鳶職人の給料、年収

鳶(とび)職人の平均年収・給料の統計データ

鳶職人の平均年収・月収・ボーナス

賃金構造基本統計調査

とび工の平均年収_2019

厚生労働省の令和元年度賃金構造基本統計調査によると、とび工の平均年収は41.6歳で393万円ほどとなっています。

・平均年齢:41.6歳
・勤続年数:10.1年
・労働時間:174時間/月
・超過労働:13時間/月
・月額給与:307,400円
・年間賞与:241,200円
・平均年収:3,930,000円

男女別にみると、女性のとび工の年収は、男性より100万円以上も下回っています。

これは女性の鳶職人が非常に少なく、データ数が少ないことがおもな要因です。

鳶職人は、体力や筋力がものをいうハードな職業であり、女性には不利な面もありますが、給料が性別で分けられているわけではありません。

技術をみがく、資格を取得するなど、一生懸命努力すれば、男性と同じだけの、あるいはそれ以上の給料を得ることも可能です。

出所:厚生労働省「令和元年度 賃金構造基本統計調査」
※平均年収は、きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額にて計算。
※本統計はサンプル数が少ないため、必ずしも実態を反映しているとは限りません。

求人サービス各社の統計データ

職業・出典 平均年収 年収詳細
とび
(求人ボックス)
400万円 月給 33.0万円
大工・とび・左官・設備
(doda)
346万円 20代:316万円
20代後半:358万円
30代:351万円
40代:420万円
とび職
(転職会議)
337万円 20代:320万円
30代:367万円
40代:401万円
50代~:370万円

各社の統計データをみると、鳶職人の年収は300万円~400万円前後となっています。

やや年収の幅が広くなっていますが、その理由は、年収詳細をみるとわかります。

年齢別にみると、鳶職人の職業全体の年収は、20代の数値と非常に近くなっています。

鳶職人は、仕事を始めたばかりでキャリアが浅い人が多く、その半面、中堅やベテランの数が少ないことを表しています。

新人を除き、ある程度のキャリアをつんだ鳶職人の給料は、もう少し高くなります。

年齢別のデータから推察すると、厚生労働省の統計とほぼ同じ、年収400万円前後が平均になると思われます。

鳶職人の手取りの平均月収・年収・ボーナス

厚生労働省の統計によると、鳶職人のボーナスは、月給の約0.8ヶ月分です。

平均的な鳶職人の年収を400万円とすると、月給は約31万円、ボーナスは約25万円となります。

そこから、厚生年金や健康保険などの社会保険料、所得税などを差し引いた手取りは、独身者の場合で月給が約24万円~25万円、ボーナスが約20万円です。

月々の収入は世間一般とほぼ同水準であり、豪華な暮らしができるわけではありませんが、普通に生活するぶんには問題ないでしょう。

ただ、ボーナスはあまり恵まれているとはいえないので、ボーナスをあてにした消費は控えるべきです。

鳶職人の初任給はどれくらい?

まったくの未経験から鳶職人になる場合、その初任給はおよそ20万円くらいが相場とされています。

ほかの職業と比べても、ごく一般的な水準ですが、仕事内容のハードさを考えると、あまり割に合っているとはいえない面もあります。

ただし、会社員や公務員とは異なり、鳶職人の昇給は年1回とは限りません。

まじめに働いていれば、勤務後数か月で昇給することもあるので、すぐに仕事に見合った収入が得られるようになるでしょう。

令和元年 とび工の年収(規模別 ※男性のみ)

10〜99人規模の事業所に勤める鳶職人の年収は389万円、100〜999人規模は439万円、1000人以上規模は439万円、10人以上規模平均は393万円となっています。

とび工の年収(規模別)_r1

令和元年 とび工の年収(年齢別 ※男性のみ)

とび工の年収は、40代前半にかけて伸びており、45〜49歳では475万円となっています。

平均年収は394万円となっています。

とび工の年収(年齢別)_r1

賃金構造基本統計調査より作成。本統計は調査の母数が少ないため、必ずしも実態を反映していない可能性があります。

鳶職人の福利厚生の特徴は?

