女性の自動車部品メーカー社員のキャリアパス・結婚後の生活

女性の自動車部品メーカー社員の現状

女性社員はまだまだ少ない

自動車部品業界の社員は、男性が大多数を占めています。

女性社員比率が1割前後の会社も多く、中には数えるほどしか女性社員がいないという部品メーカーも存在します。

とくに総合職や技術職として働く女性社員は少なく、女性のリーダーや管理職というのもまだまだ不足しているのが実情です。

中小の部品メーカーなどでは、「女性は男性のサポート的な立ち位置」として考える古い価値観の会社もあるようです。

女性を取り巻く環境は変わりつつある

その一方で、近年は「ダイバーシティ(多様性)」の考え方が一般的になっていることから、これまで男性中心であった会社でも、女性を積極的に採用する例が増えています。

大手自動車部品メーカー「デンソー」では、社会人経験がある女性を対象に、職種を限定しない「女性オープン採用」を実施しています。

「デンソー」では、女性管理職の人数を2015年の40名から2020年には100名までに伸ばす取り組みが進められ、2020年1月1日に女性管理職数が100人に到達しました。

また、完全在宅勤務、モバイルワーク、短時間勤務など、家庭を持つ女性に対しての支援制度を充実させる企業も増えてきています。

自動車業界・自動車部品業界はいま100年に一度の大改革の時代に突入しており、これまでにない変化が求められています。

そのため、多様性を重んじ、性別や国籍問わずさまざまな方面から有能な人材を集める傾向にあり、今後はその動きがより強まるでしょう。

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女性の自動車部品メーカー社員の強み・弱み

女性の強み

女性社員の強みの例は、次の通りです。

・チームプレイや調整業務の多い業界のため、女性ならではの協調性やコミュニケーション力が生きる
・自動車部品の設計や製造にはミスや誤差が許されないため、女性ならではの丁寧さや器用さが強みとなる
・女性ならではの視点で女性ドライバーのニーズをとらえられる

総合職で入社した場合、いずれ大勢の部下や非正規労働者などをまとめるポジションにつくこともあるため、高いコミュニケーション力が求められます。

女性の弱み

女性社員には、次のような弱みが考えられます。

・業界柄、機械好きな男性社員が多いため、女性では雰囲気に馴染みにくいことがある
・生産工場などに配属されると、力仕事もあり、女性では身体的に不利になることがある
・「女性よりも男性のほうが自動車に精通している」といった古くからの価値観で不利になることがある

生産工場や生産部門に配属となると、重い機械を動かしたり資材を運んだりするなど、力仕事が発生することもあります。

女性社員は体力面で不利になる場合もあるでしょう。

女性社員の結婚後の働き方・雇用形態

総合職として入社する女性社員には、もともとキャリアウーマン志向の人も多いため、結婚を機に家庭に入る人は少なめです。

一般的に、女性社員は結婚後も、そのまま正社員の総合職として働き続け、管理職としてのキャリアを歩んでいきます。

結婚後に子どもができた場合には、育児休業などを利用し長期休業に入る女性もいますが、子育てがひと段落したら再び復職するケースが多めです。

一方、一般職で入社した女性社員は、結婚を機に退社したり、パートやアルバイトなど家事と両立しやすい仕事に転職したりする人も少なくありません。

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自動車部品メーカー社員は子育てしながら働ける?

子育て支援は充実してきている

子育て支援の環境づくりや女性の働き方改善に取り組む自動車部品メーカーも増えてきています。

<自動車部品メーカーの子育て支援の取り組み例>
・子育て中の女性に「リモートワーク」や「時短勤務」などの勤務形態をとらせる
・育休前後面談や復職面談などを実施
・子育てや家庭の事情で退職した社員の再雇用
・社内に託児所を設置
・社内に女性相談窓口を設置(キャリアや育児などの相談窓口)
など

小さな子どもを抱えながらも、在宅勤務や短時間勤務などをうまく活用しつつ、仕事と子育ての両立を図る女性社員も少なくありません。

大手の自動車部品メーカーほど、子育て支援の制度は手厚いため、育児との両立はしやすいようです。

子育てとの両立が難しい要素もある

自動車部品業界ならではの子育てと両立が難しい要素もあります。

・全国各地の支店・工場への転勤がある(場合によっては海外赴任もある)
・納期間近などには長時間残業や休日出勤が生じることがある(設計開発職など)
・シフト勤務で夜勤や土日出勤が生じることがある(生産部門など)
・フルモデルチェンジの時期などには多忙になり帰りが遅くなりやすい
など

総合職で入社した社員の場合、数年おきに全国各地の支店に転勤が命じられるケースもあります。

その度に引っ越すため、配偶者や子どもに負担が掛かりやすいでしょう。

また、自動車部品メーカーはグローバルに事業を展開する会社も多く、海外の支店や工場への出張や単身赴任が生じることも少なくありません。

海外に長期出張となり何週間も国内に戻れないケースもあるため、子育てにおいて周囲の協力や支援が必要になります。

自動車部品メーカーは女性が一生働ける仕事?

定年までは安定して働ける

自動車部品メーカーは、60~65歳を定年としている会社が多いです。

大きなトラブルなどを起こさない限りは途中でリストラされることは少なく、基本的には定年まで安定して働き続けることができます。

自動車部品業界では「年功序列」を採用している会社が多いため、真面目に長く働き続ければ、勤続年数に応じて着実に昇進していくことができます。

総合職入社の社員の場合、20代~30代のうちはジョブローテーション制度の下でさまざま部門を経験し、30代中盤頃より役職が与えられ徐々に管理職にシフトしていくのが一般的です。

女性が年齢を重ねてもハンデは少なく、安定して働き続けることができます。

定年後も一生働けるか?

自動車部品業界は平均年収も良好であり、退職金の待遇もよいため、定年後は現役時代に稼いだ蓄えや年金をもとに、ゆったりとした老後生活をおくる人が多めです。

とはいえ近年は、生涯現役として、定年後も働き続けたいという人もいます。

自動車部品業界としても新たな働き手としてシニア人材に注目し、「定年後再雇用」や「シニアチャレンジ制度」など定年後のキャリアをサポートする制度をもうける企業がふえています。

自動車部品業界で長年つちかった技術やスキルは武器になり、精通した経験があればシニア世代でも活躍し続けることは可能です。

そのための環境も徐々に整備されつつあります。