郵便局員の仕事内容・なり方・年収・資格などを解説

「郵便局員」とは

日本郵政グループの一員として、郵便局で郵便・貯金・保険の各分野のサービスを提供する。

郵便局員とは、郵便物に関わる業務、銀行業務、生命保険業務に携わる職員のことです。

所属先・業務内容は大きく以下の3つに分かれています。

・日本郵便:郵便物に関わる業務を行い、郵便物の集配や配達、はがきや切手の販売を担当する
・ゆうちょ銀行:銀行業務を行い、窓口業務や口座管理などを担当する
・かんぽ生命保険:生命保険業務を行い、窓口業務や保険商品の販売・資産運用を担当する

2021年現在、全国には2,0067カ所の郵便局、3730カ所の簡易郵便局があり、 日本全国を網羅するインフラとしても重要な役割を果たしています。

郵便局員になるには、日本郵政グループの採用試験を受けて、採用されることが第一歩です。

同社の採用試験では「総合職」や「一般職」など複数の職種で募集されており、入社後には郵便・貯金・保険の3種類の分野で、それぞれ専門知識を生かして働きます。

平均年収は300万円~400万円程度とされますが、管理職になれば収入アップが期待できます。

また福利厚生はしっかりしているため、長く働き続ける職員も多いです。

「郵便局員」の仕事紹介

郵便局員の仕事内容

郵便・貯金・保険の三本柱が業務の中心

郵便局員は、郵便に関わるさまざまな仕事を行います。

以前は窓口ですべての業務を担当していましたが、郵政民営化後は、「日本郵便」「ゆうちょ銀行」「かんぽ生命保険」と3つの会社に分社化されました。

郵便物の集配や配達、はがきや切手の販売を行うのが「日本郵便」、郵便貯金の口座の管理など銀行業務を行うのが「ゆうちょ銀行」、保険商品の販売や資産運用を行うのが「かんぽ生命」です。

民営化後、職員の身分は公務員ではなくなりましたが、人々にとって身近な仕事であることや地域に根差した働き方ができることから、今なお人気を集めている仕事です。

社会的インフラとしての役割

郵便局の仕事といえば、郵便配達を思い浮かべる人も多いでしょう。

郵便局は全国に約2万4000か所あり、山間部や離島も含め、日本全国すべての市町村にあります。

また、郵便ポストは全国に約18万本置かれています。お客さまから預かった手紙や荷物を責任持って届ける仕事は、社会的インフラとしても非常に重要なものであるといえます。

また、こうしたネットワークを利用して、お客さまの家を訪ね見守る「郵便局のみまもりサービス」なども展開しています。

地域密着型の仕事であるため、さまざまな業務を通じて、お客さまの生活に役立つことができることを実感しやすいでしょう。

またアルバイトや契約社員で入社したとしても、努力・熱意次第では企画・管理部門へいくなどキャリアアップしていく道が開かれています。

郵便局員になるには

さまざまな職種に分かれて採用される

郵便局員になるまでのルート

郵便局員になるには、日本郵政グループグループに入社することが第一歩です。

募集職種は総合職、地域基幹職・エリア基幹職、一般職に分かれています。

総合職は、営業企画・推進、商品開発、経営企画、店舗管理など、さまざまな業務に携わり、総合職を目指す場合は、学歴などさまざまな条件があります。

地域基幹職は、以下のように3つの区分に分けられています。

・窓口コース:郵便局の窓口で、商品・サービスの提供や営業を行う
・郵便コース:郵便物の仕分けや配送などの郵便業務や営業活動を行う
・コンサルタントコース:個人のお客さまのお宅・職場や法人のお客さまを訪問し、かんぽ生命保険の保険商品や資産運用商品を営業する

一般職は、以下のように2つの区分に分けられており、基本的には役職への登用や、転居を伴う転勤がありません。
・窓口コース:郵便局の窓口で、商品・サービスの提供や営業活動を行う
・郵便コース:郵便物の仕分けや配送などの郵便業務や営業活動を行う
す。

地域基幹職・エリア基幹職、一般職は一般的に転居を伴う転勤がなく、指定されたエリア内で働きます。

さらにその中から、郵便・貯金・保険の3種類に分けられ、それぞれ専門知識を生かして働きます。

応募はグループ一括で受け付けられていますが、選考は応募者が希望する会社ごとに進められるため、あらかじめ自分が郵便局でどんな仕事がしたいかを考えておく必要があるでしょう。

