【2021年版】印刷会社社員の仕事内容・なり方・年収・資格などを解説

「印刷会社社員」とは

書籍、チラシ、特殊印刷など、あらゆる印刷物の企画・制作を行い、顧客へ納品する。

印刷会社とは、顧客から依頼を受けて、あらゆる印刷物の企画や制作を専門的に行い、印刷して顧客へ納品する会社のことをいいます。

「印刷物」といってもその種類はさまざまで、代表的なものには以下のようなものがあります。
・書籍や雑誌
・企業で使う会社案内のパンフレットや社内報
・名刺
・挨拶状
・封筒
・販促用のチラシやDM
・ポスターやカレンダー
・企業のカタログやマニュアル
・商品のパッケージ

これだけではなく、金属・ガラス・プラスチックなどにプリントする「特殊印刷」など、ありとあらゆる印刷物の製造を手掛けています。

印刷会社の仕事は、大きく分けて、営業や事務、企画などの「事務系」あるいは研究開発や技術開発などの「技術系」があります。

昨今はITの進歩などの理由によって業界そのものが縮小傾向にあり、印刷会社を取り巻く環境は厳しさを増しています。

しかし大手印刷会社を中心に半導体や液晶カラーフィルタ、太陽光電池部材など、従来の「印刷」事業を超えた新しいビジネスに手を広げる企業が増えており、さらなる成長も期待できます。

「印刷会社社員」の仕事紹介

印刷会社社員の仕事内容

世の中に流通するあらゆる印刷物をつくる

印刷物を専門につくる会社で働く

印刷会社とは、顧客から依頼を受けて、あらゆる印刷物の企画や制作を専門的に行い、印刷して顧客へ納品する会社のことをいい、大きく以下のように分けられます。

・出版社や新聞社などが発行する商業出版物を扱う「出版印刷」
・一般企業や団体の事業活動に使われる印刷物を扱う「商業印刷」
・名刺、封筒、ノート、手帳といった事務用品を扱う「事務用印刷」
・商品券やチケット・カード類などを扱う「証券印刷」

印刷会社には、大手で商業印刷物をおもに扱う企業から、一般消費者が安価に注文できる、いわゆるネットプリントを主としてビジネスを手掛けている企業もあり、それぞれ特色のある方法で営業をしています。

印刷物を作る流れ

印刷会社の仕事は、営業や事務・企画などの「事務系」、研究開発や技術開発などの「技術系」に分かれます。

印刷会社の営業の中心は、得意先に対して訪問するルートセールスが多く、顧客と長年の付き合いをしているケースがよく見られます。

営業がヒアリングしてきた顧客の要望をもとに、企画はコンセプトやページ割、コピーライティングなど、ゼロからイチを生み出すための大元となる部分を検討していきます。

その後、デザイナーやライターなどが最終的なデザインをし、印刷工場の機械を使って印刷していきます。

断裁や丁合いといった製本加工を施して、実際に商品として納品できる形へと仕上げていきます。

関連記事印刷会社社員の仕事内容・企業の種類

印刷会社社員になるには

大企業と中小企業で採用の仕方は異なる

印刷会社の採用試験を受験する

印刷会社社員として働くには、各印刷会社が実施する社員採用試験を受験する必要があります。

大手、あるいは中規模以上の印刷会社では毎年定期的な新卒採用を行う場合が多く、そこでは一般的に「総合職」といった形で、大卒あるいは大学院修了の人を対象とした採用活動が行われています。

総合職の仕事は、大きく分けて「事務系」と「技術系」に分かれており、前者はおもに営業や事務・企画を、後者はおもに研究開発や技術開発などを担当します。

なかには高卒あるいは高等専門学校卒の人を採用する印刷会社もありますが、その場合は工場で印刷や製本の仕事に携わる職種の募集が中心となっています。

最大手の印刷会社では、すべての職種を併せて毎年200名から300名程度を新卒として採用しており、学生からも高い人気があります。

中小企業の場合は不定期採用が多い

印刷会社は地域に根付いた小規模な会社もたくさんありますが、その場合自社のホームページに掲載しているだけということも珍しくありません。

定期的に新卒採用を行うのではなく、退職者が出たなどの理由で人手が足りなくなった場合に、都度募集をするということが一般的です。

比較的大きな会社であれば、社内研修や教育制度がしっかりしていることから未経験でも採用されることはよくあります。

一方、小さな会社の場合、営業、DTPオペレーター、製造などすでに業務知識や経験がある人、即戦力となれる人が求められやすいようです。

関連記事印刷会社で働くには(大学学部・学歴)

