自動車部品メーカーへの転職・中途の未経験採用はある?
自動車部品メーカーへの転職・中途の未経験採用はある?
同業種からの転職が多い
自動車部品メーカーの転職者の多くは、これまでも自動車部品に関わっていた同業界・同業種の人が占めています。
とくに技術系職種は、高い専門性が問われることもあり、同業種の転職となることが多いです。
これまでベアリング部品の設計にたずさわっていた人であれば、同じベアリング設計職に転職するのが一般的です。
一方で、営業や人事などの事務系職種では異業界から転職を成功させる人もいます。
IT業界や金融業界など全く異なる業界で法人営業にたずさわっていた人が、自動車部品メーカーの法人営業に転職するケースも少なくありません。
即戦力が問われる
転職者に対しては、即戦力となる職務経験やスキルが求められるのが一般的です。
応募条件に「〇〇の業務経験〇年以上」「〇〇分野の業務知識必須」「プロジェクトマネージャーの経験」など、具体的な指定のある求人もあります。
知名度のある大手部品メーカーほど、優秀な経歴を持つ人材が集まってくるため、必然的に求められる経験やスキルのハードルも高くなります。
未経験採用枠もある
近年の自動車部品業界の傾向は、若者のクルマ離れの影響などもあり、若手人材が不足してきていることです。
また、業界の転換期でもあるため、さまざまな経験や価値観をもつ人材を取り込もうとする動きも見られます。
異なる業界出身の未経験者を採用する会社も増えてきており、中小やベンチャーの部品メーカーでは、未経験採用が積極的に行われています。
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自動車部品メーカーへの転職の志望動機で多いものは?
転職時の志望動機はさまざまですが、一般的に次のような動機です。
<転職者の志望動機で多いもの>
・前職で養った技術スキルを生かし、貴社で〇〇のような部品を作りたい(設計職)
・自動車部品メーカーのグローバルな環境で、国際的な営業活動がしたい(営業職)
・工場での製造経験を生かし、設計職にステップアップしたい(製造・生産職)
・国内の基軸産業でもある自動車部品業界でモノづくりにたずさわりたい
・自動車部品に将来性や安定性を感じたため
・自動車(自動車部品)の構造やテクノロジーに関心をもった
転職者の場合、「前職の〇〇の経験を生かし△△をしたい」といったように、これまでの社会人生活を通して経験したことや得たことが志望動機のベースとなっていることが多いです。
ただし未経験者の場合は、新卒学生のように「自動車が好きだから」「自動車部品に関心があるから」「モノづくりにたずさわりたいから」など、興味関心を志望動機として押し出す人もいます。
「自動車が好きだから」という志望動機は、自動車メーカー(完成品メーカー)を志望する動機と重なるので注意しましょう。
自動車全体ではなく、自動車部品にまで言及することがポイントです。
自動車部品メーカー社員の志望動機と例文・面接で気を付けるべきこと
未経験から自動車部品メーカーで働くには
未経験向けの求人に応募する
未経験でも応募可能な求人はありますので、まずは応募(エントリー)をし、選考に参加することが自動車部品メーカーで働くための第一歩となります。
未経験でも応募可能な選考方法は主に3つあります。
・新卒採用 在学中の現役学生が対象(学校卒業後に就業経験がない場合は、既卒者でも新卒採用に参加できる会社もあり)
・第2新卒採用 学校卒業後1~5年程度の社会人が対象
・未経験採用 既卒者で関連する職務経験のない人が対象
20代前半~中盤程度の年齢の若い人であれば、新卒採用や第2新卒採用を使って入社し、一から育成してもらうのが望ましい形です。
年齢などの条件から外れてしまう場合は、未経験採用枠での応募となります。
なかなか採用が決まらない場合は、関連する資格を取得したり、職業訓練校で関連技術を学ぶなどして、アピール材料を増やす努力も大切です。
大手の部品メーカーで働くには?
大手部品メーカーの多くは、新卒採用・第2新卒採用・キャリア採用(経験者向け)の3方式とし、未経験採用は行っていません。
新卒や第2新卒のタイミングをのがすと、大手の部品メーカーに入社するのは難しいでしょう。
ただし、いったん他の会社で経験を積んだのち、キャリア採用として大手に入社することは可能です。
たとえば設計職であれば、まずは未経験採用を行っている中小の部品メーカーで設計を学び、数年後に大手部品メーカーの設計職に転職するというキャリアプランが描けます。
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自動車部品メーカーへの転職に必要な資格・有利な資格
資格の必要性
自動車部品メーカーで働く上で必須の資格や免許はありません。
資格を所持していなくとも、自動車部品の開発や生産を行うことはできます。
転職の選考においては職務経験やスキルのほうが重視されます。
資格の所持が選考を大きく左右する要素にはならないでしょう。
ただし資格は一定の知識や技能を所持している証となり、またその職業に対しての意欲の表れともなるので、選考時のアピール材料にはなります。
とくに全くの未経験者であれば、資格を所持していることの意味や効果は大きくなります。
有利な資格
自動車部品メーカーは社員全般に「英語力」を求める会社が多く、「TOIEC」のスコアが応募条件や歓迎条件に設定されていることもあります。
そのため、TOIECの高スコアを所持していると選考で有利です。
目安として大手の部品メーカーであれば、事務系職種・技術系職種問わず、TOIEC600点以上を所持しておくと心強いです。
生き残りをかけてビジネスを海外にシフトさせていく自動車部品メーカーも増えるといわれています。
グローバル化が進み、海外の顧客や支店とやり取りする機会も増えてきているため、自動車部品業界で転職やキャリアアップをする上で、英語力は欠かせない能力です。
自動車部品メーカーへの転職に役立つ職務経験は?
自動車部品メーカーで働く上で、次のような職務経験を生かすことができます。
・モノづくりの経験(開発や設計、生産など)
・チームや集団で仕事を進めた経験
・マネジメントやリーダーの経験
・英語(外国語)を使ってビジネスをした経験
・自動車や機械製品に関する知識
自動車部品メーカーでは、一つの部品を作り上げるためにさまざまな部署の社員が力を合わせており、周囲との連携や調整業務も発生しやすい環境です。
チームやプロジェクトを組み仕事を進めた経験、調整業務の経験などがあると、転職後もその経験を生かしやすいです。
さらに、リーダーやマネージャーとして周囲をまとめた経験があればよいでしょう。
「英語力」が求められる環境でもあり、営業職はもちろん、技術部門や生産部門でも英語を用いることが多いです。
英語でのコミュニケーション経験、海外顧客と英語でビジネスをした経験などがあれば強みとすることができます。
自動車部品メーカーに転職可能な年齢は何歳くらいまで?
大手中小問わず、最近は年齢で制限する求人は減りつつあり、何歳であっても転職することは可能です。
ただし未経験者採用の場合、若い人材が欲しいというのが企業側の本音なので、転職はできる限り20代のうちが望ましいでしょう。
設計開発などの技術系職種は、一人前になるまでに長い年月がかかるため、30代40代になってから入社するのは現実的でない部分もあります。
自動車部品業界は老舗企業が多く、古くからの「年功序列」を採用している会社も多めです。
年齢を重ねてからの入社となると、年功序列の恩恵が十分に受けられません。
同世代の先に入社している社員に比べ、給料水準で大きく劣ってしまうこともあるので覚悟が必要です。