保健学部で学ぶこと、学科、志望理由、就職先(読了時間:12分53秒)

健康の探求・維持増進を目指す科学

保健学部とは

保健学部は、人間の健康を保つため、主に予防医学について学ぶ学部です。

衛生保健学では疾病の原因や予防方法について学びます。

保健・環境科学では健康を阻害する要因となるものについて研究します。

保健・栄養学では食生活や食品について健康維持の観点から研究します。

保健学部を志望する人の多くは、看護師や理学療法士といった医療・保健・福祉の分野で働きたいという希望を持っています。

その夢を叶えるために、大学で専門知識を身につけることが志望動機となっている人が大半です。

明確な目標を持って入学してくる人が多いことから、夢を叶えるためにまじめに勉強する人が多い傾向があります。

保健学部の男女比は、理学療法学など一部の学科を除いて、女子学生の割合がかなり高いと言えます。

学科によっては、男子学生は数えるほどしかいない場合や全員が女子という場合もあります。

就職状況としては、多くの人が国家資格を取得し、医療・保健・福祉分野でのスペシャリストとして活躍していきます。

そのため就職率は高く、ほとんどの人が就職していく状況です。

医療・保健・福祉系のスペシャリストは需要が高いため、これらの分野の国家資格を取得しておくことは将来的に転職する場合にも大きな強みとなります。

保健学部の理念

保健学部は、人間の健康を保つことを目的とし、「衛生保健学」「保健・環境科学」「保健・栄養学」について専門的な教育と研究を行う学部です。

医学や薬学と深い関わりを持つ学部であり、医療現場で必要とされる保健に関する専門的な知識を身につけることはもちろん、臨床を重視した教育によって確かな実践力を身につけます。

こうした学びを通じ、最先端の医療現場において「チーム医療」の一員として社会に貢献できるさまざまな医療専門職の輩出を目指します。

保健学部で学ぶこと、勉強すること、授業内容、卒論

保健学部で学ぶこと

保健学部では、生理学、病理学、血液学、生化学、免疫学といった医学系の科目を中心に、学科ごとに作業分析学、運動解剖学、医療情報科学といった専門的な科目が置かれています。

1年次は、おもに一般教養や医学の基礎を習得し、年次が上がると医学分野を中心とした講義のほか、臨床実習も組み込まれてきます。

保健学部が設置されている大学は附属病院を持つところも多く、医療系の科目は附属病院の医師が講義を行ったり、臨床実習では病院スタッフの指導を受けながら、実践的な実習が行われます。

こうして理論と実践の両軸で専門性を高めながら、4年次には各専門分野における国家試験の合格を目指します。

保健学部の授業内容

保健学部の授業の特徴として、予防医学が源流の学問であることから臨床医学に関する内容が多いことが挙げられます。

生理学や病理学をはじめ、免疫学、血液学、解剖学、薬理学といった臨床医学と関わりの深い分野を中心に学びます。

また、保健に関する考え方を世の中に広く知ってもらうことも保健学の目的の1つですので、環境学や食品衛生学といった教育学や社会学と密接に関わる分野についても学びます。

授業では講義だけでなく学内外での実習も行われ、医療・保健・福祉の分野でスペシャリストとして活躍するための実践的な技能や知識について学ぶこともあります。

保健学部の卒論の例

  • 歯ブラシの衛生的管理方法の検討
  • アトピー性皮膚炎をもつ中・高生のセルフケア行動について
  • 児童の生活習慣改善を目指した養護教諭と教職員の協働について
  • 障害児を育てる父親への支援
  • 高等学校で行われている性教育における養護教諭の困難感と対処
  • つけまつげの管理・衛生状況と目の愁訴に関する研究
  • 食物アレルギーを持つ児の母親が育児や日々の暮らしを前向きにできる体験

保健学部で学んだことの口コミ

  • 専門教科が多く、就職して臨床で実際の患者様に対して治療を提供できる知識や技術を学びました。
  • 授業の半分は実技のため、実際に自分の手で触れて学んだことは今でも役立っています。
  • 国家資格試験に合格するための基礎的な知識を身につける授業があり、試験勉強に役立った。
  • 保健衛生に関する知識の啓蒙によって、時代を追うごとに暮らしの環境が良くなってきたことが理解できた。
  • 実習を通じて患者を担当することの大変さや、座学では学べない経験の部分を知ることができた。
  • 食物アレルギーやアトピー性皮膚炎など、自分に子どもが生まれてから活かせる知識も多い。

