鳶職人の事故・危険なこと

高所作業がメイン

鳶職には「足場鳶」「鉄骨鳶」「重量鳶」といった分類があります。

これらに共通するのは建物の建設や改修工事に必要な足場や鉄骨、重機等を高いところに上がって組み立てるという点です。

高所で機敏に作業する鳶職人の姿はしばしば建設現場の華ともいわれるほどです。

その反面、地上何十メートルにもなる高所での作業は落下事故の危険と常に背中合わせであるともいえます。

そのため、法律では18歳未満の者の高所作業が禁じられています。

高いところに上がる際は必ず命綱としてのロープと、それを支持物に固定するためのフックなどから構成されている安全帯というベルトをするのが規則になっており、事故を防止していますがそれでも危険であることには変わりありません。

そのため、鳶職人は常に緊張感を持ち、神経を集中させながら作業に臨んでいます。

真剣な分、現場には厳しい声が飛び交うこともありますが、これが気の引き締めにもつながり、事故防止に一役買っているといえます。

地上でも油断は禁物

高所作業がメインになる鳶職ですが、もちろん地上での作業もあります。

地上では足場の組み立てに必要な資材運びを行うことになりますが、これもなかなかの重労働です。並以上の持久力、筋力が必要とされます。

鳶職人になりたての時期はこのような作業を日々行うことになるため、体力のない人にはつらいかもしれません。

しかし、この時に養われた体力が高所で作業する際に大いに役に立つのです。

筋肉痛や内出血などのトラブルがつきものですが、これも一つの訓練と心得て、ケアしながら前向きに取り組んでいきましょう。

夏の日の作業にご用心

猛暑日であっても鳶の仕事が休みになることはありません。

炎天下での作業は他の季節以上に体力を奪われるため、大変過酷なものになります。まずは熱中症に気をつけなければなりません。

欠食や睡眠不足は熱中症を引き起こす大きな原因になるため、鳶職人は日常生活から高い意識を持つ必要があります。

夏に起こりやすい事故としてもう一つ注意を払わなければならないのが汗による「感電」です。

意外に思われるかもしれませんが、感電は鳶職における労災死亡事故では落下と双璧をなす危険度の高い事故なのです。

足場は強度の面からどうしても通電する金属製のものを使用するため、作業者それぞれがゴム底の靴や手袋を着用したり、汗をこまめにふいたりなどの小さな心がけが必要になります。

とくに暑さの厳しい日は、熱中症対策とも併せて職人同士の密な声掛けを欠かさないことが、安全な現場づくりの第一歩であるといえます。