【2021年版】百貨店社員の仕事内容・なり方・年収・資格などを解説

「百貨店社員」とは

複数の分野の専門店が入り、多種類の商品を展示陳列して販売する小売店に勤める人のこと。

百貨店は、洋服、服飾品、雑貨、家具、食品など、人々の生活に必要であったり、ライフスタイルを豊かにしたりするためのさまざまな商品をまとめて展示し、販売する小売店のことをいいます。

百貨店では、来店されたお客さまに商品をおすすめし、接客する「販売」や、どのような商品を揃えるか考え、実際に仕入れ業務を行う「バイヤー」などが活躍しています。

そのほかにも、常連客に商品を提案する「営業」、イベントや催事の企画・運営を行う「販売促進」といったさまざまな職種の人がチームプレイで働きます

特別な資格やスキルは必要とされませんが、大手では大卒以上の学歴が求められることが多くなっており、とくに販売の職種では契約社員や派遣社員、アルバイトとして働く人もいます。

平均年収は300万円~500万円程度ですが、勤続して管理職になれば給料アップが期待できます。

近年では百貨店業界全体が厳しい状況にあるため、各社は生き残りをかけて、より斬新なアイデアや視点、コンセプトを打ち出しながら、独自の売り場づくりを進めています。

「百貨店社員」の仕事紹介

百貨店社員の仕事内容

さまざまな商品を取りそろえ販売する百貨店で働く

それぞれ専門の担当者が分業して働く

百貨店は、洋服、服飾品、雑貨、家具、食品など、人々の生活に必要なものや、ライフスタイルを豊かにするためのさまざまな商品を展示し、販売する小売店のことです。

スーパーや専門店とは異なり、さまざまなものを一堂に取り揃えているので、自社ビルを持っているなど、ほかの店舗に比べて比較的大きな売り場面積を持っていることがほとんどです。

百貨店には多くの仕事があるため、それぞれ専門の担当者が分業して働いています

百貨店を代表する仕事

「販売」は店頭に立ち、お客さまに接客をする仕事で、百貨店社員のなかでは、お客さまと直接触れ合うことが最も多い仕事だといえるでしょう。

そのほか、商品発注や在庫管理、伝票処理なども行っています。

百貨店に並んでいる商品の多くは、仕入れの専門スタッフ「バイヤー」が仕入れています。

百貨店の売上はバイヤーの腕にかかっているといっても過言ではありません。

「営業」は、一般客を対象とする販売と違い、個人や法人の常連客、年間購入額が大きないわゆる「お得意さま」に対して、お客さまのところを訪問して直接商品を販売する「外商営業」を担います。

