「あん摩マッサージ指圧師」とは

あん摩マッサージ指圧師_画像

東洋医学に基づく手技を用いて血行の流れを良くし、筋肉のこりや痛みを和らげる。

あん摩マッサージ指圧師は、身体をなでたり押したり揉んだりすることによって、血行の流れをよくし、こりや痛みを和らげる仕事です。

東洋医学に基づく施術であり、基本的には器具は用いず、自然治癒力や免疫力を高めることを目的として治療を行います。

「整体師」や「マッサージ師」とは異なり、「あん摩マッサージ指圧師」は国家資格です。

あん摩マッサージ指圧師の養成課程がある学校で3年以上(盲学校の場合は3年から6年)学び、国家試験に合格することが必要です。

かつては視覚障害者の割合が多い職業でしたが、現在では約2割程度となっています。

資格取得後は、個人経営の治療院へ就職する人がほとんどです。

数年間の修行を経て、独立をするひとも多くいます。

「あん摩マッサージ指圧師」の仕事紹介

あん摩マッサージ指圧師の仕事内容

東洋医学に基づき、手技を用いた施術をする

あん摩マッサージ指圧師は、手のひらや指を使った施術により、身体の血行の流れをよくし、こりや痛みを和らげる仕事です。

基本的に器具は使わず、自然治癒力や免疫力を高めることを目的とした東洋医学に基づく施術を行います。

あん摩マッサージ指圧師の施術は、肩こりや腰痛を軽減させるために行われるほか、スポーツ分野におけるコンディション調整、また美容やリラクゼーション分野でも取り入れられています。

また、あん摩マッサージ指圧師の行うマッサージは「医療擬似行為」となり、軽めの捻挫や打撲など急性のケガなどでは、医師の同意書があれば健康保険が適用されます。

あん摩マッサージ指圧師の就職先・活躍の場

治療院に勤める人もいれば、独立する人もいる

あん摩マッサージ指圧師の資格を取得した人は、病院のリハビリテーション科・整形外科やマッサージ指圧治療院へ就職する人が多いようです。

最近では訪問リハビリマッサージなど在宅医療の現場でも需要が高まっているほか、スポーツの世界に入ってアスリートのトレーナーとなる人もいます。

あん摩マッサージ指圧師に加え、「鍼灸師」や「柔道整復師」といった近い領域の国家資格を併せて持っておくと、提供できる施術内容の幅が広がり、就職の際に有利になるといわれています。

また、この資格を持つ人の特徴として、独立開業する人も多いことが挙げられます。

治療院などである程度の経験を積んでから自分の治療院を出す人もいれば、比較的早い段階で独立に踏み切る人もいるようです。

あん摩マッサージ指圧師の1日

患者さんと向き合う時間が長い

あん摩マッサージ指圧師は、病院や診療所、治療院、マッサージ店、介護施設、さらにはスポーツや美容関連施設など、多様な場所で活躍しています。

そのため1日の過ごし方や勤務時間は、勤務先や働き方によって大きく異なってくるといえます。

<治療院で働くあん摩マッサージ指圧師の1日>
8:15 出勤
8:45 朝礼
9:00 診療開始
12:30 午前の診療終了
15:00 診療開始
18:00 午後の診療終了
18:30 片付け・清掃
19:00 帰宅

