言語聴覚士の仕事で難しいこと (体験談)

人間関係のむずかしさ

私はリハビリテーション専門の病院で働いています。ここは高齢者の患者さんが多く、とくに脳梗塞など脳卒中をわずらい後遺症で言語の障害をえた人が多くみられます。

患者さんによってリハビリの内容は異なるので毎日が勉強です。ここではとくに私が感じた患者さんやご家族と接するむずかしさについてお伝えしようと思います。

患者さんとの接し方

ある日突然、これまでふつうにできていたことができなくなり、「どうして自分がこんなことに」となかなか状況を受け入れられなかったり「いったいこれからどうなるのだろう」と強い不安を感じたりして心の状態が不安定になる方は多いです。

そうした方々の不安を軽くし、リハビリに前向きに取り組んでもらうことは、とても重要なことです。

そしてそれが一番難しいことと感じます。

言語療法は、コミュニケーションの回復を目的としています。比較的、症状が軽い方とはおしゃべりをすることがあります。

これまで社会でばりばり働いていた方が、いま、ことばに関する課題でつまづいている、ということは自尊心を傷つけられることもあるでしょう。

けれども、昔のお仕事や趣味など患者さんのお好きな分野から話の糸口がみつかることもあり、そのときとても良い表情をされます。

何か自信を持ってもらえることを探し、気持ちが前向きになってもらえるよう、普段から心がけています。

家族との接し方

外来で病院に来る患者さんの場合、リハビリ室でリハビリを受けられるのは週に1〜3日程度で、時間も1時間ぐらいと限られています。そのため、ことばや計算に関するプリントなど自宅でやってもらえる課題を出しています。

なかには、まったく課題をされない方もいます。付き添いのご家族に話をきくと「私たちがいくら言ってもきかない」そうです。

そんな時は、課題が多すぎたり難しすぎたりしないかなど見直したり、いま困っていることを伺って課題に結びつけたりします。

また、ご家族にも「病気になる前とは違うこと」「できるだけお話をすることが回復に役立つこと」を説明し、協力してもらえるよう努めています。

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