「保健師」と同じく、医療職に分類される職業のひとつとして「看護師」があります。
実際、保健師になるにあたっては看護師免許の取得が必須とされているなど両者には近しい面もありますが、具体的にそれぞれの職業にはどのような違いがあるのでしょうか。
ここでは、保健師と看護師の役割や活躍の場などを見ながら紹介していきます。
資格と仕事はどう違うのか?
まずは、それぞれの役割について見ていきましょう。
看護師は、「病気やケガをした人のお世話や医師が行う治療の補助を通して、患者さんの状態が良くなるように手助けをすること」を役目としています。
一方の保健師は、子どもからお年寄りまで、幅広い年代の人たちが「病気にならないように指導すること」を最も重要な役目としています。
看護師も保健師も、医療に関する知識を持って人間の健康に深く関わることに変わりはありませんが、看護師がすでに病気になっている人のサポートをするのに対し、保健師は病気になる前の人の健康状態をサポートする仕事だといえます。
なお、保健師になるうえでは「看護師免許」を有することが厳格化されているため、保健師として働いている人は、看護師の仕事をすることもできます。
しかし、看護師が保健師の仕事を行うことはできません。つまり、保健師は、看護師の資格(知識)を基に、さらに一歩踏み込んだ「健康」に関する幅広い仕事を行うことができるといえます。
活躍の場の違い
保健師は、看護師の資格を有しながらも、活躍の場は看護師とは大きく異なります。
一般的に、保健師は地域の保健所や企業の保健室、学校の保健室などに勤務し、そこで生活する多くの人の健康を管理し、病気の予防、保健指導を行います。
もちろん、病院で働くこともできます。とくに「検診センター」のある病院なら、保健師としての資格を生かすことができます。
病棟や外来勤務をすることもありますが、その場合には、看護師と同じ業務を行うことが多いと考えられます。
看護師の場合、そのほとんどが病院やクリニックといった医療施設で勤務することを考えると、保健師のほうが活躍できる領域は広いといえるでしょう。