臨床心理士の1日のスケジュール・勤務時間や休日についても解説

総合病院(精神科)で働く臨床心理士の1日

病院に勤めている臨床心理士は、それぞれの病院の開院時間に合わせて勤務しています。

たとえば、総合病院であれば朝の8時半から夕方18時くらいまでのシフトになることが多いようです。

小児科や内科などの個人の病院でも、大体同じような勤務時間になります。

その一方で、仕事帰りの会社員やOLをターゲットにした都心のクリニックの場合は、夜遅くまで働くことがあります。

8:15 出勤
白衣に着替えて準備を整えます。前日から何か変わっていることがないか、その日のスケジュールを確認します。
8:45 ミーティング
科内のスタッフでミーティングを行い、情報を共有します。総合病院で働く臨床心理士は、一緒に働く医師看護師などと連携をとることも非常に重要です。
9:00 午前の診療スタート
病院が開院したら、外来患者の対応を行います。必要に応じて心理検査やコンサルテーションを行っていきます。
9:30 カウンセリング
患者さん一人あたりの面接時間は30分〜1時間程度。限られた時間内で、効果的なカウンセリングができるように集中します。
12:00 休憩
持参したお弁当を食べながら頭を休めます。少し外の空気を吸ってリフレッシュすることも。
13:00 入院患者の対応
精神科だけではなく、他科に入院中の患者さんの相談業務を行うこともあります。
14:30 午後の診療スタート
午前中と同様に、外来患者のカウンセリングや心理検査を中心に行います。医師の代わりに健康上の不安や悩みを聞くことも多くあるため、内容を忘れないよう都度記録を付けていきます。
17:00 カルテ記入
外来が落ち着いたタイミングでカルテを記入したり、カンファレンス(他のスタッフとの話し合い、打ち合わせ)を行います。新患が多く忙しい日は、業務時間外にこれらの作業をすることもあります。
18:00 業務終了
残業がなければそのまま帰宅して自宅でゆっくりと過ごしたり、帰りがけに買い物を楽しむこともあります。

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中学校のスクールカウンセラーとして働く臨床心理士のある1日

学校のスクールカウンセラーとして働く臨床心理士は、それぞれの学校のスケジュールに合わせて勤務します。

基本的には朝8時半頃に出勤して、日中の間に子どもや教職員とのカウンセリングを行うことになります。

特定の学校に常駐するスクールカウンセラーの場合は毎日出勤しますが、予算や人手の問題もあり、こうしたケースは多くはありません。

週に3日ほど決められた曜日や時間帯に出勤する学校も多いのが現状です。

それでは非常勤のスクールカウンセラーのスケジュールを見てみましょう。

8:30 出勤
出勤すると、まずは教師と打ち合わせを行い、カウンセリングが必要な生徒の情報を集めます。
10:00 カウンセリング
当該生徒の個人面接を行います。スクールカウンセラーの場合、カウンセリングの場だけでやり取りを完結するのではなく、日常の生徒の様子を観察することも重要です。
12:15 休憩
不登校に関する参考文献に目を通しながら昼食をとります。
13:00 授業観察
カウンセリングを必要とする生徒の授業中の様子を観察。ここで得た情報は後で記録し、次のカウンセリングに生かしていきます。
14:00 教員とのコンサルテーション
担当教員と連携をとりながら、生徒に対してどのように接していけばいいのかをアドバイスして、今後のカウンセリングの進め方について話し合っていきます。
15:45 勤務終了
非常勤で働いているため、1日の仕事は6時間程度となっています。年度はじめ、夏休みなどの長期休暇明け、進路選択を行う12月以降になると相談業務が増え、忙しくなりがちです。