※募集状況は年度によって変わる可能性があるため、最新の情報を確認してください。

郵便局員の学校・学費

学歴によって応募できる職種が異なる

郵便局員になるために、特別な学歴は求められず、学科・学科も問わないとされています。

ただし日本郵政グループグループでは、短大・専門学校卒業か、大学・大学院卒業かで求人職種が異なります。

大学・大学院を卒業した後は、「総合職」として商品開発や営業職などに就職することができます。

短大・専門学校を卒業した人は、「一般職」として窓口業務や営業事務などを行います。

学歴によって応募できる職種は異なるため、あらかじめ進路を考える際には頭に入れて置くことが必要です。

また、郵便局員が民営化される前は高卒での求人もありましたが、郵政民営化後は高卒での求人がなくなっており、高卒から就職することはできません。

ただし、アルバイトや契約社員であれば、高卒からチャレンジすることも可能な場合があります。

郵便局員の資格・試験の難易度

業務や職種によっては資格が必要なことも

郵便局員になるために特別な資格は必要ありません。

窓口業務で生命保険を扱う場合は「証券外交員」「生命保険募集人資格」が必要になることもあるものの、こうした業務上必要な資格は、入社してから研修等を経て取得することができます。

応募する時点では、あらかじめ資格を持っていなくても構いません。

なお、郵便局長になるには「特別会員二種証券外務員資格」や「生命保険募集人資格」が必要で、中途採用の場合は研修期間中にこれらを取得することが義務付けられています。

また「FP(ファイナンシャルプランナー)」の資格は職場によっては取得を推奨され、会社で受験料が補助されたり、研修を受けられたりするところもあるようです。

職種によっては特定の資格が必要なことも

総合職のうち、「クオンツ」「アクチュアリー」と呼ばれる上級職の募集については、「TOEIC 730点以上相当」などの条件があるため、こうした求人に応募したい場合は注意が必要です。

学生時代からあらかじめ勉強を重ねて、目標をクリアしておく必要があります。

また、総合職(市場クオンツ)の募集では「金融工学、数学、物理学、統計学、経済学、情報科学等の高度な専門分野の知識を習得し」との記載があるため、これらを大学で学ぶことが必須です。

こうした知識を証明するために、専攻した分野で資格を取得しておくことは大きな自己アピールにつながるでしょう。

郵便局員の給料・年収

職種別の初任給

日本郵政グループグループのHPを見ると、初任給は以下のようになっています。(※2022年6月現在)

・総合職
修士了/220,500~246,960円
大学卒/212,500~238,000円

・地域基幹職
修士了/177,200~198,460円
大学卒/174,800~195,780円
短大・高専・専門卒/172,300~194,880円

・一般職
修士了/167,400~197,530円
大学卒/165,800~195,640円
短大・高専・専門卒/163,400~194,700円

これに加え、営業・勤務実績に応じてボーナスも支給されます。

平均的には300万円~400万円の年収といわれていて、管理職になることができれば、年収は600万円以上となることもあります。

福利厚生の内容も各種社会保険完備、財形貯蓄制度、社員持株会、社宅利用可能(条件あり)など充実しており、結婚・出産後の女性も働きやすい職場だといわれています。

アルバイトや契約社員の場合

郵便局のアルバイト・パートの平均時給はおおよそ958円となっており(地域によっても異なります)、1日8時間・月20日勤務で年収はおおよそ180万円前後程度と考えられます。

額面だけ見るとかなり低めですが、アルバイトやパートとして働くうちに、正社員に登用される人も少なくありません。

また契約社員の場合は、「時給制」で働く人と「月給制」で働く人に分かれます。

時給制の契約社員の平均時給は1,300円程度とされており、先と同様に1日8時間・月20日勤務とすると、年収はおおよそ250万円前後と見込まれます。

月給制の契約社員は月におおよそ15万円~25万円ほどで、時給制で働く人とさほど変わりはないでしょう。

額面では正社員と同程度の給料ですが、契約社員の場合はボーナスが支払われないため、総額で考えると正社員よりも給料は低めとなります。

郵便局員の現状と将来性・今後の見通し

同業他社との差別化が急務とされる

日本郵政グループは、郵便・貯金・保険と異なる3つの仕事を抱えています。

大きな組織で知名度も安定感もありますが、いまはどの仕事も競合他社に顧客を奪われつつあり、決して安泰といえるわけではありません。

とくに郵便事業は、ネットショッピングが普及し荷物の配送数が増えているにも関わらず、取扱件数自体は年々減少しています。

手厚いサービス内容などで付加価値を付け、他社と差別化を図ることが、郵政グループの大きな課題となっています。

とはいえ、もともと国営事業であり、法律で「ユニバーサルサービス」が定められているため、今後も郵便局がなくなってしまったり、急激に需要が低下したりすることは考えられません。

