【2021年版】PR会社社員の仕事内容・なり方・年収・資格などを解説

「PR会社社員」とは

クライアント企業の代わりに広報やPR業務を行う

PR会社とは、クライアント企業の代わりに広報やPR業務を行う会社のことです。

企業の商品やサービスを世の中に認知させるには、まずはテレビや新聞、雑誌などの媒体でメディア露出を行う必要があります。

そしてメディア露出を通して商品・サービスを多くの人に知ってもらい、そこから購入や口コミなどに積極的につなげていくのがPR業務のおもな流れです。

このPR業務に関して効果的な広報ができるようアドバイスをしたり、テレビや雑誌などのメディアにその商品が取り上げてもらえるよう働きかけたりするのがPR会社の役割といえるでしょう。

なお近年はマスコミへの露出をせずに、自社サイトやSNSを通じて企業が消費者に直接情報を発信するケースも増えてきています。

それにともない広報PRの手法も多様化をみせており、PR会社が担当しなければならない業務領域も広がりつつあるといえるでしょう。

こうした背景のなか需要が高まっている一方で人手不足のPR会社も多く、未経験者の採用も積極的に行われている業界です。

「PR会社社員」の仕事紹介

PR会社社員の仕事内容

コンテンツ作りやマーケティングなど多岐にわたる

PR会社社員の仕事内容は、担当するクライアントのコンテンツ作りやマーケティング、ブランディングなど多岐にわたります。

ここではPR会社社員の代表的な仕事を3つ紹介します。

メディアリレーション

メディアリレーションとは、メディアと良好な関係性を構築することです。

テレビ局、新聞社、雑誌社、Webメディアなどさまざまなメディアの担当者と適切なコミュニケーションをとり、良好な関係性を維持していきます。

これらのメディアの影響力は大きく、露出させるためには欠かせない存在です。

メディアリレーションを強化しておくことで、必要なときに最適なメディアでの情報発信が可能となるでしょう。

プレスリリース配信

プレスリリースとは、企業が新製品・サービス、イベント開催などの最新情報を各メディアに提供するための公式文書です。

従来は報道関係者向けに作成する文書でしたが、近年はSNSや自社サイトにプレスリリースを掲載するケースも増えたため「ニュースリリース」という表現を使うこともあります。

自社の活動をメディアで取り上げてもらい、第三者の報道を通じて認知を広げていくうえでプレスリリース配信は重要な役割を担っています。

マーケティング戦略立案

「誰に」「どんな価値を」「どのように提供するか」といった、基本的なマーケティング戦略の立案もPR会社の仕事です。

大手の総合PR会社で担当する場合が多いでしょう。

イベントプロモーションやSNSマーケティングなどあらゆる手段を駆使して、最終的には顧客による商品・サービスの購入や継続利用を目指します。

PR会社社員になるには

特別な資格などは必要なく、未経験でも目指せる職業

PR会社社員は未経験でも目指せる職業であり、特別な資格なども必要とされていません。

ただし「どのPR会社を目指すか」によって、就職の難易度は大きく変わるといえるでしょう。

PR会社には大きく2つの種類があり、多種多様な業界やサービスに対応している「総合PR会社」と、業界やサービスを限定して活動している「専門PR会社」です。

このうち総合PR会社のほうは企業規模が大きく知名度もあるため、採用選考にはたくさんの応募者が集まります。

有名大学の出身者も数多く集まるため、そのなかで面接を突破するのは簡単なことではありません。

一方、専門PR会社は「医療業界専門」「プレスリリース配信専門」といったように業界やサービスを限定して活動していることから、大手から中小までさまざまな規模のPR会社が存在します。

