【2021年版】パイロットの仕事内容・なり方・年収・資格などを解説

「パイロット」とは

航空管制官の指示の下に専門技術を駆使して航空機を操縦し、安全なフライトを実現する。

パイロットとは、大型のジャンボジェットや軽飛行機、ヘリコプターなど、さまざまな航空機を操縦する人のことです。

航空会社をはじめ、航空機を保有している新聞社やテレビ局、あるいは公務員として消防や警察、海上保安庁、自衛隊などで活躍しています。

航空機を操縦するには、各職場で訓練を受けて「ライセンス」を取得することが必要で、操縦に関する高い技術が求められます。

旅客機のパイロットの場合、地上の航空管制官と連絡を取りながら、安全に航行できるよう航路を定めます。

また、フライト前には必ず気象データや空港の状態、航空機の整備状況や飛行高度などについて確認することも重要な業務の一部です。

パイロットは収入も高めで多くの若者が憧れる職業ですが、人の命を預かる責任ある仕事であり、機長になるまでには長い時間がかかります。

「パイロット」の仕事紹介

パイロットの仕事内容

さまざまな種類の航空機を安全に操縦する仕事

パイロットとは、航空機の操縦に関する専門的な知識・技術を駆使して、安全に航空機を操縦することです。

航空会社で旅客機を操縦するパイロットのほか、新聞社やテレビ局などの民間事業者、あるいは自衛隊や海上保安庁で活躍する人もいます。

旅客機のフライトでは、機体の整備をする人や乗客にサービスをする人など、さまざまなプロフェッショナルがチームで関わります。

パイロットはそのなかで、実際に航空機を操縦するだけでなく、気象データや燃料のチェック、コックピット内の点検、エンジンスタートの準備なども担当します。

コックピットには機長と副操縦士の2名が乗り込み、基本的に機長は実際に操縦を、副操縦士は管制官との通信や機長の補佐を行います。

地上の航空管制官と無線通信を行って操縦する

パイロットにとって最も重要なことは、安全で快適な飛行を実現させることです。

空の上にはたくさんの旅客機が飛び交っているおり、気象条件も変わり続けるため、好き勝手に操縦するわけにはいきません。

フライト中は地上にいる「航空管制官」の指示の下、正しい航路を飛び、快適かつ安全なフライトを実現します。

多くの人の命を預かる責任ある仕事なだけに、技能だけでなく健康状態や身体条件にも厳しい基準が設けられています。

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パイロットになるには

希望の進路に応じてさまざまな道のりがある

パイロットといっても、活躍の場は多岐にわたります。

どのような場で働きたいかによって、パイロットになるまでの道のりが異なります。

まず、航空会社で旅客機を操縦するパイロットを目指す方法は、大きく分けて2つです。

(1)一般の学校を卒業し、航空会社へ入社後「パイロット養成訓練」を受けてライセンスを取得する
(2)「航空大学校」へ入学し、在学中にライセンスを取得してから航空会社に入社する

どちらも学生を対象にしたパイロットの採用コースです。

1のルートは大手航空会社が採用を実施していますが、大卒以上の学歴が求められ、採用人数はわずかで難関です。

航空会社以外のパイロットになるには

航空会社以外のパイロットの主要な活躍の場として、自衛隊があります。

自衛隊のパイロットは「防衛大学校」に入学するか、海上自衛隊の「航空学生」として採用されることなどのルートで目指せます。

なお、パイロットは男性だけの職業ではありません。

各航空会社のパイロット採用試験でも性別の制限はなく、女性のパイロットも数は少ないですが存在します。

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パイロットの学校・学費

パイロットになるための学校「航空大学校」がある

大手航空会社のパイロットを目指す場合、一般の大学や大学院修士課程を出ていれば「自社養成パイロット採用試験」に応募可能です。

大手航空会社の子会社のパイロットを目指す場合は、学歴が厳しく問われず、高卒で応募できる場合もあります。

このほか、パイロット志望者向けの学校として「航空大学校」があります。

この学校は、日本で唯一の公的なエアラインパイロット養成機関で、2年間にわたるカリキュラムを通して、プロのエアラインパイロットとして活躍できる人材を育てます。

航空大学校の採用試験は難関

航空大学校の出願資格には「4年制大学に2年以上在学、かつ全修得単位数が62単位以上の者」「短大または高専を卒業した者」といった学歴が挙げられ、入学年の4月に「25歳未満」という年齢制限も設けられています。