あん摩マッサージ指圧師になるには

あん摩マッサージ指圧師の国家資格取得を目指す

あん摩マッサージ指圧師になるには、あん摩マッサージ指圧師の国家試験に合格する必要があります。

この試験は誰でも受けられるものではなく、まず受験資格を得るために、あん摩マッサージ指圧師の養成課程がある大学または専門学校で3年から4年学ばなくてはなりません。

養成施設では、解剖学や生理学などの専門科目と技術を学んで国家試験へと挑みます。

なお、「はり師」と「きゅう師」の国家試験とは試験科目の多くが重複していることから、同時にすべての試験を受ける人もいます。

これら3つの資格を取った人は「鍼灸マッサージ師」もしくは「三療師」と呼ばれ、就職にも有利にはたらくようです。

国家資格取得後は、病院や治療院、マッサージ店やスポーツクラブ、介護施設などへの就職を目指すのが一般的なルートです。

あん摩マッサージ指圧師の学校・学費

自分に合う養成施設を探す

あん摩マッサージ師になるためには、厚生労働省や文部科学省が認定したあん摩マッサージ指圧師の養成課程がある大学や専門学校に3年以上通う必要があります。

夜間過程を置く学校はありますが、通信講座で学ぶことはできません。

学費は、初年度納入金で見ていくと大学・短大は約180万円から200万円くらい、専門学校が約120万円から250万円くらいとなっているようです。

なお、あん摩マッサージ指圧師の養成学校には、同じ東洋医学の治療家である「はり師」「きゅう師」の受験資格を同時に得ることができるところがあります。

まだどの分野に進むか決めきれていない人や、将来は東洋医学のプロフェッショナルとして幅広く活躍したい人などが、これら両方の資格取得を目指しているようです。

あん摩マッサージ指圧師の資格・試験の難易度

合格率は8割を超えることがほとんど

あん摩マッサージ指圧師国家試験の合格率は、ほぼ毎年80%を超えています。

試験は筆記試験のみで実技試験はなく、養成学校在学中にきちんと授業を受けて、予習・復習もしていれば、問題なく合格できるレベルといえるでしょう。

養成学校では、国家試験対策の授業も行われています。

なお、あん摩マッサージ指圧師の場合、国家試験よりも養成学校に入学するほうが難しいという声も聞かれます。

その理由は、学校自体の数と募集人数が少なめとなっていることです。

まずはスタートラインに立つために、進学したい養成学校の受験対策をしっかりすることが大事だといえるでしょう。

あん摩マッサージ指圧師の給料・年収

独立開業しても成功するとは限らない

あん摩マッサージ指圧師の年収は300万円〜400万円程度がボリュームゾーンとなっています。

就職先は病院や治療院などさまざまな場所がありますが、指名数によって収入が増えるシステムを取り入れている職場で働く場合には、どれだけ多くの患者さんから指名を受けられるかが収入を伸ばすポイントとなります。

とくに訪問マッサージなどの場合は、基本給+歩合制になることが多く、頑張れば頑張るほど収入はアップするでしょう。

ただし、全体としてある程度の経験を積むと独立を目指す人が多く、高額な収入を手に入れている人もいます。

しかし、独立後は技術の高さはもちろんのこと、営業力や経営能力も求められるため、誰もが成功できるとは限りません。

あん摩マッサージ指圧師のやりがい、楽しさ

感謝の言葉が何よりの喜びに

あん摩マッサージ指圧師の仕事の最大のやりがいは、自分の施術によって、多くの人を元気にできることです。

最初に来院されたときはつらそうにしていた患者さんが、次第に元気になっていく様子を間近で見て、「先生ありがとう」と声をかけてくれたときには、日頃の疲れが吹き飛ぶほどの喜びを味わえます。

この仕事では技術を高めていくことが重要になるため、自分がスキルアップして患者さんのさまざまなニーズに応えることができたときにも、やりがいを感じられるでしょう。

あん摩マッサージ指圧師のつらいこと、大変なこと

正しい役割を理解されていないと感じることも

あん摩マッサージ指圧師は、きちんと国家資格を取得したマッサージのプロフェッショナルです。

本来、治療目的で人の体を揉むなどすることはあん摩マッサージ師の国家資格を得なければ行うことができないにも関わらず、一般の人々にとっては有資格者と無資格者の違いがよくわからず、無資格者が行うリラクゼーション系の店も含め、すべて同じ「マッサージ店」として認識されているケースも多々あります。

有資格者は開業が認められているものの、せっかく身につけた確かな知識や技術がうまく生かせずに、「開業しても食べていけない」と、やむなく廃業する人もいます。

あん摩マッサージ指圧師に向いている人・適性

一人ひとり異なる患者さんに寄り添えること

あん摩マッサージ指圧師が施術をする患者さんは、身体のどこかしらにつらい症状を抱えています。

一人ひとり異なる状態の患者さんと接し、会話や施術時の反応からどこか悪いのかを察知しなくてはならないため、観察力・洞察力にすぐれている人はこの仕事に適性があります。

もちろん、その前提として「患者さんを元気にしたい」という気持ちは欠かせません。

人と接することが好きで、健康に興味があり、自分が身につけた技術によって困っている人を助けたいと考えられるような人は、あん摩マッサージ指圧師に向いているといえるでしょう。