学生の目に届きにくい領域で活動する会社もあるため、就職難易度で言えば総合PR会社よりも専門PR会社のほうが就職しやすいでしょう。

必要となる学歴については、総合PR会社では基本的に「大卒以上」、専門PR会社では「学歴不問」としているケースも多くみられます。

いずれの会社に就職する場合でも、PR会社では社内やクライアント、協力会社と適切な人間関係を築ける人が求められており、高いコミュニケーション能力が必須の仕事です。

PR会社社員の学校・学費

大手総合PR会社では大卒以上の学歴が求められる

PR会社社員になるために、必ず通わなくてはならない学校はありません。

しかし大手の総合PR会社を目指す場合は、基本的には「大卒以上」の学歴が求められます。

それ以外の専門PR会社であれば、学歴に関係なく受け入れている会社も多くみられます。

また必須ではありませんが、広報・マスコミ・マーケティング分野に特化した専門学校ではPR会社の仕事に直結する内容を学べるでしょう。

そのような専門学校に進学する場合の学費は、1年間で80〜100万円程度が相場となっています。

PR会社社員の資格・試験の難易度

PRスキルの向上につながる資格も

PRの世界では資格よりもコミュニケーション能力や発想力が重視されますが、PRスキルの向上につながる資格も存在します。

ここでは、PR会社社員におすすめの資格を3つ紹介します。

PRプランナー資格認定制度

PRプランナー資格認定制度は、「公益社団法人日本パブリックリレーションズ協会(日本PR協会)」が実施しています。

広報やPRに関する基本的な知識・スキルを認定する資格であり、PRに特化した資格としては唯一のものです。

試験は1次・2次・3次に分かれており、実践的課題として「プレスリリースの作成」なども出題されます。

参考:公益社団法人日本パブリックリレーションズ協会 PRプランナー資格認定制度

商品プランナー

商品プランナーは「日本商品開発士会」が実施・認定する資格です。

商品プランナーの主要学習科目は「マーケティング・市場調査の基礎」「商品企画の基礎」「デザインコンセプトメーキング基礎」「プレゼンテーションの基礎」の4つに分かれています。

資格取得を通じて、商品戦略や販売戦略の基礎知識を身につけられるでしょう。

参考:日本商品開発士会 商品プランナー

TOEICなどの英語資格

海外案件の多いPR会社では英語力が求められることもあります。

たとえば海外メディアとの連携や外資系クライアントとのやり取り、海外コンテンツの権利関係の契約などの場面で英語力が必要とされます。

英語力を示す試験のなかでは、日本企業に広く受け入れられているTOEICを受験するのがよいでしょう。

参考:一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会 TOEIC Program

PR会社社員の給料・年収

企業規模や求められるスキルなどによって年収は大きく変動する

求人サービスなどの調査データから、PR会社社員の平均年収は450万円~500万円程度になると考えられます。

ただし就職先企業の規模や事業内容、求められるスキルなどによって年収は大きく変動するでしょう。

たとえばPR会社のなかには、宣伝広告の企画・立案を主に取り扱うコンサルティングがメインの会社もあれば、PRのための素材作成・提供がメインの会社もあります。

大手の総合PR会社であれば、それらを総合的にサポートすることも多いでしょう。

そしてコンサルティングが業務に組み込まれている場合は、「顧客の獲得件数に応じて追加報酬がもらえる」といった成果報酬を取り入れている会社もみられます。

その場合は本人の実力しだいで給料は大きく変わりますが、能力の高い人なら年収1,000万円以上の収入を得ているケースもあります。

もちろん成果報酬を取り入れていない会社であっても、社内で実績を積みチームリーダーや部長などのマネジメント職を担うことで高年収を狙えるでしょう。

なおPR業界はまだまだ発展途上の業界であり、十分な業務スキルや実績のある人材は多くの企業から重宝される存在です。

社内での昇進だけでなく、現職場よりも高待遇な企業に転職することでも年収を上げられるでしょう。

PR会社社員の現状と将来性・今後の見通し

PR活動の多様化にともない、PR会社の役割はさらに重要なものに

現在「モノの広め方」は、人々のライフスタイルの変化にともない多様化をみせています。

メディア露出やプレスリリース配信に加えて、近年ではライブ配信の企画やSNS上での動画配信など、新たな手法でPRに力を入れる企業も出てきています。

このようなPR活動の多様化を受け、PR会社が提供するサービス内容や手法も多方面に広がっています

従来にはなかった方法で戦略的なPRに取り組む企業は今後も増えていくと考えられ、PR会社の役割はさらに重要なものとなっていくでしょう。

PR会社社員の就職先・活躍の場

総合PR会社と専門PR会社の2種類

PR会社には、大きく「総合PR会社」と「専門PR会社」の2種類があります。

総合PR会社はクライアントの業種やPR手法を選ばず対応可能で、PRの戦略設計から実務までを総合的にサポートします。

代表的な総合PR会社としては「株式会社ベクトル」「株式会社サニーサイドアップ」「株式会社プラップジャパン」などが挙げられるでしょう。

一方、専門PR会社は医療や不動産、外資など特定の分野に限定していたり、プレスリリースのみ、リスクマネジメントのみというように特定のサービスに特化していたりするのが特徴です。