日本全国のあらゆるエリアに広がる郵便局のネットワークは、あまり便のよくない田舎においても非常に重要な役割を果たしています。

郵便局員の就職先・活躍の場

全国各地の郵便局に配属されて働く

郵便局員は、日本郵政グループグループに入社し、全国各地の郵便局で働きます。

総合職は、キャリアアップしていくなかで全国に転勤の可能性があります。

地域基幹職・ゆうちょ銀行のエリア基幹職は全国を11の応募エリアに、かんぽ生命のエリア基幹職は全国を13の応募エリアに分けていて、応募時に働きたいエリアを選択することができます。

さらに日本郵便の一般職は全国を200以上の配属エリアに分け、転居を伴わないことを基本としています。

郵便局員を目指す場合は、勤務地の希望をあらかじめ考えておいた方がよいでしょう。

なお、どうしても首都圏や大都市圏に人気が高まり、山間部や離島などの地方は人気が低い傾向にあります。

郵便局員の1日

職種によって1日の過ごし方は異なる

日本郵政グループでは多くの人が働いていて、職種や担当する業務によって1日のスケジュールは大きく変わります。

郵便配達員のある1日

7:30 出社、体操、健康状態やバイクのチェック
8:30 機械で区分できなかった郵便物や書留の配達準備
9:30 午前の配達  
12:30 帰社・昼食
13:30 配達準備
14:00 午後の配達
16:00 住所不明の郵便物などの残務整理・事故処理
16:15 帰宅

郵便局員のやりがい、楽しさ

人々の生活や地元に密着した仕事

郵便局員として働く大きな魅力は、すべての仕事が人々の生活に密着したものだということです。

手紙や荷物を届けたい、子どもや老後のために貯金をしたい、保険に加入したいなど、毎日の暮らしに寄り添った商品やサービスばかりなので、子どもからお年寄りまで多くの人に気軽に利用してもらえます。

また、地元の人々と深く関わる仕事であるため、お客さまとのコミュニケーションも楽しめます。

窓口や配達・集配などお客さまと接する機会が多く、何度も顔を合わせるお客さまとは親しくなったり、世間話を交わしたりすることもあります。

お客さまから直接感謝の言葉を聞くことができるため、仕事を通して人々の役に立っているという実感が得やすいのが、郵便局員として働くことの楽しさです。

郵便局員のつらいこと、大変なこと

覚えることが多くノルマが発生する

郵便局員の大変なところは、業務内容が多岐にわたり、さまざまな業務を覚えなくてはならないことです。

郵政民営化後は新規商品の取り扱いが増え、サービス内容が一気に増加したことで、局員としての業務量や覚えることも格段に増えました。

新しい商品は次々と出てくるため、その都度勉強して覚えていかなくてはなりません。

また、小さい郵便局や簡易郵便局で勤務する場合には、自分の担当以外に郵便、貯金、保険などについても網羅していく必要があります。

地域の人々に密着したサービスであるため、商品知識をしっかり身につけておかないと、お客さまの信頼も得られないのです。

さらに、それぞれに目標というノルマがあり、常に売上を求められるため、やりがいだけでは難しい部分もある仕事です。

郵便局員に向いている人・適性

親しみやすい接客ができる人

郵便局員は、老若男女問わず多くのお客さまと接する仕事で、金銭を扱う機会も多いため、誰からも信頼されるよう丁寧なな接客を行う必要があります。

とくに窓口業務では、お客さまからの要望を聞き取り、納得のいくサービスを提供することが重要です。

親しみやすい雰囲気で、明るい接客ができることが、郵便局員の大事な資質といえるでしょう。

また繁忙期には窓口が混雑したり、郵便物が大量に増えたりすることもあるため、手際よく正確に仕事をこなせる効率のよさも重要なポイントです。

さらに、日々変わっていく業務内容やサービス内容に対応できるよう、常に商品知識を勉強する向上心を持つことも求められます。

勉強熱心で人が好き、きめ細かな対応ができる人は、郵便局員に向いているでしょう。

郵便局員志望動機・目指すきっかけ

身近な職業であり、地元に貢献できる仕事

郵便局は知名度が高く安定性があり、異動が少なく地元で働けるために安定した人気を誇る職業です。

また、私たちの生活に身近な存在であるため、仕事内容がイメージしやすく、自分が働いている姿を想像しやすい点も人気の理由となっています。

たくさんの候補者の中から面接官の目に留まる志望動機をつくるためには、「郵便局の仕事をしっかり理解しているか」「入社後はどのように働きたいか」の2つのポイントを盛り込むことが大切です。

