【2021年版】言語聴覚士の仕事内容・なり方・年収・資格などを解説

「言語聴覚士」とは

話すことや聞くことが不自由な人に対し、それらの能力を回復させるためのリハビリを行う。

言語聴覚士は、生まれつきの障害や病気などによって話すことや聴くことに不自由がある人に対して、「言語能力」や「聴覚能力」を回復させるリハビリテーションを行う職業です。

言語だけでなく、「食べること」や「飲み込むこと」ができないという問題についても扱います。

言語聴覚士になるためには、言語聴覚士の養成課程がある大学や短大、専門学校で3年以上学ぶか、一般の大学を卒業後、指定の養成所で2年以上学んだのちに、国家試験に合格することが必要です。

高齢化社会が進む現代において、需要が高まっている職業のひとつであり、病院やリハビリテーション関連施設をはじめ、自宅訪問の仕事も増えています。

ほかのリハビリテーション専門職である「理学療法士」や「作業療法士」、あるいは「医師」など医療従事職とも連携しながら、一人ひとりの患者さんにふさわしいリハビリを提供します。

「言語聴覚士」の仕事紹介

言語聴覚士の仕事内容

「聞く・話す」など、耳や口の機能についてのリハビリを実施する

言語聴覚士は、おもに難聴や言語障害、音声障害、嚥下障害(ものをうまく飲み込めない障害)の患者さんに対して、機能向上のためのリハビリを実施する職業です。

言語聴覚士が対象とする患者さんたちは、脳の障害やケガ、あるいは生まれつき言葉を発することが難しかったり、文字を理解できなかったりと、さまざまな苦労や不安を抱えています。

そういった人たちの症状の原因がどこにあるのかメカニズムを理解し、「言語能力」や「聴覚能力」を回復させるリハビリを行います。

加えて「食べること」や「飲み込むこと」に関する問題も、言語聴覚士が専門とする分野です。

ほかの医療職とも連携し、個々の患者さんに適したリハビリを提供

言語聴覚士が行うリハビリの具体的な内容は、言葉を思い出す訓練、自分の発話を聞き直す訓練、発語に関わる器官の運動訓練、摂食に関わる筋肉の強化、呼吸筋の強化、補聴器の調整など多岐にわたります。

一人ひとりの患者さんに適切なプログラムを実施するためには、「医師」や「看護師」などの医療職、また同じリハビリ専門職である「理学療法士」「作業療法士」との連携も重要です。

このような人たちとチームを組み、患者さん自身の自立や社会復帰をサポートしていきます。

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言語聴覚士になるには

養成課程を修了し、国家試験の合格を目指す

言語聴覚士として働くには、国家資格である言語聴覚士の資格取得が必要です。

言語聴覚士の国家資格を得るために、まずは高校卒業後、言語聴覚士養成課程のある短大か専門学校(3年ないし4年)、もしくは4年制大学に進学して、所定の過程を修了します。

その後、国家試験を受けて合格すれば、言語聴覚士の国家資格を得ることが可能です。

すでに一般の大学を卒業している場合は、2年間の言語聴覚士養成所の過程を修了すれば国家試験を受けることができます。

言語聴覚士養成学校の入学試験では、5教科からまんべんなく出題される傾向があるため、高校在学時から苦手科目を克服しておくことが大切です。

資格取得後は医療機関やリハビリ施設などで活躍

言語聴覚士の養成学校を卒業した人は、おもに病院やリハビリテーションセンターなどの医療機関で活躍しています。

このほか、デイサービスセンターや特別養護老人ホームといった高齢者向け施設、また訪問リハビリなどの介護・福祉領域で活躍する人もいます。

専門性が重視される職業であるため、実務経験を積みながら常に勉強し、新たな知識を習得していく姿勢が求められます。

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言語聴覚士の学校・学費

言語聴覚士養成課程のある学校で学ぶ

言語聴覚士になる方法はいくつかありますが、最も代表的といえるのが、高校卒業後、文科省および都道府県知事の認定した養成施設に進学するルートです。

養成施設の種類は、大きく「大学」「短大」「専門学校」があり、各学校とも3年~4年の課程となっています。

3年制の学校に進学すれば、4年制の学校卒業者よりも1年早く現場に出られるチャンスがありますし、逆に4年制の学校に通えば、時間をかけて専門的な勉強にじっくりと取り組みやすい点がメリットといえます。