総合PR会社に比べて対応できる範囲は狭まるものの、その分特定分野に関する深い知見を有している会社が多くみられます。

PR会社社員の1日

クライアントや各メディアと打ち合わせをしながら仕事を進める

ここでは、総合PR会社で働く社員の1日を紹介します。

9:30 出勤
出勤後、まずは前日からの未読メールをチェックします。
9:50 朝礼
部署内で朝礼を行い、共有事項や各メンバーの出張予定などを報告しあいます。
10:00 露出メディアのリサーチ・訪問のテレアポ
PRの際の露出メディアをリサーチし、必要に応じて訪問のアポイントも取ります。
12:00 休憩
社内の休憩スペースで1時間のランチ休憩を取ります。
13:00 雑誌社へ訪問・打ち合わせ
アポイントを取っていた雑誌社へ訪問し、クライアント情報や企画内容の説明を行います。
16:00 会社に戻り、プレスリリース作成
訪問先から会社に戻ったあとは、プレスリリースの作成を進めます。
18:30退勤
急ぎのメールがないかを確認して退勤します。場合によっては残業もあります。

PR会社社員のやりがい、楽しさ

クライアントの経営や事業活動にダイレクトに貢献できること

PR会社社員のやりがいは、仕事を通してクライアントの経営や事業活動にダイレクトに貢献できることです。

PR戦略を考える際には、クライアントの課題をヒアリングし明確にしたうえで、商品・サービスをどのように展開していくかを検討していきます。

高度なスキルが求められる分、PR戦略がうまくいったときには大きなやりがいを感じられるでしょう。

またPR会社社員は社外の人と関わる機会も多いため、ほかの職種に比べて幅広い人脈が築ける点も魅力の一つです。

とくにマスコミ関係者やデザイナーなどのクリエイター職と関わる機会が多く、最先端の流行や自身の仕事に活かせる情報などを得られるでしょう。

PR会社社員のつらいこと、大変なこと

プレッシャーの大きい仕事であること

PR会社はクライアントの商品やサービスの認知を広げるために、さまざまなメディアを使って世の中へ広く情報発信を行います。

その際には内容に誤りや表記上のミスはないか、それを見た消費者にマイナスなイメージを与えてしまわないかなどを入念にチェックしなければなりません。

発信内容にミスがあれば大きなトラブルに発展する可能性もあるため、プレッシャーのともなう仕事といえるでしょう。

万が一トラブルに発展した際にはクライアントの窓口として早急な対応が必要であり、精神的にも体力的にも厳しい状況に置かれることになります。

PR会社社員に向いている人・適性

高い折衝力・交渉力のある人

PR会社社員はクライアント企業やマスコミ・メディア関係者、制作に携わるクリエイティブ職など、さまざまな人たちと関わり合いながらPR戦略を練っていきます。

それぞれの立場に要望や事情があり、PR会社社員はその仲介としてうまく折り合いをつけながら仕事を進めていかなければなりません。

高い折衝力や交渉力がなければ務まらない仕事です。

またどんなPRなら広い認知を得られるのか、客観的な視点で企画・立案できる能力も求められます。

世の中のトレンドを押さえつつ、ターゲットに世代に刺さるコンテンツを消費者目線で考えられる人がPR会社社員には向いているでしょう。

PR会社社員志望動機・目指すきっかけ

広告やプロモーションで世の中を良くしたい

PR会社はテレビ局、新聞社、Webメディアといったあらゆるメディアを通じて新商品・サービスを世の中に認知させたり、企業の最新情報を提供したりするのが仕事です。

「広告やプロモーションで世の中を良くしたい」という理由でPR会社社員を目指す人は多いでしょう。

なおPR会社社員は高いコミュニケーション能力や交渉力などが必須であるため、目指したきっかけとあわせて、それらのスキルをいかに証明できるかが面接では重要です。

たとえば「複数のコミュニティにまたがるプロジェクトを進行した経験」などを話せると面接での評価も上がりやすいでしょう。

新卒採用の場合は大学生活のなかで、中途採用の場合は社会人生活のなかでそういった経験がなかったかを棚卸ししてみましょう。

また企業の広報を担当していた人が、「これまでの経験を最大限生かせる環境で働きたい」と考えPR会社へ転職するケースもあります。

中途採用も活発に行われている業界であるため、スキルや実績があれば比較的転職はしやすいでしょう。

たとえば化粧品メーカーの広報で働いていた人なら「化粧水の販売プロモーションを担当し、結果的に多くの口コミが広がり雑誌にも掲載された」など、具体的なエピソードを添えると効果的なアピールになります。