これらのほか、総務、経理・財務、人事、広報など、一般的な企業と同様に、会社を支える管理系の部門で働く人たちもたくさんいます。

また、自社の経営方針や事業方針を考えていく「経営企画・事業企画」などの部署がある場合もあります。

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百貨店社員になるには

全国の百貨店に就職する

新卒採用では学生からの人気は高い

百貨店社員として働くには、百貨店の採用試験を受けて採用される必要があります。

基本的には定期的に新卒採用をしているところが多いですが、地方の百貨店の場合は、地元に住んでいる人を積極的に採用していることもあります。

それぞれの会社が独自に実施している入社試験(筆記試験や面接など)を受け、採用されてから本人の適性や希望などを考慮し、各部門へ配置されます。

百貨店業界は以前に比べると厳しい状況にあるといわれるものの、それでも学生の就職先としては比較的人気が高いことが特徴です。

大手の場合、初任給はさほど高くなくても福利厚生や各種制度、教育体制がしっかりと整っているため、採用試験では高倍率となることも珍しくありません。

特別に必要とされる資格等はないものの、販売職からスタートすることも多いため、販売や接遇に関するスキルを備えていると業務に生かすことができるでしょう。

販売職は派遣社員も多い

正社員だけでなく、契約社員や派遣社員、アルバイトとして働く人もいます。

とくに各ショップの店頭に立つ販売職の場合、百貨店の社員ではなく、メーカーから派遣されて百貨店で働いている人も多く「派遣販売員」といわれます。

人件費のコストダウンを余儀なくされている今では、百貨店社員よりも派遣販売員のほうが多いことも珍しくありません。

立場は違いますが、社員と同じ場所で働く以上、勤務中は勤務先となる百貨店の「顔」となり、百貨店の接客方法やマナーに則って働くことが求められます。

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百貨店社員の学校・学費

大手を目指す場合は大卒が有利

百貨店業界は就職先としての人気が比較的高いため、百貨店社員として働きたいという強い意志があるのであれば、大学に進学しておいたほうが選択肢は広がるでしょう。

特に大手百貨店で正社員採用の場合は「大卒以上」が要件とされているところが多く、高学歴の人を積極的に採用しています。

ただし、「大卒以上」の学歴を求められることが多いものの、高卒でも応募できる百貨店もまったくないわけではありません。

とくに地方の百貨店の場合、地元の高校卒や短大卒の人を百貨店社員として採用するところも多いです。

なお、採用の際に学部や文系理系などで採用が決められることはなく、どの分野からでも応募することができます。

百貨店社員の資格・試験の難易度

販売士などの資格があると有利になることも

販売士検定試験

百貨店社員として働くうえで、特別に必要とされる資格やスキルはありません。

ただし、販売職に就くのであれば「販売士検定試験」は役に立つでしょう。

日本商工会議所が運営している資格で、お客さまのニーズを的確にとらえ、的確な商品を提供する販売の知識やスキルを問うものです。

百貨店によっては、入社間もないうちに「販売士3級」の取得を必須としているところもあるようです。

3級は売場の販売員でも十分合格できるレベルといわれており、接客マナー・商品知識・販売技術などの問題が中心です。

百貨店店員に関連する資格

このほか、百貨店社員としての職種にもよりますが、業務に役立つ資格は以下のようなものがあります。

・サービス接遇検定
・ビジネス実務マナー検定
・インテリアコーディネーター
・カラーコーディネーター
・色彩検定

また、百貨店社員といっても、企画職や事務職のようにデスクワークをする機会が多くなる仕事もあるため、WordやExcel、PowerPointなどのオフィス系ソフトをスムーズに使いこなせるとよいでしょう。

社員のスキル向上のために、資格取得のための教育や研修を積極的に開催している百貨店もあります。

なお、一部の百貨店では、販売職などの社員が確実にステップアップできるよう、自社で独自の資格制度を設けていることがらあります。

業務に取り組みながら資格をクリアしていくことでスキルが身につくほか、給料がアップしたり、役職が上がったりすることにもつながります。

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百貨店社員の給料・年収

給料は一般的だが福利厚生が手厚いことが特徴

営業成績がよければボーナスがあることも

百貨店社員の平均年収は300万円から500万円程度がボリュームゾーンとされています。

大手百貨店では給与水準がやや高めで、マネージャークラスになると年収600万円以上を得ている人も増えていきます。

そのほか、販売実績や営業成績がとりわけ良い場合には、インセンティブやボーナスが支給されることもあります。

百貨店では評価制度や役職が細かく分かれていることが多く、成果を出して昇進していけば、比較的若いうちから大きな収入アップにつながる可能性もあります。

なお、派遣社員として働く場合の給料は時給制で、経験や能力によって変わってきますが、都市部では1,300円~1,500円程度が相場となっているようです。

福利厚生が手厚い

百貨店の福利厚生は、手厚いところが多く、一般的な社会保険や健康診断などのほか、とくに大手の百貨店では独自の制度が設けられていることもあります。

社員寮や社宅が完備されていたり、長期休暇制度や誕生日休暇があったり、なかには提携しているテーマパークやホテルの割引制度があったりする企業もあります。

さらに百貨店ならではの待遇として従業員割引制度があります。

いわゆる「社割」とよばれるもので、店内で扱っている商品を割引した価格で商品を購入できたり、店内の飲食店を格安で利用したりすることが可能です。

このように福利厚生が手厚いことで、給料だけではなく生活面でもサポートを受けていると感じている人もいるようです。

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百貨店社員の現状と将来性・今後の見通し

百貨店を取り巻く環境は厳しくなりつつある

昔から人々に親しまれている百貨店ですが、近年は厳しい状況が続いています。

その背景には、インターネットショッピングの普及や、郊外型の大規模ショッピングモールの開業により、買い物のスタイルが大きく変わったことがあります。

また百貨店は、もともと若年層よりも中高年以上の年齢層の支持が高い業界ですが、高齢化がすすみ、こうした支持層が外出しづらくなり、買い物をしなくなる傾向にあります。

各社の競争はさらに厳しくなり、とくに地方都市の百貨店は経営難に陥って閉店を余儀なくされているところも出てきています。

百貨店での仕事に対する情熱を抱き、「どう売上をアップさせ、生き残りをかけていくか」を一人ひとりが真剣に考えていく必要があるといえるでしょう。

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百貨店社員の就職先・活躍の場

全国に百貨店は数多くある

百貨店社員は、全国にある百貨店で働きます。

それぞれの百貨店で業務内容が大きく変わることはありません。

百貨店のなかには地場の一店舗でやっているところから、全国に幅広く展開している百貨店までありますが、とくに地方都市の百貨店は経営難に陥って閉店を余儀なくされているところも出てきはじめています。