いずれの学校を選択した場合でも、所定の養成課程を修了することで、言語聴覚士国家試験の受験資格が得られます。

また、言語聴覚士養成施設には定められていない、一般の大学卒業者の場合、指定された大学や大学院の専攻科または2年制の専修学校を卒業することで、言語聴覚士の国家試験受験資格を得られます。

社会人向けに夜間部を設置する学校もある

言語聴覚士の養成課程がある学校の特色はさまざまですが、基本的には通学制であり、通信講座のみで学ぶことはできません。

ただし、社会人として働きながら言語聴覚士の資格を取りたい人のために「夜間部」を設置している学校はあります。

実際、言語聴覚士はいったん社会に出てから、あらためて学びなおして国家資格取得を目指す人もいます。

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言語聴覚士の資格・試験の難易度

資格取得のためには、国家試験への合格が必要

言語聴覚士は国家資格ですが、決して、この資格がなければ仕事ができないというものでありません。

しかし、実際には言語聴覚士が活躍するほとんどの医療機関やリハビリ関連施設において、きちんと国家試験に合格し、資格を得ている人材を募集しています。

また、言語聴覚士国家試験を受けるには、指定された養成学校で所定のカリキュラムを修める必要があるため、非常に専門性が高い資格といえます。

ほかのリハビリ系資格よりも合格率が低め

言語聴覚士国家試験の合格率は、年度によって多少のばらつきがあるものの、60%~70%程度を推移しています。

この数字は、同じリハビリ系職種である「理学療法士」や「作業療法士」の国家試験合格率と比べると低い値です。

難易度は多少高めと考えておいたほうがよいでしょう。

とくに言語に関する分野は専門性が高く、直感的に理解しにくい領域であるため、苦手意識をもたないように十分な勉強が必要です。

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言語聴覚士の給料・年収

地域や勤務先によってはよい待遇で働ける

さまざまな民間各社のデータを参考にすると、言語聴覚士の平均年収は300万円~500万円ほどと考えられます。

同じリハビリテーション関連の職業である「理学療法士」や「作業療法士」と比較すると、わずかながら低めの水準となっているようです。

ただし、言語聴覚士はまだ需要に対して人数が足りていないとされるため、地域や勤務先によってはよい待遇で働ける可能性があります。

とくに大きな医療機関やリハビリ関連施設では、給与水準が高めで、各種手当や有給休暇、各種保険制度をはじめとした手厚い福利厚生を用意しているところがあります。

専門性が評価されれば収入アップのチャンスも

言語聴覚士の多くは医療機関で勤務していますが、最近では訪問リハビリ領域でのニーズが増しています。

医療関連の知識が求められる専門職であるため、豊富な現場経験を積んで、さまざまなケースに対応できるようになるほど、よい待遇で雇用されやすいです。

雇用形態は基本的に正社員(常勤)としての採用が中心ですが、なかには非常勤やパートで働く人もいます。

その場合、給料は通常「時給制」となるものの、経験や専門性が評価されると、無資格で働ける一般的なパートの仕事よりも高時給で働ける可能性が高いです。

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言語聴覚士の現状と将来性・今後の見通し

医療機関以外の場でも需要が増している

乳幼児から高齢者まで、多くの人々が言語聴覚士のリハビリテーションを必要としています。

ただし、言語聴覚士という職業(資格制度)は、1999年につくられた比較的新しいもので、まだ一般の人からの認知度がそこまで高いとはいえません。

人数も、ほかのリハビリテーション職に比べれば不足しているとされ、まだまだ活躍のチャンスはあります。

とくに、今後はさらなる高齢化社会が予測されるなか、病院やリハビリテーションセンターなどの医療機関以外に、高齢者向け施設など、福祉・介護系領域でのニーズが高まっています。