臨床心理士の業務スケジュール

臨床心理士は、病院や学校、企業、児童相談所などさまざまな場所で働いています。

そのため、勤務先によって働く時間帯や1日のスケジュールも大きく異なってきます。

たとえば、病院やクリニックなどの医療機関であれば開院時間に合わせて働きます。

学校や児童相談所であれば、子どもの生活に合わせた日中の仕事がメインです。

企業で社員のメンタルヘルスのサポートを担当している場合は、仕事の休憩時間や就業後の時間を使ってカウンセリングを行います。

さらに、臨床心理士の雇用形態によっても働き方は異なります。

正規雇用であれば週に5日、フルタイムで働きますが、非常勤の場合は週に3日程度の出勤になることも珍しくありません。

ここでは、臨床心理士の代表的な職場となる「病院」と「学校」で働く臨床心理士のある1日を紹介します。

臨床心理士の勤務時間

臨床心理士の勤務時間は、勤務先や雇用形態によって異なります。

まずは、福祉施設や民間の研究機関、また一般企業などに常勤や正社員として勤務する場合。

朝9時から18時頃まで、実働7〜8時間程度の勤務となることが多いようです。

これは一般的な企業に勤めるサラリーマンの働き方と同じような勤務と考えてよいでしょう。

地方公務員の心理職の場合も、他の公務員に準ずる勤務時間です。

その一方で、仕事帰りの会社員を対象とするクリニックの場合は、朝は遅めのスタートで20時や21時まで勤務するところもあります。

病院での勤務であれば、職場によっては「早番」「遅番」などの形で働くシフト制となります。

まれに当直が入る可能性もあります。

臨床心理士の休日

臨床心理士が活躍するフィールドでは、土日祝日を休日とする職場が多いようです。

たとえば、学校のスクールカウンセラーや企業の保健室でのカウンセリングは、基本的に土日祝日は休みになります。

一方、総合病院など定休日がない職場に勤務する場合はスタッフが交代で休みを取り、平日が休日となる可能性もあります。

お盆休みや正月休みは暦通りに取れることが多いようです。

また、常勤の場合は週休2日制が基本となりますが、非常勤の場合は週5日フルタイムで働けないことが一般的です。

そのため、いくつかの職場を掛け持ちして働いている人が多いのが現状です。

見方を変えれば、非常勤のほうが自分次第で休日を自由に設定しやすいともいえます。

臨床心理士の残業時間

残業の状況も働き方や勤務先の体制などによってまちまちです。

個人経営のメンタルクリニックのような人員が多くない職場では、一人あたりの業務量が多くなる傾向があります。

時間外でカウンセリングの記録をつけたり、各種の事務作業を行うためにどうしても残業時間が多くなることがあるのです。

クライエントがあってこその仕事なので、相手の都合によっては日によって決まった勤務時間が多少ずれることも考えておかなければなりません。

臨床心理士に夜勤はある?

臨床心理士は医療や福祉、教育、司法など多様な領域で活躍しています。

基本的には、毎日のように夜勤があったり月に何十時間もの残業があったりというケースは、さほど多くないようです。

しかし、勤務時間が終わってから自主的に専門書を読んだり勉強会に出席したりすることは珍しくありません。

これは夜勤とはいえませんが、実質的には仕事の延長線上にあるものとはいえるでしょう。

専門性の高い職業だけに、こうした時間を自分で作ることも大切です。

臨床心理士は忙しい?激務?

ストレスが蔓延する現代社会。

子どもから高齢者まで、多様な心の問題に悩む人が増えています。

それと同時に臨床心理士に期待される役割も大きくなっていることは間違いありません。

しかし、その仕事がどれだけ大変かということに関しては、一概にいえるものではありません。

人によっては、待遇に恵まれない職場にいて「仕事と給料が見合っていない」「他の医療系の専門職よりもハードワークだ」と感じることもあるでしょう。

資格を維持するために専門的な勉強を続けなければいけないので、こうした学習時間を苦痛に思う人もいるようです。

これに関しては他の専門職も同じような状況ではあるので、個人の感じ方や受け止め方次第になるでしょう。

臨床心理士の休日の過ごし方

臨床心理士は、人の心の問題と向き合う職業です。

ときにはクライエントの負の感情を真正面から受け止めることもあり、自分自身の心まで疲れてしまうこともあります。

休日はそんな心をリフレッシュさせるための貴重な時間です。

映画鑑賞や音楽鑑賞、スポーツなど好きなことをして心身を健康に保てるようにします。

こうした時間が、クライエントとの会話の糸口を掴むきっかけになることもあります。

最近見た映画の話、好きなミュージシャンの話、趣味のスポーツの話で、思いがけず相手と意気投合できることもあるのです。

仕事を通してさまざまな人とコミュニケーションを取るので、休日を活用して話のタネをストックしておくことも大切です。