保健学部の主な学科・分野と概要

臨床検査技術学科

臨床検査技師として必要な知識と技術を習得し、先進医療技術について学びます。

作業療法学科

身体機能に不自由がある方が主体的に生活できるよう、機能の回復を促す治療・指導・援助を行う方法を学びます。

健康福祉学科

福祉・教育及び地域の人々の健康づくりに貢献するために必要な知識を学びます。

看護学科

医療・福祉の現場での看護や介護について実践的に研究します。

診療放射線技術学科

医療現場で用いられる放射線技術を扱うための知識と技能を習得します。

保健学部で学ぶ学問分野・概要

予防医学
集団検診、生活習慣病といった病気を予防する方法論について学びます。

疫学
地域・職業・年齢によって分類された特定の集団で罹りやすい病気について学びます。

保健栄養学
栄養学によって健康を維持増進する方法について学びます。

環境科学
食品衛生対策、感染症対策、放射線の健康影響、化学物質の健康影響などについて研究します。

血液検査学
ヒトの血液疾患診断の検査と病態解析に必要な知識について学びます。

臨床検査概論
臨床検査技師として必要な検査技術をはじめ、患者への対応など実習につながる知識を習得します。

保健学部で目指せる主な資格

・臨床検査技師
・養護教諭
・保健科教諭
・看護師
・助産師
・保健師
・臨床工学技士
・理学療法士
・作業療法士

保健学部で目指せる資格の多くは国家資格であり、高い専門性が求められます。

そのため、看護学科であれば看護師、理学療法学科であれば理学療法士といったように、学科での専門性と取得を目指す資格が対応していることが多いと言えます。

取得したい資格によって学科を選ぶというイメージです。

保健学部の大学選びのポイント

保健学部は、大学によって設置されている学科が異なります。

たとえば看護学科を保健学部の中に設置している大学もあれば、看護学部として独立した学部にしている大学も見られます。

福祉分野に力を入れている大学もあれば、理学療法士や作業療法士を輩出することに注力している大学もあります。

自分が将来なりたいものや、取得を目指している資格に合った学科が設置されているかどうか、大学案内やシラバスなどをよく読んで確認しておくことが大切です。

保健学部の入試方法・受験科目

国公立大学の場合、センター試験は4教科5科目(理科2科目、社会なし)を受験後、個別試験で面接を実施する大学が多く見られます。

大学によっては面接と併せて小論文を課す場合もあります。

私立大学では、英語が必須科目となっており、数学・理科(物理・科学・生物)・国語から2科目を選択するパターンが多い傾向があります。

医療現場で働くことを目指して学ぶ学部であることから、学力もさることながら、医療人としてふさわしい人間性を備えていることも重要な要件になります。

保健学部の学費

学費については大学や学科によって異なりますが、実習を行うことが前提になっている場合が多いことから、文系学部と比べると高額な学費が必要となることが多いと言えます。

一例として、
杏林大学保健学部理学療法学科では、初年度に1,988,370円(入学金250,000円、授業料1,150,000円、実験実習費50,000円、施設設備資金200,000円、入学検定料35,000円)、4年間で6,998,370円 といった学費になっています。

保健学部の志望理由、例文、面接

保健学部の志望動機

保健学部の男女比は、学科によって大きく違いが出ているようです。

看護学科の場合、女子学生の割合が9割以上を占めている大学もあるなど、女性のほうがだいぶ多いことが特徴です。

一方、臨床検査学科や臨床工学科などでは男子学生の割合のほうが大きいことも多く、学部全体で見ると女性がやや多めとなっているようです。

学生のほぼ全員が国家資格を取得して専門職に就くという明確な目標を持って過ごしているため、仲間との一体感は感じやすいでしょう。

また、人の命に関わることを学ぶため、まじめで責任感が強いタイプの人が多いようです。

保健学部の志望動機の例文

私は中学校時代から陸上部に所属し、高校に進学したらインターハイを目指すつもりでいました。

高校2年の冬に右足の靱帯を損傷してしまい、リハビリを受けながら復帰を試みてきました。

残念ながら高校在学中に復帰することは難しくなってしまいましたが、リハビリ中に理学療法士の先生にさまざまなアドバイスをしていただくと同時に、励ましの言葉をかけてくださり、精神的な支えになったのを覚えています。