スペシャリストとしての高度な専門性とプロ意識が求められる職種であり、ほかの医療職とも連携して、一人ひとりの患者さんに対応する力が求められます。

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言語聴覚士の就職先・活躍の場

医療機関やリハビリテーション関連施設を中心に活躍

言語聴覚士の就職先としてまず挙げられるのが、病院やリハビリテーションセンターなどの医療機関です。

病院の診療科としては脳神経外科や耳鼻咽喉科、整形外科、このほか回復期病棟などで働く人もいます。

それらでは神経機能の低下による言語障害や嚥下障害、耳鼻科領域の疾患による聴覚の低下や、整形外科手術後の筋力低下による言語障害などのリハビリを担当します。

また、口腔外科や歯科医院でも、口の中の治療によって発語が難しくなった患者さんの機能を向上し、QOL(生活の質)改善のため、言語聴覚士が常駐していることがあります。

続いて、老人保健施設や老人ホーム、デイサービスセンターなどの福祉・介護施設に就職する人もいます。

こうした施設では医療機関とは異なり、リハビリの時間を確保されていないことが多く、利用者の方の日常生活に寄り添いながら訓練を行います。

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言語聴覚士の1日

目の前の患者さん一人ひとりを注意深く見守る

言語聴覚士の1日は、ほかの医療職と比較すると、急患への対応や、繁忙期などが少ないことが特徴です。

そのため、慌ただしく動き回るというよりも、リハビリ計画をきちんとこなしていくことが大切です。

1日の動きがあらかじめ決まっていることが多く、患者さん一人ひとりと向き合う時間も長めです。

ここでは、医療機関で働く言語聴覚士の1日の例を紹介します。

8:00 出勤
8:15 理学療法士や作業療法士とミーティング
10:00 言語訓練開始
12:00 患者さんの昼食付き添い・見守り
14:00 医師の回診同行
16:00 嚥下検査の補助
18:00 勉強会・ケースカンファレンスに参加後、退勤

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言語聴覚士のやりがい、楽しさ

患者さんの障害を軽減することがやりがい

言語聴覚士が専門とする「読む力」「文字を見る力」「話す力」「食べる力」「聞く力」などは、さまざまな理由によって失われたり、機能が落ちたりします。

リハビリテーションの現場では、ほかの医療職とも連携しながら各患者さんの状態を見極め、さまざまな検査器具を使いながら最も効果的な訓練法を考えます。

そうして実践したリハビリプログラムによって、患者さんの張力や言語能力が少しでも回復していき、患者さんの喜ぶ顔を見られるのは言語聴覚士にとって非常にうれしい瞬間のひとつです。

また、リハビリ業務は「チーム医療」が重視されます。

チームの一員として、個々のスタッフが自分の専門知識を存分に発揮しながら患者さんを多角的に見つめなおし、その後のケアに役立てることができることに、やりがいを感じている言語聴覚士も多いです。

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言語聴覚士のつらいこと、大変なこと

患者さんの状態を的確に把握し、地道にリハビリを続けていく難しさ

言語聴覚士が実施するリハビリは、すぐに結果が出ないことが多々あります。

一般的には、ある程度長期的な計画を立てて行い、患者さんへの訓練を通じて徐々に出てくる変化を正確につかみ、それを先につなげていくことが大切です。

ただし、言語聴覚士が接する患者さんは、話す力や聞く力が低下している人が多く、健常者と同じようにコミュニケーションがとれない場合もあります。

そのため、さまざまな手段を使い、患者さんの困っていること、不安や苦しみまでも理解しなければいけません。

とくに経験が浅いうちは、思うように患者さんと接することができなかったり、リハビリの効果がなかなか感じられなかったりして、苦労することがあるかもしれません。

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言語聴覚士に向いている人・適性

細かな変化に気づきやすく、観察力や根気強さがある人

言語聴覚士が担当する患者さんたちは、言語でコミュニケーションを取るのが難しい状態にあります。

言語聴覚士は、そんな患者さんの「言語以外で伝えようとしている何か」を少しでも多く理解するために、いろいろな視点から細かく患者さんを観察しなければなりません。

観察力があり、細かなことに気づきやすいタイプの人は、言語聴覚士に向いているといえるでしょう。

また、リハビリは1日や2日で絶大な効果が出るものではなく、長期間にわたって続け、機能回復を目指すケースも多々あります。

すぐに思うような結果に結びつかなくても、根気よく目の前のやるべきことに取り組める人、他者に対して思いやりの心をもって接することができる人は、言語聴覚士の適性があります。