日本郵政グループでは総合職、一般職の区分に加え、郵便・保険・貯金と部門が分かれているため、それぞれの仕事内容も異なります。

まずは仕事内容をよく調べて、自分がどのように働きたいかをしっかりと考えていくことが大事です。

郵便局員の雇用形態・働き方

正社員・またはアルバイトが一般的

日本郵政グループで働く人は、多くが正社員として採用されます。

毎年必ず新卒採用を行っていますし、中途採用も積極的に行われています。

募集職種は通常の総合職に加え、「クオンツ」「アクチュアリー」と呼ばれる上級の総合職・一般職・地域基幹職・エリア基幹職に分けられていて、それぞれ採用の条件や給与などに違いがあります。

また、地域や郵便局ごとに個別に窓口業務や配達、仕分け作業などを担うアルバイトを募集しており、アルバイトやパート、契約社員として働く人もいます。

アルバイトとして働くなかで実力が認められ、正社員に登用される人もいます。

また、お正月には年賀状の仕分けや配送をする短期アルバイトを広く募集しており、学生時代にこれを経験したことで、郵便局員を目指すようになったと話す人も多いです。

郵便局員の勤務時間・休日・生活

基本的には4週8休制

日本郵政グル―プで働く場合、基本的には4週8休制がとられており、なかでも窓口業務の場合は郵便局が閉まる土日が休みとなります。

窓口は、決まった時間になれば閉めるため、大幅な残業はほとんどありません。

土日でも開いている大きな郵便局で勤務する場合は、配達・仕分けを担当する場合はシフト勤務となり、交代で休みを取ります。

早番、遅番などとシフトが組まれ、一日8時間程度の勤務が一般的です。

お歳暮や年賀状などの繁忙期は、残業や休日出勤することもあります。

ただし年次有給休暇・特別休暇(夏期・冬期・結婚・出産・忌引・ボランティア)・病気休暇・育児休業・介護休業等の福利厚生も充実しており、休みはとりやすい環境といえるでしょう。

郵便局員の求人・就職状況・需要

新卒採用の求人数は多め

2020年度の職員採用試験では、すべての職種あわせて男性が1,384人、女性が2,383人採用されています。

女性の採用人数が圧倒的に多いのは、一般職を受験するのは女性の方が多くなっていることが理由です。

2021年の新卒採用数を見ると、総合職が約40名、地域基幹職・エリア基幹職は窓口コース約400名となっています。

さらに一般職になると、窓口コースが約1,100名、郵便コースが約200名と大量に募集していることがわかります。

郵便局は全国にあるため、平均的に配属するためにはどうしても採用人数が多くなるのです。

ただし、都市部や政令指定都市などに人気が偏りがちで、そうしたエリアの倍率は高くなりやす点は注意しておいたほうがよいでしょう。

インターンシップも積極的に開催

郵政グループでは、大量の学生を採用するために、積極的にインターンシップを開催しています。

ビジネスマナー研修、グループワーク、パネルディスカッションなどを通して社会人に必要な知識を得るとともに、興味のある部署を選び、実際にどのような仕事をしているのかを体験することができます。

また、企業理解を深め、働くイメージを膨らませられるよう、多くの先輩社員と話す機会を設けています。

2022年度には、総勢約6,000名の学生が参加しており、インターンシップを通じて出会った仲間と交流を深め、ともに就職活動に臨む人も多いようです。

インターンシップの情報は、郵政グループの採用ホームページに詳細が記載されていますので、興味がある人は調べて積極的に参加してみるとよいでしょう。

郵便局員の転職状況・未経験採用

中途採用も活発に行われ、アルバイトや派遣社員からの登用実績も

安定性や働きやすさを求めて、他業種から郵便局員に転職するケースも増えています。

日本郵政グループでは、アルバイトや中途採用の募集を積極的に行っており、求人数も一定数あるため、転職しやすいといえるでしょう。

また、全国で需要があるため、地方に住んでいて転職先がなかなか見つからない人からも非常に人気が高いです。

アルバイトであれば「未経験可」という募集がほとんどであるため、まずはアルバイトやパート、契約社員からスタートすることもできます。

なお、郵便局は年末年始に年賀状の仕分けや配達の短期アルバイトを募集します。

その仕事がきっかけで、郵便の仕事に興味を持ちアルバイトとして入社するという人も多いようです。

郵便局長の中途採用

日本郵便株式会社では、郵便局長への採用希望を、各支社において常時受け付けています。

郵便局長は、各局の責任者として重要な役割を有します。

もし欠員が生じた場合には、速やかに採用することが必要になるため、採用希望者をあらかじめ受け付けているのです。

採用試験は、地域区分を設定し当該地域ごとに実施され、採用希望者は、試験の地域区分に応じて、採用希望地を決めることができます。

採用試験は、郵便局長の欠員見込みの状況を踏まえて実施されるため不定期に行われ、試験は約20分間の個別面接と10分程度プレゼンテーション、質疑応答が行われます。

また実技試験では、設定されたテーマに基づいて20分程度実際に実技を行います。