入試では筆記試験や面接、適性検査などが実施され、とくに身体検査は非常に厳しい基準となっており、ここで落ちてしまう人も多いといわれます。

このおほか、一般の私立大学でも、ライセンス取得を目指せる学科を置くところが出てきています。

パイロットを目指せる学校は少しずつ増えているため、興味がある人は、ぜひ詳しく調べてみてください。

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パイロットの資格・試験の難易度

パイロットとして活躍できる人はごくわずか

大手航空会社の自社養成パイロット採用試験は非常に難易度が高く、年度によっては100倍以上の高倍率になることもあるといわれています。

一方、航空大学校の入学試験は、最終合格の倍率は例年約10倍と発表されています。

一人前のパイロットを養成するまでの間、訓練には膨大な費用がかかります。

このため、途中で脱落することがないよう、どのような企業や施設でも、パイロット候補者の採用は厳しく行われています。

パイロットには健康体であることや、責任感、判断力などさまざまな要素が求められ、限られた人だけがパイロットになるきっかけを得られます。

パイロットライセンスにはさまざまな種類がある

訓練を受けて取得できるパイロットのライセンスには「定期運送用操縦士」「事業用操縦士」「自家用操縦士」の3種類があり、それぞれ操縦できる範囲などに違いがあります。

このほか、航空機の機種ごとに取得を定められている資格もあります。

パイロット志望者はさまざまな訓練を乗り越えなくてはなりません。

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パイロットの給料・年収

専門的な技術が求められる職種で、平均年収は高め

パイロットは高収入の職業として知られています。

パイロット全体の平均年収は1000万円以上で、とくに大手航空会社に勤務しベテランになれば、年収2000万円~3000万円ほどになるケースもめずらしくありません。

一方、大手航空会社の子会社や格安航空会社などの場合、年収1000万円程度にとどまる場合もあります。

それでも、パイロットになるには厳しい訓練を重ねる必要があること、また乗客の人命を守るという大きな責任がともなう職業であることから、待遇については優遇されています。

各種手当も充実している場合が多い

パイロットとして遠方へのフライトが入る場合には、基本給とは別で出張費のような手当がつきます。

このほか、多くの企業で年に1~2回のボーナスが出るほか、通勤手当や住宅手当、家族手当など各種手当が用意されています。

経験年数が増えるほど収入は上がりますが、こうした手当も含めると、勤務先によっては、20代や30代前半のうちに年収1000万円に達する人もいます。

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パイロットの現状と将来性・今後の見通し

自主的にライセンス取得を目指して活躍する道が広がった

パイロットとして働くには、専門的な訓練を受けてライセンスを取得しなくてはなりません。

誰もがすぐにできる仕事ではないため、これまで大手航空会社では、自社で優秀なパイロットを育成することに力を入れてきました。

しかし昨今、航空各社はパイロット養成にかかるコストの大きさに頭を悩ませており、自費でライセンスを取得した人を積極的に採用する傾向が見られます。

そもそも海外では昔から自費でライセンスを取得するのが一般的で、日本でも今後はこの動きが加速すると考えられています。

近年、格安航空会社の参入事例が増えたことによって、ライセンスを持つパイロット志望者にとってのチャンスは広がりました。

また、国土交通省は平成27年にパイロットの年齢上限を「68歳」にまで引き上げたため、健康な身体と高い技術力を持ち続けられれば、シニアになっても第一線で仕事を続けることが可能です。