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言語聴覚士志望動機・目指すきっかけ

職場体験やボランティアでの体験がきっかけになる人が多い

言語聴覚士という仕事は、同じリハビリ職の「理学療法士」や「作業療法士」と比べると、やや知名度が低い職種かもしれません。

こうしたこともあり、言語聴覚士の志望者は、はじめから言語聴覚士を目指していたというよりは、職場体験やボランティアなどでこの職業について知り、興味をもつケースが多いようです。

「話す、食べる」といったことは、人が日常生活を送るうえで非常に重要な動作です。

しかし、病気などでそうした機能が失われてしまう人がいることを知り、それに関するリハビリを実践する専門職である言語聴覚士に憧れたと話す人もいます。

志望動機をつくる際には、「なぜ、ほかのリハビリ職ではなく、言語聴覚士なのか」をしっかりと考えていくとよいでしょう。

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言語聴覚士の雇用形態・働き方

正社員雇用が多いが、パート求人もある

現代の日本では、高齢化にともない、聴覚障害や言語障害、嚥下障害で苦しんでいる人、困っている人の数も増えてきているようです。

そうしたなか、言語聴覚士のニーズは医療領域のみならず、福祉や教育の領域などまで広がりを見せています。

国家資格をもつ専門職として、正社員など安定した待遇で雇用されるケースが目立ちます。

「看護師」など、ほかの医療職と比較すると夜勤が少なく、長期間にわたって働き続ける人もいます。

育児と仕事の両立にも理解を示す職場が多く、育休や時短勤務などの制度を活用しながら女性も多く活躍しています。

また、パートや非常勤などの雇用形態で働くことも可能です。

リハビリ施設などでは「午前のみ」や「午後のみ」で求人が出されることがありますし、フルタイム勤務が難しい人でも自分に合う求人を見つけられるでしょう。

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言語聴覚士の勤務時間・休日・生活

夜勤が入るケースは多くなく、規則正しい生活が送りやすい

言語聴覚士の一般的な勤務時間は8:30~18:00前後で、いわゆる「日勤」で働きます。

1日の実働時間は正社員なら8時間前後、パート勤務だと1.5時間程度からOKというところもあります。

急患の対応がほとんどなく、決まった時間内で規則正しく働きやすいことが特徴です。

残業時間は職場によって異なりますが、突発的なトラブルが発生しない限り、さほど多くありません。

休日も多くの職場で週に2日、月に8日前後は事前に決められたとおりに取得できるため、プライベートも充実させやすいでしょう。

ただし、言語聴覚士としての知識や技術向上のため、休日にも自主的に勉強したり、研修会に参加したりする人もいます。

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言語聴覚士の求人・就職状況・需要

医療機関の求人が多数だが、それ以外の場でもニーズがある

言語聴覚士の約8割は、病院やリハビリテーションセンターなどの医療機関で働いているといわれています。

実際の求人も医療機関からのものが非常に多くなっており、「国家資格取得後、ファーストキャリアは病院勤務」といった人が多いです。

高齢者社会が進むにつれ、加齢や脳障害による言語障害、聴覚異常、嚥下障害を抱える人も増えており、言語聴覚士のニーズは高まっています。

最近では福祉や介護領域の求人も徐々に増加傾向ですし、さほど例は多くありませんが教育領域の施設等でも求人が出ることがあります。

キャリアパスが広がりつつあるため、どのような場で患者さんと向き合いたいかをよく考えて、就職先を探していくとよいでしょう。

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言語聴覚士の転職状況・未経験採用

国家資格取得のために時間がかかることを頭に置いておく

言語聴覚士は「リハビリ専門職」という特性上、経験を積めば積むほど重宝される人材になれます。

資格取得者数も決して多くないため、ある程度の経験があれば、転職は難しくないでしょう。

なかには別の医療職、あるいは福祉職などから、言語聴覚士への転職を目指す人もいます。

医療や福祉に関する知識やスキルは、言語聴覚士になってからも生かせる部分があるはずです。

一方、まったく医療などとは関係ない未経験からの転職となると、やや転職のハードルは上がります。

いずれにしても、この職業は現場で働くために国家資格の取得が必要なため、資格をもっていない人は、まず言語聴覚士の養成校に通うことを考えなくてはなりません。

一人前になるまでに時間がかかることを想定して、転職計画を立てていく必要があります。

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