印刷会社社員の学校・学費

学部や学科は問われないことが多い

印刷会社に就職するうえで、特別に有利になる学部や学科はありません。

どのような学校を卒業しても印刷会社社員として活躍できる可能性があります。

ただし、大手印刷会社では印刷技術を核とした幅広い事業を手掛けていることから、技術系職種の場合には、理系の分野で学んだ人が活躍できるフィールドがあるようです。

機械系、電気・電子・通信系、化学・材料系、情報系、物理系、バイオ・環境系といった分野で学んだ人が活躍できるでしょう。

一方、営業や企画の仕事であれば、現在の知識やスキルよりも人柄やコミュニケーション能力といったものが重視される傾向が強いといえます。

印刷会社社員の資格・試験の難易度

職種によって必要なスキルは異なる

印刷会社社員といっても、営業や企画、デザイナーなど多様な職種に就いている人がおり、それぞれ仕事内容は異なります。

「総合職」として働く場合には、基本的に入社時点で特別なスキルが求められることはほとんどなく、業務上必要なスキルは入社後に学んだり、実務を通したりして身につけていくことができます。

印刷会社に関連する資格として代表的なものとしては、これは学科試験と実技試験で構成される認証試験に合格することで取得できる「DTPエキスパート」があります。

そのほか、国家資格の技能検定制度の一種として「印刷技能士」「製版技能士」「製本技能士」といった資格もあります。

関連記事印刷会社社員に必要な資格やスキルはある?

印刷会社社員の給料・年収

売上高や組織規模が大きな企業ほど平均年収も高め

企業によって給与に差がある

印刷会社の平均年収は、400万から500万円前後とされています。

ただし、企業によって給与にはだいぶ差が出ており、売上高や組織規模が大きな企業ほど平均年収も高めとなっているようです。

大手であれば平均年収600万円から700万円程度となっていますが、非常に小さな企業のなかには平均年収300万円台にとどまっているところもあるようです。

待遇や福利厚生は企業によって異なりますが、一般的には大手のほうが充実しており、小さな企業のなかには福利厚生がほとんどないといったことも少なくありません。

大幅な収入アップはのぞみにくい

印刷会社は比較的歴史が長い企業が多く、安定して働きやすい環境がある一方、ITベンチャーのように勢いや大幅な収入アップは望みにくいようです。

たとえば営業であっても、印刷会社では既存顧客とのやりとりをするルートセールスの形をとっているところも多く、成果主義の会社でよくみられるインセンティブなども期待しにくいところがあります。

ただし、もちろん実力が認められれば管理職になり、基本給が跳ね上がったり手当がついたりすることもあります。

とくに大手の印刷会社は従来の印刷事業だけにとどまらず、事業領域を拡大する傾向が強くなっています。

意欲的な人は新しい仕事にチャレンジする機会を得て、その成果によっては給与で還元される可能性も十分に考えられます。

関連記事印刷会社社員の給料・年収

印刷会社社員の現状と将来性・今後の見通し

印刷物をどのように生かしていくかが問われる

印刷業界全体として縮小傾向に

印刷業界は昨今、業界そのものがどんどん縮小傾向にあります。

印刷業界全体が厳しい状態に追い込まれているなか、とくに大手企業では、従来の「印刷」だけにとどまらない新しいビジネスに手を伸ばすことで、さらなる成長を目指しています。

ITとこれまでの印刷技術や出版物をうまく融合させた取り組みによって、新しいビジネスの可能性を模索する動きが大きくなっています。

印刷業界全体としての状況は厳しいですが、印刷以外の領域で売上を伸ばしていくことができた企業は、今後も生き残って成長していくものと考えられます。

専門性を高めることで生き残りをかける

印刷会社の将来性として、高度な色彩を再現したり、特殊なものにも印刷したりといった専門性を強みにした特殊な印刷技術を売りにするという方法が挙げられます。

また、「どこよりも安く短期間で印刷物を納品する」といった企業も増えてきています。

技術の発達により個人でも手軽に、しかも安価で印刷物を発注できるようになり、印刷会社としても、これまで発注の少なかった個人からの小ロット印刷を請け負うことで、新たな仕事を増やすことができます。

もうひとつ、紙の印刷に付加価値を加え、新たなニーズを掘り起こそうとする動きも見られます。

近年では、「印刷物+インターネット」という情報伝達が主流になってきており、QRコードを印刷したり、デジタルカタログを発行したりするなど、各社が切磋琢磨しています。