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パイロットの就職先・活躍の場

パイロットのライセンスを生かせる場は多様

パイロットの就職先で最も代表的といえるのが、JALやANAをはじめとする航空会社です。

大手航空会社の子会社の航空会社、また格安航空会社でもパイロットが活躍できます。

その他では、遊覧飛行、チャーター飛行や物資輸送、測量飛行、報道取材などのために軽飛行機やヘリコプターなどの小型機を運航する民間企業に勤務する人もいます。

他方、警察や消防、海上保安庁や航空・陸上自衛隊などの官公庁にて、公務員として働くパイロットもいます。

このうち自衛隊では航空大学校を卒業した「航空学生」を採用して内部での養成を行っていますが、それ以外の官公庁では、パイロット経験者を対象とした採用が主です。

いずれの場合でも、パイロットとして働くにはライセンスが必要です。

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パイロットの1日

国内線では1日に複数便のフライトがある

航空会社で働くパイロットの場合、安全なフライトに向けて、運行管理者やキャビンアテンダントなどスタッフとの打ち合わせから1日はスタートします。

国内線・国際線によって業務スケジュールは異なり、国内線を飛ぶ日は1日に3本ほどのフライトを担当するのが一般的です。

7:30 ブリーフィング(打ち合わせ)
8:20 機内へ
8:35 安全確認を行って離陸
10:00 地方空港へ到着
10:50 再び羽田空港へ出発
12:30 羽田空港へ到着・昼食休憩
13:25 再び地方空港へ出発
14:30 到着・デブリーフィングをして現地に宿泊

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パイロットのやりがい、楽しさ

空を飛ぶ非日常感と大きな達成感が得られる仕事

パイロットを目指す人の多くが、航空会社で大きな旅客機を操縦することを夢見ていることでしょう。

しかし、機長になるためには15年ほどの飛行経験が必要になり、その途中にもさまざまな訓練を乗り越えなくてはなりませんん。

パイロットは多数の乗客の命を預かる仕事だけに、大きな緊張感が時に重くのしかかってきますが、その分、毎回安全にフライトが終わるたびに大きな達成感が得られます。

また、「空の上」という非日常的な空間で過ごす体験を人生で多々味わうことができ、世界中のさまざまな土地に行って、多様な価値観や文化に触れられるのも、この仕事ならではの魅力といえます。

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パイロットのつらいこと、大変なこと

勤務中は相当な緊張感が続く

パイロットは、コックピットに座っている間、常に神経を張っています。

多数の乗客の命はパイロットの手にかかっているといっても過言ではありませんし、万が一のトラブルが発生した場合は、パイロットが判断を下さなくてはなりません。

非常に責任の重い仕事であり、精神的に強くなければやっていけないでしょう。

また、世界中を飛び回るパイロットにとって避けられない職業病といえるのが「時差ボケ」です。

生活時間が異なる国へのフライトが次々に入ると、どうしても体にも疲労が溜まりやすいです。

なお、パイロットは健康状態が厳しく問われる職業で、もし身体に問題が見つかってしまえば、パイロットとして仕事を続けることができなくなってしまいます。

健康管理には人一倍気をつけて過ごさなくてはならず、休みだからといって、なかなかハメをはずすことはできません。

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パイロットに向いている人・適性

マルチタスクを苦にせず自己管理がきちんとできる人

パイロットは、緊張下で状況に応じて複数の機器を動かすなど、いくつものことを同時進行で行わなくてはなりません。

そのため「マルチタスク型」の人のほうが向いているといわれています。

また、パイロットは勤務中、自ら判断をしなくてはならない場面が多いため、人から言われたことだけをやる受け身の人にはあまり向いておらず、前向きな積極性も重視されます。