昔から学生の就職先としても安定した人気を誇り、一定の求人もありましたが、今後は経営状況により採用人数を絞るところも増えてくるでしょう。

なお、全国に展開している百貨店の場合は、転勤を伴う異動がある場合があります。

また、バイヤーや販売促進として活躍する場合は、所属店舗以外にもたくさんの店舗を周ったり、全国を周って商品を選んだりと店舗以外の外の場所で活躍することもあります。

百貨店社員の1日

担当部署によって一日の流れは変わる

百貨店社員は、主に百貨店の開店時間に合わせて働きます。

同じ百貨店に勤めていたとしても、担当部署によって一日の流れは変わり、開店時間が長い場合は2交代などシフト制で働く場合もあります。

<店舗で販売員として働く人の1日>

9:30出社、1日の流れや催事スケジュールを確認
10:00 店頭に立ち販売を行いながら、接客、案内などを行う
11:00 バックヤードで資料作成などの作業
13:00昼食
14:00 店頭のスタッフと交代で商品の検品
18:00 一日を振り返り業務日報を書く
18:30退社

百貨店社員のやりがい、楽しさ

お客さまの笑顔に出会えること

百貨店社員のやりがいは、若い人からお年寄りまで幅広い年代のお客さまに商品をお届けすることあります。

百貨店にはさまざまな職種があるため、決して全員が直接お客さまとコミュニケーションをとるわけではなく、裏方として経営に携わったり、職場環境を整えたりする役割を担う人もいます。

しかし、百貨店の社員として看板を背負って働くことは、「お客さまに感動や喜びを届けたい」という強い思いを抱いて働くことでもあり、非常にやりがいを感じられる仕事です。

また、百貨店では多くの社員が協力して、集客や売り上げをアップさせるにはどうしたらよいかなどを考えていきます。

商品をお客さまに提案し買ってもらえたときや、催事などのイベントが成功した際には、素直に喜びの気持ちが膨れ上がってくるでしょう。

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百貨店社員のつらいこと、大変なこと

商品知識を身に付け続ける苦労

百貨店社員の大変なことは、店内についてさまざまな知識を持っていなくてはならないことです。

どのフロアに何があるか、どんな商品が売られているかをしっかりと覚えなくてはなりません。

とくに自分の担当については、お客さまからの質問に答え説明できるように商品知識を身に付ける必要があります。

売り場によっては商品の点数が多く、また入れ替わりも激しいため、次から次へと覚えることがありますが、お客さまにしっかりとした接客をするには、これは欠かせない努力です。

そのほか、お客さまからはお叱りの声を受けることもあり、精神的にまいってしまうこともあります。

疲れていたり、落ち込んでいたりする時にもすぐに気持ちを切り替えなくてはならないことは、百貨店で働くうえで大変なことのひとつです。

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百貨店社員に向いている人・適性

流行やトレンドに敏感な人

百貨店に並ぶ商品は、その多くが「今の時代に必要とされるもの」です。

したがって、百貨店社員として働くためには、流行やトレンド、お客さまのニーズなどをよく理解していなくてはなりません。

お客さまがどんな商品を求めているのか、先のシーズンにはどのような商品が流行しそうなのか、情報を自ら集め知識を身に付けられるかによって、百貨店社員としての仕事も左右されます。

こうした意味では、アクティブでどんどん新しいものを取り入れていこうとするタイプの人のほうが、この仕事には向いているといえるでしょう。

また百貨店は多くの仕事があるため、希望と違う仕事に配置されたときにも、モチベーションが下げないよう、幅広く興味が持てる人に向いているとよいでしょう。

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百貨店社員志望動機・目指すきっかけ

百貨店を利用した経験がある人が大半

百貨店を利用したことがきっかけ

百貨店を目指すきっかけで多いものは、百貨店を利用した際に店員の気遣いややさしさに触れたというものです。

また、特定の百貨店や売り場が好きで、そこで働きたいとピンポイントで志望する人もいます。

百貨店は多くの人が実際に利用したことがあるため、志望動機に盛り込む際は差別化をはかるために、自分なりのエピソードを取り入れるとよいでしょう。

どんな仕事に就きたいのかを考える

百貨店にはさまざまな仕事があります。

販売職はもちろん、商品の仕入れや物流に関わるバイヤー、個人や法人向けの営業職、さらには販売促進やマーケティング、企画といったように、社員がそれぞれの役割を担い、チームプレイで働いています。