鳶職人の福利厚生は、企業によってばらつきがあるものの、かなり恵まれています。

元々勤務先に大きな企業が多いうえ、近年は鳶職人の減少によって人材の取り合いとなっており、福利厚生面を充実させて人員の確保を図ろうとする動きが目立ちます。

交通費の支給や資格手当などはもちろん、社員専用の社宅や寮を完備している企業も珍しくありません。

なかには、食費と家賃、水道光熱費がすべて無料で、生活費が一切かからないというところもあります。

危険な仕事であることを考慮して、労災保険などの補償制度も充実しています。

鳶職人の給料はそこまで高水準とはいえませんが、福利厚生面を考えると、生活の心配なく、安心して仕事に打ち込めるといえるでしょう。

ただし、規模が小さい企業のなかには、大企業ほど福利厚生が整っていない会社もあるので注意が必要です。

鳶職人の給料・年収の特徴

日給月給制の職場が多い

鳶職人の給料は、一般的なサラリーマンのように固定の月給制ではなく、日給月給制の職場が多いことが大きな特徴です。

経験やスキルによって社員ごとに日給単価が定められており、その日給に実際に働いた勤務日数をかけて、月々の給料が算出されます。

日給の目安は、見習いで7000円~1万円前後、ある程度の経験者で1万円~1万4000円前後、資格をもつ職長クラスで1万2000円~1万8000円前後です。

日給制は、雨などの天候不順で休みになると収入が減りますし、体調不良などの自己都合で休んでもマイナスされるので、給料は不安定になりがちです。

しかし、週6日休みなくがんばって働き続ければ、同世代の人より高収入を得ることも可能です。

20代のうちに月給40万円前後となっている人も珍しくありません。

鳶職人は、自身の努力や実力がダイレクトに収入に反映される職業といえるでしょう。

ボーナスが少ない

鳶職人は、かなりボーナスが少ないことが特徴です。

職人と呼ばれる職業は、「その日の労働に対する対価が給料」という考えが根強く、労働を伴わないボーナスがなじまない側面もあります。

支給金額は多くを期待できませんし、夏と冬ではなく年1回の支給というところも少なくありません。

ボーナスそのものがまったくないというところもあります。

ボーナスが少ないぶんは、月々の給料でカバーされていると見ることもできますが、モチベーションを保つという意味では、やや厳しいかもしれません。

お金の使い方や貯蓄も、月々の給料から計画的にやりくりすることが大切です。

年収がピークアウトする年齢が早い

鳶職人の給料は、年齢別年収をみてもわかる通り、40代後半あたりでピークを迎えます。

一般の会社員であれば、役職者となる50代なかばごろが最も高給となるので、鳶職人の年収のピークは、10年ほど早いといえます。

鳶職人に求められる運動能力がハイレベルであり、年齢を重ねた鳶職人は、体力の衰えとともに、徐々に現場仕事からはなれるためです。

収入面から人生設計を考えたとき、鳶職人は、普通のサラリーマンとは大きく異なるプランを描いておく必要があるでしょう。

若いうちに精一杯稼いで、老後の資金を貯めておくことも考えておくべきです。

ただし、作業主任者などの資格取得にはげんで管理職になる、独立開業して経営者になるなど、50代で現場をしりぞいたあとも、それまでと同じ給料水準を維持する方法もあります。

鳶職人の正社員以外の給料・年収

アルバイト

鳶職人は、アルバイトであっても、社員と同じように、給料は時給ではなく日給で計算されます。

日給は経験や能力を考慮して決定されるので幅が広くなりますが、7000円~2万円前後が相場です。

仕事が終わったあと、その日の日当をその場で支給するという「完全日払い制」の職場もあり、早急にお金が必要な場合は便利かもしれません。

週1回だけ働く、期間を決めて短期で働くことも可能なので、まずはアルバイトから鳶職人の仕事を始めるのもよいでしょう。

フリーランス

鳶職人のなかには、どこの組織にも所属せず、工事現場ごとに仕事を請け負ってフリーランスで働く人もいます。

そのような鳶職人は、一般的に「ひとり親方」と呼ばれます。

フリーランスの鳶職人の収入は、請け負う工事の仕事量と難易度しだいです。

中間でマージンをとられないので、雇われているときよりもかなり給料は高額になるでしょう。

ただし、自身で国民健康保険や国民年金、民間の任意保険などに加入しなければならず、収入が多い反面、支出も多くなります。

福利厚生もないので、雇われの場合とどちらがよい暮らしができるかは、給料の額だけでは比較がむずかしいでしょう。

独立開業

独立開業して親方として働く鳶職人の給料は、年収600万円~700万円が相場です。

親方になるには、高い技術にくわえて、複数の資格や講習の受講も必要です。

さらに、人材難のなかで職人を確保しなければなりません。

ハードルはかなり高めですが、そのぶん高収入が期待できます。

かつては年収1000万円を超えている人も珍しくなく、10人以上の職人をかかえて年収1300万円を得ている人もいました。

しかし、近年は受注単価の下落や材料費の値上がりなどによって、年収1000万円以上を稼ぐのは難しくなりつつあります。

鳶職人が収入を上げるためには?

鳶職人が収入を上げる方法は、とにかくさまざまな現場で経験を積み、自身の腕前をみがいていくことです。

鳶職人の給料は、会社員や公務員のように年功序列ではなく、完全に実力主義です。

職業としてみた場合の平均年収は400万円前後ですが、それはあくまで平均値にすぎません。

技術の向上とともに、各種資格取得にはげめば、20代で職長となり、年収500万円や600万円を稼ぐことも可能です。

独立開業すれば、それ以上を狙うこともできるでしょう。

鳶職人は、仕事がきつく、ケガなどのリスクも高い仕事です。

しかし、年齢や学歴にかかわらず、腕一本で大金を稼げる鳶職人は、夢のある職業といえます。