医療専門学校とは(読了時間:6分56秒)

医療系の職業・仕事はたくさんありますが、そのなかで医療専門学校はどのような勉強をすることができるのでしょうか。

このページでは、医療専門学校で学べることや、卒業後にどのような進路があるのかについて紹介していきます。

医療専門学校とは

医療系の職業・仕事はたくさんありますが、医療専門学校では、そのなかでもおもに国家資格が必要な「鍼灸師(はり師・きゅう師)」や「柔道整復師」「臨床検査技師」「診療放射線技師」などになるために必要な知識・技術を身につける勉強をしていきます。

人の健康に深く関わっていくこうした職業に就くには専門的な知識と正しい技術の習得が不可欠であり、それぞれの養成施設として定められた医療専門学校で所定のカリキュラムを修了することによって、国家試験の受験資格が得られます。

国家資格を取得すれば、その資格を生かして医療施設などへ就職し、プロフェッショナルとしてさまざまな人に検査や施術を行うことができます。

このほか、医療現場を裏方として支えていく「医療事務」や「医療秘書」といった仕事を目指せる医療専門学校もあり、幅広く医療に関わる仕事に就くための知識・技術を学ぶことができます。

医療専門学校で勉強すること、授業科目

医療関係の職業・仕事では、医学や人体構造についての専門的な知識が求められたり、独自の技術を用いることが多いため、医療専門学校では日々そのようなスキルを磨いていきます。

授業科目は所属する学科・コースによっても多少変わりますが、たとえば鍼灸師を養成する学科・コースであれば、解剖学や生理学などの基礎医学、東洋医学や「はり・きゅう」の施術の理論、臨床の基礎知識などを勉強します。

柔道整復師を養成する学科・コースでは、鍼灸師と同じような基礎医学をはじめ、柔道、運動学、リハビリテーションなどについても勉強します。

また、臨床検査技師や診療放射線技師、そして理学療法士作業療法士も、医学的な基礎知識のほか、専門的な機器の扱い方や検査法などを学ばなくてはなりません。

一方、医療事務や医療秘書の学科では、ビジネスマナーや電話応対、パソコンスキル、また医療事務を目指す場合には診療報酬明細書作成など、医療現場のスタッフとして求められるさまざまなスキルを身につけていきます。

なお、医療専門学校の授業の特徴は、講義による理論の習得だけではなく、実習の時間も多く設けられていることです。

学年が上がるにつれて実習の割合が増えますが、学校によっては1年次から臨地実習が行われ、実際に治療院や施術院に出向いて患者さんに対する接し方や施術のスキルを磨きます。

医療専門学校から目指せる職業・仕事

医療専門学校から目指せる職業・仕事は多岐にわたります。

代表的なものを挙げると、鍼灸師、柔道整復師、スポーツトレーナー、臨床検査技師、診療放射線技師、理学療法士、作業療法士、医療事務、医療秘書などがあります。

職業ごとに習得すべき知識や技術は異なり、希望の進路に応じた複数の学科・コースが設置されている医療専門学校が多いですが、すべての医療専門学校で上記の職業を幅広く目指せるとは限りません。

自分が将来どのような職業・仕事をしたいのかをよくイメージして、学校選びをしていきましょう。

医療専門学校の学費、費用

医療専門学校は、他の種類の専門学校と比べても、学費がやや高めに設定されているようです。

その背景には、医学に関する高度な専門知識を持った講師を雇うための人件費、研修や実習では用いる医療機器などの維持費などにお金がかかってくるといわれます。

また、医療系の勉強には専門書が用いられることが多く、学校で使う教材にお金がかかりやすいという点も挙げられます。

鍼灸師や柔道整復師、臨床検査技師、診療放射線技師、理学療法士、作業療法士の学科の多くは昼間部・3年制となっており、年間の学費は100万円~130万円程度、卒業までの学費は300万円~400万円程度がボリュームゾーンとなるでしょう。

また、学費以外には校友会費、教科書・テキスト代、白衣代、柔道着、学生保険料、実習用具代などが必要になることが多く、それらの合計で年間に10万円~30万円程度はかかってくるのが一般的です。