関連記事印刷会社の現状と将来性

印刷会社社員の就職先・活躍の場

印刷会社にもさまざまな種類がある

印刷会社は印刷の目的によってさまざまな種類があります。

ある一つの領域だけを専門としているところもあれば、いくつかの領域にまたがって事業を手掛けているところもあります。

日本の印刷会社は中小企業が多いとされていますが、なかでも「大日本印刷」と「凸版印刷」は印刷業界の2強といわれ、あらゆる商品を手掛けています。

この2社も近年ではいわゆる「紙の印刷」の比重は減ってきており、特殊印刷やデジタルとの融合、アーカイブ機能などさまざまな事業を手掛けるようになってきています。

なお国立の印刷所としては、紙幣や切手、旅券や通帳類、政府刊行物などを印刷する「独立行政法人国立印刷局」があり、ここでは国家公務員が働いています。

印刷会社社員の1日

事務系か技術系かで異なる一日

印刷会社社員の場合、仕事が事務系か技術系かによって一日のスケジュールや仕事内容は大きく異なります。

工場勤務の場合は不規則な勤務時間となることも少なくありません。

<印刷会社で営業や企画を担当する人の一日>

8:00 出勤、メールチェック
10:00 クライアントと次に印刷するパンフレットの打ち合わせ
12:00 休憩
13:00 デザインや印刷を担当する部門と社内ミーティング
14:00 校正担当と一緒にテスト印刷物のチェック
16:00 クライアントに印刷物を持ち込み納品
18:00 退社

印刷会社社員のやりがい、楽しさ

ものづくりのなかでもクリエイティブな仕事ができる

印刷会社社員としての一番のやりがいは、0から印刷物を作り、形にしていく喜びを味わうことができることでしょう。

扱う印刷物によっては自分が手掛けたものを街で目にすることもでき、大きな感動が押し寄せます。

また「プロとしての意見やアイデアを反映して印刷物を制作する」面も多々あります。

とくに営業や企画であれば、実際に顧客と打ち合わせをしながら、より理想の表現方法を検討していったり、アイデアを形にしていったりする醍醐味が味わえます。

また、デザイナーであれば、デザインの専門家としてより良い見せ方を追求していくことができるでしょう。

個人のセンスや感性も存分に必要とされますから、クリエイティビティを発揮して働きたいという人にとってはやりがいを感じることができるでしょう。

関連記事印刷会社社員のやりがい・楽しさ・魅力

印刷会社社員のつらいこと、大変なこと

納期に追われ続ける厳しさやプレッシャー

印刷会社社員で大変なことのひとつは、納期に追われ続ける仕事をしなくてはならないことです。

事前に定められた制作スケジュールに沿って作られていきますが、急な内容変更や予期せぬトラブルといったことが重なると、工程はどんどん厳しくなっていきます。

最も大変なのは印刷現場で、すべての工程の最終段階であるため、他の部門でスケジュールが押した場合、その遅れた分を何とか印刷部門で調整して動かなくてはなりません。

また大変なこととしては「印刷ミス」もあげられます。

もしミスが見つかれば「刷り直し」が発生し、それが自社の責任であれば余計なコストがかかるばかりか、顧客からの信頼を失うことにもつながりかねないため、常に細心の注意を払わなければなりません。

関連記事印刷会社社員のつらいこと・大変なこと・苦労

印刷会社社員に向いている人・適性

クリエイティブな仕事がしたい人

印刷会社社員に向いているのは、クリエイティブな仕事に興味があり、柔軟な発想で何かを作っていくことを楽しめる人だといえます。

印刷業界は出版や広告業界などとも深く結びついており、「表現」について考える機会が多くあるため、まずは自分自身がクリエイティブなことに興味を持てるかどうかが大事です。

また、自分が関わる商品によって多くの人たちを楽しい気持ちにさせ、便利さを提供していきたいという「ものづくり」に関わりたい気持ちや情熱を持つ人も向いているでしょう。

さらに印刷会社の仕事は、どちらかというと地道でコツコツとしたものが多いため、地味な仕事でも日々努力を重ねられる人、細かいところに気付ける人が力を発揮しやすい世界です。