加えて、パイロットは最低でも半年に一度「航空身体検査」と呼ばれる特殊な身体検査をクリアする必要があります。

定められた身体基準を満たすよう、自己管理がきちんとでき、常に健康的な状態を保てることも適性のひとつです。

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パイロット志望動機・目指すきっかけ

飛行機が好きな人や、パイロットへの憧れの気持ちから

パイロットを目指すきっかけは「飛行機が好き」というものが多いです。

子どもの頃から空港で飛行機を眺めるのが好きだったり、空を飛ぶことに興味があったりして、パイロットへの憧れからこの職業を目指すケースが目立ちます。

また、パイロットという職業は、ドラマや映画などでもよく取り上げられるため、そこで描かれる仕事の様子や働く姿に魅了されて、パイロットを志す人もいます。

パイロットは、まず候補生として採用されることが簡単ではありませんが、いざ採用されてからも勉強や訓練を続けていかなければなりません。

専門技術を要する難しい仕事、誰もができる仕事でないからこそ、そこに挑戦したい気持ちが沸き起こる人もいるようです。

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パイロットの雇用形態・働き方

正規雇用されるケースが多い

パイロットとして働く人の多くは、各勤務先の社員や職員として働いています。

勤務先が民間の航空会社や事業所であれば、正社員として働くことがほとんどですが、一部契約社員などの形で働く人もいます。

また、警察や消防、あるいは海上保安庁や航空・陸上自衛隊などの官公庁でパイロットを務める場合は、公務員の身分となります。

パイロットとして実際に操縦する前には、地上勤務などを通じて「訓練生」として勤務します。

この時期も多くのケースでは正規雇用され、給与が支払われます。

パイロットの勤務時間・休日・生活

担当する路線によってもばらつきがある

パイロットの勤務時間は、勤務先や担当する路線によって異なります。

航空会社で国内線を担当する場合、朝6時ごろから夜は22時ごろまでフライトがあり、1日に3便ほど乗務するのが一般的です。

一方、国際線を担当する場合は、国内線以上に不規則な生活になります。

夜遅くに出発するフライトでは、日本時間で深夜から明け方を通してずっと働かなくてはなりません。

欧米など10時間以上のフライトになることもありますが、そのような場合には交代要員がいるため、途中で軽く休憩や仮眠をとることができます。

休日は月に10日程度で、きちんと取得できますが、曜日は不規則です。

また、体調不良などを理由に急な休みのパイロットが出た場合に備え、地上でスタンバイする日もあります。

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パイロットの求人・就職状況・需要

パイロット不足が課題になっている企業が多い

「団塊の世代」が定年を迎えたことで、大量のパイロットが現場を去り、各航空会社では深刻なパイロット不足に頭を悩ませています。

とくに近年「LCC」という格安航空会社が増えていることや、成田空港・羽田空港の整備や拡張が進んでいるため、国際線の発着数が右肩上がりに増えています。

業界として新たな人材の確保が急務となっており、即戦力として活躍できる経験者枠での採用が増える傾向があります。

新卒採用もゼロではありませんが枠が小さいため、強くパイロットを志望している人は、学生時代にライセンスを取得できる道を模索し、有利に就職活動を進めるのもひとつの手でしょう。

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パイロットの転職状況・未経験採用

ライセンス取得者を優先的に採用する傾向が見られる

パイロットへの転職は、簡単ではありませんが、可能です。

パイロット養成には多くの時間や費用がかかることから、近年の航空各社は、すでにライセンスを取得し、プロパイロットとして経験のある即戦力になる人を外部から採用する動きが活発化しています。

LCCではこの先、新卒の学生を採用して自社で育成する方針も打ち出していますが、時間とコストの面からまだ見通しは立っていない状況です。

なお、パイロットの採用には年齢や身体的な基準が設けられることが多いため、志望先を定めたら、事前に条件を確認しておく必要があります。

ここ数年では業界全般の動きが激しくなっているため、少なからず採用募集状況にも影響があると思われます。

パイロットを目指す人は、最新の業界情報を積極的に集めておきましょう。

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ヘリコプターのパイロットになるには

どの組織でヘリコプターパイロットになりたいのかを考える

パイロットのなかには、大型の旅客機ではなく、ヘリコプターを操縦する人もいます。

ヘリコプターは、医療現場に急行する「ドクターヘリ」や、災害現場で活躍する「救助ヘリ」などがあり、警察や消防、自衛隊などで公務員として活躍するパイロットが多いです。

ヘリコプターパイロットとして操縦をするには「自家用操縦士免許」を取得後に「回転翼事業用操縦士」の免許取得が必須です。

また「航空特殊無線技士」または「航空無線通信士」の資格も義務づけられています。

こういった免許・資格は、所定の訓練を受けなければ取得できないため、まずはどの組織でパイロットになりたいのかをよく考えましょう。

たとえば海上自衛隊では「航空学生」として採用されると、訓練を受けてヘリコプターパイロットを目指せます。

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女性でもパイロットになれる?

性別問わずパイロットとして活躍可能

パイロットは男性の仕事というイメージが抱かれがちですが、実際には性別関係なく活躍できる職業です。

大手航空会社のJALやANAでは、すでに女性のパイロットが活躍していますし、その他の航空会社のパイロット採用試験でも性別による応募制限を設けていません。

自衛隊でも女性パイロットは活躍しています。

近年はパイロット養成のためのカリキュラムを設置する大学も増え、パイロットになるための道が広がってきたことで、今後、女性パイロットはさらに増えていくものと考えられます。

ただし、パイロットには安全な運航のための身体条件が設けられており、身長が極端に低めだったり体力面で不安があったりする場合、パイロットを目指せない可能性があります。

また、国際線を担当する場合は不規則な勤務体系となり、なかなか自宅に帰れない日が続くこともあります。

パイロットのメリット・デメリットをよく理解して、本当になりたいと思えるか考えていくとよいでしょう。

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