女性の自動車ディーラー社員のキャリアパス・結婚後の生活

女性の自動車ディーラー社員の現状

まだまだ男性が中心

クルマ好きには男性が多いこともあり、ディーラーで働くスタッフの多くは男性が占めています。

目安として、9割男性、1割女性というディーラー店舗が目立ちます。

特に営業職や整備職は男性が中心であり、女性はまだ珍しい存在です。

総整備士数(有資格者)は338,438 人、そのうち女性整備士10,605人で、女性の占める割合は「3.1%」となっています。

参考:一般財団法人日本自動車整備振興会連合会 平成30年度 自動車分解整備業実態調査結果の概要について

一方で、受付、電話対応、データ入力などを行う事務職は比較的女性に人気であり、事務職は全員が女性というディーラーもあります。

女性が進出してきている

男性に比べると少ないものの、近年、自動車ディーラーで働く女性は少しずつ増えています。

<ディーラーの女性社員増加の背景>
・女性社員の雇用推進
・女性社員向けの制度の充実(産休育休、時短勤務、キャリアパスの充実など)
・価値観の多様化
・整備士学校などでの女性コースの充実

家族を持つお客さまの場合、車購入時の決定権の約8割は女性にあるといわれています。

こうしたことから、女性目線での店舗づくりを行うこと、女性に喜ばれるサービスを提供することは、自動車ディーラーにとって重要なことであり、女性社員を積極的に雇用するディーラーも増えています。

実際に、女性が営業成績トップに輝いたり、女性が管理職についたりするケースも増えています。

「自動車ディーラーの営業マンや整備士は男性」という常識は徐々に変わりつつあります。

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女性の自動車ディーラー社員の強み・弱み

女性の強み

・買い物や子育て中の使い勝手など、女性視点からの車の提案ができる
・顧客が家族や夫婦の場合、女性同士で良い関係が築きやすい
・女性ならではの丁寧さや器用さが活きる(整備職)

近年はクルマ離れの影響もあり、男性であっても以前のようにパワーや性能で車を選ぶ人は減っています。

どちらかといえば、デザイン、実用性、ライフスタイルなどを重視して選ぶ人が増えているため、女性の視点や感性のほうがお客さまに喜ばれることもあります。

また、新車を購入するお客さまには女性も多いので、女性同士ということで共通点を見いだしやすいでしょう。

女性の弱み

<女性ディーラー社員の弱み>
・男性社会的な価値観(なにより仕事優先、根性論、上下関係など)がいまだ根強い
・「女性のスタッフは車に詳しくなさそうで不安」といったイメージをもつお客さまもいる
・重いパーツを運ぶことも多く、女性の場合は身体的に不利になりやすい(整備職)

男性が多い業界のため、男性社会的、体育会系的な価値観が残るディーラー店舗もあります。

営業職の場合、ノルマが達成できないと、根性論や精神論を交えながら上司から怒鳴られることもあります。

繊細すぎると、精神的にまいってしまうかもしれません。

整備職の場合は、長時間汗水を流しながらの肉体労働となることも多いため、体力面の不安を抱える女性なら、身体を鍛えておかなければなりません。

女性社員の結婚後の働き方・雇用形態

営業職や整備職の場合、基本的には定年まで雇用することを前提として採用するため、結婚後もそのまま正社員として仕事を続ける女性社員もいます。

ただし、その一方で結婚を機に退職していく人、同ディーラーの事務職やパート・アルバイト職に移行する人もいます。

自動車ディーラーというのは、土日祝日も出勤が基本であり、繁忙期には長時間残業が発生することもあるため、家庭と疎遠になりやすい環境です。

男性であっても家庭を持ったことを機に土日休みの仕事に転職を考える人もおり、女性であれば将来の子育てや家事などを考え、辞めやすい傾向にあります。

最近では結婚後もキャリアウーマンとしてバリバリと働き続ける人も珍しくありませんが、一方で結婚を機に辞める女性もいます。

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自動車ディーラー社員は子育てしながら働ける?

子育て支援は充実してきている

近年は女性のディーラー社員も増えているため、子育て支援制度を充実させるディーラーも目立ちます。

子育て中の女性に対する支援策は、「時短勤務」や「リモートワーク」です。

シフト制による休日も、子供と合わせられるように配慮してくれる職場もあります。

東京都大田区にある「東京トヨペット馬込店」のように、店舗内に保育所を併設するディーラーも登場しています。

ディーラーの場合、基本的には地域密着型の勤務です。

基本的に同じ都道府県内やエリア内での転勤や異動となります。

そのため、遠方地(県外)への単身赴任や引越しで家族に負担をかけることは少ないでしょう。

子育ての弊害要素も多い

ただし、自動車ディーラー社員には子育ての弊害となる要素も多めです。

・土日祝日は出勤となり、子供の学校の休みと合わせられない
・残業は毎日1~2時間程度は発生するのが一般的であり、繁忙期には夜遅くの帰宅となることもある
・オフの日にもお客さまから連絡が入り、対応しなければならないこともある(とくに営業職)
・男性社会が浸透しており、女性向けの制度があったとしても理解が不十分な職場もある

ディーラーにとって土日祝日は稼ぎ時であるため、いくら子育て中の女性でもすんなりと休めるとは限りません。

また繁忙期には残業も増え、子供となかなか顔を合わせられない日々が続く恐れもあり、子育てや家事において、配偶者や両親などの協力が必要になることもあります。

産休後の復職

産休(育休)取得後は、元の仕事に復職できるのが女性の権利です。

しかし、「産休後の女性はそのまま退職する」という古い価値観のせいで、退職せざるをえない女性社員もいます。

「この先も土日祝日が休めないのは不安」、「子育てとの両立は体力的に不安」などを理由に、自主的に産休後の復職を諦めてしまう女性も、自動車ディーラーでは少なくありません。

もちろん、産休後に職場復帰し、第一線で活躍する女性もいます。

自動車ディーラーは女性が一生働ける仕事?

女性でも長く働ける

自動車ディーラー社員は、歳をとっても活躍しやすい仕事です。

お客さまに自動車を勧めるうえで、若い女性としての価値観や視点が生きる場面もありますが、年配者としての経験が強みとなることもあります。

「年配の営業マンのほうが接しやすい」、「説得力がある」と感じるお客さまもいるので、年齢のハンデを受けずに活躍できるでしょう。

整備職においても、長年つちかった技術が物をいうため、年齢を重ねたベテラン整備士が若手以上に活躍している職場もあります。

どこのディーラーであっても、基本的には60~65歳の定年までは働き続けることができます。

「定年後再雇用」などを行うディーラーもあるため、それ以上の年代になって働き続けることも不可能ではありません。

体力は必要

ディーラー社員は、ショールームで立ちっぱなしで接客をしたり、お客さまの家を飛びまわったり、て展示車の洗車作業などもすることになります。

整備職であれば、重い荷物を運んだり、きつい姿勢での長時間作業をすることもあるため、何かと体力が問われます。

歳をとると体力は落ちていくため、ディーラーで長く活躍し続けるためには、身体的、体力的な面のケアも怠らないことが大切です。