関連記事印刷会社社員に向いている人・適性

印刷会社社員志望動機・目指すきっかけ

印刷会社の事業内容を絡ませて志望動機を考える

印刷物が好き、またはものづくりが好きという人が多い

印刷会社の志望動機は、大きく「書籍などの印刷物が好き」という内容と、「ものづくりに携わりたい」という内容に分けられるようです。

あらゆる印刷物は形に残るものであるため、ゼロの状態からイメージやアイデアを成果物にしていく仕事内容に魅力を感じ、印刷会社を志望するといった人も多くいます。

クリエイティビティを発揮して働きたいという内容は、印刷会社の志望動機のテーマとして十分なものになるでしょう。

新しいビジネスにも関心を持つことが大切

近年、印刷業界自体は現在縮小傾向にあり、業界の現状や未来についての考え方を問われる可能性も高いため、志望企業を含め業界や同業他社についてはよく調べておいたほうがよいでしょう。

また電子出版の流れが加速するなかで、新しい事業への取り組みなど裾野を拡げているところが目立ちます。

古くからある「紙への印刷」にとどまらず、新しいサービスを生み出す立場になりたいという思いで志望する人も増えており、企業も新しいビジネスにチャレンジしようという意欲のある人を求めています

そのため印刷会社の事業内容をよく調べたうえで、その仕事を通じて自分はどのようなものを世の中に提供したいのかといったことを伝えるとよいでしょう。

学生時代にさまざまなことにチャレンジしたり、困難を乗り越えたりした経験があれば、自己PRにつなげられるでしょう。

関連記事印刷会社社員の志望動機と例文・面接で気を付けるべきこと

印刷会社社員の雇用形態・働き方

需要の多い職種は契約社員やアルバイトも

印刷会社の求人で目立つ職種としては、営業、DTPオペレーター、製造が挙げられます。

これらの職種はどの印刷会社でも必要とされる存在であり、またそれなりの人数を欲している企業が多いようです。

正社員としての求人はもちろん、派遣社員や契約社員やアルバイトといったさまざまな雇用形態での求人があるため、自分の理想とする働き方や仕事内容に合うものをよく探してみるとよいでしょう。

また、印刷会社での正社員を目指す際の足掛かりとして、まずは派遣社員や契約社員として働き経験を積むのもよいでしょう。

印刷業界は、昔から離職率が高めで、人材の出入りが激しい業界といわれることが多く、非正規雇用で人材不足の部分を賄っているところも多いです。

印刷会社社員の勤務時間・休日・生活

忙しさに波があり、業界全体として残業が多め

印刷会社は時期によって忙しさに波が出ることが珍しくなく、他の職業と比べ残業が多めです。

また製造現場で働く場合には、夜間も含めてのシフト制勤務となる場合がよくあるようです。

そもそも印刷物制作は納期ありきの仕事であること、またイレギュラー対応が発生しやすいことが特徴です。

あらかじめしっかりとスケジュール管理をしていても、思い通りにはいかず、残業になってしまうということがあります。

トラブルやミスなどで納期に間に合わないことがあると、休日出勤をしてでも対応しなくてはなりません。

近年は短納期で動けることを売りにしている印刷会社も増えており、そうした会社ではなおさら、残業量を増やして対応しているところもあるようです。

関連記事印刷会社社員の勤務時間・休日・残業は多い?

印刷会社社員の求人・就職状況・需要

大手は一括採用、中小企業は不定期採用が中心

大手の印刷会社では、毎年新卒採用として数十名から数百名単位におよぶ人材を新たに採用しています。

ただし、大手印刷会社は学生からの人気も高く、採用試験の倍率は高くなりがちです。

一方、小規模な会社の場合は、自社のホームページにひっそりと求人を掲載しているだけということも珍しくありません。

また、こうした企業は定期的に新卒採用を行うのではなく、退職者が出たなどの理由で人手が足りなくなった場合にその都度募集をかけるということが一般的です。

すでに業務知識や経験がある人、即戦力となれる人が求められやすい傾向にあり、未経験者はなかなか採用してもらうのが難しい現状があります。

印刷会社社員の転職状況・未経験採用

入れ替わりの激しい業界

印刷業界は昔から離職率が高めといわれており、大手では給料や待遇に期待ができるものの、小さな印刷会社はあまり恵まれておらず、なかなか人が定着しない面があるようです。

印刷業界全体として売り上げは縮小傾向にあり、厳しい状況は今後も続くことが予想されるため、もし印刷会社への転職を考えるのであれば、できるだけ大手に入ることを検討したほうがよいでしょう。

近年は「紙からWebへ」の流れが加速していて、各社はWebに対しての知識がある人材、や若手人材を欲する傾向が高まっています。

大手企業を中心に、外からも人材を積極的に採用して組織を活性化させ、新たな事業を生み出そうと考えているところが増えているようです。

関連記事印刷会社への転職・中途の未経験採用はある?