以来、将来は理学療法士を目指したいと考えるようになりました。

私と同じように怪我で苦しんできた選手の力に少しでもなれたらと思い、理学療法学科を志望いたします。

保健学部のAO・推薦入試の面接で聞かれること

保健学部の志望者は多くの場合、入学前に何らかのきっかけで志望する学科の専門性を身につけたいと考えるようになったはずです。

そのため面接では、どのようにしてその資格を知ったのか、将来はその資格を活かしてどのように働いていきたいのか、といった点を中止に質問される可能性が高いでしょう。

また、実習が必須となっている学科も多いことから、ハードな実習の期間を乗り切る覚悟があるかどうか、精神的な面での強さを持っている人かどうかを見極める質問をされる可能性もあります。

プロフェッショナルである医療従事者を目指したい、という強い思いを伝えることが大切です。

保健学部の志望理由の口コミ

  • 理学療法士になりたいと思い、国家試験を受ける資格が得られる学校を探していたから。
  • 臨床経験が豊富な先生方がそろっていて、理学療法士を目指すには最適な環境だと思ったので。
  • 介護福祉施設やリハビリ施設を中心に就職率がとても高い学部と聞いていたから。
  • 医療に関わる仕事に就きたいと思っていたものの、医師を目指すのは厳しいと自覚していたため。
  • 作業療法士になるための勉強を、専門学校ではなく大学でしたかったから。

保健学部の雰囲気・男女比

保健学部には、大学によって看護学科が設置されている場合もあるなど、全体として女子学生の比率が高くなる傾向があります。

もちろん、理学療法士や作業療法士を目指して保健学部を志望する男子学生もいるのですが、全体としては女子が多いと言えるでしょう。

多くの人は「理学療法士になりたい」といった具体的な目標を持って入学してくるので、まじめに勉強する雰囲気がある大学がほとんどのようです。

身につけるべき知識が多いことから、試験やレポートに追われて「まじめに勉強せざるを得ない」」といった状況に近くなることもあります。

目指すべき夢のためにしっかりと勉強したいと思っている人にとっては、充実した大学生活となるはずです。

保健学部の雰囲気・男女比の口コミ

  • 男女比は2:8ぐらいで圧倒的に女子が多い。
  • 学科やクラスによっては全員女子のこともあるので、女子校のノリだった。
  • 学ぶことや身につける知識が多いので、まじめに勉強する人がほとんど。
  • 男子学生がそもそも少ないので、大学内で恋愛のチャンスはほとんどなかった。
  • 理学療法士や作業療法士など、なりたいものが明確に決まっている人が多かった。

保健学部の楽しいこと・大変なこと・つらいこと

保健学部では共通の目標を持った人同士が同じ学科で学ぶケースが多いため、共通の話題があり仲良くなりやすい傾向があるようです。

また、国家試験合格など明確な目標を持って入学してくる人もたくさんいるので、授業や試験にポジティブに取り組めたと感じている人もいるようです。

反対に、学内実習や臨床実習では学んだことを現場で活かすためのノウハウを学び、経験を積んでいくことになりますが、自身の力不足を身に染みて感じてつらい思いをする人も少なくありません。

さらに、国家試験に向けた勉強は生やさしいものではないため、プレッシャーに耐えながら地道な努力を続ける必要があり、精神的な強さを求められます。

保健学部の楽しいことの口コミ

  • 同じ目標を持った仲間と知り合い、仲良くなって支え合っていくことができる。
  • 先生方が熱心で、ていねいに教えてくれるので、やる気を持って授業に取り組むことができました。
  • 将来役に立つことを学んでいるという実感が持てるので、大学生活全般に充実感がありました。