あん摩マッサージ指圧師志望動機・目指すきっかけ

あん摩マッサージ指圧師を目指す多くの人が持っている思いとしては「身体の不調に悩む人を助けたい」「健康に興味がある」といったものが挙げられます。

自分が病気に悩んでいたり、スポーツでのケガをきっかけにあん摩マッサージ指圧師の施術を受けて楽になったという経験から、この仕事を目指す人もいるようです。

また、最近では「手に職をつけて、年齢を重ねても働きたい」という思いを持つ人も増えており、社会人になってから改めてあん摩マッサージ指圧師になるための勉強をスタートする人もいます。

あん摩マッサージ指圧師の雇用形態・働き方

自分の時間を優先して選ぶことも可能

あん摩マッサージ指圧師は、正社員や契約社員、あるいはアルバイト・パートなどさまざまな形態で働いています。

最近では、介護施設やデイサービスなどの施設においては、派遣として働く人も増えているようです。

働く時間や曜日など、自分の希望に合う働き方を見つけることができるでしょう。

ただし、どのような雇用形態であっても、あん摩マッサージ指圧師として患者さんに施術をする場合には国家資格の取得が必要です。

あん摩マッサージ指圧師の勤務時間・休日・生活

営業時間に合わせて働くのが基本

あん摩マッサージ指圧師の勤務時間は、職場によってさまざまです。

病院や診療所に勤務する場合は、診療時間である9:00〜18:00くらいの間で働くことが多いでしょう。

マッサージ店や治療院の場合は、都市部を中心に、もう少し遅くまで営業するところもあります。

営業時間がとくに長い場合には、複数のスタッフが交代しながらシフト制で働くことも多いようです。

休日は、診療所勤務の場合は土日の週休2日制が基本となりますが、治療院や他のマッサージ店では、それぞれのお店によります。

就職した場合はある程度は規則的な生活スタイルになりますが、独立開業した場合には、より忙しくなるかもしれません。

あん摩マッサージ指圧師の求人・就職状況・需要

都市部を中心に、さまざまな場所で需要がある

あん摩マッサージ指圧師は、治療院や各種マッサージ店のほか、病院では整形外科やリハビリテーション科で需要があります。

スポーツクラブや実業団に就職をして、スポーツトレーナーとして勤務するパターンもあります。

また、近年とくに需要が増えているのは、介護施設・デイサービスなどでの「機能訓練指導員」としての仕事です。

さまざまな活躍の場があるため、給与や労働環境、勤務地域など、希望にあった就職先を選ぶことができるでしょう。

とくに、都市部では夜間営業をする施設が多く存在しているために、より多くのあん摩マッサージ指圧師のニーズがあるといわれています。

あん摩マッサージ指圧師の転職状況・未経験採用

夜間の学校へ進学して転職を目指す人も多い

あん摩マッサージ指圧師の現在が売り手市場であることから、転職はそこまで難しいことではありません。

社会人としてある程度のキャリアを積んだ人が、「手に職をつけたい」「独立を目指したい」といった理由から、他業種からあん摩マッサージ指圧師になる人も少なくありません。

そういったケースでは養成学校の夜間コースに進学するケースも多く、仕事を続けながら国家試験合格を目指すことができます。

国家資格さえあれば年齢などは問わない職場も多くあり、あとは本人の努力や熱意次第で、未経験からの転職も難しくはないでしょう。

あん摩マッサージ指圧師の現状と将来性・今後の見通し

国家資格取得者である強みはあるが、競争は厳しい

現代は「癒し」や「リラクゼーション」を求める人が多く、あん摩マッサージ指圧師の活躍の場は広がっています。

さらにこの仕事は美容分野でもニーズがあり、フェイシャルエステや美顔などを目的にしたお店では、女性のあん摩マッサージ指圧師を求めるところも増えてきています。

有資格者のいないマッサージや整体のお店が乱立しているなか、正しい知識と技術を身につけたあん摩マッサージ指圧師は、今後さらに信頼を集めていくでしょう。

一方、マッサージ関連の治療院や施術院の数は増加傾向にあるため、知識と技術を磨きつつ、業界の流れを察知して、必要ならば関連する他資格も積極的に取得していく向上心が求められるでしょう。