PR会社社員の雇用形態・働き方

アルバイトやフリーランスとして働く人もいる

PR会社では、正社員以外にアルバイトの求人も見つけられます。

アルバイトの場合は正社員のアシスタントとして、書類作成などの事務作業をしたり、クライアントからの電話に対応したりといったサポート業務を行います。

PRのコア業務を担当したい場合には、やはり正社員で就職する必要があるでしょう。

またフリーランスの立場でPRの仕事に携わる人もいます。

ただしまったくの未経験からいきなりフリーランスとして活動するのは現実的ではないため、まずは会社で実績を積んでから独立を目指すのが一般的です。

PR会社社員の勤務時間・休日・生活

不規則な勤務時間が続くことも

PR会社の勤務時間は、「9:00〜18:00」や「10:00〜19:00」と設定されているケースが多くみられます。

ただしクライアント企業やマスコミ関係者などの社外の人たちと関わる仕事であるため、設定されている勤務時間通りにいかないことも多いでしょう。

PR会社で働くなら、不規則な勤務時間になりがちな点には注意が必要です。

休日については、基本的には土日・祝日休みの「完全週休2日制」を採用している企業が一般的です。

ただし展示会やイベントなどは土日に開催されることが多いため、これらのPR施策を担当する場合は休日出勤は避けられません。

PR会社社員の求人・就職状況・需要

人手不足の企業も多く、未経験者にもチャンスがある

大手求人サイトなどを使えばたくさんのPR会社の求人を見つけられますが、その種類や募集職種は多岐にわたります。

まず会社の種類としては、メディア露出に向けた戦略立案やイベントプロモーションなど包括的なサポートを行う「総合PR会社」と、特定の事業分野や業界に特化した「専門PR会社」の2つがあります。

総合PR会社の多くはグループ会社をもっているため、企業サイトの採用ページではグループ会社の求人も出されています。

また募集職種についても、PR会社の花形部署とも言えるPRプランナーや広報だけでなく、人事や経理、社内システム運用、デザイナーなどのクリエイティブ職の求人も見つけられるでしょう。

PR会社の求人を選ぶ際には、これらの会社の種類や募集職種が自分の希望とするものなのかはよく確認しておきましょう。

年々需要の高まっているPR業界は人手不足の企業も多く、新卒採用に加えて中途採用も活発的に行われています。

前職で広報や営業を担当していた人はもちろん、それ以外の職種で働いていた人にも転職のチャンスがある業界です。

業界未経験であっても、入社後さまざまな経験を積んでいくなかでPR戦略の企画部分にも携われるようになるでしょう。

PR会社社員の転職状況・未経験採用

同業界からの転職よりも、別業界からの転職が多い

PR会社は比較的入れ替わりの多い業界であることから、中途採用も活発的に行われています。

ただし「PR会社からPR会社への転職」というケースはそれほど多くなく、別業界からの転職が中心となっています。

ここでは、PR会社への転職で多い3つのパターンをみていきましょう。

未経験からの転職

前職がPR会社の仕事とはまったく関係ない、未経験者の採用も積極的に行われています。

PR会社の仕事はメディア露出やマーケティングに関する専門知識も必要になりますが、それ以上に、多くの関係者と仕事を進めていけるコミュニケーション能力や交渉力などが求められる仕事です。

それらの能力を面接でアピールできれば、前職に関係なく採用試験を突破できるでしょう。

企業の広報・PR担当からの転職

企業の広報部やPR担当の部署から転職するパターンもあります。

このケースでは前職での経験を生かせる部分も多く、即戦力として活躍できるでしょう。

なお企業の広報部では自社の商品・サービスのPRを行いますが、PR会社では複数のクライアントのPR案件を同時に進めることになり、マルチタスク能力なども必要になります。

テレビ局や新聞社などメディア業界からの転職

3つ目がテレビ局や新聞社、雑誌編集部などメディア業界から転職するパターンです。

前職で得たメディア関連の深い知識や人脈は、そのままPR会社でも生かせるでしょう。

ただしテレビ局などのメディア業界とPR会社では業務内容が大きく異なるため、スキル的な面では未経験者とさほど変わりません

PR会社と広告代理店の違い

一番の違いは、メディアに対して料金を支払うかどうか

PR会社と広告代理店の最大の違いは、メディアに掲載してもらう際に「メディアに対して料金を支払うかどうか」という点です。

PR会社の場合、メディアに対して料金を支払うことはありません

料金を支払って取り上げてもらうのではなく、メディア担当者に価値のある情報だと認識してもらうことでメディア掲載を狙います。

一方、広告代理店はテレビのコマーシャルや新聞・雑誌紙面、Webメディアなどの広告枠を購入することで宣伝活動を行います。

クライアント企業にとって、PR会社は「工夫次第で予算がなくても効果的なPRができる」、広告代理店は「マス向けにスピーディーに認知度を高められる」といったメリットが挙げられるでしょう。