まず「百貨店で何をしたいのか」という自分自身の明確な意思を持ち、それをアピールできれば、どうしても百貨店で働きたいという熱意が伝わります。

また百貨店を志望する人は、複数の百貨店を併願するケースも多く、なかには「とにかく百貨店であればどの会社でもいい」と考えている人もいるかもしれません。

しかし、志望動機では「その百貨店を志望する理由」を明確に打ち出す必要があります。

ひとくちに百貨店といっても、会社によって経営方針やコンセプト、理念やビジョンなどは異なるため、各社のことをよく調べて、「その会社で働きたい」という明確な理由が述べられるようにしましょう。

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百貨店社員の雇用形態・働き方

正社員以外の求人も多くみられる

各百貨店では、新卒での正社員採用のほか、契約社員やアルバイト・パートの採用も比較的よく見られます。

特に販売職に関しては、契約社員やパート・アルバイトとして活躍している人も多くいます。

一部の百貨店では「正社員登用制度」を置いており、そこでは契約社員としての頑張りや成果が認められると、正社員になれるチャンスを掴むこともできます。

百貨店で働く人は女性が多いため、離職を防ぐために女性が働きやすいよう取り組んでいる百貨店も多くあります。

なお、販売員として働く人の中には、各ブランドやメーカー、派遣会社などで採用され、そこから配属されて百貨店で働いている人も多くいます。

百貨店で働くすべての人が百貨店で採用されているわけではないため、注意が必要です。

百貨店社員の勤務時間・休日・生活

勤務はシフト制で休みは不規則

1日の実働は7.5時間~8時間程度に設定されており、「早番」と「遅番」の2交代制で働くことが多くなっています

早番と遅番どのようなシフトで働くかに関しては、職場や他のスタッフの出勤状況などによって異なり、管理部門はサラリーマンのように決められた時間で働く人もいます。

休憩はお客さまの入り方を見ながら交替でとるのが基本で、会社のお昼休みを利用して買い物をする人が多いため、14時や15時ごろにやっと休憩をとれるというケースも多いようです。

大手百貨店の休業は「元旦のみ」や「年に数回」というところが多く、ほぼ年中無休で営業しているため、百貨店社員は交代で休日を取ることになります。

そのためお客さまの多い土日祝日を避けて、平日に不規則に取ることが多いようです。

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百貨店社員の求人・就職状況・需要

定期採用がメインだが、正社員以外の求人も多い

学生の就職先として人気が高い

大手の場合、新卒の正社員採用に関しては、ほぼ毎年定期的に実施されています。

百貨店業界は以前に比べると厳しい状況にあるといわれるものの、それでも学生の就職先としては比較的人気が高いことが特徴で、採用試験では高倍率となることも珍しくありません。

百貨店店員は、かつてのようにただお客さまを店頭で迎えるだけではなく、集客のために試行錯誤して仕事に取り組まなければならなくなってきています。

老舗百貨店でも、若手の意見が受け入れられやすくなっていたり、自身のアイデアを業務に生かすことができたりしやすい風土に変わってきています。

そのため、ほかの学生と差をつけるには百貨店での仕事に対する情熱を抱き、「どう売上をアップさせ、生き残りをかけていくか」を真剣に考えることが大切です。

非正規雇用の立場で働く人も

各百貨店では、新卒での正社員採用のほか、契約社員やアルバイト・パートの採用も比較的よく見られます。

通年で実施されていることも珍しくなく、正社員採用に比べると間口は広くなっているといえるでしょう。

一部の百貨店では「正社員登用制度」を置いており、そこでは契約社員としての頑張りや成果が認められると、正社員になれるチャンスを掴むこともできます。

正社員として採用される場合はどうしても倍率が高くなってしまうため、はじめはこうした非正規雇用からはじめ、経験を積んでいくという人も少なくありません。

百貨店社員の転職状況・未経験採用

中途採用者も積極的に採用している

百貨店各社は伸びしろのある若手を集めるための新卒採用だけでなく、すでに外での経験がある人を集めるための中途採用を積極的に行い、新しい風を社内に取り入れようとしています。

新卒採用の場合は、「総合職」といった形で一括採用されますが、中途採用の場合は最初から「営業」「バイヤー」といった形で、職種別に採用活動が行われることが多いです。

そのため、やはり前職などでの経験が生かせる部門へ応募したり、百貨店での勤務経験があったりするほうが、採用される確率は高くなるでしょう。

ただし、まったく異なる業界からの転職組でも採用される可能性は十分にあります。

接客や販売経験、営業経験などは生かしやすいですし、語学力や事務処理のスキルなどに自信がある人も百貨店で力を発揮できます。

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