常に自分でしっかりと考え、行動し続ける必要があります。

向き・不向きがはっきりと表れやすい業種でもあるため、合わない人は比較的早く会社を去りますし、合う人はどんどんスキルアップして驚くほど稼いでいる人もいます。

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証券会社社員に向いている人・適性

チャレンジ精神があり、打たれ強い人

証券会社社員の業務はさまざまですが、度胸を試されるようなものもたくさんあります。

たとえば担当顧客に株式などの金融商品を提案するとき、100パーセント値上がりする商品などは存在しません。

取り扱う金額が大きいだけに「もし損失が出てしまったらどうしよう」「思うような動きにならなかったらどうしよう」などと、一瞬怖くなることもあるでしょう。

しかし、そこで立ち止まってしまっては証券会社の仕事は務まらないため、多少精神的に厳しくても挑戦できる人、リスクを背負ってでも行動できる人に適性があります。

また、仕事で成果を出すためには、常日頃からの地道な経済や政治動向、国際情勢などに関する情報収集や勉強が欠かせません。

高い向上心をもち、見えないところでも仕事に打ち込んで努力できるタイプの人に、証券会社社員は向いているといえます。

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証券会社社員志望動機・目指すきっかけ

経済・金融への興味と、自分の力を存分に発揮したいという熱意

証券会社を目指すきっかけとして多いのは、経済や金融に関する興味関心です。

学生時代に経済を学んで楽しいと感じたこと、自分で株式投資などに挑戦してみたことなどから、証券会社をはじめとする金融業界へ進もうと考える人も少なくないようです。

ほかのきっかけとして「自分自身の実力を試したい」というチャレンジ精神が、証券会社を目指す理由になることもあります。

証券会社では、個々の能力や成績が厳しく問われやすいですが、そのぶんだけ「収入」や「待遇」での見返りが大きく、その点に魅力を感じる人もいます。

言い訳の効かない厳しい世界に飛びこんで成長したい、若いうちに高収入を目指したいといった思いから、証券会社を志望するケースもあります。

志望理由は深く、具体的な内容を準備する

証券会社は、学生にとっても非常に人気が高い就職先であるため、十分な採用試験対策が必要です。

志望動機では、証券業界を目指す理由はもちろん、その証券会社を目指す理由まで明確に答えられるようにしておかなくてはなりません。

証券会社は各社で規模も違えば、事業の特色や組織体制なども異なるからです。

また、自分が就きたい職種、挑戦したい業務をイメージして、なぜその仕事がしたいのかも具体的に話せるようにしておきましょう。

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証券会社社員の雇用形態・働き方

営業系社員は正社員のほか、歩合外務員として働く人も

証券会社では、リテール部門や投資銀行部門などに配属され、営業関連の仕事をする社員が大勢活躍しています。

このような社員は「正社員」として採用されることが多く、総合職であれば、自社の多様な業務を経験しながらキャリアを積み上げていきます。

ただし、一部の営業に関しては「契約社員」として雇用されていたり、「歩合外務員」といって固定給ではなく歩合給で仕事をする人もいます。

リサーチ部門でも、正社員の採用が中心です。

一方、本部で総務や人事など会社を支える仕事をするバックオフィスの職種では、「派遣社員」や「パート」などの形態で働く人もいます。

証券会社社員の勤務時間・休日・生活

早朝から夜遅くまで忙しく働く人も

証券会社の一般的な勤務時間は各社で異なりますが、たいていは始業が8時半~9時頃、終業は17時~18時頃と定められています。

ただし、この勤務時間内だけで働けるとは限らず、証券会社社員の多くが朝早くから夜まで忙しく動いています。

朝は目覚めるとすぐに経済新聞やテレビに目を通し、経済などに関する最新のニュースをチェックします。

始業時間よりも早くに出勤し、顧客に提案する資料をそろえたり、グループのミーティングに参加したりする人もいます。

営業職であれば日中は外回り、夕方以降にようやく帰社してそこから事務作業を片付けていくため、どうしても残業時間が増えがちです。

金融市場が閉まる土日は休みをとれますが、自宅で平日に手が回らなかったレポートや専門誌を読み込むなど、勉強にあてるケースが目立ちます。

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証券会社社員の求人・就職状況・需要

大手証券会社では500人以上の一括採用を実施することも

日本には、数多くの証券会社が存在します。

そのうち大手証券会社は社員数も多く、毎年、定期的に大量の新卒人材を一括で採用しています。

多いときには1回の新卒採用で500人以上に内定を出すこともありますし、大手以外の中堅系、地場系なども含めれば、証券会社に入社するチャンスは十分にあるといえるでしょう。

しかし、大量採用の背景には「仕事が合わず、辞めていく人も多い」という事情があります。

離職の理由はさまざまですが、厳しい目標・ノルマに追われてつらい、ハードワークに耐えられないといった理由を挙げる人もいます。

もちろん、証券会社に入社して長く活躍し続ける人も大勢いますが、きちんと業界研究・企業研究をして、自分に合う会社選びをすることが重要です。

総合職採用と部門別採用

新卒入社の証券会社社員は、まず個人顧客に対する営業、いわゆる「リテール業務」をまかされるケースが一般的です。

その後は個々の適性や希望に応じて、さまざまな部署へ振り分けられます。

総合職として採用された場合は、通常はジョブローテーションで多様な業務を経験します。

もしリサーチやマーケットなど、特定の業務に関するスペシャリストを目指したいのであれば、「部門別採用」を実施している証券会社を探すとよいでしょう。

証券会社社員の転職状況・未経験採用

金融経験者は採用されやすいが、未経験者は十分な準備を

証券業界では、新卒採用だけでなく、転職希望者向けの中途採用を積極的に実施している企業が目立ちます。

激務になりがちで、かつ厳しい成果が求められることなどから離職率が高めであり、年度内に人員が不足することはめずらしくありません。

ポテンシャルに期待が寄せられる新卒採用とは異なり、中途採用で重視されるのは「即戦力として活躍できるかどうか」です。

そのため、多くの転職者は銀行をはじめとする金融業界での経験者です。

実力次第で高収入を目指せる業界だからこそ、より好条件の会社に転職してキャリアアップを目指す人もいます。

未経験者が採用される可能性はゼロではありませんが、その場合、前職で十分な営業成績を残していたり、強い目的意識をもっていたりする人でないと転職は難しいでしょう。

証券業界の特色や各社の強みをよく研究したうえで、自分に合う会社を選択することも重要です。

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