学費とは別で、卒業までに100万円程度かかってくると考えておいたほうがよいかもしれません。

学校によっては、奨学金や教育ローン制度を使って、無利息あるいは低利息で学費の貸し付けを受けながら卒業を目指すこともできます。

また、鍼灸師と柔道整復師の両方の国家資格取得を目指す人に対しては、学費が割引になるといった制度を設けている学校もあります。

医療専門学校の就職先、就職率、卒業後

医療専門学校から目指せる職業・仕事別の代表的な就職先、活躍の場は以下の通りです。

鍼灸師

鍼灸院や介護・福祉施設、リラクゼーションサロンへの勤務のほか、アスリートの体のケアを行うスポーツトレーナーとなって活躍する人もいます。

また、はり師ときゅう師には独立開業権があるため、自分で鍼灸院を開設することも可能です。

柔道整復師

整骨院・接骨院へ就職する人が大半を占めています。

このほか、鍼灸師と同じくスポーツトレーナーとして活躍したり、介護・福祉施設で高齢者に対して施術を行う人もいます。

スポーツトレーナー

医療専門学校で身につけた知識・技術は、スポーツトレーナーとして生かすこともできます。

なお、スポーツトレーナーが人の体に触れて医療類似行為を行うには医療系の国家資格が必要になるため、実際に第一線で活躍するスポーツトレーナーになるには、鍼灸師や柔道整復師の資格は不可欠とされます。

将来的にはスポーツチームの専属スポーツトレーナーとなったり、個人でアスリートと契約を結んで働いていくこともできます。

臨床検査技師、診療放射線技師

臨床検査技師は、病院や検査センター、保健所、製薬メーカーなどさまざまな就職先があります。

大手の病院は志望者が多く、倍率が非常に高くなるケースもあります。

一方、診療放射線技師は病院へ就職する人が多く、とくに中~大規模の病院が就職先の選択肢に挙がってきます。

理学療法士、作業療法士

総合病院や整形外科病院、高齢者施設、身体障害者センター、保健センターなどが主となります。

そのなかで、身体に特化したアプローチをする理学療法士はスポーツ分野で働く人も多く、一方の心身両方にアプローチする作業療法士は児童福祉施設や特別支援学級で働く人もおり、子どもから高齢者まで幅広い年代の人を対象とすることも特徴です。

医療事務、医療秘書

病院への就職が中心となりますが、医療秘書はそれ以外にも薬局や製薬会社、健康保険組合など多岐にわたる場所で活躍することができます。

医療専門学校の入試、志望動機、面接

医療専門学校の入試は、だいたい「一般入試」「推薦入試」「AO入試」の3種類の区分で行われています。

どのような区分に応募する場合でも面接はほぼ必ず行われており、そこでは志望動機が最も大事になってくるといってもよいでしょう。

医療専門学校から目指せる職業・仕事は複数考えられるため、自分が将来何をしたいのかをよく考え、その道に進みたいと思ったきっかけを振り返ってみるとよいでしょう。

全国にはいくつもの医療専門学校があるため、その学校を志望する理由を明確にすることも重要です。

医療専門学校のオープンキャンパス

医療専門学校のオープンキャンパスでは、一般的に、学校説明会、入試相談会、体験授業、教員や在校生とのトーク、学校見学などのプログラムが用意されています。

とくに人気があるのが体験授業で、そこでは実際に医療専門学校で行われる講義や実技などの授業を体験することができます。

医療専門学校は、目指す職業別に複数の学科・コースが設置されていることが多く、それぞれの学科に関する体験授業が行われています。

オープンキャンパスでは、専門学校のについてよく知ることができるのはもちろん、これから目指していく仕事に対する理解も深まるチャンスになるため、積極的に参加してみるとよいでしょう。

夜間の医療専門学校

多くの医療専門学校は昼間に学ぶスタイルとなっており、たいていの場合は平日・月曜日から金曜日までの週5日学校に通います。

しかし、一部の医療専門学校には「夜間部」も置かれており、そこでは平日の夕方から夜にかけて、あるいは土曜日や日曜日に授業が行われています。

夜間部は、1日の授業時間が昼間部に比べて短く、効率よく必要な知識・技術を身につけるカリキュラムとなっています。

日中に仕事やアルバイトをしている社会人やフリーターや、何らかの事情で夕方以降にしか通学ができないといった人たちが夜間部では多く学んでいます。

医療専門学校の髪色・ピアス

医療専門学校は他の種類の専門学校に比べると、服装や髪型などの身だしなみについては、やや厳しめといえるでしょう。

医療系の仕事では、何よりも「安心・安全」や「誠実さ」が求められてくるため、そういった意識を高めるためにルールを設けている学校が多いようです。

また、医療専門学校では実習の時間も多く設けられており、医療機関などの現場で実際に患者さんに接したり、すでに第一線で活躍されているスタッフとのコミュニケーションの機会も多くあります。

そこであまりに派手な髪色やピアスをしていると「この子はやる気があるのだろうか」と思われてしまう可能性があるため、専門学校としては「髪染め禁止、ピアス禁止」というルールを設けることもあるようです。

医療専門学校は全国にたくさんあり、目指せる職業・仕事もさまざまなものがありますが、医療専門学校によっては特定の学科しか置いていないところもあります。

医療系の勉強ができる専門学校を探す際には、各学校のカリキュラムや情報をよく確認してください。

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