保健学部のつらいことの口コミ

  • 実習中は自分の力不足を思い知ってつらい思いをすることが多かった。
  • 国家試験の勉強は長期にわたって努力し続ける必要があるので非常に大変。

保健学部の口コミ一覧

保健学部の就職先、業界、目指せる職業・仕事、進路

保健学部の就職先

保健学部で学んだ学生は、各学科で身につけた専門知識と技術を生かし、さまざまな道に進んでいます。

基本的に、どの学科でも専門分野に応じた国家資格の取得を視野に入れたカリキュラムが組まれているため、学生は国家試験に合格したうえで就職を果たします。

代表的な就職先は医療機関です。

大学病院や総合病院、診療所、クリニックなどが挙げられ、看護師、臨床検査技師、臨床工学技士などになった人は、これらの場所でチーム医療の一員として活躍します。

また、作業療法士や理学療法士であれば、医療機関のほかに訪問看護ステーションや老人保健施設、特別養護老人施設などの保健・福祉関連施設もおもな就職先となります。

スポーツクラブやフィットネス施設など、スポーツの分野で力を発揮する人もいます。

最近では、行政職の公務員として地域に貢献したり、特別支援学校で障害児教育に携わったり、企業や研究機関で福祉機器や福祉サービスの研究・開発職に就く人も増えているようです。

このほか、さらに高度な専門知識を身につけ、研究者を目指すために大学院へ進学する人もいます。

保健学部の就職の状況と需要

作業療法士や理学療法士のような国家資格を取得した場合、医療現場からは一定の需要がありますので、ほぼ全員が就職していく状況になることが多いはずです。

ほとんどの学生が医療施設や福祉施設へ就職していくことになりますので、大学からの紹介や推薦も含め、サポート体制は充実している場合が多いと言えます。

一方で、一般企業への就職など、医療・福祉施設以外のところへの就職を希望する場合は、各自で対策を練る必要があるかもしれません。

保健学部の就職以外の進路

保健学部を卒業した学生の進路は、病院・福祉施設への就職が大半を占めていますので、就職以外の進路を選ぶ人は少数です。

中には、より高度な専門知識を身につけるため、大学院へ進学する人もいます。

その後、研究者や大学教員を目指して研究に打ち込み、専門性を高めていきます。

なお、理学療法士を目指す人の中には、スキルアップのために臨床の現場で働きながら大学院に通う人もいます。

大学院に通うことで論文を読み解く能力が高まり、学会での論文発表などを通じて人脈を広げることにつながります。

保健学部の就職の状況の口コミ

  • 国家資格を活かせる職場へ紹介してもらうケースが多かった。
  • 総合病院に就職する人がほとんどだった。
  • 病院以外では医療品メーカーや食品メーカーに就職した人もいる。
  • 医療・保健・福祉関係で何らかの職に就いた人が大半で、就職率は高かったと思う。
  • 資格さえ無事に取得できていれば、就職先がどこにもないという状況には普通はならない。

保健学部から公務員を目指せる?

保健学部を卒業後、公務員になる方法としては主に2つがあります。

1つは、国公立の病院へ就職する方法です。

国立病院に勤務する場合は国家公務員、地方自治体が管轄の病院に勤務する場合は地方公務員となります。

もう1つは、養護教諭として公立の小学校などで働く方法です。

公立校の養護教諭は地方公務員となります。

このように、保健学部で学んだ専門性を活かして公務員として活躍することができます。

保健学部の卒業生の感想

保健学部の卒業生の感想としては、同じ目標を持つ仲間として仲良く過ごすことができ、団結力が強かったと感じたとの声が聞かれます。

多くの人が理学療法士や作業療法士といった国家資格を取得することを目指しているので、入学してからも励まし合いながら努力し続ける雰囲気があるようです。

就職時に有資格者として仕事に困らない点は、保健学部の強みとして挙げる人が少なくありません。

また、医療や福祉の現場において人の役に立つ仕事を目指しているという誇りを持ち、前向きに努力できて良かったと振り返る人もたくさんいます。

保健学部の卒業生の感想

  • 学部自体が少人数なので学科も限られた人数になりやすいのですが、そのぶん仲良くなれたと思います。
  • 実習前後や国家試験に向けた勉強など、励まし合いながら団結して頑張っている感じがした。
  • 授業内容はそれなりに難しいので、入ってから努力し続ける覚悟が必要な学部だと思います。
  • 就職時には有資格者という点が強みになるため、仕事に就くこと自体はさほど難しくない。
  • 人のために役立つ仕事を目指しているという実感を持つことができ、充実した学生生活だった。

保健学部は「就きたい仕事」が明確になっている人が志望する傾向があります。

そのため、入学後も同じ目標を持つ人同士で励まし合いながら、充実した学生生活を送ることができるでしょう。

また、人の役に立つ医療の仕事を目指すことに誇りを持ち、実習や国家試験にも立ち向かっていく覚悟が求められる学部とも言えます。

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